195.《ネタバレ》 押井守著「哲学入門」。「自己存在とは」とか、「意識とは」という、現代科学未解決の大問題に対して、ただ自己陶酔しているだけの独り言を聞かされているような居心地の悪さを感じる。作品の見た目とは違い、意識に対する科学的・生物学的なアプローチはほとんどなく、古今東西の文献からの引用や、衒学的かつ抽象的な単語を並べ立てて、何となく思わせぶりな雰囲気の中でキャラにしゃべらせているだけで、内容的には何の結論も出さず終い。非常に薄っぺらい。そんな言葉それ自体には、何も喚起させるものはないし、心に響かない。もっと態度や行動で示してくれないと、人の心を打つことは出来ないはず。これならまだ前作の方がテーマを伝えるための骨子がしっかりしていた。今作で一番「生きたセリフ」だったのは、「給料分は働いてもらうぜ」くらい。 美麗なCG映像も「表現の本質」から明らかにズレて来ている。内容同様、表面を飾り立てているだけで、「何を見せたいのか」という表現における明確な方向性がない。写実主義が悪い訳ではないが、CGという表現媒体を得てから、特にアニメの表現力は逆に後退している危惧を感じる。一度、原点に戻って「表現の本質」を見直してもらいたい。 【FSS】さん 5点(2004-11-22 20:49:35) (良:4票) |
194.《ネタバレ》 ★ジブリ鈴木氏推奨の「イノセンス」ってタイトルにして正解というか。●抜け殻のバトー、生身のトグサ、そして犬。生命の定義としてのコントラストが活きていたかな。そういう意味では前作よりもSACチック。●前作から3年後、広大なネットにその身(つーかゴースト)をダイヴした素子。友(最愛なる相棒)と呼べる唯一の存在を失い、犬のように素子を待ち続けるバトー。●すべての押井作品は、夕闇(夜)から始まって朝に終わるのですが、前作のみ唯一夜で終わります。さてこの作品は「朝」で終わるか「夜」で終わるか、確かめに行って下さい。★で、あー、あれだよ、ハッキリ言って「イノセンス」つーか「攻殻機動隊」は「未来あぶない刑事」だと思えば全然むずかしい話しじゃない(笑)。●バトー(舘ひろし/タカ)は、トグサ(中村トオル/トオル)と新コンビを組んで事件にあたるものの、失踪した元相棒の少佐(柴田恭平/ユージ)にずっと思いを馳せているっつー、実に単純な友情と愛の物語。で、ユージとの日々を忘れられず、寂しくて犬とか飼っちゃう訳よ、あのハードボイルドで刑事マシーンの鷹山がさ。それがまたかわいい訳よ。●公安9課なんか、横浜港暑捜査刑事課だし荒巻は中条静夫(近藤)だろ(笑)。イシカワやサイトーはベンガルだったり、秋山武史じゃん。そんなもんだよ。で、未来の話しだから、ネットが発達していて「外付け機器」も発達していて、そうすっと生身の人間(器)なんかいらなくなっちゃって、じゃ、自己や人としての器って何?生命って何?魂の住処ってどこ?みたいな堂々巡りをしちゃうから、その迷える魂がさ、それに絡んだ犯罪を起こしちまったり、事件にあたった刑事がつべこべ考え込んじゃったりするのさGET UP!(めぐる) GET ON!(いつも~)★この作品では、ほんと、犬の存在が上手く使われているなあと感心します。●犬って愛玩物としてこれまでに各種交配を繰り返し、それこそ人間が人工的に作った生物でもある訳じゃん。しかしまごうことなき「生命(魂)」のある存在な訳ですよね(当たり前ですけれど)。●脳の一部以外すべて機械であるバトーが、最愛の相棒を失い“自分以外の何か”つまり、新しい相棒、生身のトグサでなく「生命(魂)ある外付け機器」の“犬”にアクセスし、自己を確認したくなる気持ちってなんか自然に理解できるぜTAKE ON! 【カズユキ】さん 8点(2004-03-13 04:08:49) (良:3票)(笑:2票) |
