148.本当に「男」を感じさせられる映画だ。
面倒な関わりをもたずに常に孤独であることを自らの掟として課しながらも、一方で誰かを求めてしまう。
人間が寂しい生き物だと改めて感じる。
これについてはデニーロだけでなくパチーノも同じだろう。
何度も離婚を繰り返しても破綻することが分かっていても誰かを求めてしまう。
激しい壮絶な銃撃戦もさることながらそういう「人間」の本質を描かれている点が素晴らしいと思う。
本作ではほとんどデニーロとパチーノ同じ人種の人間として描かれていたと思う。
自分の生き方は他人を不幸にしてもどうあっても変えられなく、自分の生き様を貫くことしかできない男達。
二人のプロフェッショナルは、一方は警官で他方は強盗であっても根っこは同じ。
根っこが同じだから、それがラストの握手に現れたような気がした。
それぞれの仲間が死んだが、二人にとって別に恨みも何もない、お互いがお互いのなすべき事をして、それぞれが力を出し切った結果でのこと、検討ハズレかもしれないけどスポーツをした後健闘をたたえあう姿にだぶってみえた。
主演の二人も良かったが、初めてヴァルキルマーが良く思えた。奥さんに見せた最後の笑顔もなかなか良かった。
パチーノは最初の方でちょっと軽い感じがしたが、映画全体のバランスを取っての事かもしれない、それとも表面の軽さと内に秘めた重さの二面性を表したかったのかもしれないけど。
二人のプロを描いた映画だが、疲労感や緊張感が詰まった本当のプロが作った映画とも言える。マイケルマンというもう一人のプロも忘れてはいけない。
出てきたと思ったらあっけなく死んでいく他の俳優陣もリアルで良いと感じた。