275.移民、ギャング、ニューヨークとくればスコセッシ。でも初期のスコセッシはここにはいない。ニューヨーク創成期の一代絵巻なんてスコセッシには向かない。もっと小さく狭くいってほしい。大作を作るならもっとユーモアのセンスを磨かなくては。アカデミー賞を獲りにいくのはべつに構わない。でもこの作品はそんな想いが透けて見えてなんとも痛々しい。無難な出来なのかもしれないが消極的にも見える。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 3点(2007-01-12 13:41:52) (良:1票) |
274.あまり自分は好きではないスコセッシ作品の中で意外と好きな作品。 どう感じていいか難しいラスト以外は面白いと思うし、モノ凄い情熱を込めた映画だと感じる。ビルとアムステルダムの関係が様々な想いが重なり面白いと感じる。 アムステルダムにとって、ビルは父の仇であるのと同時に、父の理解者であり、尊敬や畏敬の念を抱くに値する男である。ビルの下で働くのを楽しんでいるかのようであった。ビルの暗殺を食い止めたのは、自分の手で殺したかったのではなく、やはり尊敬から自然とああいう行動に出てしまったのだろう。 一方、ビルにとって、アムステルダムはある意味「息子」のような存在だったのではないかと思う。ビルは息子を望んでいたし、知恵も勇気もあるアムステルダムのことを買っていたのは間違い無い。 アムステルダムによるビル暗殺が失敗に終わってもアムステルダムのことを殺さずに焼印を押しただけにとどめたのも納得ができる。 以前、ビルはヴァロン神父に殺されそうになった時に、恐怖で目をそむけたことがあり、「恥を背負って生きろ」とヴァロンに殺されなかったエピソードが思い出される。それによりビルは目をくり貫いて一回り成長してヴァロンを殺すことができた。自分がされたことを全く同様のことをしたのである。ここでもビルのヴァロンに対する尊敬の気持ちが感じられる。 これにより、アムステルダムは一層、一皮剥けたと思う。父と同様に信念を持ち、同胞をまとめあげるリーダーシップを得れたような気がする。始めてビルと対等の立場にたつことができたのではないか。 恋愛を交えるのは別に悪いとは思わないが、もう少しちゃんとジョニーとの友情なり、ジェニーに対する想いをきっちりと描いておけば効果的なものとなったであろう。ダンスシーンだけで充分とは思えない。 ジェニーは突然ではないがカルフォルニアに行きたいとかトンチンカンなことを言い出すのが不明だ。アムステルダムを止めたいのか何なのか、ボコられて戻ってくるのも中途半端だ。 ラストは軍隊という大きなチカラについて自分なりに感じたものはあったが、スコセッシはどのような意味を込めたんだろうか。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-04-10 02:22:43) (良:1票) |
273.《ネタバレ》 一度目は「つまんないなぁ」って思ったんですけど、2度目の鑑賞は楽しめました。よく作りこまれてる映画なので、2度3度見る方が絶対に楽しめるんですね。この映画はなかなかに意欲的で、ヤクザの抗争にリンクさせて激動のアメリカ史が描かれています。「ゴッドファーザー」サーガは時代とともに変わりゆくマフィアの姿を描いていましたが、ここではギャングが時代そのものとして描かれます。時代に翻弄される映画は数あれど、時代そのものを描く映画は少ないように思います。脚本の出来がよく、個人である各キャラクターの行動とアメリカ史の推移が違和感なくシンクロしています。さらにすべてのエピソードがクライマックスへ向けて収斂しており、本当によくまとまっています。クライマックス、混沌が支配する街でフツフツと堆積していた不満がついに爆発し、全市を席巻する大暴動へと発展。暴動の中でのネイティブズ(建国以来のアメリカ人)VS移民(新たなアメリカ人)の果し合いは、まさに世代交代の瞬間です。ここでのビルの死は古いアメリカ人の敗退、そして新しいアメリカ人の勝利を意味しており、それは移民が主役となって成長してゆくその後のアメリカの象徴でもあります。同時に、ここでの果し合いは政府による砲撃で中断しますが、それはギャングによる支配の終わりを意味します。