52.この世界最大の飛行機事故はその規模の大きさもさることながら後に報道されたボイスレコーダーに録音された機長と副操縦士の懸命な操縦の状況や数十分間の想像を絶する揺れの中で書いた数々の遺書のニュース、死体がバラバラのうえ地中深くにめりこんでいる惨状、その中で奇跡的に生還した人、そしてその生還した少女が近所のホテルに一時的に秘密裏(?)に搬送されてきたのをたまたま間近に見たこともあって、ものすごーく印象に残ってるんだけど、映画はこの事故を材料にしているだけに過ぎない。原作(未読です)がそうなんだろうからそれでいいんだけど、新聞社内の人間関係のゴタゴタとか地方紙の意地だとか販売部との因縁とかという面白い部分にどうものっていけない。気持ち的に。だだっ広いオフィスの全景はお見事で、多くの記者と多種多様な記者の仕事を存分に見せきった大筋は素晴らしい。とは思うんだけど、面白い新聞社の話、そこに繋がる主人公自らのルーツの話、そこから派生する息子との話が結局やっぱり実際にあった大事故に負けちゃう。負けちゃうのは当たり前なのに負けないように作ってるからダメなんだと思う。嫌悪感にも似た違和感を感じる。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-06-12 15:42:14) |
51.《ネタバレ》 20数年前、記者としての誇りにかけて戦った数日間を、あの山岳に挑みながら振り返っていく人間ドラマ。私にはこの映画で描く記者の現場がリアリティに溢れているのかどうかはわかりませんが、少なくとも出演の役者さん達は記者を演じるのではなく、記者になって、記者としての誇りと尊厳にかけて闘っていたように感じました。実際の事故当時はまだ子供だったので記憶が薄いのですが、亡くなられた方々のご冥福を心より願います。 【AT】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-05-24 10:46:33) |
50.《ネタバレ》 主人公が終始戦い続ける映画でした。ものを創る人として、ジャーナリストとして、サラリーマンとして、そして父親として…。単に航空機事故を記事にするやり取りを越えて、戦いは多岐にわたり、複雑に絡んで物語を加速して行きます。結果的には、巨大な惨事と組織にもてあそばれたように映った主人公ですが、自らの矜持と心中するくらいの迫力で仕事に挑む姿に清々しさを感じました。青臭いことを言いますが、悩むだけ悩んで、やれることをやって、自分や周囲に残った傷跡を背負いながらその後を生きて行くことも、ひとつの人生だと思います。珍しい例ですが、この映画は、原作を読んでから観ることを勧めます。理解できない単語(オオクボレンセキ、など)や聞き取りづらい台詞を補完してくれます。そして、やや変更されているストーリーも自分は気にはならなかった。原作から感じた熱気がそのまま映画になっていた点を評価します。ちなみにクライマーズ・ハイとは、登山者の興奮が恐怖感を麻痺させた状態。日航機の墜落という未曾有の惨事が、あの新聞社全体をクライマーズ・ハイにしていました。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-05-23 10:47:36) |
49.《ネタバレ》 原作未読です。なので登山のシーンやラストの家族と会うシーンに価値を見出せませんでした。さらに「日航で行かせてください!」とみんなを説得しておきながら社長に詰め寄られると速攻辞表のコンボには腰が砕けました。そりゃ無いよ。あと全体的に仕事に対してのぶつかり合いなんで、なんだか自分とオーバーラップして辛かった。ただこれはこの映画が説得力を持っているってことなのかもしれない。あとブチギレ堺の演技は迫力があってすげぇ良かった! 【まるにゃ~ん】さん [映画館(邦画)] 4点(2009-05-20 13:52:55) |
48.職場における人間同士の競争が強烈に描き出されています。読者に対象を伝えようとする原理で行動する人間と、単に常日頃嫌っている相手をたたきのめそうとする原理で行動する人間、その他、同じ職場でもそこに潜む意思は個人個人でばらばらです。「突入せよ浅間山荘事件」なんかも同様の現場を描いていました。クライマーズ・ハイという題名からも分かるように、主人公はクライマーです。ところどころで挿入される谷川岳の一ノ倉沢(一ノ倉沢と称してときどきマチガ沢なんかも出てきますが)の風景が心をいやしてくれます。衝立岩登攀中の高度感もよく出ていて、美しい映像にうっとりしました。 【きのう来た人】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-05-03 15:51:44) |
