126.《ネタバレ》 男は仕事に命を懸けなければならないのでしょうか。残念ながら共感できませんでした。子供の頃は純粋にプロレスが格闘技だと思い、獣神サンダーライガーを応援していました。 【いっちぃ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-04-22 14:09:04) |
《改行表示》125.プロレスに全く興味がなかったのでこの映画も完全無視をしていましたが・・ いやぁ全く、素晴らしい映画が眠っているもんです!昔は凄かったのに今では底辺のプロレスラー。自業自得といってしまえば身も蓋もないですが、ランディ(ミッキー・ローク)は真面目で正直な男だし人間の生き様としては非常に渋かった。いやシブすぎました。 しかしながら、この男は少々豪快過ぎる部分があり、酒で大失敗するシーンが描かれます。娘と会うのが嬉し過ぎて女と酒でハメを外すとかどんだけ子供なんだと。。いわゆる”人間としては最低の部類”といえますが、普段はプロレス仲間からは慕われており、近所のちびっ子たちと一緒にTVゲームで遊んだりする一面も見せ、純粋で真っすぐな人間的魅力というのも同時に描かれています。結果的になんとも味わい深い愚直な人間(ランディ”ザ ラム”ロビンソン)が形作られています。 この愚直でイライラするような男(漢)を脇で支えるのがストリッパーのキャシディ(マリサ・トメイ)で、こちらは風俗業=我が子に見せられない問題、年齢問題、プライベートと仕事の分離問題などの葛藤をウマく表現しつつ、ランディを裏で支えるポジションとして機能的に配置されています。 全編ドキュメンタリー風なので映画として良いのか判りませんが、風景やシーン、表情やセリフがいちいち心に入ってきます。音楽を徹底的に排除したことで観客とランディが一体になって共感できた成功例だと思います。私はミッキーロークのことをほとんど知りませんが、このシブさは役者の内面がにじみ出ているのは容易に想像できます。主演男優賞ノミネートは納得、いや、これほどシンプルで心に響く映画も珍しいので是非賞を取っていただきたかったものです。 女には受け入れがたい最高の男泣き映画を装っていますが、実は人間の本質を描いた超ヒューマンドラマとして、男も女も、プロレスが大嫌いな人間にも広くお勧めできる素晴らしい映画です。ラストの演説~試合~暗転の説得力は近年稀にみる素晴らしさでした。 【アラジン2014】さん [インターネット(字幕)] 9点(2022-08-13 12:22:43) (良:1票) |
《改行表示》124.《ネタバレ》 -The Wrestler- これは“レスラー”という職業であり、生き方でもあるんでしょう。 小さい頃プロレスは結構流行っていて、猪木VSマサ斉藤の巌流島の戦いとかあったっけ。だけどプロレス=八百長という先入観があって、あんまり見てなかったな。当時まだお子ちゃまだったから、“相手の技を(敢えて)受ける”美学を理解できなかったんだ。 グランジの登場した'90年代をディスるシーンは物凄く共感できるし、子供とファミコン(?)するシーンも良かった。エンディングに掛かるスプリングスティーン('80年代のスーパーヒーロー)の曲も素晴らしい。輝かしい'80年代の栄光と、時代と年齢の変化に対応できなかった男の悲しさ。演じたのがミッキー・ロークだから、より心に響く作品に仕上がったと思う。 '90年代に入りパッタリ出番の減った人気俳優ミッキー・ローク。甘いマスクがいつのまにかゴツゴツのお顔になり、時々映画内のキーパーソンとして出てくる“名前だけは知られている過去の人”だった彼が、まさかプロレスラー役で映画の主役を演るなんて、世の中不思議なものですね。 「もう充分だ、俺を抑え込め」心臓に爆弾を抱えたランディを気遣うボブ(アヤトッラー)の優しさ、20年ぶりに闘う友への気遣い。観方を変えると思いっきり八百長だけど、今の私にはこのプロレスの美学も理解できる。 ランディの目線の先にパム(キャシディ)は居ない。必殺技『ラム・ジャム』を出す決心をした瞬間の、運命を受け入れた表情。