1.《ネタバレ》 いやー、これも酷い。
偶然にも、1940年度の日本映画を3本連続して観てしまった!
1940年度の日本映画にはロクなのがない。
どうにもこうにも救い難い内容。
癩病(ハンセン病)患者を強制収用していた歴史を持つ国は、世界広しと言えど日本だけだそうだ。
そんな実態を「イタイ」くらいに大真面目にうたっている本作。
無知が産んだ、日本の恥ずかしい過去を全力で見せてつけてくれる90分のお話。
癩病患者の人権を無視し、療養所に強制隔離した歴史の汚点を、爽やかに綴った、まさに恥ずべき映画。
無知な人間や社会は、ただ存在するだけで罪悪である。
「悪気はなかった」。
こんな言葉は絶対許されるべきではないのだ。
真面目だったからと言って、許してはならないのだ。
「真面目だが無知」な人間と「不真面目だが知識を持った」人間。
後者の方がまだマシだということを、本作を観れば分かるに違いない。
日本の恥ずべき汚点を雄弁に語った、日本映画史に残る問題作である。