47.日航機墜落事故をベースにした物語だが、テーマはむしろマスコミ内部の物語と別にある。『突入せよ!あさま山荘事件』はあさま山荘事件をベースにしながら、メインテーマとして警察内部の抗争のシニカルさが愉しい作品であったが、こちらはどちらかというとハードボイルド寄りの『大統領の陰謀』を思わせる内容で、どっちつかずの内容となってしまっていて、プロットは悪くないが中途半端な作品に終わっているのが残念。ノンフィクションを謳っているわけではないのだから、原作に拘らず「日航機事故とマスコミ」というテーマを生かす方向に持っていけばもっと良くなったんじゃないかと思う。 【Arufu】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-04-10 11:23:13) |
46.報道における「正義」というものにどうもぴんと来ず消化不良になった。事故の時には自分は小学生だったし、地元でもなかったから実際どのように報道されていたかなんてほとんど覚えていないのだが、連日一面に載せて伝えたいと思うその必死さがどうにも理解できない。インターネットで情報がなんとなくたくさん手に入る現代には通じるところが少ないのかもしれない。 【HK】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-04-04 21:26:47) |
45.《ネタバレ》 初めて予告を見た時「命を追った、あの夏」と言うコピーに、何故かしら柄にも無く怒りを覚えてしまった。原作は読んでませんので、どこまでが事実に基づいているのか、はたまた全くのフィクションなのかも分かりません。まるで戦場のような編集デスク、部署間や上下関係の確執、紙面トップを巡る人間模様。あの夏、あの日、ブラウン管の外ではギリギリの決断があった。でもなんだろう、日航機墜落と言う大事故を背景にして、描くのはそこなの?スクープを巡る駆け引きで、やたらドラマチックに仕上げちゃってるけども、実際に関わった方々はどう思うのでしょう?映画を通して、本当に伝えなきゃいけないメッセージは新聞社からではなくて、御巣鷹の尾根にこそあったんじゃないのでしょうか。実際に現場に赴いた堺雅人の現場雑感、全権堤真一の無神経な広告掲載に対しての激昂。大切な部分が希薄にスルー。ドキュメンタリーじゃないのは分かってる。史実の戦争映画だって、カッコいい主人公を立てて、そんなものはいくらでもある。けど、自分でも分からないけどこの事故に関しては、命を語ってこんな切り口に描いて欲しくなかったと強く思います。もしこれが架空の事件を追った内容だったら、報道・編集の現場が見れるとても面白い映画だったなーと、惜しい気分。あと現在とのリンク結構余計。演者方は最高。見方を変えると、まんねりで仕事に向上心を持てなくなった人にもう一度情熱を注いでくれそうな作品です。 【乳時雨】さん [DVD(邦画)] 4点(2009-04-03 17:49:18) |
44.《ネタバレ》 クライマーの部分が全く余計です。惜しい。でも題名がクライマーズハイですからね。原作ものは難しいです。堺雅人がいいです。 【ピチクン】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-03-25 18:48:28) |
43. 『金融腐蝕列島・呪縛』 (1999年)、『突入せよ!あさま山荘事件』 (2002年)、『魍魎の匣 』(2007年)、とこの監督の作品を観たけれども、あいかわらずの上すべりな描き方には、いいかげんうんざりしてしまう。結局、この監督は致命的にセンスが悪いのだ、という結論に達した。この監督には、もう一度人間の根本から出直してみることをおすすめしたい。 【goro】さん [DVD(邦画)] 3点(2009-03-24 09:45:21) |
|
