149.《ネタバレ》 本音全開の主人公のセリフは面白いし、これまでのイーストウッド作品に比べたら気分よく見られた。けれど、あれだけ人生経験豊富でいながら、バカなギャングたちにいたずらにけしかけるような真似をするものだろうか? 咳で吐血するのは、ラストで「ほらみろ、取り返しつかなくなった」と思われないための道具。ご都合主義。荒っぽくて時代遅れの男臭さを出すのは良いが、思慮もなく銃を振り回す馬鹿な若者相手には小狡いほどのクレバーさで対抗してくれる方がカッコいいと思う。 【追記】ここのレビューの高評価の数々に驚きます。たかが映画と割り切っているからとしか思えません。まだ健康であらゆる生き甲斐を持っていても、あんなふうに人が死ぬのを見て「感動した」って言ってれば良いんでしょうか? 命を犠牲にしてあのチンピラが消えても、同じようなのがまだいるんでしょうに。命を軽々と解決策に使って感動させようとする映画は本当にシラケる。あんな風に命を落としてくれる人が次々と現れない限り、あの居住区はまともになれないみたいだ。あれほど銃武力が身近な場所から息子夫婦がリゾートめいた施設への移転を望むのは当然だし、孫も最初からあんなじゃなかったはず。いいおじいちゃんなら、あんな言い方しか出来ない成長をしてしまった孫娘に気の効いた説教くらいすべし。というか、あそこまで偏屈なじいさんに孫娘は自分から話しかけないだろうし、彼のものを欲しがったりしないだろう。家族との絆の描き方が投げやりなくせに、盗人隣人との絆は丁寧に描く。わざとらしすぎだ。 【だみお】さん [DVD(吹替)] 4点(2010-01-12 10:44:31) (良:4票)(笑:2票) |
148.《ネタバレ》 話の構成はシンプルなのに、ハマってしまった。 ウォルトがだんだん心開いていくのに合わせて、あのラストは悲しすぎる…しかしあれで良いのだろう。 とても美しい映画だった。 【SAKURA】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-01-11 14:51:56) |
147.良い映画でした。 ストーリーはシンプルですが、ドラマの組み立て方がとても丁寧で 主人公の気持ちの変化が無理なく自然に描かれていきます。 色々な意味で、イーストウッドの「締めくくり」になるような一本でした。 【伊達邦彦】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-01-10 18:55:56) |
146.もう、途中でDVDを止めようかと思いました。そんな私なら、確実に逃げています。心情の変化にちょっと急ぎすぎな点がないでもないのですが、それでもどっぷりと感情移入していました。90歳くらいまで頑張って欲しい人です。 |
145.《ネタバレ》 昨年とても話題になった映画でしたが、期待に違わず、でした。 てんこ盛りの差別用語や所かまわずツバを吐く(病気のせいだけではないような;)ウォルトさん。 見終わったあとに、この主人公がクリント・イーストウッドの理想の男性像なんじゃないかな・・と一人ウンウンと。それにしても・・エンドロールの映像と音楽!余韻がステキです。 【AKO】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-01-07 17:02:32) (良:1票) |
144.偏屈な爺さんと隣人の子供が徐々に心を通わせてゆく、そんな何の変哲もないストーリーを重厚な映画に出来たのはクリント・イーストウッド監督の手腕なのでしょう。 エンディングも最も良い方法を考え、実行する賢い(?)人間のあり方をタオ君に身をもって示した所は以外だった(前のクリント・イーストウッドの映画ならば、ガンを振り回すのが定番だと思う)。 まぁ、役者としてのクリント・イーストウッドは有終の美を飾ったと言える。 どうでも良いけど、タイトルの『グラン・トリノ』って車の名前だったのね。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-01-04 00:40:26) |
