37.《ネタバレ》 映画単品としての出来栄えは、結構良かったと思うんです。
でも「続編で、こういう事はやって欲しくない」と思えるような部分が多く、それが引っ掛かって、素直に楽しめないんですよね。
まず、主人公であるジャックとレジーが再び喧嘩してストーリーが始まっている時点で幻滅。
バディムービーである以上「喧嘩」→「和解」という流れにするのが無難ではあるんですが、それにしても本作は無理矢理感が否めなかったです。
何せ「実は前作にて、レジーはジャックの給料を盗んでいたのだ」なんていう、嬉しくない後付けが喧嘩の一因ですからね。
これには流石に(じゃあ前作のラストで、あんなに仲良くなっていたのは何だったんだよ)(レジーは盗みを働いておいて、しれっと友達面してジャックと別れたのか)とツッコんじゃいます。
「48時間」で積み上げたものをリセットするだけでなく、マイナスまで付け足されたように思え、どうにも居心地が悪い。
唯一、本作の敵であるアイスマンが「前作でレジーが盗んだ大金の持ち主だった」と判明する件には感心させられたのですが、精々それくらいでしたね。
目立たないとはいえ、前作からの同僚で何くれとなく協力してくれていたキーホーが黒幕というのも(えぇ……)という感じで、ひたすら困惑。
「これこれこういう理由で悪の道に走った」「元々悪人で、警官になったのは偽装工作の為」などの背景が一切語られず「善人のはずの同僚が黒幕だよ。驚いた?」というだけの仕掛けでしかないので、ちょっと褒めるのは難しいです。
そんな事をすればダレてしまうかも知れませんが、やはり最低限の義務として「アイスマンの背景」については語っておいて欲しかったところ。
そんな具合にストーリー面については不満も多いのですが、個々のアクションなどは(流石ウォルター・ヒル監督)と思わせるものがあり、良かったです。
ポルノ映画のスクリーンを破ってバイクが飛び出す(しかも飛び出す度に女優が喘ぐ)シーンは馬鹿々々しいけど笑っちゃったし、クライマックスの銃撃戦も、色々と派手なアクションを交えて盛り上げてくれています。
序盤にてジャックが撃たれるも「防弾チョッキのお蔭で助かる」という伏線があったものだから、当然レジーも防弾チョッキを着ていて助かるのだろうと思ったら「本当に生身のレジーを撃った」ってオチだったのも、驚かされましたね。
ラストにて、撃たれたレジーが仕返しとばかりにジャックのライターを盗み「これでおあいこ」と両者が笑い合う形で終わり、五十万ドルも無事に確保出来てと、ハッピーエンドな点も嬉しい。
評価が難しいのですが、とりあえず一定の面白さは感じられたし「観ておいて良かったな」と思えた一本でした。