20.動のVol.1に対して、静のVol.2。2作品に切り分けるのも納得。悪ノリにゲラゲラ笑ったVol.1とは違い、役者の演技とセリフと間を楽しむ作品だった。私はまだ精神的にコドモなのでVol.1のほうが好きだが、もうちょっと落ち着いたらこっちのほうが断然よくなるんだろうなぁ。ただ、音楽が前作に比べ印象に残らないのが残念。落ちぶれたバドを好演したマドセンが、最高にカッコよかった。 【ダブルエイチ】さん 8点(2004-04-28 21:23:10) |
19.この映画に対してこの言葉はあまりに似つかわしくないが、エンドクレジットが終わると同時に受けた率直な感想としての言葉は「安堵感」であった。そう、それは鬼才クエンティン・タランティーノのタランティーノらしさに対する安堵感だと思う。いささか暴走気味であった前作を引き継ぎ、「キル・ビル」という一本の作品をまとめ上げる続編としてVol.2は非常に完成されていた。何と言っても、タランティーノ節と言える会話の中の緊張感に圧倒される。長い沈黙を経てタランティーノが打ち出したこの映画世界は、様々な映画に対するオマージュでありパクリだと言われる。しかしそこにあったのはそれらすべてを超越した凄まじいまでのオリジナルだったと思う。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-04-28 18:51:13) (良:2票) |
18.簡単に言えば「変な映画」、もうこれに尽きる。正直、このコメントに時間を費やすことさえ、バカらしくなってきた。 【ダージン】さん 7点(2004-04-28 02:08:12) |
17.《ネタバレ》 まぁ、よくここまで好き勝手に撮れたなぁ。今回も香港テイスト、イタリアンありで、タラはこの2本に大満足なんでしょうね。結局、ちょっとスケールの大きい男と女の痴話げんかって感じ。バドはブライドをあっさりし止めるのを見て、腐っても元一流の殺し屋を認識させたけど、あっさり殺されてガッカリ。エルにあげた飲み物の氷に毒を盛ってあって、解毒薬ネタでなにかするのかなぁと思ったんですが、エルの方が上手だっただけ?パイ・メイも毒くらい、香りや風味で感付いてもいいいいと思うんですけどね。タラお得意の能書き合戦も、長くて飽き飽きして退屈だった。今回は私には合いませんでした。ユマの老け具合と、ダリル・ハンナの相変わらずな美しさが対照的。ユマの方が10歳くらい若いはずなんですが…。で、本名を隠していた意味はなんなんでしょう? 【ロカホリ】さん 4点(2004-04-27 20:47:37) |
16.《ネタバレ》 結局は、ブライドとビルの、娘の親権を巡っての壮大な夫婦喧嘩、とでもいいましょうか、巻き添えを喰って死んでしまった人たちはある意味とてもお気の毒でしたね。しかし、殆どギャグの域に突き抜けかけていた前作とはうってっ変わり、今回は画面に切なさがみなぎっています。無論、壮絶アクションは健在ですし、タランティーノ監督の趣味爆裂のオマージュも全開。しかし、映画の中心にあるのは、ブライドの狂おしいまでの母性と愛、特にラストあたりの展開は、出産を経験したユマ・サーマンの思いが強く出ていると思いました。 それにしても、どうせなら、デヴィッド・キャラダインにもカンフーさせてほしかったなあ。「燃えよ!カンフー」なんてテレビドラマを覚えている人はどのくらいいるのだろうか? 【東京サンダ】さん 8点(2004-04-27 20:38:02) |
15.Vol.1は正直言ってギミックだけの駄作だと思っていたけど、このVol.2は傑作ではなかろうか?なんといってもうれしいのはタラちゃんの持ち味である語り口のうまさ、これが全開になって戻ってきていること。このとぼけたC調な会話術はほんとうにタランティーノの持ち味。日本ではコトバの制約があるからそうでもないけど、アメリカの劇場では爆笑に次ぐ爆笑なんではないかな。 アクションも細かいアイディアがいっぱいあって、たとえばトレーラーハウスの死闘では、狭すぎて日本刀を抜けなかったり、便器に顔を突っ込まれたエル・ドライバーがレバーを引き、水位を下げ一息ついたり(笑)こういう小技がVol.1にはいまいちなくて、ひじょうに大味だった。Vol.2は隅々まで考え抜かれていて、洗練された映画でしたね。 全体を通じていえることは、これはタランティーノ版「地獄の黙示録」なんだね。完結してみると、やっぱりこれは映画史に残りうるポテンシャルをもった快作でしたね。 【ウェルテル】さん 9点(2004-04-27 06:55:27) (良:1票) |