143.《ネタバレ》 中盤までの流れは良い。人種差別者の頑固オヤジがお隣のアジア人と打ち解ける。オヤジが変わるだけじゃなく、お隣のタオだってオヤジのおかげで強くなり始める。本当はこれだけで良いと思う。十分明るさを残してラストを迎えられるハズ。 なのにイーストウッドは終わらせない。仕返しされる事は予想範囲内だった。しかし、レイプまでする必要があるのか?殴る蹴るの暴行を受けてあのように顔を腫らしているで良いのではないか。イーストウッドの作品は家族のあからさまにヒドイ態度など、わかりやす過ぎる悲劇の表現が溢れている。 生き様は十分伝わったしシビれた。しかし、ベクトルが余計な程に負の方向に向かい過ぎている印象。 【HIRABAYASHI】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-01-01 16:25:07) (良:1票) |
142.クリント・イーストウッドが俳優として最後の出演になると言われる本作。 自身最後の主演作に、彼は驚くほどストレートで人間愛に満ちた物語を選んだ。 台詞ひとつひとつがユーモアに満ちていて(主人公ウォルトの口の悪さは痛快)、これまでのイーストウッド作品にはない笑える微笑ましい場面もたくさん。 エンディングの主題歌「グラン・トリノ」のあまりに優しい響きに、涙せずにはいられません。 素晴らしい映画です。 【おーる】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-01-01 16:12:11) |
141.《ネタバレ》 ■確かに人物は丁寧に描けているし、隣人間で仲良くなるという手垢付きまくりの話でここまできちんと見せれるのはすごいと思う。 ■けど、不良グループの絡み方は不自然だし、第一タオがそれほど面倒見てやりたくなるような奴にも思えない。 ■あと、前半の隣人間交流が長すぎて、後半の復讐しに行くところの心境変化が急激すぎる。あそこはもっと丁寧に描かなければいけないはずのところなのに、自らの死でもって解決させるという解答がよくわからぬままいつの間にか出ている。どんでん返しのオチのミステリとかならいいが、この映画はそういうものではないだろう。 ■期待しすぎたかな 【θ】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-12-24 23:30:03) |
140.《ネタバレ》 ストーリーはシンプル。ラストシーンは見事。 シンプルなストーリーなんだけど、魅せます。面白いです。 ■そして、盛り込まれたテーマは多くて、深い。テーマ盛り込みすぎなんだけど、それが鼻につくことも無く映画に没頭出来ます。見終わったあとは色々と考えさせられます。アメリカ人に向けたメッセージなんですけど、日本人の自分が見てもあの国の負ったものが見えてきます。 ■この監督が何度も何度も描いてきた「反戦」テーマも強く盛り込まれています。暴力映画でその虚しさを感じさせるという逆説的に盛り込んだ作品も多いですが、今回はストレートにズドンときます。 ■グラン・トリノという車種はアメリカという国そのもの象徴です。アメリカの現状と未来についての物語です。次世代の若者にアメリカを託すわけですが、それはもう白人中心のアメリカではありません。真の多民族国家として新たなアメリカが始まります。 ■イーストウッドは「許されざる者」で暴力や報復の虚しさを描きました。その映画で西部劇俳優のイーストウッドに引導を渡した。この映画では刑事映画俳優のイーストウッドに引導を渡しています。 【まめ】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-12-24 01:04:16) (良:1票) |
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139.《ネタバレ》 ガンコじいさんがお隣さんと親しくなるという物語をこれだけ面白く撮れる監督が世界中に何人いるでしょうか?個人的には「チェンジリング」や「ミリオンダラー・ベイビー」の方が好みなのですが、それらは脚本の秀逸さや題材の特異さに支えられていた面もありました。一方本作は極めてシンプルであり、脚本レベルで特に目立った要素はなく、だからこそ演出力がモロに問われる作品だったのですが、これを面白く撮ってしまうというのは驚異的な手腕ではないかと思います。また、監督イーストウッドは、俳優イーストウッドを過大評価しておらず、自分自身の使い方を極めて正確に理解できているように思います。ジョン・トラボルタやブルース・ウィリス同様、この人は何をやってもイーストウッドであり、基本的にひとつの人格しか演じることができません。彼はそれをよく分かっているようで、自分に合わない役柄では監督に専念し、自分で演じるべき作品にのみ出演するという判断が的確になされています。西部劇で培った俳優イーストウッドのイメージを活用した「許されざる者」という傑作がありましたが、本作ではセルフイメージをさらに有効活用。