17.《ネタバレ》 ええとね、公開時に映画館で見たはずなんだけど、あまり記憶が無いのは、その時一緒に見た彼女にのぼせていたのかもしれないな。
ともかくも、竹下景子さんがきれい。かわいい。とてもいとおしく、山口百恵に似てる。それだけは4回目の鑑賞後でも変わらない。
彼女の代表作であると言いたいな。
でもこれ、ドラマとしては、SFというより、ポリティカルサスペンス。だよ。いやほんと。
元々の”青の血になる”という事はもうどこかにどんどん飛んでしまっている。しかもどんどん青血の人類は増えてゆくのに?
そっちの探求より、どこかの”陰謀者”は、それを理由に人々を隷属化する方向に進んでいると。しかも東西南北の国々がよ?
それどんな連中やねん? という探求にも全く至らない。国連の”秘密総会”なることで決まったという。
陰謀論云々より、「悪事も国連主導なハポン国」という状態も何かおかしいけど誰も言わない。いやどんだけ国連好きやねん!
ホンの段階で破上しているのに、延々とアメリカロケやらほんとに行ったかどうかのパリロケが続く。時折メインスポンサーのANAのロゴがちらと見えるのはご愛敬。しかしロケシーンは、ザ・ガードマンやプレイガールよりタイアップ感が無いのでまあいいとしようか。
シャシンとしての、顔アップ。モンタージュ手法というのかもしれないが、映画後半、沖退介(勝野洋)が西田冴子(景子タン)とウッフンするあたりから、役者たちの顔芸が細かくなる。だけど前半は、重厚な役者さんの怖そうな顔が短く写されているばかり。
あれだけの役者さんたちだから、ええ芝居してたのかもしれないが、あの切り方(編集)は無いわ。ほんとに木村大作のキャメラかよ?編集は黒岩さんだけど、監督の意図なのか?だとしたら前半は1点台の超駄作だな。
アーサーCクラークの「再会」という短編がある。それによると、「君たちの肌が白いのは病気だ、それはすぐに直せる」というショッキングな内容。UFOの光線を浴びて血液が青くなると、性格が温和になるという。それは「治療」だったのか?
赤い血の人類は好戦的であるから、「人類改良」の一環だったのか?
映画の最後、青い血が流れて赤い血にたどり着く。それは”人類の主役交代”そんな意味をも込めているだろうけど、いまいちだ。
それに全編通じて、国家権力の恐ろしさの表現がとにかくイマイチ。
南が資料を渡すときにホテルにいた3人の男。もっと怪しさを出せばいいのにな。笑うにしてももっとやさしくにこやかに。南が部屋を出たら急に表情が変わる。そんな演出は、、、巨匠は考えないのかねぇ。そういう演技はすべて天本さんが持っていった感じがあるな。で、その天本さんも後半は全く出ない。誰やねん?であるよ。
敵がわからない。ラスボスが見えない映画。政治的な比喩や皮肉が詰まりまくっているけど、理解するには人生経験必要なのかね?
時代かもしれないがやたら煙草を吸うシーンが多い。マッチもね。何かの暗示?とは思ったが、結局なんのひねりもないのよね。
松田優作の工藤ちゃんが参考にしたようなシーンはあるけど、ドラマ放映前だから、そっち向きのギャグじゃないよな。
俺なら兵頭がNYで南に渡した紙マッチと同じものを、東京のホテルの一室の3人に使わせるよ。
こいつらは兵頭教授を襲ったやつらの一味だと、南に悟らせる。まあ、悪者連中が強靭すぎてダイナミックな面白さに欠ける作品。
ロボトミー。この手術がどうのこうのは当時からも問題視されていたからね。時代性はそこくらいかな?
スジは最低点。シャシンもオッサンの強面アップも、悪編集でいまいち。ともかくも竹下景子さんのかわいさ100%でだけで、3点。以上。