それまでのNYはギャングの支配下にありました。ギャングこそが法律であり、政治家ですらギャングと共存関係にありました。しかしついに政府の力が全市に及び、彼らによる支配は終わりを迎えたのです。ネイティブズとギャングという2つの時代の終焉をこの映画は描いていたのです。そしてラストでは、ビル・ザ・ブッチャーとヴァロン神父という過去の遺物の墓標が見守る前で、NYは現在へと成長をしていきます。そしてテーマ曲「The Hands That Built America」と来るわけですから、もう震えましたね。そんな立派な映画なわけですけど、問題点は主人公のアムステルダムにあると思います。彼は状況に流されて右往左往してるだけで、どうにも行動が弱い。別にディカプリオがというわけでなく、描写自体が弱いんです。このあたりがスコセッシの限界というか、彼はキレた人とかキ○ガイとか、要するに傍若無人なまでに我が道を行く人を描かせるとピカイチなんですけど、一方で迷い悩む人間を描くのはあまり得意ではないようで。 【ザ・チャンバラ】さん 8点(2004-09-10 02:51:17) (良:1票) |
272.民族戦争・富裕層と貧困層の亀裂・政治とギャングの絡み合い 南北戦争当時のニューヨークってあんな風に血みどろの殺し合いが 平気で行われてたのか・・・・歴史って怖いなと思た。。 鷲鼻のダニエル・デイ・ルイスという役者 風貌といい、 存在感といい、非常に印象深く残りました。彼に冷徹な伯爵役とか やらせれば多分 他の追随を許さないでしょうね。 ディカプリオが太ってるって前評判で聞いていたのですが、そう言われる 程 肥えているようには見えませんでしたよ。ワイルドな感じで格好 良かったと思います。 元々あまりキャメロンディアスという女優さんには興味なかったのですが、 ディカプリオとのラブシーンが結構エロチックなので(;´Д`)ハァハァして しまいました^^; 見所はそのくらいかなww 【アキト】さん 6点(2004-08-19 01:48:12) |
271.観終わったときの感覚が、インデペンデンス・デイ観終った時の感覚と同じだった。 【永遠】さん 5点(2004-05-25 11:40:13) (笑:1票) |
270.酷評が多い割には、まあまあ良くできた映画だった。ニューヨークの忘れ去られた歴史、封印された過去を語っていて、企画としては面白い。ただ、話に骨格が無くてハンパで、残虐で血なまぐさい闘争シーンが多いので、観ていて辟易してくる。主人公たちが正義のために闘うシーンではなく、延々とギャングたちが血を流す話なので、もういいやという気分になるのだ。ディカプリオ主演!ということで公開されたが、圧倒的に存在感が光ってるのは敵役ダニエル。デイ・ルイスである。彼の生き方は決して正しくはないが、一応の筋が通っている。アメリカは「闘って勝ち取ったもの」を尊ぶ。だからこそ、新たに入ってきて、豊かに実ったものだけをほしがる移民たちを憎む。だからこそ、時代に取り残され、政治家や富豪たちに利用されながらも、ギャングたちは闘うのである。もともとは自分たちも移民であるのにネイティブズと名乗って、移民や黒人たちを暴力をもって排除しようとする。その暴力の嵐の中で、意味もなく復讐心だけ抱えてハンパにさまよう主人公アムステルダムは単なるアホでしかない。この主人公は、開いた口がふさがらないほど芯が無い。ただ、南北戦争当時のアメリカは暗い。夜明けはまだ遠く、闇の底で大量の血が流れている時代なのだ。その中で、この主人公のようにハンパに生きながら、いつのまにかリーダーになっちゃった人間もいたのかもしれない。キャメロン・ディアスの美貌は、暗い世界を照らすように輝いていて、キャラクターとしても面白かった。 【ルクレツィアの娘】さん 5点(2004-04-04 16:59:46) (良:1票) |
