432.奇怪な現象が起こる中、家族愛を絡めながらも、一人の牧師(メル・ギブソン)が信仰心を取り戻すまでを描いているのはわかる。ストーリーの展開としては、中盤あたりまで緊迫感溢れる演出でゾクゾクさせてはくれるが、ラストに近づくにつれ陳腐な展開になっていく。あげくの果てには、つまらんモノまで出してしまい凡作以下の幕引きで、ジ・エンド。オイオイ、これじゃ~B級以下の宇宙人侵略ものじゃ~ないか! ! …と、ほとんどの方がこんな感想をお持ちでしょう。ところが、エンディング間際で少年はこう言っている。「(僕は)誰かに助けられたんだね」と。このひと言に、ピ~ンとこなかったであろうか。実は私は、ここにきて“ハッ”と身震いさせられた。最後の最後になって“どんでん返し”に気付いたわけです。《以下ネタバレ》つまり地球人は奇怪な現象と疑心暗鬼にかられ、ハナから宇宙人を侵略者扱いにしてはいないだろうか? …ということです。宇宙人は円盤や姿を人前に現しても、地球人に危害を加えたり攻撃を開始したという事実はないはずだ。ラストで家族の前に現われた宇宙人は、本当に毒ガスを少年に吸引させようとしていたのであろうか? それは地球人側の一方的な思い込みで、瀕死状態の少年を蘇生させる薬だったかも知れない。息を吹き返した少年は「誰かに助けられたんだね」と言っている。この誰かとは、先程の宇宙人だとすると、作品に張りめぐらされた仕掛け(サイン)が一気に解けてしまう。何ともオーソドックスな宇宙人の姿。しかも水に弱いという設定。人体の70%は水で出来ている人間を捕食するという(人間側の思い込み)。あれだけの科学力と跳躍力を持ちながら、無抵抗のまま撲殺されてしまう…等々。これらのバカバカしさはすべて計算済みで、シャマラン監督は裏をかいたヒントを観客に与え続けているとも言えよう。つまり宇宙人は、余程さし迫った事情があり、危険を顧みず地球人に友好と支援を求めに来たとは考えられないであろうか…。こう考えると、この作品の不可解な部分がスルスルと説明できるではないか。シャマラン監督は「未知との遭遇」「E.T.」を世に出したスピルバーグを大変尊敬しているという。もう一度、じっくりと各シーンを思い出してほしい。当の米国はもちろんのこと、キリスト圏に対し皮肉とも警鐘とも受け取れる痛烈なメッセージが込められていることが、きっとわかるはずです。 【光りやまねこ】さん 8点(2003-09-14 20:55:08) (良:6票) |
431.大滝秀治が隣で見ていたら「シャマラン、つまらん。おまえの映画はつまらん」とでも言うのが聞こえてきそうだ。 【彦馬】さん 3点(2004-02-29 12:51:19) (笑:4票) |
430.シャマランの映画は一つのネタと一つの崇高なテーマで出来ている。「死んだ人を見ることが出来る」「アメコミのヒーローは実在する」というのがネタ。一方、家族の再生、神から与えられた使命、というのが共通するテーマ。「サイン」のネタは「宇宙人による地球侵略を一つの家族に限定して描く」というもの。これは元来、「ミステリーゾーン」や「50年代チープSF」が得意としたネタなのだが、シャマランは、このネタと崇高なテーマを強引に結びつける。「シックス・センス」の場合、テーマとネタは上手く融合していたのだが、しだいにテーマとネタは乖離し「サイン」に至っては無茶苦茶である。B級SFネタと「神の存在」との融合。エドワード・D・ウッド・Jrがベルイマンと共作するようなもんだが、それにシャマランは気づいていない。それがいかに変なことであるかに気づかないまま、真面目に、真剣に取り組む。ちょっとおかしい奴。ただし、この男、「アンブレイカブル」の冒頭の1シーン1カット、「シックスセンス」のラングへの傾倒ぶりなどをみると、なかなか才能がある、と思う。「サイン」でも、そのサスペンス演出は見事だ。才能のある変な奴。ねじのゆるんだ奴。それがシャマランだ。私は断固支持する。新作では、もっと観客を「なんじゃこれ?」の嵐にたたき込んでほしいと切に願う。 【まぶぜたろう】さん 10点(2004-03-12 11:27:49) (良:3票) |