42.「日航機墜落事故」を題材に扱ってはいるが、本筋は新聞社内でのある種血なまぐさい抗争と権力争い。誰もが良い記事を作成しようとしているし、誰もが人々に事故の悲惨さを伝えようとしている。それが故に巻き起こる男たちの闘争を、各俳優陣の名演技で最後まで勢いよく見せる展開は非常に楽しめた。一見すれば社会派サスペンスとして製作された作品ではあるが、全体の構成は「仁義なき戦い」に始まるヤクザ映画に近いような気がする。またそんなヤクザ映画にも通じるのが役者の良さだが、本作も負けず劣らず役者が良い。熱く、手に汗握る男の映画というのはこういうものを言うのだろう。 【ドラりん】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-03-19 22:55:50) |
41.《ネタバレ》 日航機墜落事故を通して新聞記者たちの生き様とジャーナリズムのあり方を描いているわけですが、凝った編集と撮影で確かに緊張感やリアリティはある。紙面をめぐる闘いや人間模様は確かに見応えがある。でも、これがテーマなら別に日航機墜落事故という実際にあった事件じゃなくても良いんじゃないのか。この映画に登場する人々には新聞の1面をどうするかということしか考えていない。あんなに大勢の人の命を奪った悲惨な事件もただのネタとしてしか捉えていないでしょう。あの未曾有の大事件にどのように直面したことでその悲惨さをどのように記事にするのか、どういう使命をもって報道をするのかということこそ肝だと思うんですが、この映画では載せる載せないとか1面にするしないだのというせこい争いに終始しているわけです。主人公の友人や家族がらみのあからさまなフィクションも全く必要性が感じられない。実際にあった事件を題材にしているならもっと事件現場の様子やそれにまつわる人々の全容を知りたかった。以前テレビ番組で観た、現場に直行したテレビ局の報道スタッフの再現ドラマの方がよっぽど事故の悲惨さと報道の使命と困難が伝わってきた。新聞の1面トップ云々の争いよりも新聞記者から観た日航機墜落事故そのものを描いて欲しかった。いちばん悪かったのはセリフが全く聴き取れないこと。これって映画の基本じゃないのか。 【8bit】さん [DVD(邦画)] 4点(2009-03-14 22:29:06) |
40.良かった!ここまでしっかり社会派してて、それでいて仕事や人生について語っている映画ってアメリカの映画とか見渡してみても、そうないんじゃないかなあ。舞台が新聞社としたら思いつくだけでも「ザ・ペーパー」「大統領の陰謀」等。この映画は負けてない。上映時間の長さも全然感じなかった。日本にこういう作品が出来たことを皆、誇りに思わないかんと思う。堤真一の演技も素晴らしかった。何より、志の高い原田眞人監督に拍手。色んな映画がありますが、こういう映画は私にはたまらない。10点! 【トント】さん [DVD(邦画)] 10点(2009-03-11 22:44:33) (良:1票) |
39.《ネタバレ》 冒頭、土合の駅の484段の階段を、堤真一が、一歩、一歩、ゆっくりと登るわけですが、これは彼の60余年の人生の歩みを象徴するだけでなく、事故で死んだ520余人の一つ一つの命と重ね合わせているわけです。そこに静かにピアノのテーマ曲が流れて、なんだか、御巣鷹の尾根の慰霊碑にまずは手を合わせてから映画が始まる印象でした。・・・・・原作などは未読ですが、映画でのテーマは、「決断」、つまり100%の確証が得られないスクープを載せるのか、断念するのかの決断に設定されているように思います。もし掲載を決断していれば、これは記者たちのスカッとした英雄譚になるわけですが、堤が載せないことを決断するために、本当の勇気とは何か、というような、なんか渋い話しになります。ただ、最後のテロップが存在することで、堤の決断も、一つのあり得る決断だったのだなという臨場感が伝わります。・・・・・・ニュージーランドのシーンは余計なシーンには見えるけど、人間、最後は仕事を離れて一個人として生きなければならないのだから、納得できないことはありません。・・・・とにかく、新聞社の中の、人と人とのぶつかり合い、そしてそれぞれの言い分が説得的で、非常に面白い。原田監督という人は、娯楽性を保ちつつ、考えさせる映画を作るのが上手です。 【王の七つの森】さん [DVD(邦画)] 10点(2009-03-11 22:43:44) |