193.《ネタバレ》 映画には二通りあると思う。映画を見れば内容がわかるので観客は作品をただ受け止めるだけ、という受動型映画と、見る観客側にも感受性を働かせたり考えることを求めたりして映画に参加することを要求する能動型映画。もちろん前者が悪いわけではない。ハリウッドの大作映画だって面白いものはある。が、この映画は断然後者。そして受動型映画の見方をして「つまらない」と言っているのを聞いていると非常に心が痛む。この映画には見方があるのだ。「映画の分際で何を」と思われるかもしれないが、そう思うと理解できるところもあるのでは? ようするに感性が合うかどうか。感性が合わない人には最悪映画だろう。これは。 そもそもこの映画の悲劇的なところは宣伝の失敗にある。宣伝する側が「前作は見なくても楽しめる」と言っているのが大失敗だ。かの名作「ロード・オブ・ザ・リング」だっていきなり「王の帰還」から見ればただのつまらない長ったらしい作品だ。まず「攻殻機動隊」ありき。必須。「攻殻機動隊」を見て、小難しい設定やら用語はひとまず置いといて、バトーと素子の切ない関係だけでもおさえておけば「イノセンス」は楽しめる。難解な引用など詩かBGMかと思っておけばいい。(でも本当はあとで知ると意外に意味深なことを言っていたりするけど、まあいいや)とりあえず前作さえ見ていれば、何故バトーや9課の面々ががあれほどへこんでいるかわかるはず。そしてなにより、前作を知らなければあのクライマックスが全然楽しめない。「誰? 少佐って?」とか、バトーが人形に洋服をかける意味がわからないとか、それだけで映画の魅力の三分の二は喪失している。逆にそこさえ押さえておけば、ラブストーリーとして十分に楽しめる。情熱的な描写こそないが、静かに相手を思う男の淡いラブ・ストーリー。前作から二人の関係に魅せられた当方にしてみればこの映画のクライマックスは9年越しで送られた最高の贈り物だ。もちろん、映画の主題は違うところにあるけどね。個人的には10点満点で100点ぐらいつけたいが、万人受けしないので9点。押井さんにはこれからも容赦なく自分の表現の道をまい進してほしい。マンハッタンラブストーリーにいわく、「記録より記憶に残る作品」を。 【ペンギン皇帝】さん 9点(2004-03-17 00:30:32) (良:4票) |
192.《ネタバレ》 辛口です。他の人と似たような感想ですが…。この話ってSFの犯罪ものですよね。あらすじを簡単に言うと、少女買春用ロボットを作るために人間の子供の脳を使っていた、と。それをひそかに告発しようとした内部の人間がロボットの暴走事件を起こし、当局を動かした、と。ただそれだけのストーリーなのに、猛烈に長い引用を含めた哲学的な台詞と、画面の隅々まで細かい描写で埋め尽くした映像を使って、難解かつ何事かたいそうなことを語っているように見せかけているように思えてしまう。途中に対決する役割のよく分からないキーマンとの細かいやりとりとか、やたらとぼそぼそと聞こえるだけの独白のような長い長い台詞、大人向け本格アニメのようでいて、実は子供だましのように思えてなりません。やたらと画面や主人公の表情が暗く、陰鬱なのも鼻につきます。何か深い思いを秘めた主人公のニヒルさが、実は何も考えていないただの暗い奴のようにさえ見えてきます。ただ、映像センスや独自の世界観には他の追随を許さないものがあるのも確か。押井監督を裸の王様にしておくのは惜しい(別にダジャレじゃありません)。おべっかばかり使うブレインじゃなくて、「あんた、これじゃオナニー映画だよ!」と直言して、まともな脚本を書けるいいブレインを雇うべきじゃないだろうか。 【しまうま】さん 5点(2004-03-15 01:35:34) (良:3票) |
191.「アントニオ、それはいのき。」 ・・・。 よく分からなかったので、こんなクダラナイ駄洒落を言うぐらいしか・・・。 【紅蓮天国】さん 6点(2004-02-28 17:13:46) (笑:3票) |
190.《ネタバレ》 甲殻を見てから見ればよかったです。少佐って誰ですか。 【osamurai】さん [DVD(邦画)] 3点(2008-09-12 13:16:20) (笑:3票) |
189.《ネタバレ》 人身売買された少女のゴーストを注入したリアル系セクサロイドで大儲けしようとしたロボット会社だったが、少女に同情した出荷検査師が問題を起こすようよプログラムを書き換え、サンプル出荷されたセクサロイドは相手を殺して自壊する。検査師はヤクザに処刑され、事件を追うバトー達は黒幕をあぶりだすためにヤクザを殲滅する。しかしその帰りにバトーは電脳ハッキングされ間一髪で同僚に救出される。これだけのハッキング技術を持つのは少佐以外にキムしか考えられず、バトー達は本社のある北端択捉へ飛びキムを探す。キムはさらなる電脳ハッキングトラップをしかけてきたが、バトーは少佐のメッセージでそれを見破り、キムの電脳を使って海上のロボット工場に侵入する。