429.やられた! もう感動で涙が止まらねえ…! 何年かぶりに書き込みに来ちゃいましたよ! 全体を通して流れる、リヤカーで戦車を引っ張るようなアンバランス感と、その出来すぎなまでの完全解決。まるで他人事のような醒めたカメラワークの産むギャグが、ラストでロジカルな美と融合する事で、陰画のように巨大な存在を浮かび上がらせる。映画全体をバランスするためには、その(画面には決して登場しない)存在を最初から仮定しておかなければならなかったのだ。 神話からメルヘンを通って教養小説に至る物語技法の原動力に、直接触れてエネルギーを取り出したような感じ。この絶妙なバランス感覚は天才的で眩しい。 ホントなら10点でもいい感じなんだけど…でもまあ結局、日本人にはほぼ他人事なんよねえ。なんかモーツアルトの音楽を聞く時のもどかしさに近いかもです。 ●2012/3/10 追記: 良票来たのでついでに。『アンブレイカブル』では街の色使いの変化が主人公世界の変化に呼応していた。本作では、主人公が物語の手綱を握っている時(つまり大半の時間)で、カメラは固定になっている。そして家族と心が通じて「家族の物語」となる時だけカメラが動く、という隠れルールがある。 これ、主人公の心理をカメラで表現しているとも言えるんだけど、言葉通りの「神の視点」を表現できてると思うんですよね。クライマックスが来て、観客が「自分は今まで神の目線で一人の男を見つめていたんだ」と気付く瞬間、それまでの様々な不幸や、怪異や、ギャグが吹っ飛んでいく。自分はこの物語を超えていたんだ、超上から目線で見ていたんだと理解する。そうすると、人間ってモノの小ささが見えてきて、同時に人への慈しみが湧いてきます。 キリスト教的な意味での「神」の気持ちになれる稀有な映画だと思うんですよね。 【エスねこ】さん [インターネット(字幕)] 8点(2011-07-27 00:44:45) (良:2票) |
428.そもそも水が苦手なら水の惑星に来るなと言いたい。 【まさかずきゅーぶりっく】さん [DVD(字幕)] 2点(2006-06-19 18:28:18) (笑:2票) |
427.バットで宇宙人ぶん殴る!アンタッチャブル以来の衝撃。 【腸炎】さん 6点(2004-01-10 18:30:06) (笑:2票) |
426.《ネタバレ》 SFとしてみると最悪。ホラー、コメディーとしてみるとまぁまぁ。ヒューマンドラマとしてみると最高だった。宇宙人に水ぶっかけると死ぬってのはマズイ。それじゃ人間食ったら死ぬ。でも、緊張と緩和って良く言うけれどまさにそれが出来てて笑えた。叔父さんと子供3人でアルミ箔かぶってるところ最高だった。また、この作品、主人公が神父で奥さんが不慮の事故で死んでしまってて、宗教を捨てているという設定が良い。神を信じなくなり、自分の力でしか自分は守れないと考える主人公。でも、最後には奥さんの最後の言葉から宇宙人倒せる。まさに奇跡。そして最後にはまた神父になって終わる。偶然とか確率とかについて考えさせられた。監督が数学の国インド出身だからこそなし得たのかなぁと思えた。そういう意味ではこの作品、面白かったと思う。 あとこの作品、タイトルは「サイン」よりどちらかといえば「スイング」が合ってると思う。 【カジ】さん 8点(2004-01-02 22:44:56) (良:2票) |
【のりまき】さん 1点(2003-11-06 00:17:50) (笑:2票) |
