43.《ネタバレ》 黒人ピアニストと白人運転者の8週間の旅。初めはお金のためだったが、徐々に友情が芽生え…という大筋の流れは言ってしまえばありきたりかもしれない。なにか驚きの展開があるわけじゃない。しかしこの映画はとても面白かった。会話だけでもそう思わせるセンス。二人のキャラクター設定に、演じた俳優の力量もあるだろう。すべてが洗練されていて、中だるみもなく、最後は少しだけ嫌な予感を持たせてからの~~ ハッピーエンド。こういう上質な映画はちょっとした幸福感を与えてくれる。期待通りの秀作。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-02-09 22:30:31) (良:1票) |
42.《ネタバレ》 天才的な技術で名声を欲しいままにしながらもその偏屈な性格が災いし孤独な生活を送る黒人ピアニストドクター・シャーリー、ガサツで口の悪いチンピラとして様々な職を転々としながらも根っからの人の良さから家族や友人たちには恵まれたイタリア系用心棒トニー。そんな正反対の二人がひょんなことから相棒となり、まだ黒人への偏見が根強く残る60年代アメリカの南部を巡るコンサート・ツアーへと出ることに――。最初は反発し合っていた二人だったが、様々な経験を経るうちにいつしか強い友情が芽生え始めるのだったが……。実話を基に描かれたという本作、アカデミー作品賞の栄誉に輝いたということで今回鑑賞してみました。確かにベタではありますが、なかなか完成度の高い良品であったと思います。人種差別の問題をことさら強調するわけでもなく、あくまでこの二人の友情に焦点を当てたロードムービーとして描いているところがいい。何よりトニーの手紙だとかケンタッキーフライドチキンなどと言った一つ一つのエピソードの扱い方が抜群に巧い!物語の進行とともに彼らにどんどんと感情移入している自分が居ました。特に警察署に拘留され窮地に陥った彼らが、一本の電話によって警察と立場が逆転するところなんてなかなかのカタルシス(電話の相手はまさかのあの人!)。そして、公然と黒人客を拒否するレストランや仕立て屋、警察の不当な偏見などという人種差別問題にもさりげなく言及するその手腕の鮮やかさも見事。全編を彩るピアノの楽曲がどれも素晴らしいクオリティなのも聴いていて心地いいですね。二人の旅路が終わるころにはなんだか自分もほっこりといい気分になれました。あまりにもオーソドックス過ぎて若干物足りなく感じる部分もなきにしもあらずですが、充実した映画体験をさせていただきました。うん、7点! 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2020-01-21 23:18:55) (良:2票) |
41.白人なのに黒人のような生活 黒人なのに白人のような生活をしている2人のロードムービー、素敵なラストは忘れられません。良い映画でした。 【東京ロッキー】さん [インターネット(字幕)] 9点(2020-01-12 18:19:34) (良:1票) |
40.《ネタバレ》 いや、なかなかの良作。 まずヴィゴモーテンセンがすっかり太ってしまったことに驚く。 その彼が演じるトニーがなかなか良いのだ。 一見、汚い言葉連発するわ、すぐ殴るわ、チキンを食べた手でハンドル握るわ・・ しかしそんな粗野な彼が、物語が進むにつれ、情の細やかな頭のいい男と分かる。 奥さんもそんな彼を知ってるからか、家庭は貧しいが温かい。 対する天才ピアニスト。複雑な事情を持ち、当時にしては珍しく、黒人なのにエスタブリッシュ。 そんな彼と一緒に偏見の強いアメリカ南部を通って、ツアーに行くのだ。 色々あるが、ラストはしっとりと・・ これはアメリカ人て、誤解されやすいかもしれないけど、情の細やかな人たちなんですよ~と トランプアメリカ時代に外国に発信されたメッセージなのかもしれない。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2020-01-11 19:24:58) (良:1票) |
39.《ネタバレ》 様々な違い・価値観を受け入れることの難しさはいつの時代も、どこの国でも変わらない。 ただ、そこを「そういうものだ」と放置するのでなく、変えていこうとする気持ちが大切なのだということを教えてくれる作品。 【TM】さん [DVD(吹替)] 8点(2019-12-31 12:00:44) (良:1票) |
