1.自分の点数は若干低めだけど、アレン好きの人には結構楽しめる作品だと思う。自分も会話自体は充分に楽しめたと感じた。
ストーリーは基本的にないと言っても過言ではなく、主人公ジェイソンビッグスを中心に、彼と恋人、先輩、マネージャー、精神科医との会話を楽しむ映画だった気がする。
しかし、会話が楽しい映画に留まってしまい、深みがある映画でも、魂がえぐられるような映画でもない。
テーマが「人生はそんなもん」なら、もうちょっと主人公ジェイソンビッグスの苦悩なり、人生に対する苛立ちのようなものを感じさせて欲しかった。もっとも、ジェイソンビッグスは彼なりになかなかいい演技をしていたようには感じたが。
本当は彼には色々と苦悩はあったはずだ。
彼女には拒まれて上手くいっていない上に彼女の母親に家に居候されて仕事を邪魔される。
役に立たないマネージャーと手を切りたいけど恩義もあり、マネージャーの生活もあり、手を切れない。
コメディ作家のアレンと新たな仕事の申し出があるけど、全てを捨てて、カルフォルニアで新しい出発をすべきかどうかと、悩んでいたはずだ。
これらの悩みを抱えて、至った結論が「人生はそんなもん」と感じさせなくてはいけないのではないだろうか。
コメディ色を強めた結果、どうにも軽く、印象に残らない映画になってしまったような気がする。