424.《ネタバレ》 冒頭からなにやら謎ばかり ミステリーサークル 水を厭う娘 狂った犬 神父を辞めた理由 母親の死 父親への不信感 燃える自宅 ただこちらに投げかける謎だけでほとんど理由を語らない 推測できるものもあれば、息子の父親への不信感とか最後まで判らないものもある どうやら母親が死んだ理由が父親にあるようだが、後に語られる交通事故と父親の因果関係は無いと言うよりも語られない 宇宙人の侵略を極々ミニマムなアメリカの田舎町のしかも主人公の一軒家のみで描くのは新鮮だった 全編を通してシャマランらしい不思議な雰囲気である 映画の出来が良いも悪いも、その雰囲気には引き込まれた 同居人の弟も妙にコミカルで不思議な描き方 「宇宙戦争」の様な驚異はまるでない 防御もドアの目張りをしただけで銃すら出てこないのはこれはこれでとてもいいと思った なによりも今まで見た事が無い メル・ギブソンも抑えた演技で、妻の事故死の原因となったインド人が主人公に詫びるシーンでのメルの我慢した泣きの演技は絶品で、こちらも思わずグッときてしまった 最後の晩餐を思わせる夕食のテーブルで泣きながらヤケ食いをするメルも抜群だった この映画をミステリーやSFとして見たら不満が残るかもしれない しかし神に不信感を持った牧師が神のサイン(神の啓示?)を感じて失った信仰心を取り戻す話だったらどうだろうか? そう思うと心の奥の方からじわっと感動がやってきた 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-03-05 02:56:29) (良:1票) |
423.《ネタバレ》 あぁ、この作品は異星人というのは主たる要素ではないんですね。 だから、異星人の設定もああいう感じでいいんだ~。 いやぁ納得、納得♪ ・・・・って納得できるかっ! 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 3点(2013-08-15 16:45:11) (笑:1票) |
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422.《ネタバレ》 思ったほど悪くない。評価悪い人は表テーマに こだわりすぎた結果。本当にシャマランがいいたいことは裏テーマだからいくら 表つっこんでもそこに意味はあまりないんだよねー。 【とま】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-08-06 23:43:30) (良:1票) |
421.《ネタバレ》 高額の脚本料が支払われたそうですが、それに見合った脚本かというと正直・・・。 家族4人を演じた演者が予想外に頑張っていたので、何とか成立した部分が大きいかも。 撮り方も、スリリングにツボを押さえてたと思います。 じゃあ、何が悪かったって?やはり脚本以外ありえないと思います。 娘が所々に水を汲んで置いておくという奇行という伏線も、「強引」としか思えないし、何より宇宙人に木のバットで戦い、そして「お水」が弱点の宇宙人。 これには良い解釈などしようがない。 妻を事故で失い、神の存在に疑念を抱いた神父が農夫となり、今回の件で再び神の存在を信じるようになり神父に戻る。 普通に宇宙人侵略的な部分を切り取って、ここの部分だけを丁寧に描いた方が良い映画になったんじゃないですかね? これみよがしに綺麗なオチをつけられても、その過程までが、あまりに自分本位な脚本な印象があります。 「シックスセンス」が当たったことにより、ストーリーを作る上でのセンシブルな部分が欠けてしまった。 「アンブレイカブル」も、そんな雰囲気あったけど、さらにひどくなった。 【バニーボーイ】さん [DVD(字幕)] 4点(2009-10-23 08:57:20) (良:1票) |
420.《ネタバレ》 ミステリーサークルが主題だと思ったら全く違いました。 ここで言いたかったのは、身の回りに起こる予兆(サイン)が、ただの偶然に起こったことなのか、それを神の啓示としてとらえるのかと言うことです。 妻を亡くした牧師は、信仰を失くしてしまうが、妻の残した言葉の意味を理解出来ずにいた。宇宙人の襲来で妻の残した言葉がヒントになり、窮地を逃れることができ、再び信仰を取り戻すことが出来た。 人は困難にぶつかった時、藁をも掴む思いで助けをもとめるが、何らかの予兆(サイン)が助けとなった時、神の存在を信じる様になるのではないかと思う。 自分は神の存在を信じてはいないが、身の回りに起こる偶然な出来事は、何らかの予兆(サイン)であると思うようになってきた。 SF映画として観た人には結末は物足りなかったと思うが、それよりももっと奥の深い映画だと思います。 【nishiken】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-08-11 04:02:42) (良:1票) |