38.白人の運転手兼用心棒と黒人のピアニストのロードムービー。シリアスとコメディのバランスが良いくて、見終わった後に素直に良い映画だったなぁと思える作品でした。 【alian】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-12-31 11:08:39) |
37.育ちも性格も全く異なる2人が旅に出る。ロードムービー定番の作品の始まり。 それ程の大事件は起こりませんが、小さな出来事を丁寧に積み重ねていき、 街から街へ、2人が固い絆で結ばれていく過程が見事なテンポの良さで綴られていきます。 しかし、60年代、アメリカの南部、黒人と白人、実話。 これから旅先の南部の地でどういうことが起こるのかは容易に想像がつく。 コメディにするには非常に難しいテーマですが、 シリアスさとコミカルさを見事に両立させてみせた脚本が素晴らしい。 また、これが両立したのはヴィゴ・モーテンセンの存在があってこそであると思います。 彼が主演という前提で見たので分かりましたが、予備知識なしで見たら彼だと気付かなかったかも。 演技の素晴らしさと共に、本作にかけたその役作りもまた見事です。 色々あった旅の終わりだけに、終盤に度々登場する「メリークリスマス」の使い方がいい。 ラストの「手紙をありがとう」には参ったな・・・。クリスマスにいい映画を見ることができてよかったです。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2019-12-26 15:19:26) (良:1票) |
36.ラストシーンが素晴らしい 綿密に練られた脚本で観客の感情を揺さぶる作りになっている 助演男優賞を獲ったマハーシャーラ・アリの演技というか表情も良いし 2010年代のオスカー作品賞をとった映画の中では随一の出来だと思う 【Nig】さん [インターネット(字幕)] 10点(2019-11-21 14:23:09) |
35.目立った粗もなく非常に良い映画でした。しかしどうにも高得点がつけにくい、いってしまえば地味で退屈な映画であったようにも感じました。昔からアカデミー賞といったら一般感覚から少しズレた作品が受賞するものですが、本作も作品賞と脚本賞を受賞した映画には感じられませんでした。 確かに友情物語や差別描写など一見すると非常によく描かれています。しかしこの監督さんは事の顛末を端折り過ぎる傾向があるようで、結果しか画面に表現されていないことが多いです。手紙の一件、お風呂場(室内プール?)の一件、二人して拘留される一件など、いくらでも深く掘り下げられるシーンはありましたがサラっと流して次へ。これらのことから各シーンが表面的に見えてしまい深みを損なう軽い仕上がりになってしまったのではないかと感じます。他の映画を引き合いに出して申し訳ないですが、先に見た「ロリータ1997(エイドリアン版)」などは画面の端々から各自の内面が感じられ、不謹慎な題材の割にとても感情移入しやすい作品でした。 好みの問題と言ってしまえばそれまでですが、この映画はコメディであったとしても中途半端、感動ドラマであったとしても中途半端だったように思えました(そもそもコメディとして描かれていないような気もしますが)。 しかし主演と助演の演技力は大変に素晴らしく、彼ら二人がノミネート(ドクターは受賞)されたことには納得です。十分に素晴らしい映画でしたが作品全体のトータルバランスで見た場合、私の中では並の上レベル(6点に近い7点)の映画でした。 【アラジン2014】さん [インターネット(字幕)] 7点(2019-11-14 11:34:23) |
34.う~ん、絵に描いたようなイイ話~ 良作でした~ 私的にストーリーが ど真ん中!です..イタリア野郎トニーとピアニストドクターのコンビが、実に面白おかしくからみ、そして徐々に 徐々に互いを認め 深く信頼し友情が生まれる..ロードムービーとしては定番ですが、よく出来ています~ タイトルの「グリーンブック」 センス抜群、作者のいろんな思いが込められていて すばらしい~ 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 9点(2019-10-26 09:55:47) |
