1.《ネタバレ》 このところ、映画を見てはモンクばっかり言ってるヤツ、みたいになっちゃっててねぇ。
この映画こそ、面白かった感動した泣いた楽しかったってポジティブなワードで溢れてくれたらいいのだけどねぇ・・・
役者さんは皆さん、良かったです。
映像もキレイでした。
以上、ポジティブな表現ができるのはそれくらい。
「4回泣けます」ってこの映画のキャッチフレーズだけど、一度も泣けねーですよ。
タイムトラベルモノってことで、この物語独自のルールがあるのだけど、そのルールがあまりに多過ぎて、もうフツーの感覚な部分が少なくなっちゃってるのね。しかも、そのルールは矛盾や疑問がいっぱい。物語を都合よく運ぶためのルールによって固められた世界。
そういうものだと割り切れ、って点が多過ぎて、ドラマがどうこう言う以前の問題という感じ。
「過去は変えられない」って事は過去に介入できない、つまり飛んでる間のみで完結すると思うじゃん、平行世界の泡のような時間だって。ところがそこからモノを持ってきたり、そこに居た人間の記憶が更新されたりしちゃうわけ。それ、過去変更可能じゃね?
しかも最後のエピソードは起源消失してるし。未来って名前を付けた元の人間が存在しないわよね?
4回泣けます、というのは描かれる4つのエピソードそれぞれのことを指しているのでしょうけど、まず最初のエピソードは軽くて、これ泣けるの?という感じ。
次の2つのエピソードはそれなりにドラマティックだけど、肝心のルールが逆にジャマをしてしまってるっていう。
そして、もっとも重要な最後のエピソードは、ルールによる仕掛けがメインになってしまっていて、そこに色々な疑問が生じてしまうので、映画がこちらを置いて一方的に酔っているような感じ。大仰な音楽がそれに輪をかけて、アタシ一体何を見せられてるの?みたいな。
タイムトラベルものって色々あるけど、これは独自ルールをあまりに大量に盛り込みすぎて、シンプルな感動を疎外しまくっちゃったように思うわ。雰囲気だけでSFとか作るもんじゃないわね。
ホラまたモンクばっかり。