3.原作は、史上最強の少女漫画。
もうそう言っちゃっていいだろう。
これほど男性読者を拒否しない少女漫画は、かつて無かったから。
実際、今日自分が見た回は、300人ほどの観客のうち、6割ほどが男性だったし。
ところで、自分はこれまで、好きな漫画の実写映画化には反対の立場だった。
だって、うまく実写化できた試しがないから。
カイジの実写版はしばらく無視していたし、テラフォーマーズは見る前から何故かがっかりしているし、スラムダンクの実写版なんて(そんな話は無いが)想像するだけでゾッとする。
しかし、このちはやふるの実写版だけは楽しみにしていた。
理由は2つあって、1つはこの漫画の一番の魅力である「部活青春もの」という世界が、実写化と相性がいいと思ったから。
もう1つは、この傑作はまだまだ世の中に知られていないから、映画のヒットによって、世に広まってほしいと思っていたから。
さて、本日見た感想。
「やっぱりちはやふるは実写向きだった!」
まあ、原作ファンとしては、この漫画の唯一最大の伏線、小学生編をもう少し丁寧に描けなかったかなあ、とか思わないでもない。
でも、原作から改変した部分がうまく機能していて(特に肉まん君!)、部活青春ものという大事な一線は、大切に守られていたから、とても楽しかった。
後編も、必ず見に行きます。
<2016/4/10追記>
見終わった後、何日経っても何回も思い出してしまうシーンがあり、とうとうまた見に行ってしまった。
今度は素直に感動できた。そのため、点数を9点に変更します。
この映画の成功の理由は、なんと言っても競技かるたシーンの迫力にある。この点に関してだけは、はっきりと原作を上回っている。
思えば、今まで自分が低得点をつけてきた部活青春もの映画(ガチ☆ボーイ(なんと同じ監督さんだ!)、がんばっていきまっしょい、武士道シックスティーンなど)は、鑑賞中、全部同じツッコミを入れていた。
「こんなんで勝てるわけねーだろ」と。
この映画に関しては、そんな「役者が競技シーンを渋々演じている」ウソっぽさがが一切無いのだ。
この功績については、意外なほどの運動神経の良さを見せた広瀬すずを初めとしたの役者陣の頑張りもあるが、やはり小泉徳宏監督を中心としたスタッフ陣のものだろう。
あんまりいい映画なんで、むしろ原作を知らずに見た人が羨ましいくらい。
ただ、映画の出来の割に、イマイチお客さん入ってないみたいだけど、こんないい映画を撮ってくれたことに「誰がなんと言おうと歓迎する!」(by原田先生)。