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33.《ネタバレ》 これは本当に素晴らしい作品ですね。傑作だなと思いました。 久しぶりに、映画の役割というか、映画の存在意義を再認識した作品。 トニーとドクターシャーリーは、全くの正反対の凸凹キャラで、最初はその対照っぷりが見てて面白いんですよね。 すごく育ちがいい、丁寧な言葉遣いで律儀なシャーリーと、悪キャラで粗暴で言葉遣いの荒いトニー。 もちろん序盤ではそれでぎくしゃくしたりもするんですが、やっぱりケンタッキーのシーンですよね。 見ていてニンマリしちゃいました。そこから段々と距離が縮まって、ボディーガードやったり 手紙の代筆やったりしているうちに友情のようなものが芽生えていく。二人が密になっていく変化が見てて微笑ましいです。 そして、トニーが自分は黒人より黒いんだって話して、シャーリーが車から出て自分は何者なんだって吐露するシーンはグッときました。 心揺さぶられました。人種差別とその融和というテーマを、物語としてこれほどまでに凝縮して見せてくれた作品は他に知りません。 ボヘミアンラプソディを破って作品賞に輝いた本作。どれどれと思い鑑賞しましたが、完全に納得です。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2019-10-21 00:47:20) (良:1票) |
32.《ネタバレ》 2番館でやっと観れました。社会性に重きを置く見方をすればなるほどやや浅く軽いかもですが、音楽ロードムービーのエンターティメントとしては満点の作品という気がします。ちりばめられたウィット、ほんわかした布石の回収、ごきげんなBGM。手紙のくだりは何よりもあったか〜い気持ちになれます。きっとクリスマス時期に放送されたら何度も観ちゃうんだろうな〜。煙草をやめて長いですがこういうの見るとまた吸っちゃいたくなるってところが困りもの。 【jetter3】さん [映画館(字幕)] 9点(2019-09-02 17:03:12) (良:1票) |
31.《ネタバレ》 飛行機で観ました。ジャズそのものに対する描写が少なく、マイノリティの葛藤や友情にフォーカスを集約したことが逆に良かった(セッションやラ・ラ・ランドのようにならずに済んだ)。自分はアメリカ在住ですがアジア系、移民、アメリカ国籍なしとザ・マイノリティなのでかなり響きました。最後のシーン"Thank you for helping him with the letters"も良かった。 しかしヴィゴモーテンセンが主演してたことに気づきもしなかった。映画館で観てたら9点だったかな。クリスマスにもう一度観たい。 【なす】さん [インターネット(字幕)] 8点(2019-06-22 06:31:27) (良:1票) |
★30.《ネタバレ》 映画自体は黒人と白人が理解しあうよくあるパターンのストーリーで面白いのだが、 酒場で主人公が弾く曲がショパンであったり、白人文化に迎合する黒人という感じで違和感があった。
この監督は黒人音楽の豊穣さを分かっていないのだろうな。 そこが黒人が拒否反応を示したと思うと彼らにとっては鬼子みたいな感じなんだろうな。 【rosebud】さん [映画館(字幕)] 5点(2019-06-13 07:03:57) |
29.《ネタバレ》 ここ数年で一番良かった。セリフが秀逸でした。アラゴルン(ヴィゴさん)、素敵でした。唯一のマイナスはゲイだった?って描写かな。真の男の友情に一ミリでも疑いを持ちたくなかったからです。ただ、実話で、本当にゲイだったのならあの描写も必要だったんでしょうね。 【ギニュー隊長★】さん [映画館(字幕)] 9点(2019-06-09 23:07:50) |
28.人種差別というテーマを描いているが、テンポが良くコミカルなシーンを織り交ぜられていて重くなり過ぎていない。 主人公たちは絶妙なコンビで、その掛け合いを楽しむことが出来る。 【アクアマリン】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-05-18 18:10:48) |