14.《ネタバレ》 ちゃんと映画撮ってやんの、タラさんたら。vol.1ほどぶっ壊れずに、割と普通にお話を追ってて、これは前作を受け付けなかったひとも割とすんなり楽しめるかも。爆笑度は前作より減ったけれど、にやにや度はアップしてます。タラさんやりたい放題。パイ・メイのチャプターなんてもう。早いズームインと、ヒゲをさすって”ひゅん”ってSEが入る度ににやにやしてました。もうこの微妙なまったり感は『ジャッキーブラウン』を思い出しました(実は大好きなんです、僕)。会話のやり取りがすごく心地いい。お話としてうまく着地できたとは決して思えないけど、楽しませていただきました。でも僕ちょっと閉所恐怖症なので、あのシーンは厳しかったです。トラウマになりそう。音がね、もうすごくヤなわけです。ダリル・ハンナはしかし最高だなあ!前回アイパッチに赤十字で悶絶したのに続いて今回も!かっこいいぜ!憎々しいぜ!マメにメモだぜ!あと、ユマ様!それは日本じゃ北斗真拳っていうんですよ!いつユマ様が”オマエハモウ、シンデイル!”って言うかと思ってドキドキしたじゃないですか! 【am】さん 7点(2004-04-27 00:37:10) (良:1票) |
★13.これ誉めちゃっていいのかなあ。レビューワーとしての良心は著しくとがめるんですけど、映画ファンのハートが「誉めて誉めて誉めちぎれ」と悪魔の声でささやき続けるんですよね。つい昨日、「コールドマウンテン」を「これは映画じゃない」とコキおろしたわけですが、じゃあ「キル・ビル Vol.2」は映画なのか、と。前半とつなぎ合わせて考えてもね、これってただのタランティーノの好きなものコラージュですよね。悪く言えばほとんど思いつきだけで出来ている。過去の作品にも十分あった傾向だけど、過激にエスカレートした結果、ストーリーもへったくれもない話になっちゃった。これが許されてしまうっていうこと自体が、タランティーノの実は最高の才能なんであって、普通こんなの絶対に許される物じゃない。言うなれば公開マスターベーションなわけですよ。実際、そういう映画ってけっこうあるし、たいていは誰からもハナもひっかけられない。ただしこの作品の場合は、あらゆるカットから監督の映画に対する熱い情熱がほとばしり過ぎてしまっているのが素人目にもあまりにもわかってしまうので、この狂おしいまでの愛情を誰も否定できないんだと思います。クライマックスだけあって前半のVol.1よりもはるかにテンポは良いし見やすいです。意見がハッキリ分かれた前作である程度客層が絞り込めた結果、劇場内は純粋なタランティーノファンだけで占められており大変雰囲気の良い鑑賞となりました。「Natural born killer.」とか、ビルの倒れるタイミングとかね、必要な場面でちゃんと笑いが取れてましたしね。この客層は本当に良かった。はっきり言って、タランティーノにある程度理解のある人以外は、見ても完全に無駄だと思います。これは彼の「好き!」だけに突っ走ってる映画だから、冷めた観客には通用しない。でも私は好きです。どこまでも、おつきあいしたいと思います。無茶苦茶で問答無用でセオリーもへったくれもないんだけど、これはタランティーノが本当に作りたかった映画。なんだかねえ、優等生みたいな人たちばっかり増えて、誰もがお利口になって行く中で、一人いつまでもガキ魂を失うことに決死の抵抗を続けている姿が泣かせてくれます。少なくとも、21世紀にはタランティーノがいる。これは大変な救いになっていると思います。 【anemone】さん 10点(2004-04-26 23:29:55) (良:4票) |