38.原作を読んでいるから、人間関係だとか背景(大久保・連赤事件など)が頭に入っているからすんなり観ることができたけど、読んでいない人はよくわからないんじゃないのかなぁ? 原作を忠実に描く(3時間とか)か、映画用に不要な部分は大胆に切り捨てても良かったのではないか? 堤真一の悠木全権デスク、尾野真千子が演じる若手社員の玉置千鶴子などキャスティングはとても良いと思う。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-03-09 18:05:57) |
37.《ネタバレ》 ロン・ハワード監督作品「ザ・ペーパー」のように すっぱ抜き記事を飛ばすことに集約していれば、堺さんのキャラはもっと生きて 良作になったような気がする。 原作を消化しようとして無理に冗長な件や、回収しきれない 中途半端な複線が物語のテンポを悪くしている。 また実際の事件を題材にしただけに、突飛な演出やおもしろい嘘がつけないことも難しいところですが、そこは事実だけがもつ圧倒的な迫力を もっと丹念に記者たちに追わせ続ければよかった。 【翼ネコ】さん [DVD(吹替)] 5点(2009-02-25 22:36:29) |
36.《ネタバレ》 日航機事故を題材に新聞社の裏側を重厚且つエキサイティングに描いた逸品。 ・・・それだけで終わればよかったんだけどな。 安西家との関わりや自分の息子との確執は小説なら重要なファクターなのだろうが、時間制限の有る映画でそこまで描く必要はない。更に言うなら、主人公が登山家という設定も不要ではないだろうか。(そうなるとタイトルも変えなきゃならないが) キャスティングや各俳優の演技は申し分ないのだが、全体の構成を今時の映画風にしようと色気を出した結果、多くの人が感じてるように焦点がボヤけ、大きな感動を得るに至らなかった。 個人的には、半ば自分のせいで部下を死なせてしまったのに、何事もなかったようにスルーする場面と、社長に叱られ辞表を出すシーンで冷めてしまった。 わざわざ老けメイクまでして撮った現在のクライミングシーンと息子に会いに行くシーンは完全に蛇足。それをカットして、「大久保事件」や新聞記者の専門用語などの解説を挿入し、2時間に収めたらもっと評価は高かったのではなかろうか。 【banz】さん [DVD(吹替)] 6点(2009-02-14 20:49:25) |
★35.原作未読ですが、おそらく映画化にあたって削ぎ落とすべき原作の濃密な物語を削りきれてなかったんだなぁと思うような、アチコチに過不足を感じてしまう散らばった内容。新聞社内の人間関係や、役職や因縁や構造がこっちが把握する前から当たり前のように繰り広げられて、社内の状況を把握するのがやっとなのに、場面の切り替わりのタイミングが悪いから主軸がつかみにくいし、集中が途切れてしまいます。 オープニングから何言ってるか分からない高島氏にびっくりするも、彼以外にも何言ってるか聞き取れないことが多かったのは役者ではなく音声の問題なのかな。さすがに現代の邦画を字幕で見るのも違う気がしたのでそのままで見ましたがいかがなものかと。 カメラワークには臨場感があったし、キャスティング自体は良かったのですが、役者の熱量がまだ足りない。オフィス内の人もそうだけど、夏に外を駆けずり回っている人が汗一つかいてないことも気になってしまいました。 題材は良かったし、長尺に耐えうる作品だったので、焦点しぼって、もっと夏の熱気と役者の熱気をむんむん出して暑苦しい映画に仕上がってたら絶賛してたと思います。 汗びっしょりの遠藤憲一は迫力あると思うんだよな。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-01-30 10:56:20) |
34.面白かったです。あんなに仕事に対して熱くなれたら幸せだと思います。みんなギラギラしててかっこよかった~。昭和っていいな。 【マリモ125cc】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-01-21 07:39:53) |
33.この作品の題材になった日航ジャンボ墜落事故は非常に印象に残っています。事故に遭われた方が多かった事とあれだけ悲惨な事故に遭いながらも僅かな生存者がいた事への感動は今でも忘れられません。あの事故の模様が様々な報道機関によって知りえた事、報道機関の苦労話、裏話みたいな物を知ることが出来て大変良かったと思います。 【みんてん】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-01-20 16:23:22) |