ロボット達が襲い掛かるが、その中の一体に少佐がDLされてバトーと共に戦い、工場は制圧されて少女が救出される・・・というようなストーリー(たぶん)を、HDで検索しながら会話するという設定のバトー達が、焦点の定まらない引用句で会話しあい、さらに登場人物が独自のロボット論をやたら展開するため、一度ではすっきりストーリーが理解できない作りになっている。理解するためには二度三度劇場で観て、DVDを買い上げ、さらに前作のDVDも、という難解マーケティングにあなたはついて行くか?でもついていっても大した感動が得られない、つまらない、徒労感がせきのやま。絵だけみるならいいけど眠いぜ。ろくな脚本かけないなら脚本には手をだすな、とこの監督にいいたい。 【マンフロント】さん [DVD(邦画)] 1点(2006-12-23 19:12:13) (良:3票) |
188.ファンにはどうだか知らないが、敷居の高さが気にかかる。「甲殻機動隊」が何なのかも知らず、いわんや映像に溺れるほどのアニメ好きでもない人間が、「ただ何となく」観るのは不可。断じて不可。大体、分かり難過ぎるよ、続編だってことが。新聞広告も劇場宣伝ももっとちゃんと言うべきではないのか。ま、気付かん方が悪いのだろうが。さて、話自体はそんなに難しくはない。よくある刑事モノと大差ないが、固有名詞に理解が及ばないために悪戯に脳内で複雑化する。さらに、アレコレ引用して喋るのがちと多すぎる。教養がついつい迸り出てるのかも知れないが、こっちはそんなに物識りではないのでついて行けぬ。まあ、オチが理解出来ただけでも良しとしなくてはなるまい。犬と人形への偏愛が鼻につくがそれは我慢するとして。映像は凄いが、ちょっと眩暈がする。画面展開が多くて気が抜けない。忙しい。反面、音楽はかなり素晴らしい。オープニングのヘンテコリンな歌がとても良い。あの歌だけ欲しい。総括すると、完成度は高いが取っ付き難い、といったところ。押井守が才能溢れる人だというのは分かったので、今度は「ファン歓迎素人衆お断り」ではなく広く門戸を開放した作品を作ってくれないかな。見上げるような敷居の高さが少しでも減れば、と希望を込めてこの点数。 【山岳蘭人】さん 4点(2004-03-14 17:19:15) (良:2票) |
187.画は素晴らしかったです。CGとアニメがさほど違和感無く合わさっていて……。が、話は全くちんぷんかんぷん。『攻殻機動隊』とやらを知らない私は、まず世界観が分からない。設定も理解できない。その辺りの情報を、原作や前作に頼るのであれば、コレは一本の作品として独立してないよね。賢いんだか的外れなんだか判らんセリフが飛び交い、事件のポイントすら理解できない私を遥か後方に置き去りにしたまま、映画はどんどんと進んでいく……。と思いきや、さっき観たようなシーンがループで挿入され…………。結局、最後までなぁんにも分かりませんでした。w ラストも何かヘンな間があっていきなり終わるし。なんだか「解る人だけ観てくれ」と言わんばかりの映画ですな。画の美しさに1点付けときます。 【TERRA】さん [地上波(邦画)] 1点(2007-12-27 14:29:52) (良:2票) |
186.固定した視点ではなく、キャメラを動かしているように映像を展開させたり、動物を立体的に描いたり、アニメの技術としては極めて素晴らしいといえるのでしょう。また、動物は、いくら調教しても表情や仕草まで完全にコントロールすることはできませんから、動物を重要な要素として描くことはアニメにしかできないことなのかもしれません。、、、、、というわけで、アニメでこれだけのものが表現できるのか、という驚きはあるのですが、、、、しばし考え、CGを駆使した今どきの実写では表現できない何かがあったのだろうか、と思うと、、、、、、なんか、無さそうな気がするのです。、、、宮崎作品だと雲の流れや、色遣いなどで、こりゃぁ実写じゃ表現できんな、と感嘆する部分がありますが、押井作品はどうなんでしょう。例えば、ゴシック教会の形態をしたあの都市も、「ブレードランナー」のタイロン社の映像と較べて、美しくもなければ、畏怖の念もわかないのですが、、、。というところで、内容ですが、一番期待していたのは、電子化された記憶とゴーストで電脳空間に転移した少佐が、その空間の中でどのように振る舞うのかということでした。