419.《ネタバレ》 公開当時そりゃ期待しましたヨ!、なんたってポスターがミステリーサークルですよ!初日速攻映画館でした。しかし、“終わり良ければ全て良し”とよく言うけど、その逆も有るわけで、ラストは愕然としました。頭を抱えて“うっそぉー”と叫びたくなる心境でしたね。だいたい、水が苦手な異性人が惑星の表面を70%の水で覆っている、この星に来る事自体ナンセンスな設定、そもそも来た理由が人間を食料にって・・・人間の体は殆どが水分な訳で、彼らにとって人間は苦手どころか、まさに強酸性の血液を持ったエイリアンと同じ状況、“もうチョット調べてから来いよ!”と捨て台詞を吐いてしまいそうな設定です。それとも日干しにしてから食うわけ?と突っ込みを入れてしまいましたが、この映画意外にお気に入りなのか?何度も見ては突っ込みいれてます。いわゆる“嫌い嫌いも好きのうち”みたいな・・・ 【みんてん】さん 7点(2005-02-26 17:42:22) (良:1票) |
【たま】さん 4点(2005-02-02 20:01:05) (笑:1票) |
417.みんな悪く言うけど、サスペンス物としていい出来だと思うよ。 時間が短く感じられたもの。 でも、円盤でやってくる宇宙人があんなに弱いわけないし、裸体で地上に降りるなんてミスを犯すかなという疑問は残る。 アルミ箔で作ったとんがり帽子には笑った。俺もかみさんに思考読まれないようにあれかぶるかな。 【くぼごん】さん 7点(2004-10-03 01:35:57) (笑:1票) |
416.またやられたっ!「アンブレイカブル」で身に沁みたはずなのに、懲りずに見ちゃった私が悪うございました。なんで見たくなるんだろう?たぶんコケ具合を確かめたいというヘンな期待があるんだと思う。その意味では期待に応えてくれた、これもまた映画を見る楽しみのひとつになってきてしまったようだ。したがって作品や監督について批判することはできません。 【envy】さん 2点(2004-09-12 14:43:03) (笑:1票) |
415.《ネタバレ》 最初、映画館で観たときには、あまりの肩すかしな内容に脱力したのだが、今から考えると面白い映画だったような気がする。まあ、無理矢理「すべてがサインだったのだ」というオチというのは、やっぱり変だけど、超常現象への一つの答えというか、そういうモノは感じた。つまり、人の能力も悲しみもすべては誰かを救うためにあるというか。シャマラン監督の一連の超常現象モノを並べて観てみるのも面白いかもしれない。でも、ホアキンの銀紙の帽子姿がどうしても脳裏に焼き付いて離れないのが困りもの。 【ルクレツィアの娘】さん 6点(2004-07-13 22:48:41) (笑:1票) |
414.誰かシャマランを止めてやれ!宇宙人の造作に1点、シャマラン監督の演技力の無さに1点、ホアキン・フェニックスの電波防止帽子(だっけ?)に1点。 【金子淳】さん 3点(2004-07-01 10:09:02) (笑:1票) |
413.《ネタバレ》 シャマラン本人も認めている通り、後半の一軒家に立て篭もりな展開は窓に板切れ打ち付けたりして明らかにダフネ=デュ・モーリアの「鳥」原作小説に影響受けまくり(過ぎ)!!因みに映画の「鳥」とはほぼ別物なんで勘違い無きように。ドアや煙突から執拗に侵入を試みる鳥たちとの攻防のようなスリル&サスペンスが本作には弱いってか弱過ぎるので悪いけど5点。 【へちょちょ】さん 5点(2004-04-04 18:12:12) (良:1票) |