62.《ネタバレ》 アンナはダンに惹かれつつも、ラリーと結婚する。ダンはアリスとの関係を続けながら、アンナを想う。ラリーはアンナを手に入れたのに、アリスに触れたくてたまらない。アリスはダンを愛しながらも、ラリーの望みに応えてしまう。
こんな不誠実な人たちのことなんて理解できない。みんな軽すぎよ!うきー!!
と言えちゃえばよかったのに。
このしょうがない人たちそれぞれに、自分だって同じじゃないかと思ってしまった。
一目ぼれを繰り返すダンは、独善的な男。
アリスがくれたのは愛だけじゃなかったのに、用が済んだら簡単に捨ててしまう。快楽を求めて嘘を吐くうちに身動きがとれなくなってしまう彼は、4人のうちで一番浅はか。
一見自立した女のアンナ。
実は流されやすく、常に喪失感におびえている。自分に想いを寄せる男なら誰でもいいんじゃないかという気すらさせる彼女は、4人のうちで一番ずるい。
感情的で、ゾッとするほど計算高いラリー。
虚勢を張るのは自信のなさの裏返し。ふてぶてしいほどしたたかなのに、なぜか許せてしまうのは、真実に傷つき涙する彼を見てしまったからかもしれない。
4人のうちで一番弱いのは彼。
すれっからしのアリスは、歳相応に子供っぽい面も持ち合わせている。
4人のうちで一番深い傷を負ったのは彼女。
傷を舐めあうためだけの相手に、アリスはラリーを選ぶ。
何気ない嘘を4年も吐き通すほどダンを愛してたのに、彼にはそれが分からない。
ラリーの求める真実とダンに必要な真実が、別なものだと一瞬でかぎ分ける彼女は本当に優しい。
嘘だって守り通せば真実になる。真実だと思っていたことが足元から崩れ去る。
誰も本当は、自分のことも相手のことも分かっちゃいない。
さすがGG賞受賞のナタリー・ポートマンとクライブ・オーウェンの演技は必見。2人ともちゃんと自分の役どころをつかんでます。
ジュリア・ロバーツは、ある意味体当たり演技だけど、いつもの通り。ジュード・ロウの演技がちょっとくさすぎる感じがしたのは私だけ?
おとなのための~というより、おとこのためのラブ・ストーリーでしょうか。
アンナは多分、同じことを繰り返す。
「そこ、一番妥協しちゃだめなとこだし。」って所を妥協してしまったラリーは、これからどうするんだろう?