★1.《ネタバレ》 「キングコング対ゴジラ」という夢の対決路線を継承した一作ではあるが、最初にいきなり(最強の)ジョーカーを出したため、本作ではスケールは逆に縮小してしまった感が深い。フランケンシュタインの名を冠してはいるが、メアリ・W・シェリー女史原作のモンスターとは無関係で大戦末期にナチスドイツが極秘に開発した生物兵器といった趣。カメラのフラッシュを浴びて(中途半端に)巨大化するのも甚だ荒唐無稽だ。しかも古畑弘二という痩身の俳優が演じる本作のフランケンシュタインが何ともナヨっちくて全然颯爽としていないのは或る意味致命傷だった。唯一の取柄が”怪力”という設定なのに画面に説得力皆無!しかもそれでいて死闘の末、怪獣(バラゴン)に勝つ!しかも高々とリフトアップしたりする。それならそれでシュワみたいなマッチョな男優に演じさせるか、全身ぬいぐるみにすりゃあ良かったろうに…。とは言え、見所は無くもナイ。先ずもって「巨人対怪獣」という図式を開拓したコトで円谷特撮不朽の名作TV番組「ウルトラマン」(翌1966年から放送)への呼び水となった点は特撮ファンとしては忘れる訳にはいくまい。次いでフランケンが水野久美に(だけ)なつく場面に限れば、先述の古畑のオドオドした演技が何とも哀愁を帯びて一つの「味」を醸し出していた、と言えなくもない。バラゴンが人間を襲い食う凶暴さも本家ゴジラ映画が忘れかけていた怪獣本来の怖さを思い出させて秀逸。重量感に満ちたバラゴンの造形は後に何体もの円谷怪獣へと改造された見事さだった。結局あれこれプラスマイナスした結果は…オマケして7点くらいかな? 【へちょちょ】さん 7点(2004-04-15 02:06:37) (良:1票) |