130.この映画を、「ユージュアル・サスペクツ」や「レッド・ドラゴン」に見られる、表情を奪われた重症患者を語り部とする映画と比較してみた。前掲に見られるようなグロは一切排して、一人の人間の、魂の懺悔、あるいは後悔といったものを美しく表現している。肉親でないにもかかわらず、こういう患者を献身的に介護できる人間の感情が少しできたようにも思える。主演のレイフ・ファインズは、デーモン・ヒルに似ているな、と思いつつ(笑)、感情を抑えながら、一方では号泣でその心情を表現しているのは、少しアイデア不足か?とも思っていた。この人が「シンドラーのリスト」の、発狂少尉だと知ってビックリ。死に行く人間の蜻蛉のような命の美しさは、演技力で表現しているものだったのか。 【神谷玄次郎】さん 9点(2004-04-18 07:11:08) |
129.情緒たっぷりのメロドラマ。戦争に対して突き放したスタンスを保ち、過去と現在を交えながら徹底して個人の話が展開する。戦争や政治に関する妙な大義名分をおくびにも出さず、個人の感情に焦点をしぼったところがとても良かった。 【ラーション】さん 8点(2004-04-07 16:47:39) |
128.《ネタバレ》 妻に裏切られたジェフリーは飛行機で自爆死する。夫を裏切ったキャサリンは洞窟で一人寂しく息絶える。悲しみに暮れるアルマシーは全身火傷の上記憶喪失となり一旦記憶が戻るものの死んでいく。“禁じられた愛”により人生が狂いだし、いったん歯車が狂い出すと落ちるところまで落ちてしまう・・・。時に“愛”は恐ろしいものに変狼するものだなと感じた。 それにしても、スパイ容疑を掛けられたカラヴァッジオは気の毒でしょうがないし、自殺したマドックスは悲惨としか言いようがない。 |
127.外人の顔は、区別しにくくてよくわからんです。まあまあおもしろかったけど、不倫話っていうのは... ダンナの立場は? 【よしふみ】さん 6点(2004-03-21 22:24:16) |
126.やはり映像と音楽の素晴らしさ、そして自然の美しさ。戦時中のごく個人的な恋の悲劇的結末を芸術作品に昇華させたのはこれらがあってこそ。そして作品中に出会ういくつもの国の国民をめぐり会わせたのは戦争であるという皮肉。ゆえに観客は人間の運命に思いをはせることができるのかもしれない。命は限りあるものだから、愛する人と生きたいものだ。満点! |
125.この映画に対する皆さんの評価が、てんでバラバラというのがおもしろいですね。点数が4点から10点まで、ほぼ万遍なく散らばっています。単なるメロドラマとけなす人もいれば、格調高い芸術作品と褒める人もいる。私は、と言えば、この作品大好きです。確かに時間が長いんですが、観終った後、フルコースの高級料理を食べた後みたいに、満足感を味わいます。だって、それだけの時間があるからこそ、「現在」と、「過去」のふたつの物語をじっくり堪能できるんですよ。そして、最後にそのふたつの話が、ひとつに収斂していくあたりの高揚感が、本当に素晴らしいと思います。何度も観ていますから、冒頭、複葉機が砂漠の上を飛ぶ場面から、もう目がウルウルしてしまいます。もちろん、例の洞窟から出てくる場面では、怒濤の涙!あ、私これでも中年の男性です。 【とらおとめ】さん 10点(2004-02-14 18:50:17) (良:1票) |
124.《ネタバレ》 途中ちょっと長いなとも思ったけど、怪我をしたキャサリンを洞窟へ運ぶあたりから(ほんとにラスト近くですよね)自分の気持ちが一気に集中していきました。砂漠上空での飛行シーンがせつなさを増しています。ラストの音楽がなんとも言えない余韻を残してくれます。「愛人/ラマン」と同じ人が音楽担当だったんですね。あの映画も同じ感じで余韻が残ったので妙に納得しました。ジュリエット・ビノシュってたくましさもあり、不思議な色香もありですてきです。 【きょうか】さん 8点(2004-01-31 17:12:02) |
123.《ネタバレ》 フツー。な~んかほたるの墓に似てるし。だんなさんだけかわいそ。 【まおあむ】さん 4点(2004-01-31 12:22:09) |
