86.「生きる」とは。果たして彼は生きることが出来たのか。ひとつの仕事をやり遂げ、いくらかの市民に感謝された。しかし一方で、家族は彼の苦しみを知ることは出来たものの、理解したとは到底思われない。通夜の席での役所の面々の能書きにもただ黙って聞いているだけとは情けなさ。また同僚達もおなじで、彼のようになろうとは酒の席とはいえ言ったにもかかわらず、またもとのお役所仕事に戻ってしまう。死を宣告された時、自分の人生を振り返る者もいれば、死に屈してしまう者もいるだろう。また何もしなかった人生でも満足してしまう者もいるだろう。だが彼は後悔し、そして人生を取り戻そうと紛争した。そしてわずかではあるが満足感を得て死を迎えられた。周りがどう思おうが本人の問題であろう。歯車の一部と化してしまいがちな日々といかにして戦うか。命短し、恋せよ乙女である。 【wish】さん 9点(2004-02-22 12:35:10) |
85.後悔しないように、がんばって仕事しとけってことかなぁ... 【よしふみ】さん 7点(2004-02-21 21:52:04) |
84.自分自身が「死」を宣告されたときに、「死」について真っ向に向かい合う事が出来るんでしょうか?この映画の時に、その時初めて「生きる」意味を理解する事ができるんでしょうか?この映画から発生られるテーマは50年以上経った今も色あせることなく伝え続けている事に敬意を払いたいです。 |
83.いわゆる省略法で場面を飛ばし過去を追想する構成を確立させた 斬新さが評価の高さだと思いますが、ストーリー的には今一で 同じ仕様であれば、”デルス”のほうが評価は高くしたいです。 【キダム】さん 5点(2004-02-08 01:49:22) |
82.人は死んだら、その死因や生きた長さより、「その人はどんな生き方をしていたのか」というのが重要になる。渡辺さんが、仮に病気にならずミイラのまま人生をまっとうしたとしたら、はたして葬式でどんな会話がされていたのだろう。例え死ぬ間際に一花咲かせず、ミイラのまま生きていたとしても、それを否定できる人はいるのだろうか。この主人公がそうだったように、自分がどうやって生きればいいのか、誰でも一度は悩んだテーマだと思う。なのでインパクトが大きく強烈に伝わってくる。シンプルだけど大きいテーマに挑戦した監督は本当に素晴らしいです。でも、没後の回想シーンが長くて、渡辺さんの功績を称える展開が途中からやたら大袈裟に見えてきてしまうのが残念。そしてまったくもってセリフが聞き取り難い。良い映画なだけに、致命的。これが黒澤映画の味なんだからという贔屓目には解釈したくない。 【VNTS】さん 6点(2004-02-07 17:49:51) |
81.評価が分かれると思います。 あのような展開は斬新だったのか・・・? ちょっと難解です。 【T-zen】さん 6点(2004-02-03 14:24:56) |
80.生きていることの意味について描いた傑作。志村喬の熱演は涙を誘います。主人公の生きがいが家族ではなかったのはさみしかったです。レンタルビデオで観たのですが音質がすごく悪かったです。 【ぽじっこ】さん 7点(2004-01-25 09:11:51) |
79.先日、職場の健康診断で胃のバリウム検査をしました。結果は精密検査が必要とのこと。ガーン、目の前真っ暗。数日後、気を取り直し胃カメラ検査。見る限り何ともなさそう。その時、先生が「細胞を取って、悪性か検査します」と言って、カメラの先のピンセットみたいなもので胃の3箇所ばかりをつまんでピッ。ガーンまた真っ暗。血が出てるし、どうなるのか。結果が出るまでの2週間が長かったこと。当然最悪の事態も考えました。もしもの時は公園作ろうか・・・。で、おかげさまで悪性ではありませんでした。 【パセリセージ】さん 8点(2004-01-14 23:49:02) |
78.不朽の名作!半世紀前の作品なのに、現代の我々が直面している問題と何ら変わらないテーマの凄さ!監督のメッセージがひしひしと伝わってきます.. 物の見事に、生きることの何たるかを教えてくれます.. 主人公の歌う歌がなんとも切ない.. 【コナンが一番】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2004-01-14 16:49:44) |