12.VOL.1のぶっ飛び加減からするとチャンとした映画しすぎてましたが、カンフーマスターは好いねぇ。エルドラとの死闘、ビルとの対決にもう1パンチ欲しかったかな、でも殺し屋同士の壮絶なラブストーリー、なるほどこれしかないかと思わされてしまう。あとエンドロール長すぎ。 【亜流派 十五郎】さん 5点(2004-04-26 19:11:00) |
11.1に比べるとかなり洗練されている。モノトーンの色調、セリフを交わすタイミング、静と動、真っ暗な映像、格闘シーンの短さ等もあるが、何よりも「1の幼稚さ」が消えているのには驚いた。一旦投げたスプーンを拾わさせる魅力が2にはある。場面に緊張感が出ている。唯一、パイメイがブライドの丼をブッ飛ばすシーン。あれは有り得ない。武術の達人が食べ物を粗末に扱うなんて。まあそういうところが足らん知能監督のB級らしさなのだろうが、そこだけ目についた。やはり鬼才なのか? 【デヘデヘ】さん [映画館(字幕)] 7点(2004-04-26 17:08:37) |
|
10.観た後、ボリューム1をまた観たくなりました。そしたらきっとまたボリューム2を観たくなるのだろう。すばらしいループ構造。ユマサーマンが一気に大人びました。美しい。2を観て改めて感じたのがルーシーリュウの存在感。彼女の白和服姿は本当に衝撃的だったのだ。それを含めて1での衝撃が強かったので、2ではその衝撃に慣れてしまい、半ばランナーズハイになっていた。もし2から観たらどんな感想を抱くのだろう。そのときもあの衝撃を食らえるだろうか。その辺がよくわからないから準満点。でももし繋がって4時間映画になってたら、肝心な最終章で眠ってしまうかもしれない。分割してよかった。1のラストのビルの台詞によって期待に胸が膨らんでいた半年でした。ステキな半年間を有難う。これからもすげぇ映画を創り続けてくだされ。個人的な要望ですが、ああいう生還のしかたするなら墓碑銘も「キャリー」にしてくれ(笑) |
9.《ネタバレ》 VOL1の何が不満だったかというとタランティーノ節の台詞回しがなかったこと。VOL2にはそれがある。もうそれだけで、最後のビルの語りだけで、この映画を観に行ってよかったと思う。これがなきゃタランティーノじゃない。そして「エルと私」でのトレーラーハウス内での決闘。アドレナリンが止め処なく溢れてくる。どうやら、タランティーノの天才ぶりは衰えるどころか、加速しているらしい。エンドロールにすら驚かされた。まさかあの人がサミュエルだったなんて・・・。残念なのは土中のシーンを臨場感を出そうとするあまりか、少し冗長に描きすぎていた事。それを差し引いてもVOL2はすごい。 【コーヒー】さん 8点(2004-04-25 12:42:57) |
8.Vol.1もそうだったけど点数とかになると難しいですね。ちなみにVol.1は9点ぐらいの感想でした。じゃあVol.2の方が2点分つまらないのかと突っ込まれると返す言葉ないですけど。多分2点の差は初めに見たかどうかということかもしれません。昨年Vol.1を観たとき結構衝撃受けたんですよ。こんな映画観た事ないって。そして他に比較すべき映画がないから時間内どれだけ楽しめたかの尺度でもって9点なんですけど、Vol.2は既に『キル・ビル』の息遣いというものを知ってしまってたから衝撃度はなかったです。デビッド・キャラダインを筆頭にセリフの妙味という意味ではこちらの方が上だとは思いますが、もっともっと整理してスッキリ爽快で且つ斬新性も兼ね備えた映画をタランティーノは作れるはずと勝手に期待して次を待ちます。 【トム&クルーズ】さん 7点(2004-04-25 01:36:18) |
7.1みたいなバカっぷりがなくて残念無念。。。でもアクションシーンすげえ、タクシードライバー思い出した、1と2合わせたら8点て感じ。エエよ。 【ヒロヒロ】さん 6点(2004-04-24 22:56:15) |
