114.《ネタバレ》 この映画は、あれです。元祖ギャルゲー「ときめきメモリアル」です。
なぜか同じ1日をループする事になった主人公。
何度でもリトライできるため、女性は落とし放題、悪事はし放題、死に放題。
なにしろ何をやってもまた2月2日の午前6時からリスタートできるわけですから。
しかも前回の記憶も残ってるしそこで身につけたスキルも残っています。
ループを繰り返すたびに失敗を修正してなんでも可能にできるのです。
しかし、そんなにがんばってもメインヒロインは落とせません。
他の女は落とせるのに、ヒロインは例の「一緒に帰って噂されると恥ずかしいし」状態です。
拗ねた主人公は(なぜか)ピアノなどのスキルをあげ、街の人に善行を繰り返し、いつしか一日で街の人皆に称えられるスーパースターになりました。
すると、なんという事でしょう。
そこまでパラメータを上げた主人公に今度はヒロインが惚れて、そしてついにループから脱出する事ができたのです。
つまり、
同じ日常を繰り返してパラメータを上げながら個々のヒロインを攻略。
さらに全パラメータをカンストするほど上げるとついにメインヒロインが攻略できる…
まさにこの構造は「ときめきメモリアル」そのものです。
なぜ同じ日常がループするのか、なぜ突然クリアするのか、映画中には全く説明がありませんが、それも簡単。
ゲームの中だからです。
だってそう考えないと全く説明がつきません。
映画中になんの説明もないわけですから。
さて、そうなると問題は、そこまでパラメータをあげてやっと攻略できるメインヒロインです。
パラメータカンストしないと攻略できないヒロインとなると相当なレベルを期待するわけですが、実際はかなり脳みそお花畑なキャリアウーマンで、理想の男性のタイプにしても結婚相談所で「もっと現実を見なさい」と説教されそうな事を平気でのたまうような女性です。
どう考えても街に数多いるほかの女性の中にもっと素敵な女性がいそうな気がします。
その程度のヒロインのためにカンストするまでがんばるとか…全く努力にみあいません。
そしてそんなゲームの事を世間ではこういうのです。
「クソゲー」
そもそもこの映画の中で誰が一番得したのかをよく考えてみてください。
それは労せずして割と理想の彼氏をゲットしたメインヒロインです。
メインヒロインから見ればこのおいしい展開は全くもってクソゲーではありません。
そう考えると、このループの黒幕が誰なにかも明らかです。
メインヒロインです。それしかありません。
なんて恐ろしい娘!
…最後にマジレスすると、ループの理由の説明等まったくない上に主人公の行動原理にも説得力がなくしかも妙に説教くさいだけのこの映画は個人的にあまり好きではありません。そんな映画になぜかこんなラブコメと勘違いしそうな邦題をつけた配給元は一種の詐欺ではないでしょうか。まぁ邦題詐欺はよくある事ではありますが。