もしあの場でパムの姿が見えたら、ランディは違う結末を選んでいたかもしれない。 レスラー人生の最後。そして恐らく自身の最後を、ファンの期待に応えることで自分を納得させる不器用な生き様。 ストリッパーのパムもランディ同様、歳を重ねると厳しい仕事をしている。他の生き方を選べなかった不器用さに、お互い共感できることも多かったろうに。 ボクサーの第二の人生のスタートを観せてくれた“ロッキー”のエンディングとはまた違う、だけど同じくらい熱いものがこみ上げてくるエンディングでした。 【K&K】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-04-26 21:05:29) (良:1票) |
《改行表示》123.《ネタバレ》 ミッキー・ロークが盛りをとっくに越えた、老いをも感じさせるプロレスラーを好演。 家族を省みないできたせいで、娘との関係は最悪。 心を入れ替えてなんとか修正に努めるが、せっかく娘の凍てついた心が解け始めたかとおもったときに、大事な約束を酒に溺れてすっぽかして元の木阿弥。 とことんダメな父親で、人はそう簡単には変われない現実を突きつけられ、自分自身に失望したよう。 ファンよりも先ずは家族や愛する人だろうに自業自得というしかないが、最後はプロレスファンだけが心の支えで、命を投げ打ってでもそのファンに応えようとする姿が切なすぎる。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 5点(2020-12-26 01:48:41) |
《改行表示》122.《ネタバレ》 この映画に描かれるものは、主人公の過去の栄光にしても、凄惨なプロレスシーンにしても、悲哀に満ちた現在の状況にしても、とにかく非常にリアルなものに感じられた、というのが第一の感想(ドキュメンタリチックな撮り方も効果的だったと思う)。主人公の人生にそのリアリティがある分、例え身体が限界を迎えつつも彼の人生はこう生きるしか無いのだ、ということも、正に重く重く理解できた、のだが… だからこそ、その自己破壊的な生き方を乗り越えて未来を生きていくランディが観たかった、というか。正直、前半の出来があまりにも良かったせいで、ちょっと感情移入しすぎたのかも知れない。このラストは、私には少し辛過ぎた。 ミッキー・ロークとマリサ・トメイの素晴らしく魅力ある演技を含めて、極めて出来の良い映画だと思うが、上記の理由から(本来の点数から1点引いて)この評価とさせていただきたい。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-06-10 22:24:31) |
《改行表示》121.めちゃ深い映画。 年老いてもプロレスで会場を沸かせる一方、娘との不和、貧窮、恋などリング外で待ち受けるのは厳しい現実。それは目を覆いたくなる程のリアリティで描かれるプロレスで負う傷や病気よりも痛々しい。そんな辛い現実と寿命を確実に縮めるが華やかなリングのどちらが自分のステージなのか葛藤する主人公。 プロレスにはどちらが善玉でどちらが悪玉かというシナリオが決まっているが、現実世界にはそんなものは存在しない。 ”名前”が人生において選択した道を表現している点も深い。 【whoopi】さん [DVD(字幕)] 9点(2020-03-25 13:32:27) (良:1票) |
120.《ネタバレ》 ミッキーロークの復活作。そして、孤独の男の哀切物語。今の自分には辛い。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 6点(2019-01-25 22:00:58) |
119.《ネタバレ》 切なくて、悲しい映画ですなぁ。全てを失った男の想い、試合前に言った言葉は素晴らしい、そしてのラスト。この辺のもってきかたはうまいなー。彼の全盛期をリアルタイムで観てきた者にはなかなか「くる」ものがありましたネ~こんなに人は「変わって」しまうのね、とちょっと考えたり。まぁ人生いろいろです、ほんと。男の生き様映画として上位に入ると思いますよハイ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-08-16 16:09:25) |