269.これは劇場まで観に行ったのだが、観賞後ものすごい疲労感に見舞われた。長い映画はこれまで何度も観てきたが、これはただ長いと言うだけではなく、とにかく、ものすごく疲れる映画だった。莫大なお金と時間をかけて作った、制作者達の呪いではないだろうかと思うくらいだった。何がいけなかったのだろう。おそらく、日本人の私には、理解しにくかったからでは無いかと思う。 移民達の手によって築き上げられたニューヨークは、数々の壮絶な時代を経て成り立ったもの。その壮絶な歴史の断片を描き、この大都会にも、そう言う時代があったのだ・・と言うことが、言いたかったのだろうと思う。しかし、日本人には、自分の手で国を築き上げたと言う感覚は、あまり無い。自由や独立を勝ち取って作られた国では無いからだ。そしてほぼ単一民族の日本人にとっては、移民の話もあまり身近なものでは無い。故に、そう言う私達が見ても、イマイチぴんと来ないのが実状だろう。 これは国民性の違いであるから、仕方が無いと思う。結果、どうしても、客観的に見てしまう。 この映画は観る人を選ぶ上に、かなり限られてしまうと思う。 【深海】さん 5点(2004-01-15 23:40:42) (良:1票) |
268.ニューヨークの土に流される血。その民族と宗教の戦いの歴史は、過去のものへと流れてゆくものじゃなくて、今も形を変えながら、繰り返されている・・・皮肉な事に、9.11が、この映画に重たい意味を与えてしまった感じです。ラストショットを見て、何も感じない人は、まずいないでしょうし、それが映画の内容に符合してしまっていて、憂鬱な気分になります。常に勝利を命題に掲げた人々の虚しい世界の映画、ですね・・・。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 7点(2003-12-01 14:29:03) (良:1票) |
267.「力作」、ただそれだけ。「傑作」でもなければ「駄作」でもない。 【STYX21】さん 5点(2003-11-24 21:05:53) (良:1票) |
266.スコセッシの暴力的な描き方はもともと苦手だった。でも今回監督の意図はニューヨークのルーツ、ひいてはアメリカのルーツを描くことにあったと思った。「この国は暴力ばかりだ」など実は自国の好戦的な部分を告発しているのでは・・ラストのニューヨークの移り変わりをモノクロに近い色彩で見せるのは、最近では傑出のラストシーンです。売り込みのために恋愛映画のようなコピー宣伝したのはまちがい。アメリカのルーツ映画と言えば分かりやすかったのにね。 【キリコ】さん 6点(2003-02-03 20:59:38) (良:1票) |
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265.ダニエルデイルイスの、はりあげた声がすばらしかった。 【まさるす12】さん 7点(2003-01-01 19:04:46) (良:1票) |
264.いやー、スコセッシの集大成ですねぇー、まさに大作でした。中身が濃いんでだいぶ疲れましたけど。でもなー、スコセッシの最高傑作ではありませんねぇ。人間感情の内面を表現する彼の作品の中で、これは大作のせいか大味な感じがしました。やたら戦ってばかりで、徹底的に暴力映画の極みって感じなので、とても万人浮けするとは思いませんし、人にもなかなか薦められない作品です。でも過去にはこんなことがあって、その上に今が成り立ってる、そんなことを思わせるラストはいい余韻でした。 【あろえりーな】さん 7点(2002-12-23 20:35:01) (良:1票) |
263.激動の歴史の中では主人公の復讐劇など余りにも些細な出来事。そこで得られるものは虚しさのみ。その屍の上に容赦なく歴史は積み上げられていく…。もし、この物語のテーマがそうだとしても、168分の映画としては少し退屈。それは歴史を描くばかりで、人物を描いていないからだと思います。しかし、セットと衣装と人数に金をかけた本当の大作映画を観た満足感は得られます。スケールをそのまま映し出すカメラ・ワークにも風格が感じられました。という訳で、(きっとメモリアルの意味で)ツイン・タワーの残されたラスト・ショットに、5点献上。 【sayzin】さん 5点(2002-12-19 19:02:36) (良:1票) |