122.名作と呼び声の高い本作ではあるが日本ではあまり受けがよくない。不倫は美化できない日本文化に対して、かなりの夫婦が離婚を経験するアメリカとの国民性の違いではなかろうか 【hrkzhr】さん 6点(2004-01-13 22:58:31) |
121.恋愛映画の一方、戦争を批判する映画でもある。戦前、主人公のアルマシー伯爵は英国のために地図を作っていたのに、自分の国籍を証明する書類を持っておらず、名前がドイツ的という理由だけで故郷の人間に敵国人扱いを受ける。助けを求めても、一人の人間としての尊厳は無視されて「国籍」が全てとなる異常さ。そしてそのために愛するキャサリンを死なせてしまう。終戦と現在進行形で進んでいる看護婦とインド人将校との恋愛がせめてもの救いを見せてくれる。インド人将校が不発弾処理に成功することにより、看護婦がそれまで怯えていた「自分が愛する人を死なせてしまう呪われた自分の運命」を乗り越えることができる。空の青と砂漠の黄色が印象的な、映像の美しい作品。 【みねこ】さん 8点(2004-01-10 23:15:02) |
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★120.飛行機のシーン、美しい。全体の構成がうまいのでこのシーンの美しさが際立っていると思います。ただしオトナのお話です。 【ETNA】さん 9点(2004-01-09 21:05:16) |
119.暑い砂漠なんですが、なんか乾いた寒さみたいなものを感じるんですよねー。ところで、どうも私は不倫映画が好きみたい・・・・。インド人が良かったという意見がありそうですが、私は平凡な意見ですが、最後のシーンで、戦争終わってよかった、と心から思いました。 【ぴよっち】さん 7点(2003-12-31 00:05:50) |
118.ラストは確かに切ない。かわいそうとも思う。しかしどうも持っていき方が強引な気がします。時間いっぱい使っている割に、あそこまで愛が盛り上がる過程を全く描けていないと思います。 【えいざっく】さん 4点(2003-12-27 16:05:54) |
117.テレビで監督が記者会見していたときのコメント「愛とは本来暴力的である、お互い被害者でもあり、加害者だ」というよな内容を言っていた。かなりこのコメントには納得した。当時彼氏とケンカが絶えず暴力もあった。お互い好きだけどうまくできない。殴られている私がいつも被害者だと思ってたが冷静になったり人の意見を聞くと、殴らせる私も悪く、そういう点で私も加害者だったのかな。相手を思いやり優しく包み込むあたたかいだけが愛の形ではなく、なんでか死に近づいていってしまう愛の形もあるということなんかな。心中とか、それも愛と言われれば否定はできない。いつも他の恋人同士のように穏やかな関係を望んでいたのにできない時ってあるみたい。今から思うと若かったからか純粋だったからか・・・。映画よりも監督?のコメントが今でも心にやきついております。 【さくら】さん 8点(2003-12-23 19:27:14) |
116.《ネタバレ》 しかし辛い評価多いですねえ・・・。 自分はここの辛い評価を見てから覚悟して観たので(笑)、言うほど悪くないかなと思えました。 冒頭はアクションシーンや、全身大やけどのイングリシュ・ペイシェントに、 不謹慎ながらフリークス的興味を感じ引き付けられました。 中盤は美しいロケーションや落ち着いた雰囲気で、うっとりさせられました。 中盤はスローテンポで退屈という声もありますが、それゆえに台詞の裏読みとか深読みとか、難しい発言も咀嚼できる猶予があってよかったと思います。 まあこれはロケーションとか雰囲気が自分の好みにあってたからよかったのかも知れません。 終盤になると結構怒涛の展開でスリリングでした。 恋愛シーンも良かったのですが、カラバッジョとインド将校とイングリッシュペイシェントの奇妙な3人男たちの心の通い合いもよかったですね。 惜しむらくはそのあたりの友情シーンをもう少し見たかったこと。 ハナは献身的でストイックで美しく、インド人も妙にかっこよかったです。 ここの古びた僧院で過ごした時間は彼らにとって癒しの時間であり、とても人生において貴重な期間となりよかったのではないでしょうか。 彼らがうらやましく思えました。 【コチョレ】さん 9点(2003-12-22 19:21:25) |