《改行表示》118.《ネタバレ》 プロレスラーという職業の華々しさと犠牲を描いているんですけど、主人公に共感できないです。 いろいろあるのは分かるが、本人がダメな人間なだけで、プロレスラーという職業のせいではないと思うんだが・・・ 生きるのに不器用な男で、感情に素直で、好きなように生きているだけ。 それが男ってモンだろ、ってのがこの映画の主旨かもしれないが、それには同意できない。 【Keytus】さん [インターネット(字幕)] 5点(2018-08-16 00:03:16) |
117.《ネタバレ》 この映画からしばらく「俺達には結局これしかねえんだ」系の映画がたくさん作られることになります。ハートロッカーもそうでしたし、エクスペンダブルズは俳優の生きざまとしてそう作られていました。80年代の明るい文化へのオマージュが散見され、子供のあこがれのはずだった自分や仲間がゆっくりと古びていくのを見るのは、先進国の人口減少社会や、放送・出版などのレガシー化する業態に同情を感じます。内容は肉体的に痛々しく見ていられませんが、心理的な悲痛さだけでなく精神的な成熟をどこに求めるのか悩ましさがあります。主人公が父親としての自分を反省するつくりは、勢いのあったころのアメリカ映画の主人公が父親との邂逅を乗り越えようとしていたことと対照して見られます。 |
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《改行表示》116.なんとも孤独感に押しつぶされそうで心の痛さがひしひしと伝わってくる。 あらためてプロレスラーは難しい職業だ。 技を受けるショーであるために体は鍛えるがメンタルはそう鍛えられるものではない。 長い人生ずっと栄光ではいられない。転落しても尚もがきながら生きる一人の人間の物語として非常にリアリティである。 それにしても娘が哀れ。ファンに愛されるが娘に憎まれる。彼の家族はプロレスファンだった。 |
115.過去に輝かしい栄光があるほど、衰えていく自分は見たくない。レスラーもストリッパーも必死に戦っている姿が、痛々しいほど。中途半端に娘との話を入れなくてもいいかと。 【noji】さん [地上波(字幕)] 6点(2017-03-13 14:13:23) |
114.《ネタバレ》 「あいつはもうダメ」系の作品は結構多くて、逆境をバネに復活しちゃうケースが多い(その頂点がロッキーかな?)んだけど、コレはダメなままもがいて終わり。謂わば、ロッキーの対極的な作品で、かなり痛々しい。プロレスは比較的選手寿命は長くて、一度人気が出ればそのまま行けるケースも多いし、60過ぎてもやってる人は多い。時代が飛んじゃうので主人公がなんで転落したのかがよくわからないのと、主人公が妙に前向きなので、不特定多数からの承認欲求から逃れられない人間の苦悩や葛藤、老いの苦しみみたいな所の表現が弱いかな。すべての人間は死刑囚なので、死刑執行までどのように生きるかの選択は各々なんだけど、これもひとつの生き方かなと。が、テイストは違うが大河ドラマ的ロッキーに比べるとやはり見劣りはする。比べるのもアレなんだけど。 |
113.《ネタバレ》 この作品で主演がミッキー・ロークってだけで、もう見えてくるものがあるじゃないですか。いうまでもなくこの主人公は彼の人生そのまんまです。もっとも、こっちの主人公の方は、わずかに見えてきた新たな光もあっさり失い、負け犬人生のすべてを抱えてリングに戻っていきます。それをどこか暖かい眼差しで見つめている制作者の作り方も良い(一番の感動ポイントは、バトル中にこっそり主人公に声をかけるアヤットラー)。それに対抗すべく自らの肉体をさらけ出して見せたマリサ・トメイも立派。唯一の難点は、エヴァン・レイチェル・ウッドとロークの演技があまり合っていないこと。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 8点(2017-02-02 05:43:10) |