262.《ネタバレ》 アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたのが、ダニエルデイルイスだったこと、デカプリオにとっては辛かったと思うけど、ちょっと納得。義眼とベタベタな前髪と、刃物使いがとにかく恐ろしく、でもなんとなく温かい人物のよう。こういう人物像って大げさになり過ぎちゃうことありそうだけど、さすがです。調度いい。全体的にミュージカル?ぽい場面が目立ち、おとぎ話みたいだったけど、ラストの戦闘シーンは目をふさぎたくなるほど壮絶で、実際にあった歴史上の事件を後世に語り継ぐという使命を持って作られた事が感じられます。そしてその時の犠牲者の墓標が少しずつ朽ちていき、ニューヨークの街がだんだん作られていくラストシーンが、この作品のメッセージですね。長いけど分かりやすく、良かったと思います。 【ちゃか】さん [インターネット(字幕)] 6点(2024-03-25 16:55:53) |
261.なんかよく分からないと言うかすっきりしない話。ただの復讐劇に余計な伏線がついているだけ。ディカプリオの存在が印象に残るだけ。 【イサオマン】さん [地上波(吹替)] 4点(2022-12-29 06:35:24) |
260.《ネタバレ》 スコセッシお得意の尺の長い一大叙事詩。 みるからにお金をつぎ込んだ大人数のエキストラ。 裏腹にこんなインパクトあるタイトルで言えばギャングってこんなマイルドなのかというのが率直な感想。 煮え切らないストーリー性に配役はディカプリオとデイルイスで流石なんだけどキャメロンディアスは変わりが利いたかな。 |
259.《ネタバレ》 親の敵に仕えてみたら情が移ってしまって殺せない?→普通にナイフ投げを仕掛けてる。返り討ちにあったけど、同胞を集めてリベンジだ→暴動に巻き込まれ、敵も味方もまとめて官憲に掃討される。と、悪い意味で予想外でした。映画の背景にある新興国アメリカの発展中の雰囲気はとても良かった。 【次郎丸三郎】さん [DVD(吹替)] 6点(2020-04-16 16:01:54) |
258.できれば、"ネイティブ・アメリカンズ" と "デッド・ラビッツ" のグループ抗争にもっと焦点を当てて、クライマックスでダニエル・デイ=ルイスとリーアム・ニーソンの名優二人による決闘がいい。 これを合わせて160分ほどにのばして、デカプリオとキャメロン・ディアスの出演シーンを6分程度に圧縮したディレクターズカット版がぜひ観たい。 【タケノコ】さん [DVD(字幕)] 5点(2020-04-05 21:46:05) |
257.無駄に長いという意味では、如何にもスコセッシらしい作品。 原作はおそらく膨大な物語で、映画はまるでダイジェストを見ているような感じ。 キャメロン・ディアスの立ち位置もよくわからないし、単純な復讐劇を何故ここまで難しくしたのか、理解に苦しむ。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2020-02-06 18:50:36) |
256.《ネタバレ》 大乱闘で親父が殺された!→なんやかんやあったけど、デイ=ルイス格好好い!(この間120分)→再び大乱闘!ワチャワチャしたけど、なんかカタキは取れたぜ! というだけの映画だが、色々と?な展開・演出の数々は正直意味不明なレベルまでに出来が良くない。一点だけ、非常に単純な敵討ちの物語で、要は二人だけの話(狙う方とカタキ)なのにも関わらず、その二人が種々の点で全く釣り合いが取れていないのが致命的に気になる。カタキの方は高潔で敏腕、加えて演技も超迫力なのに対し、ディカプリオの方はちょっと喧嘩強いだけの小物(手下に甘んじて裏で命を狙うというのは、どうしたって裏切り者の誹りは免れないだろう)、加えてバカ(ナイフで殺すことに拘って失敗し、失敗してから銃を取り出すもなんとナイフ投げで阻止されるという絵に描いたような間抜けぶり)、演技も平坦かつ平凡で、これではカタルシスも何もあったもんではない。何故にここまでシンプルな話がこんなにつまらなく(しかも長尺に)なったったのだろうか… もう一点、C・ディアスは見た目あんまし「品」の有る方でもないと思うのだが(逆に近寄りがたくなくてコケティッシュな所が魅力だと思ってる)、それにセコいコソ泥を演らせてしまうと、ちょっと育ちが悪すぎるようにも思う(少し憎々しすぎるというか)。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 3点(2020-01-19 14:02:42) |