77.《ネタバレ》 「生きる」とはどうゆうことか。この難解なテーマを内包した映画は多くあるけれど、ここまで明白にこの難問に取り組んだ作品は数少ないのではないでしょうか。その意味で黒澤監督が稀有な作家であることを証明する作品と言えるでしょう。小田切や小説家との出会い、さらには息子夫婦との関係の中で、主人公の老人が「生きる」までの心情を時間をかけて描き、見事に「ゴンドラの唄」に集約させていきます。冒頭では、胃のレントゲン写真にナレーションを付けて、物語のあらすじをほとんど教えてしまい、途中でまたしてもナレーションによって主人公の死を唐突に告げる大胆な構成。この構成によって、観客はこの老人の生き様をより客観的に見つめることになり、「生きる」というテーマを強制的に考えさせられるはめになります。市民課から始まって、公園課、ついには市会議員にまでに及び、最後にまた市民課に戻されるという、たらい回しのシーケンスの長さ、しつこさ、描写の上手さは、まさに出色の出来映え。さらに葬式の後、姿勢を改めたと思われた後任職員が舌の根も乾かぬうちに相も変わらずたらい回そうとする、この説得力。役人への強烈な批判とともに、真に「生きる」ことの難しさを巧みに指し示しています。ラストで、黒澤監督は子供たちの声を公園に響かせ、少しでも「生きる」ことができた老人へ賞賛を送ると同時に、あなたは「生きる」ことができますか、と静かに問いかけてきます。黒澤ヒューマニズムが最も如実に現れている傑作です。 【スロウボート】さん 9点(2004-01-11 18:42:38) (良:2票) |
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76.「死ぬことが分かって初めて本当の人生を生きる」というテーマは今ではありきたりだけれど,そんな現代にあってこの映画を観てみても,やはり心を動かされるのが不思議だ。余談だが私はこの映画を観て自分の進路を決めた。その時私は単なる映画でも人の人生を変え得ることと,単なる映画に影響されて進路を決める人間=自分が居ることに驚いた。率直に言って,私はこの映画をどう批評していいのかわからない。だが少なくとも私は,この映画には人を動かす「何か」があって,その「何か」のパワーは今でも健在なのだ,ということだけは言えると思うのだ。 |
75.最初のゴンドラの唄を歌う所での志村喬の目は本当にきれいで見ていて胸がつまる思いがする。あと志村喬自身はこの映画での自分の演技に対して「役者は演技をしてはいけない」と納得していなかったようだけど、僕はこの映画の言いたい事を言い出せない感じの志村喬は痛いほど共感できた。(自分がそうだから。) 【ボーリック】さん 10点(2004-01-06 23:59:09) (良:1票) |
74.今となってはオーソドックスな話だけど、黒澤映画はどうしてこう迫力があるのかね。 【MASH】さん 7点(2004-01-03 13:53:40) |
73.有名なブランコシーンに尽きますが・・・でも、今となっては、全体がいかにも古くさく間延びした印象もぬぐえない。評価のさいに、「昔の映画のわりには・・・」と言う前提を自分の中に露骨に設定するのは好まないので、この点数にさせて頂きます。 テーマそのものは、実にリアルに考えさせられてしまうものでした。ちょっと涙です。 【もえたん】さん 5点(2003-12-18 19:09:21) |
72.ブランコですよ、やっぱ。この映画のブランコで歌うシーン。ここだけでも心にジーン。どれだけ時間が経っても、いいものはいい!という事を感じさせてくれる素晴らしい映画です。個人的には黒澤映画で一番好きな作品。泣けます 【ぱおーん】さん 10点(2003-12-14 13:19:10) (良:1票) |
71.《ネタバレ》 主人公が物語の途中であっさり死んでしまうのが意外でした。後世に残る名作。 【ムレネコ】さん 7点(2003-12-14 09:56:30) |
70.レントゲンの写真から始まるなんて、オシャレなファーストシーン。黒澤作品は構成がうまいと思う。引き込まれて飽きることなく見れた。 【もちもちば】さん 7点(2003-12-10 02:59:26) |
69.畏れ多くも、志村さんのおおげさな演技が鼻についてしょうがなかった。死を意識するようになったらもう1度観てみたい。 【ぷりんぐるしゅ】さん 2点(2003-12-05 06:42:23) |
68.生きることの意味を考えさせてくれる映画。 余命少ないことを知り、場末のキャバレーで歌うゴンドラの唄。 命を尽くして初雪の降るブランコで歌うゴンドラの唄。 この対比は見る人全てに何かを投げ掛け、またそれを抑えた演技で演じきった志村喬は、名演中の名演と言い切っていいでしょう。 同じ唄、同じ景色、同じ世界でも、人の姿勢でその見え方は大きく変わるということを教えてくれます。見終わったとき、どうにもできない衝動にとらわれ、思わず外を全力で走った思い出も感想に加えます(^^ 映画は娯楽じゃなきゃいけない・・・という観念が僕にはあるのですが、素直に見終わったときの静かで強い衝動を点数にしたいと思います。 【おぎ】さん 10点(2003-12-04 13:58:44) |
【コダマ】さん 9点(2003-12-03 22:52:02) |