あの流れで、しかも演じているのはイーストウッド。どう考えても仇討に行くものと思いますが、そうではなかったというオチにはやられました。彼ほどの人物ともなれば正直な意見を言ってくれる取り巻きはそう多くなく、自分で自分を評価することは難しいポジションにいるはず。さらに、成功した俳優は時に自分に出来ること・出来ないことを見失って、よく分からない作品に挑戦することもありますが、イーストウッドについてはそのような判断ミスを犯しません。これは驚異的な人格ではないかと思います。まさに映画の神様。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(吹替)] 7点(2009-12-21 17:08:47) (良:3票) |
138.《ネタバレ》 最初はただ人物像を出すため程度の設定と思っていた朝鮮戦争の戦歴が、東洋人への複雑な思いの源と分かってくるあたりの厚み。この結末は彼にとっての東洋人に対する決着だったんだな。元ダーティ・ハリーにしては考えた結末かも知れないが、ちょっとかっこよすぎないか。服を新調し、懺悔を済ませ、まるで唐獅子牡丹が流れ出すような気分。仁侠映画ならそれでもいいが、現実的な市井の映画と思って観ていたので、このかっこよさは素直には味わい損ねた。かっこいいってのは、ちょっと間違うと、あのチンピラ連中と同列になってしまうもので、もっとみっともなくていいから、ニコニコ笑って終わらせられる手立てを講じてほしかった。でも考えてみればイーストウッドの映画なのだから、悲劇に傾斜するのは予想していてもよかったんだ、ガンコ老人ぶりのユーモアにうっかり忘れてしまっていたのだった。ただそのユーモアも、“男の訓練”を床屋でさせるとこなんか、私はそれほど笑えなかった。たぶんああいう男同士を過剰に誇示した付き合いってのが、こっちが苦手という個人的な理由によるのだろう。その彼らの古風さをも笑ってるシーンであるのは分かるんですけどね。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-12-21 12:01:33) |
137.《ネタバレ》 タオとウォルトの関係は赤の他人だからこそ、もっというと人種が違うからこそなりえた関係なのかとも思えた。そういう意味では父と息子は最も近い存在だが、一番遠い存在のような気がした。 暴力の連鎖に無抵抗の死という形で見せた結末は、これまで様々な映画で様々な死と生の形を見せ続けたイーストウッドだからこそ深みを持たせる事のできる結末。今まで綺麗事を撮らなかった人だからこそ出来る、究極の綺麗事だと思った。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-12-08 00:27:04) (良:2票) |
★136.《ネタバレ》 ちょっと都合がいい気がしなくもないけれど、やっぱりあのラストは目頭が熱くなります。主人公がああいうキャラなだけになおさらですね。ただ、主人公がタオのどこをあそこまで気にいったのかが分かりづらかったです。「あの子は頭のいい子だ」とウォルトは言っていましたが、それをもう少し分かりやすく描いてほしかったです。 |
135.何で評価がこんなに高いんだろうと思ってしまいます。キレイにまとまっているからでしょうか。いまだにミスティックリバーを期待しているのがいけないんでしょうか。思わず吹き出してしまう渋い演技は最高なんですけど。 【色鉛筆】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-12-05 16:22:22) (良:1票) |
134.《ネタバレ》 洪水のように氾濫した台詞のオンパレードをユーモアだと褒める寛容さは私にはありません。一言で言えば下品。低俗な言葉ばかりで非常に不愉快です。見ての通りカメラはひたすらイーストウッドのいかつい顔のズームアップばかりを捉えている。そのせいか外面描写やメタファーがまったく無視され、奥深さが決定的に不足している。これは映画の映像じゃない。テレビドラマの映像だ。挙句の果てにカメラはただ動いている人間を追うだけでそこに何かしらの意図が微塵も感じられない。かと思ったらカメラは突然意味不明な方向にパンし、呆気にとられていたら、動作の途中でカットが切り替わる。このいい加減さ、この横着さ、このでたらめさ。もはやイーストウッドの耄碌ここに極まり。 しかもラストの決着のつけ方は、イーストウッド自身がこれまで大切にしてきた己の哲学に対する背信行為だ。この老人監督は「法律なんて関係がない。