123.《ネタバレ》 さて、このハッピーフライトという映画。
個人的には「この程度の映画」「テレビの2時間ドラマの延長」というレベルの軽い映画だと思います。
そもそもフライトとかいいながら、そんなに飛ばずにわりとすぐ帰ってきちゃうわけで、全然ハッピーフライトじゃありません。
タイトルからして偽りありです。
しかし、この映画、航空産業に係る人を誠実に描きだしています。
もともとはもっと空を飛んでる内容だったらしいのですが、スタッフが航空産業で働く人たちを取材してるうちに関わっている人達の仕事に魅せられてその人たちを描きたいと思うようになり、こういう内容の映画になったんだとか。
それが見事に成功してると思うのです。
田辺誠一や田畑智子、岸部一徳等、それぞれのキャラが非常にたっていて好印象なのもポイントが高いところです。
もう一つ、自分がなぜこの映画が好きなのかを考えるに、たぶん個人的な事情で日本の航空機会社にいい印象を持っている事が大きいと思うのです。
はるか昔のバブル期の事ですが、自慢ではないですが(自慢ですがw)私、ハワイから日本までJALのファーストクラスに乗った事がありました。
そのときに飲み物を聞かれシェリー酒を頼んだんですが、出された機内用のグラスが非常におしゃれだったのです。
「うわ、かっこいいグラスだ、欲しい」と思った私は「これ、どこで売ってるんですか?購入したいんですが」とパーサーの人に尋ねました。
するとパーサーの人が言いました。
「残念ながら機内用のものはお売りしてないんです。でも…」
「でも、差し上げる事ならできるのでどうぞお持ち帰りになってください」
パーサーの人はそう言うと、白いナプキンでそのグラスを包んでプレゼントしてくれたのです。
「JALのパーサー、超かっけー!!」
そのとき感動した私が日本の航空会社の人を扱った映画を嫌いになるわけがありません。
映画には良し悪しとは別に「好きか嫌いか」という要素が必ずついて回ります。
「いい映画だとは思うけど好きじゃない」という映画は当然あるし、「くだらない映画だと思うけど好き」なんて映画もあります。
この映画は映画として評価するなら、そこまで絶賛するような名画ではないと思いますが、個人的にはかなり好きな映画で、たとえばテレビで放送されれば、何度目かわからないけれどやっぱり観てしまう。そんな映画です。
そんな映画は誰にでもあると思うのです。