6.《ネタバレ》 当初予定されたタイトル「受胎告知」のイメージで見るか、
現行の「(秘)色情めす市場」として鑑賞するかで評価が
分かれるのではないか、という感想を持った一本。
モノクロで映し出される大阪・釜ヶ崎の生活感溢れる
情景は「生きる為に性を売る」感が生々しすぎて
エロなんて感じる事無く、劇場を出た20代の私。
その時点で田中監督が「受胎告知」というタイトルに
こだわりを持ってた事、合わせてこの時期に
お子様を亡くされる悲劇中での撮影であった事も知らず。
約10年ぶりのスクリーン鑑賞、上記のポイントを踏まえて
見直すとヒロインは汚れた俗世の中で生きている聖母
みたいなもの。生活の糧として売っていた身体を
愛の奉仕目的で捧げる事で世界に色が付く
=真っ赤な夕日が映し出す天王寺や大阪城、通天閣に
連なるイメージの羅列。枯れた今見直すと凄いエネルギー。
何十年経っても変わらないのはヒロイン芹明香の素晴らしさ。
この年19才とは思えない。面白いのは彼女自身は
「(秘)色情めす市場」タイトルの方が好みだった事、
周囲の反応とは逆に「演技には納得して無かった」
とインタビューで述べてる事。
初見に比べて評価が上がったので、
点数甘いかなと思うけど機会が有れば。
ブコウスキーの本・世界観が好きならハマるかも。