16.《ネタバレ》 タイトルと、ポスターと、キャスティングで、少々失敗した模様。
一番悪い奴は誰なのか? ← この疑問符があれば意味は通じるが それでもダサい
柔道のチャンピオンに見えないし、ポスターもコメディなのかドキュメンタリなのか意味不明。
ただ、この最低野郎を演じられる俳優って、人気俳優では少ないので綾野君は偉いとも思う。
で、中身はというと、スポーツ優遇で警察に入ったものの、仕事も出来ずオロオロしてたら
悪徳刑事の舎弟になり、悪の道へ。師匠が逮捕されて、代わって悪徳刑事のアタマになり、
更に道を外れて行く。廻りの刑事も上司も、そんな諸星を利用して点数稼ぎするから、もはや
歯止めは効かず、ついに協力者に裏切られ、大金持ち逃げされて一大事へ・・もうグチャグチャの展開へ
「銃器の取り締まりで成果を出せ」と責められた道警の面々、「普通に捜査したって、1丁も出ないよ」は
本音なんだろうな。別件でガサ入れで偶然発見とかならまだしも、後は命がけの潜入か、スパイを使うしか・・。
それでも結果出さないと、立場がヤバいとの理由で、「警察官が銃を買って来て押収した事にする」という
「ヤラセ・捏造」が横行していくという、本末転倒な警察組織への変貌。
銃を買う金が足りないからと、麻薬の販売で資金調達に至っては、もはや魑魅魍魎の組織へ・・
最後は、自分も麻薬常習者になり、逮捕されてしまうが、回りや上司の多くは逃げ切ってしまう。
恐ろしいのは、破綻のキッカケになった自首したスパイが、留置所で自殺した事になってる件。
警察内部のヤミの力で、口封じされたとしか思えないトコ。ここは背筋が寒くなった。
まあ、元が実話なのでストーリーはさておき、端々のコメディ調の音楽がどーなのか? 女性との
性行為のシーンがしつこい。Vシネマかと思った。 それでも諸星がダークサイドへ転落する動機や
「軽率な判断力の持ち主」を象徴した音楽だったのかも。
良く「事件が起きてからしか役に立たない」と警察は言われるけど
「事件が起きる前の捜査」は非常に難しいという事を、考えさせられる映画だった。