115.《ネタバレ》 ビノシュ側の話・・・つまり現在進行形の方のストーリーは面白い。愛した人が次々死んでしまう悲しみ、それでも希望をもって強く生きている彼女は魅力的。特に壁画を見せてもらうシーン。愛を語るでもなく、その聖なる壁画の美しさを介して二人は肌を重ねる。いや~美しい!ええシーンや!それなのに嗚呼・・・肝心のイングリッシュペイシェント側の話・・・映画の半分以上を占める回想が、とにかくもう面白くない!何がいけないって不倫カップルの間に『愛』を感じられないのが致命的。何故お互いが惹かれたのかも描写不足だしお互いでなければならない理由も見当たらない。愛欲ではなく肉欲に溺れているとしか見えない。挙句の果てには勝手に旦那が飛行機ぶっ壊して死んでくれちゃって都合よく彼女は洞窟に置いていかれ都合よく彼は捕らえられちゃって都合よく悲恋物語オチになる始末。それまでに大してドイツやらイギリスやら戦争やらを語ってなかったにも関わらず急に『"イギリス人の患者"と呼ばれた皮肉』だなんて言われても「はぁ?」である。全体で観ると3点にしたいところだが、ビノシュ側のシーンに免じて4点。あんな陳腐な過去話しかないなら回想モノにせずに、ビノシュ&過去を秘めた死にゆく患者の恋愛話にした方がまだマシだったんじゃないだろうか。 【ロビン】さん 4点(2003-12-20 22:32:28) (良:1票) |
114.どなたかも書いてましたが、洞窟から彼女を抱いて大泣きするシーンはなんとなく哀しい気がしてホロっときましたが、それだけ。。そこそこのテンションでずっと行くので退屈はしませんが、特に盛りあがる感情というのもありませんでした。。そして確かに長い・・ |
113.雰囲気は落ち着いて良いのだが、長すぎ。あまり感動もしなかった。 【mhiro】さん 6点(2003-12-07 20:18:58) |
112.《ネタバレ》 なんというか、フランク・ダラポン作をつまらなくしたような映画です。品のよい構成、長いけれど見せ所が忘れた頃にある小説のような感じ。アカデミー受けするいかにも賞タイプの作品。つまり、見てはいないけど、昔の戦争恋愛映画、ひまわりとかの種類と思います。苦手な部類なんですが、忍耐強く見てしまいました。というのはかなりストーリーが複雑で歴史背景や登場人物もわかりにくい、でも絵画のような映像と出だしからすごく品のいい感じでしたので・・シーツのうねる谷間は女性の体であり、その波は砂丘の模様となって中盤にまた現れます。脚本がわかりずらかったのに、洞窟から動かない愛する人を抱きあげ走る男に、わからんが悲しいぞ~!?と、泣いてしまった・・小説のような悲恋を見たい人、大河ドラマが好きな人、昔のヨーロッパ映画が好きな人にお勧め。 【アルメイダ】さん 6点(2003-12-07 11:16:49) |
111.《ネタバレ》 これだけ長々と果てしないストーリーを展開されて、最後の最後に単なる昼メロ不倫映画だったと気づかされることの驚き。顔もわからないほどに負傷した男性が従軍看護婦に語る身の上話の中に、戦争の愚かしさや虚しさを痛烈に告発する力強いメッセージを期待してしまった身としては、強烈な脱力感は残るものの驚きも感動も未来への希望も失わせるには充分な映画。こういう男をカラダを張って助けてしまったのがジュリエット・ビノシュだから別にいいけど、昼メロなら昼メロと最初に言ってよね、という感じ。唯一、ウィレム・デフォーだけが痛い個性を充分に発揮してくれたので3点。彼が出ていなかったら0点でもお釣りの来る映画。テーマは無限の退屈。 【anemone】さん 3点(2003-11-29 12:33:50) (良:1票) |