27.《ネタバレ》 嫁とシネコンのレイトショーで鑑賞。アメリカの公民権運動の時代が好みのテーマなので私の趣味に合わせてもらいました。うん、悪くなかったのですが、小綺麗というかなんか期待の手前くらいまでで終わっちゃう感じでですね。さわやかな友情モノというか、デート終わって門限までに玄関前に乗り付けてノータッチのままおやすみなさいみたいなね。思えば80年代から90年代にかけて何本か観てきた黒人社会やそれを含めたアメリカ社会を描いた作品、あれらに比べれば本当に軽い薄い味気ない印象です。50年代から60年代にかけての公民権運動の時代を実体験した世代が居なくなってしまったからなのか、昨今のポリコレによる自主規制なのか。ドンは黒人らしくない白人好みの黒人だし、トニーも下流の白人ながら優等生的な素直さで偏見をなくしてゆき、そして芽生える美しい友情…。いや実話がベースってことだし、一応南部社会の理不尽な差別・暴力や黒人社会の下衆い部分にも触れてましたが、全体的に「きれいなジャイアン」のような印象でなんだか素直に入って来ませんでした。こういうのが最近の流行りで作品賞とか取っちゃうんだ、どうなったんだアメリカ?てか、私が年老いただけなのか。 ま、悪くはないんですよ。 【ごりちんです】さん [映画館(字幕)] 6点(2019-05-14 09:57:18) (良:1票) |
26.「これが作品賞?」というのが正直な感想。 130分間退屈なく見れて、『最強のふたり』を彷彿とさせるユーモラスなフィールグッドムービーなので、 映画をあまり見ていない方にも薦められるくらい万人受けしやすい。 100を超えるレビューで平均点8点前後維持し続けているあたり、本作が証明している。 粗はあっても脚本がよくできていることは素直に認めたい。 ただ、やはり白人特有の上から目線の綺麗事、一時的な融和アピールにしか見えず、 作品にあまりのめり込めない自分がいた。 イタリア系だからと同じ白人から差別される用心棒と、 黒人コミュニティから外れたピアニストのはぐれ者同士の話なので事情はもっと複雑だろう。 とは言え、そこまで踏み込まず、ただの"良い話"で終わっている。 予定調和の中に新しい驚きがないのが大きく、物足りなさを感じた。 ヴィゴ・モ―テンセンもマハ―シャラ・アリも正反対なキャラクターでありながら素晴らしい快演で異論はないが、 全体の完成度の高さでは『ROMA/ローマ』に作品賞を与えるべきだったし、 13年前の『クラッシュ』同様、単に変革リスクから逃げたミステイクとしか言いようがない。 【Cinecdocke】さん [映画館(字幕)] 6点(2019-04-23 00:25:11) (良:2票) |
25.素晴らしいバディムービー。公開終了間際にギリギリ間に合いましたが、本当に映画館で見てよかったと思える作品でした。今年No.1はもうコレで決まり。BD出たらもう一度ゆっくり見直したいです。 【はりねずみ】さん [映画館(字幕)] 10点(2019-04-21 00:43:40) |
24.《ネタバレ》 面白い!作中のドクターシャーリーのキャラそのままのように小粋な作品である。考えてみると不思議な作品でもある。特に派手なアクションがあるわけでもなく、銃が頻繁に出て来て緊張を強いるわけでもない(全く出てこないわけでもないが・・・)もちろん派手なCGもない(おそらく車のシーンとかで地味に使われている程度)それなのに、全く飽きないのは何故なのだろうか。中ダレも一切なしで上映時間2時間10分があっという間であった。おそらく脚本が良いのと、監督の演出や編集がうまくてスムーズなのだろう。米国南部では差別が特に強かったということは話ではよく聞いていたが、こうして映像で観るとこれがほんの数十年前まで普通に行われていたのだということに改めて驚く。(勿論今でも完全に無くなった訳ではないだろうが・・・)それにしてもトニーリップの奥さんが本当に素敵な人で惚れ惚れしてしまう。個人的には「フィールドオブドリームス」におけるレイキンセラの奥さん、アニーと並ぶ素敵な女性像である。主人公の奥さんがカッコ良い人物の映画は名作という個人的な説がまた強まった。蛇足だが、シャーリー約のマハーシャラアリの声や風采がどことなくプリンスに似ていた。特に「トニー」と声かける際の声が。 |