112.《ネタバレ》 プロレスに限らず、どのフリーランスにも当て嵌まるため他人事ではない。肉体の衰え(作家業なら創造性)は誰にも訪れ、特に過去の栄光に縋り続け、プライドが高いのなら尚更。特に娘の約束を忘れて破ってしまう件は血まみれハードコアデスマッチよりも痛々しい。主人公に共感できない人がいるのも当然だろう。それでも仕事と私生活を両立できない不器用な彼に対してある種の羨望を持っているのは事実で、ドサ回りでも彼に声援を送るファンを裏切ることが出来なかった。そういう世界でしか生きられない男のスピーチが胸を打つ。理解者のストリッパーにも去られ、失うものもない彼が死を覚悟したラム・ジャムは、他方からすれば愚かな破滅だが、本人からすれば最期までやり切った生存証明とも言える。それは非現実な世界を生きているか否か、何かを持っているか否かの違いか。落ち目のミッキー・ロークのためにスタジオと闘い続け、プロレスから辛辣な人間ドラマへと昇華させたアロノフスキー監督の着眼点と手腕を称賛したい。 |
【cogito】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-02-05 23:22:14) |
110.《ネタバレ》 ミッキー・ロークって、あんまり好きじゃなかったけど、これはよかったです。不器用でどうしようもない、過去の栄光にすがりついているダメな人間…。だけど、この主人公にとても共感できるものがあるんです。ラストにトップロープからのダイブで画面が暗くなり、エンディングロールで、ブルース・スプリングスティーンの本作のために書かれたオリジナルソングが流れるんです。「通りを這って進む脚一本きりの犬を見たことがあるなら、それは俺……」このワンフレーズが本作の全てなんじゃないかと思います。久しぶりにいい映画を見ました。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-12-28 22:21:12) |
109.《ネタバレ》 主人公の後頭部から追いかけて撮る方法で、実在のプロレスラーのドキュメンタリーを見ているよう。ザ・ノンフィクションで見るあれだ。感情移入しないわけがない。過去の栄光を味わった過去のヒーローが再起を賭けて奮闘するがなかなか思うようにはいかず。そしてその主人公がまたイイ奴ときてる。誰だって自然と応援してしまうし、自分と重ねてしまったりしてしまう技法だ。作戦勝ちのようなところもあるが、それだけじゃない。ミッキーロークであるところがまた凄い。それ自体も作戦なのだろうが。ミッキーロークの生きざまが映画を超えてかっこいい。80年代の彼を知っている者はみなその変貌に驚く。整形の失敗で過去の美貌は面影すらない。それでも現在の自分をさらけ出し、自分に重ねて落ちぶれた過去のヒーローを演じきった。昔の彼はとにかく美しかったが、今はかっこいい。今の方が大好きになった。 【ちゃか】さん [映画館(字幕)] 8点(2014-10-30 12:40:40) (良:1票) |
《改行表示》108.《ネタバレ》 プロレスを描いた映画の中では最高傑作であることは間違いない。スティングやあの辺の世代のスーパースターをモデルに、落ちぶれてどさ回りする現在のレスラーを演じるミッキーロークが本当にリアルに役作りをしたという感じがあり素晴らしい。もちろん、メインイベントを張っていたスーパースターが、さすがにここまでは落ちないだろうという気もしなくもないが、プロレス以外はてんでダメ人間というあたりから、日本でも安田忠夫みたいなのがいるので、ない話ではないだろう。 とにかく、ミッキーロークのやつれっぷりと迫真の演技が、最後の大技で、本当に死んでしまうんじゃないかとハラハラさせてくれた。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 8点(2014-09-05 13:19:35) |
107.そろそろダーレン・アロノフスキーに期待するのをやめたほうがいいかなぁと思っていたところにこれを見る。やっぱりこれからも期待しよう。 |