6.《ネタバレ》 先ずはじめに断っておきますが、これは断じて“名作”というものではありません。監督であるタランティーノがこよなく愛する作品を片っ端から寄せ集め、彼好みの味付けをしているのですから。そのため、ストーリーや設定は散漫であり、まとまりとしてはイマイチな感じを受けます。しかし、これはそれでいいんです。彼個人が好きな作品を自分の料理として出しているのだからはなっから設定どうのこうのと真面目に作ってるわけがないんです。自己満足映画と言われるかもしれないけど、満足しない映画を見せられるよりはずっとマシってモンです。で、今回はその娯楽映画タランティーノ風味第2弾。先ず驚くのが、先の方々も書いているが前作とはまるで雰囲気が違うってこと。前作が破天荒なアクション満載だったのに対し今回はサブタイトルの示すとおり前作では描ききれなかった各登場人物の描写が主体。しかし、やはりタラちゃん。ちゃんと前作同様、観客の求める映像は心得ておられる。似非仙人、パイ・メイの荒修行やエル・ドライバーとの死闘。そして最後のターゲット、ビルとの(言葉、刀)対決。あぁやってくれる。特にエルとの死闘は音楽を極力排し、彼女たちの体術のみで激しさを伝えるという手法はやはり素晴らしい。それにビルとの決着もそれ以前の言葉のやり取りからのすばやい刀対決、そして北斗十字斬…もとい五点掌爆心拳での止め、そして全てを受け入れたかのように自ら“死出の旅”へと発つビルにはこれぞ男の生き様!というものを感じる。残念ながらこれ1本で見た場合、やや力不足ではある。しかしvol1とセットで初めて本当の姿を現すキル・ビル。何度も言うが、これは決して良い作品ではない。しかし、娯楽映画としてみた場合、これほど遊び心、熱意を感じる映画も少ない。点数は1本の作品としては8点。しかし一連の作品としては文句なく10点である。最後に、エンド・クレジットが始っても決して席を立たず、きちんと“最後”まで見てネ(笑) |
5.《ネタバレ》 ウマ・サーマンよ、この俺を殺してくれ。さぁひと思いにバッサリと。 血と汗と涙の壮絶な復讐劇の果てに、ふと抱いた些細な夢想。 Vol.1と明らかにテイストが違うとか、映画の文法がどうとか、タランティーノはそんなこと微塵も考えていない。第一、俺はそんなものに感動しているのではない。スクリーンを通してヒシヒシと伝わってくるその魂に。そう心意気だよ、ココロイキ。だからこそ教会でブライドが見せる笑顔の輝きに惹かれ、生き埋めと暗闇の閉鎖感に潰されそうになり、パイ・メイの修行に燃えて、ワゴンカーでの鍔迫り合いに息を呑みながら、この『キル・ビル』にシビ・レルんだ。 『キル・ビル』にはワクワクが満ちている。一秒先への期待感が溢れている。これぞ紛れも無い映画体験だ。映画の喜びに満ち満ちている。客に笑みを、映画に拍手を。 頭の中の妄想をぶちまけたタランティーノは、恐らく世界一アタマの良いバカだろう。言うなれば天才バカボン。バカほど純粋な人間はいない。この冷めた世の中で、将来の夢すら持ちにくい現代で、一人の映画オタクが中学生のハートのまま天下を取った。それだけで無性に顔がニヤけてくるじゃないか。 先日ニュースで見たが、どこかの学者がメスのマウスだけで子孫を造る事に成功したらしい。もしかしたらこの世界に、もう男は必要ないのかもしれない。そう思ってしまうほど『キル・ビル』の女たちには胸が震える。ブライドもオーレンも、GOGOにもエルにも。そして残念ながら男たちは死に逝くだけだ。刀で斬られ、毒を食わされ、目玉を抜かれてツボを押されて。 そう、だから、だからこそウマ・サーマンよ、ブライドよ、ブラック・マンバよ、ベアトリクスよ、ママよ、この俺を殺してくれ。ひと思いにバッサリと、もしよければ必殺の五点掌爆心拳で。俺は血まみれの後ろ姿を、いつまでもずっと見続けていく。薄れ行く記憶の中で。霞みゆく瞳の先に。 【紅蓮天国】さん 9点(2004-04-24 20:35:25) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 VOL.1のアクション満載な破天荒な展開とは全く異なる重厚な雰囲気でじっくりと物語を見せる傑作VOL.2でした。正直、最初はあまりにもVOL.1とノリが違うのでとまどいも覚えたのですがVOL.1ではまず見られなかったブライドの内面と仇のビルの男女の切ないドラマが次々と出されていていつの間にか引き込まれて行きました。最後のビルとブライドの会話は近年観た映画の中でも屈指の名シーンでした。