57.《ネタバレ》 大変に面白い映画でありました。ちょっと信じられないくらい凄い。粋なスピード感で押しまくるのかなと思ってたらフッと翳りのある場面が挟まれたり、抑揚のつけ方が抜群。落語ベースの喧騒の中で段々と集約していく物語の構成も素晴らしい。フランキー堺最高!ビシッと決まったセットやダイナミックなカメラワークにも目を引かれました。観賞後に幻のラストの事を知って、残念至極。そっちの方のラストを観たかったな。それで9点にしようかと迷いました。でもやっぱり10点!! 【マッイヤ~ン】さん [DVD(邦画)] 10点(2013-12-19 00:17:37) |
56.フランキー堺ってこんなすごい役者だったんだ。このテンポの良さが邦画っぽくなく、なんだか昔のハリウッド映画を観ているような気分になった。 【la_spagna】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-09-22 00:50:16) |
55.《ネタバレ》 幕末の品川の遊郭を舞台に、市井のバイタリティを描いた作品でした。群像劇の様相がやがて一人の男にフォーカスして行く。遊郭で無銭飲食した末に住み込みで働き始めたその男(=フランキー堺)は発想が柔軟で金銭感覚に長けおり、口は悪いが人情家。幕末を回天させた長州の志士とも渡り合う。歴史の表舞台には上がらない民間のヒーロー像を描こうとしたように思えます。彼は労咳を病んでいて、それが芯に秘めた強さと無関係ではない。複数の古典落語を原典としているらしいのですが、その辺りは不案内で、知識があれば違った楽しみ方が出来たのかもしれません。 本作は45歳で病没した川島監督の39歳の作品。製作当時の監督の想いと主人公像が被ります。川島作品は「風船」に次いで2作目の鑑賞でしたが、両作とも「生き様」に対してひと言ある作品でした。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-05-30 23:02:39) |
54.古典落語「居残り左平次」は内容を知ることがなく、「品川心中」「三枚起請」なども知らなかった。 序盤からいろいろな人物が入り乱れて混乱、早口すぎるセリフも半分ほどしか聞き取れずにイライラしながら見ていると、中盤からやっとフランキー堺の芸が分かってきて面白くなってきた。 最後まで落ち着くことのないドタバタ劇という印象。 あらかじめ知識があったり、時代劇が好きな人なら入り込めると思うが、素人の人はこれを喜劇映画の傑作だと思って期待しすぎず鑑賞することをおすすめしたい。 【mhiro】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2013-04-30 19:40:15) |
53.遅ればせながらデジタル修復版の存在を知り、初鑑賞。 川島雄三監督も初鑑賞。 軽快な喜劇でありながら、役者も美術も実に豪華。 正直、一度では人物関係が理解しきれなかったのだが、2回目でますます面白く、絵の端っこまで発見があった。舞台は今で言う飲食店でもあるので、食器の小道具や、役者たちの物の食べ方、飲み方、タバコの吸い方を見ていると、江戸時代はこんな生活だったのだろうという、ドキュメンタリー的なリアリティを感じる。 客室、台所、階段、桟橋などこの遊郭の美術空間が実に面白い。 海のそばで、御殿山の近くという地理も面白い。(googlemapで調べたら今はコンビニのあるビルであり、当時の面影もない) 昔の日活といえば、荒唐無稽なアクションや軽薄な青春映画というイメージを勝手に持っていた自分が恥ずかしい。巨匠は黒澤・溝口・小津ばかりではなかったのである。 こんな密度の映画が、山のように作られていた時代が今や信じがたい。 去年、デジタル修復版の上映が終わってからネットでこの映画の存在を知ったのだが、こういうリバイバルはどんどんやるべきだ。 自分は劇場で観られなくて残念だったが、日活の宣伝サイトのカラフルなイメージを観て、ものすごく観たくなった。懐古的ではなくまるで新作であるかのようなうまい宣伝だ。(フランキー堺ではなく、女優を全面に出したイメージもずるいけどうまい) 古い映画には今の映画には失われたものがある。今の時代に無いということは、今の時代に新鮮なものがあるということだ。こういう切り口で昔の傑作をどんどんリバイバルしてほしい。 創立00周年やら、生誕00周年といったイベントではなく、定期的にこういうリバイバルをやっていれば、きっと映画館はもっと面白くなるはずだ。 【どっぐす】さん [インターネット(字幕)] 8点(2013-02-13 00:19:44) |