やられたら自分の手で復讐する」というブッシュアメリカが標榜してきた偽善の思想をそのまま引き継いできた。ちなみにアメリカという国はいつも何かに対して「許さねえ!やっつけてやる」と叫んでいる。この怒りの源泉は「義憤」である。義憤でアメリカ人は攻撃性を発揮する。しかもそれは自己陶酔をおびた義憤だから始末に終えない。この思想をイーストウッド自身が持ち続けてきたことは、彼の過去の作品を観ればもはや疑いようがない事実である。それゆえにミスターアメリカと揶揄されてきた老人だ。しかしである、許されざる者には何の躊躇もなく、死を与えてきた監督が、今度は今までさんざん無視してきた法律に縋っているではないか。人間は老いたらここまで恥も外聞を無くなるのだろうか。アウトローよろしく、そういう肩書きで、肩で風を切って歩いてきたイーストウッドが、今になっておまわりさん、助けてくださいですか。これがひたすら己の強さを誇示してきた男の末路なのか。私は悲しい。「長期刑になるぞ」というセンスの片鱗も伺えない最後の台詞だけが空しく胸にからからと響く。信念を失い枯れ果てた老人に心から同情したい。しかし私は彼の映画に対する姿勢だけは絶対に許さない。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 0点(2009-12-04 22:42:23) (良:2票)(笑:1票) |
133.《ネタバレ》 私はイーストウッドのファンってわけではないのですが、それでもこの人の作品には「他にはない何か」があると思っていました。その「他にはない何か」は私にとって受け入れられたり受け入れられなかったりするわけなんですが、そういうのが作品の評価と言うか好き嫌いにつながっている、と… で、本作品。彼の役者としては最後の作品ということなのでかなり期待しての鑑賞だったんですけど、ああ…なんなんでしょう、その「他にはない何か」ってのがまるで見当たらない作品だったんですよね。話としてはそれほどつまらない話ではない、異なる隣人への偏見から理解と愛情につながっていく過程だってそれなりに丁寧に描かれているし、それなりに敵役の不良仲間は憎憎しげで、復讐劇としての盛り上がりもそれなりにある、なのに何故なのか… 多分「許されざるもの」や「ミリオンダラー・ベビー」の無常観、「ミスティックリバー」や「チェンジリング」の絶望感、そうした感情の底にある諦めとも悟りともつかない奇妙な清清しさ、本作にはそれが全く感じられないからなのかな…。この清清しさがこの人の作品の魅力なんだと思っていたのに…… でも、皆さん高評価ですね。私には感じられなかったものが感じられたからなのでしょうか。ひょっとしたらもっと単純に、そものそもこの映画のキーワード「グラン・トリノ」って車(というかそれを含む自動車全般?)に、全く興味や思い入れがないからってだけのことなのかもしれませんが。 【ぞふぃ】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-11-30 17:03:19) |
132.やはり異文化との交流はいつ見ても面白い。もちろん主人公のカッコよさなど他にも見所はいろいろあるが、そこが印象に一番残った。 【miso】さん [インターネット(字幕)] 8点(2009-11-29 19:48:49) |
131.《ネタバレ》 減点すべきところがあまり見つかりません、かっこいいイーストウッド映画でした。馬鹿な孫娘がいたり、死を悟って息子に電話しても素気なくあしらわれたら、私も遺書をああするかも。ただ死にに行くこともないのでは、それもタオを守るため?!モン族も実在しているみたいで驚きました。グラン・トリノを磨いて、夕暮までビールを飲みながら眺めるウォルタの視線が好き。 【HRM36】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2009-11-23 00:40:36) |
130.《ネタバレ》 いい映画です。 ダーディーハリーがそのまま年を取って隠居暮らし。そんな感じの主人公が、往年のイーストウッド映画の締めくくりを飾る作品に仕上がっています。 イーストウッドの映画監督の腕はさすがで、淡々とした大きな事件が起こらない作品を飽きさせません。 最後は感動という感じよりもあぜんと言う感じでした。ただ、余韻が残る映画です。 【シネマファン55号】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-11-20 16:50:21) |