4.《ネタバレ》 前半はとても良かったです。日米開戦に至る経過が分かりやすい。陸軍軍人とは言え、開戦前の東条英機が必ずしも好戦的な人物では無かった事がわかります。平和を望む昭和天皇の意思を汲み取ろうをしていました。米国から満州の権益を放棄せよと言われたことで、態度が激変したように見えました。後半は、自決や特攻の虚しさを感情的に描写するシーンが増えてつまらなくなりました。これはドキュメンタリーじゃなく映画なので、情に訴える描写があるのは当たり前ですが、私はそれを反戦的に見せる手法がどうも苦手です。
最も印象に残ったのは会義体の情けなさです。明確な意見を言う人が少ない。東条は海軍に対して何度も「勝てるのか?」を繰り返しましたが、あやふやな返答しか返ってこない。明らかに責任逃れです。御前会議で昭和天皇が明確な反戦意志を示しているのに、うやむやのうちに開戦方針が是認されたことが象徴的でした。積極的な意見が無いまま事態を悪くして行ったように映ります。反対に、会議ではない雑談レベルの会話では、みんな声がデカい。特に会議に出席しない軍人は大声で好き勝手に持論を主張します。責任のある立場の者がものを言わず、責任の無い者は自分勝手。これって、日本人の国民性なんでしょうかね。