52.登場人物が多く最初の方はごちゃごちゃして落ち着かなくせわしない感じだったが、中盤フランキー堺が活躍し始めて途端におもしろくなった。品川心中、三枚起請など落語の世界が映像化され痛快きわまると言ったところだし、さすがフランキー堺である。長州藩士も入っての大騒動になるかと思いきや、その方は・・・。石原小林の大スターを引っ張り出したのは良かったが、映画にちょっと溶け込んでいないような気がする。 ところで「起請文」といって今の若い人たちにはわかるのだろうか、ちと心配。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-12-02 07:05:27) |
51.《ネタバレ》 かつての華やかな遊郭を舞台に、グランドホテル形式で、今みても華やかなスターたちがきらびやかに出てくる、人を喰った味のある喜劇。 建物の意匠のおもしろさ(実在した相模屋に忠実だそうで)、遊郭の風俗、女優のきれいさ、男優のスターっぷりなど、まさに娯楽映画感がいっぱい。 監督の初期構想通りに、ラストシーンを現代(昭和32年)につなげていたら、最初の赤線廃止前の北品川の紹介シーンとキレイにつながったのに、とすこし残念に思う。 この映画公開の翌年は、東京タワーができて、皇太子ご成婚があって、などなど、あきらかに日本が変わる年。その前に、すでに滅んだもの、まもなく滅び行くもの、そしてこれからも変わらないもの、をカメラにおさめた監督の感性に、共感をおぼえる。 【せい】さん [レーザーディスク(邦画)] 8点(2012-06-26 00:30:35) |
【ホットチョコレート】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2012-04-08 10:09:02) |
★49.《ネタバレ》 <デジタル修復版>愉快、愉快。佐平次のような男は現代にもいるのだけど、こういう奴はどこに行ってもだいたい成功してしまいそうだ。無銭飲食しておいて居残るから「居残り佐平次」、ここから「お前さんにはずっと居てもらいたい」と言われるまで価値を高めていくんだから痛快だ。「墓を教えろ」とうるさい旦那が出てきてからは観てるこっちまで面倒くさくなっちゃうけど、それがあるから最後の全力疾走が気持ち良い。テキトー男が立派な訳ではないけど、人生を重く考えすぎず生きていけたら素晴らしい。「地獄も極楽もあるもんけえ、俺はまだまだ生きるんでえ」 フランキー堺はもちろん、左幸子、南田洋子の好演も光る。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-04-04 18:10:09) (良:1票) |
48.《ネタバレ》 古い作品だけあってところどころ聞き取りづらいシーンがあったのが残念。 テンポは抜群で登場人物のキャラクターも立っており、台詞回しも見事、痛快なストーリーにもかかわらずイマイチ面白くなかった。 最後の訛りが酷いおっさんにだけそれまでの狡猾さが嘘のように空回りするのも?だし、一貫して意外性のないストーリーだったのが減点対象になった。 【eureka】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-12-11 15:43:08) |
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47.《ネタバレ》 現在の混迷した日本社会を生き抜くためのヒントを与えてくれるような作品でした。 世の中の流れを読み取り上手く立ち回る才覚、しぶとさや粘り強さ、そして他人に頼らず頼られることにより未来を切り拓こうとする意思の強さ等々主人公佐平次の姿には共感するところが多かったです。そして、そんな主人公をフランキー堺が本当に見事に演じています。 【TM】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-01-29 15:58:25) |
46.フランキー堺が主演で、日活看板スターが脇を固めるという異色の時代劇。佐平次は口ばっかしのいやな奴だと思いきや、なにかとワルヂエを働かせて丸く収めたり人助けをして重宝がられます。裕次郎や二谷英明の侍はまださまになっていたが、小林旭と岡田真澄にはちょっと笑ってしまった。 【きーとん】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-08-09 00:22:46) |
45.《ネタバレ》 50年以上前の映画だが、落語のストーリーからの脚本で時代劇ということで、白黒であるという点を除けば古さをあまり感じず、なかなかよく出来たコメディである。 フランキー堺が素晴らしい演技力で軽妙なのに内面をしっかり表現しており、石原裕次郎や小林旭を脇役に据えるという彼らをスターとして推したい時期なのにありえない配役だが、人気や映画会社の都合で主役を選ばなかった事が、この映画の出来の良さにつながっている。 日本映画もやるときはやるじゃん。 【nobo7】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-07-01 01:36:20) |