VOL.2を観終わった後でまたVOL.1を観るとブライドとビルの感情移入の度合いもまるで違うと思いますのでそれを確認してみたいです。あと残り二人の殺し屋との対決ですが、しがない用心棒と成り下がるバドはやはりブライドにしっかりと殺されて欲しかったなぁ・・生き埋め中のパイ・メイとの修業の回想がほぼ唯一、VOL.1の名残が見えて緊迫した展開にホッと一息つける所でしょうか・・。エルとの対決は短いながらもオーレンとの闘いより何倍も凄まじい迫力で興奮しました。そしてあの決着で妙に納得しました。ビルとの対決はその前のシーンである意味、対決していたのであの短さで十分でした。最後の五点掌爆心拳のキメ方は絵的に少しあっけなく見えたのでもう少しツボを突く1点、1点をしっかり見たかったです。VOL.1で見限った人はあの方向性がキル・ビルのすべてと誤解されてVOL.2を素通りしてしまう残念な事も考えられるのでやはりそういう意味でも1本の映画としてまとめて欲しかったと思ってます。9点はVOL.2を見て1本に完成したキル・ビルの点数にしました。 【まりん】さん 9点(2004-04-24 20:08:34) |
3.《ネタバレ》 試写会で見ました。サブタイトルに「Love story」とつけているだけあって vol.1 とは違う作品に思えます。壮絶なアクションシーンを期待すると肩透かしを喰らいます。でも全体としてタランティーノ作品として仕上がっているので満足です。だた一つ!ビルとの対決シーンの決め手となるシーンに不満があります。「反りが合わない」ということわざがあるように、日本刀はたとえ同じ名工が作った刀でも違う鞘には収まりません。打ち出した刀はすべて微妙に違いがあるため、刀の厚み・刀の反り具合に合わせて鞘を作ります。途中まで入っても収まることはありません。それを踏まえれば新たなシーンが生まれたかも… 【はやて】さん 7点(2004-04-18 16:11:36) |
【たま】さん 8点(2004-04-17 14:19:38) |
1.《ネタバレ》 【注!:一応ネタバレなしの方向で行きますが、ニュアンスはどうしても文章に出てしまうと思いますので、一切情報なしで見たい!という人は読まない方がいいです】この一本だけでは、どうしたって語る事ができない、というよりも、前作をしっかり見てる事が前提、みたいな映画でした。元は一本の映画だったのですから、まあ、仕方ないとしか言い様がないです。最初は「んん?なんか前作のテンションから繋がってこない・・・」って感じだったんですけど、途中から「ああ、やっぱり『キル・ビル』だぁ!」とひと安心。最後まで納得のゆく展開ではありました。ただ、その納得はあくまで前作からいっぺんに見た上でのもの。単体だと起と承の部分がないワケで、物語の配分的にやや不恰好な映画としての印象が残ります。なので、この評価は「キル・ビル」という1つの世界に対する総合評価、という感じですね。ともあれ、「バカ」をいい年した大人が真面目にやってみせるという姿勢に、私はがっつん!と共感をしてしまうのでした。いろんな映画の記憶を刺激して引き出してくれるパッチワーク。多分、もう二度とこんな映画が世に出てくる事はないでしょうから(少なくとも大予算、拡大公開という形では)、良識派の人達もどうかここはひとつ、大目に見てあげて下さい。 【追記】2度目を見てきました。あらためてインパクトを感じたのは4パートにも分かれたエンディング。「1」からの出演者ご紹介、ブライドがクルマを走らせるかっこいいモノクロ映像、「怨み節」パート、テクノ調サウンドのスタッフロール。ここだけ見ても1本の映画を連想するのは非常に難しいです。特に、ヨーロッパ映画風のモダンな画面構成に、中国人名が並び、「怨み節」が流れるパートは、一体どんな映画よ?感が強くって、ああ、これこそが「キル・ビル」って映画の本質をよーく表してるなぁ、と。タラちゃんの「オレの映画の総て」。映画オタクな人間として、「未知との遭遇」のエンディングで絢爛たるマザーシップの上に名前をバーン!と出したスピルバーグと並び、羨ましさすら感じるエンディングではありました。 【あにやん🌈】さん [試写会(字幕)] 9点(2004-04-17 06:31:29) |