44.《ネタバレ》 こりゃあダメでした。とにかく主人公が嫌い。口がうまくて調子がよく、舌先三寸で相手を丸め込んでは、ヘラヘラと笑って実のところ見下している。どうも、映画を見ているこちらまで小馬鹿にされているような気になります。こんな奴が現実にいたら、まったく厭ですな。で、ここへ来て落語を元に映画化したと知って、なんとなく納得。落語の語りならこのキャラクターでいいかもしれませんが、実際に人間が演じると嫌なところばかりが目立ってしまいます。この主人公ならではの物語なので、文字通りお話になりませんでした。豪華出演者は魅力ですが、二度と見たくないです。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-05-18 21:02:04) |
43.登場人物が揃いも揃って終始うるさすぎで、作品の空気も一本調子で、見ていて入り込めませんでした。フランキー堺の飄々とした存在感に4点。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-02-22 01:28:03) |
42.《ネタバレ》 現代の映像から始まったのと、初めのうちは登場人物の顔見せが続いたのとで戸惑った。しかも台詞がべらんめえ調で早口、時代劇を知らない者には馴染みのない語彙も多く、聞き取りにくいことこの上ない。 しかし物語が転がりだすと俄然面白くなり、最後まで一気だった。おそらくカメラが下手に動かないためだろう、すごく臨場感があって、まるで自分も相模屋の一角にいて一部始終を眺めているかのようだ。 たとえば廊下の場面で、手前で登場人物が戸口をくぐって画面から消えたかと思うと、映像はそのままで奥の別の戸から次のパートの登場人物が現れ――といった具合に鮮やかに視点が切替る。一つの建物のなかでさまざまな物語が交錯しながら並行して展開していく、それが目で見てわかる。 だからテンポよく複雑な筋書きが進むにも関わらず混乱しない、取り残されない。普通に考えたら密度の濃すぎる話を何気なく観せている。実はさまざまな面で高度なことをやってのけているのではないかと思う。 結末はあれはあれで味があっていいが、やっぱり監督の構想が実現したらと思わずにはいられない。そうであれば後味も明るく、力強い印象となっただろう。 そして惜しまれるのが台詞の聞き取りにくさ。時代劇も落語もさっぱりなので、この低レベルなハードルに最後までひっかってしまい、心から没入することはできなかった(巻き戻してもわからない!)。ちょっと哀しかった。台詞が多いから字幕も難しいだろうし……。 【no one】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-06-27 19:00:02) |
41.《ネタバレ》 談志さんの居残り佐平次を聞いたことがあったので、より楽しめました。それにしてもフランキー堺の圧倒的な魅力、これに尽きる映画です。とってもテンポよく痛快なのですが、唯一佐平次が咳き込むと、なんか現実に引き戻されちゃうというか、減速しちゃうというか。もっと突き抜けて欲しかった、という感じもある。 【ポテサラ頂戴】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-10-29 14:36:44) |
40.《ネタバレ》 何よりテンポがよいのが魅力。 主人公の明るさと生き抜くためのさまざまな知恵が見所。 複数の落語のエピソードを紡ぎ上げた作品であるそうな。 主人公を肺病病みにする必要はなかった。 肺病を治すために女郎宿で無賃宿泊をし、居残りを決めるという設定は理解できません。 昭和の無責任男のように、ただ飄々と生きてゆくさまを描くだけでよかったと思う。 人生の奥深さを描くなど、この映画には不要です。 最後のエピソードは平凡。 オチになっていない。 嘘をみすかれて逃げ出すように去ってゆくような男じゃない。 みんなが唖然とするような啖呵を切って出てゆかないと。 【よしのぶ】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-05-02 20:28:36) |
39.何が面白いのかよくわかりませんでした.映画にするほどの内容なのでしょうか?フランキー堺さんは,晩年の「・・・検事」やなんかの方が,よっぽどいい味出していたと思います. 【マー君】さん [映画館(邦画)] 3点(2008-03-30 14:51:09) |
38.落語に関する知識はほぼ皆無ですが(某連続TV小説も未見)、それでも単純に面白かったです。舞台を品川宿の一箇所に限定し、且つかなり多くの登場人物を次から次へと動かしているのに、決してダレたり単調になったりすることなく最後まで実にいいテンポで駆け抜ける。この問答無用の絶妙なテンポが、落語に疎い自分のような観客でも容易に楽しめる秘密なのかも。名作。 【とかげ12号】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-03-08 22:37:45) |