、、、、しかし、最後に、ちょこっと出てきただけで、それも全く豊かな想像力を感じさせない登場の仕方。、、、、要するに押井氏は、技術的に大変優れたアニメーターだけど、物語的な想像力と創造性はあんましないってことではないでしょうか。一番重たい問題である、ゴーストって何なのかということを、一生懸命考え、見る人にも考えてもらおうとするのではなく、底の浅い引用なんか羅列しちゃって、、、、。押井氏は、自己顕示欲が強いわりに、どこか自分に自信がもてず、強いコンプレックスを抱えているみたいな感じがします。へんな自尊心を捨てれば、もっと素晴らしい作品を作れる力量があるのに。もったいない。 【王の七つの森】さん 4点(2004-12-19 21:00:06) (良:2票) |
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185.前作を基準にしての感想です。不満ばかりなので、イノセンスが好きな人は見ないでください。 見終わった後の正直な感想は「随分と古い映画になったなぁ、、」です。とにかく時代感覚が古臭く感じた。前作では、体をサイボーグ化し脳の情報さえハッキングして書き換えられる、つまりパソコンのデータと同じ様に初期化、コピー&ペースト、さらにネットを繋いでデータ転送や外部からのコントロールも可能という、かなり恐ろしいが絶対に起こらないとも言い切れない設定だった。さらに人形使いに「生命とは~」と存在論っぽいことまで言わせていたのに。イノセンスではただ、人間と機械(人形)の話まで戻ってしまった。映画の時代設定も、情報技術が進歩しつくしてしまった程の発展振りだが、人々の生活現在と変わらない、というか中国などの混沌と乱雑さに吸収されてしまった世界という、ブレードランナーの世界観の継承していた。が、このイノセンスではそれすら吹っ飛ばしてしまった感がする。異様な形の超高層ビルが立ち並び、そのふもとは人間の生活の気配を全く感じない、まさに現実味を何も感じさせないただ異様なだけの風景。 前作の、人々の雑然とした生活空間の上に成り立っていた異様だが味わいのある世界観はどこへ行ったのか。それに人間の登場人物が少なすぎるし、登場しても全く動かない、、、。人間らしい動きをしたのは最後の女の子くらい。わざとそうしてるのは分かるが、あれでは映画に魅力が出ないと思う。屋敷での、あのバイオハザードそっくりの動きもちょっと、、、。前作ではそれぞれがかなりの水準だったのに、イノセンスでは映像と音楽以外はそれぞれが一線を超えて破綻してしまった感がする。あと致命的なのは、やはりバトーに主人公をやらせるのは荷が重かったです。あのおっさんに2時間人を惹きつけるだけの魅力は無いかったです、、、。 いろいろ不満を書いたが、監督がわざと、敢えてこの様に描いてるのだから、まあそれはそれでいいのかな。絵も凄いし、あれには本当にビックリしました。 【とむ】さん 4点(2004-03-14 19:42:23) (良:1票) |
184.「HERO」を酷評した私としては、映像と音楽が先行し「放置プレー」のような映画を高く評価することは難しい。たしかに映像には目を見張る。しかし、このアニメをアニメと呼べるのかと自らに問いかければ多少の疑問を感じる。本来アニメとは絵が動くように見えるからこそ、実写では描く事の出来ないキャラクターやマニューバーを「映像」として表現するツールとして存在し、そのため多くの人を魅了してきたと思う。その点から思えば、このアニメのようなリアルな描写を追及する先に待ち受けるのは実写+CGの世界ではないだろうか?だからこそ、このアニメをアニメの進むべき道であると考えてはならないと思う。私には、このアニメこそ劇中で語られえていた「人を模した人形」そのものだと感じる。 また、台詞にしてもわざと難しくしているような印象を受ける。台詞を理解したうえで、映像も見ろ!と主張されるのならば、不器用な私には到底出来ない話である。そのため、せっかくの映像美を印象の薄いものにしてはいないだろうか? この映画を理解するためには映画館で何度も観た上でDVDを購入しなくてはダメという事なのか?だとすれば、なおのことアニメではなく、前衛芸術作品ということになりはしないか? 【クルイベル】さん 5点(2004-03-09 10:19:53) (良:1票) |
183.絵がカタ過ぎて嫌い。電脳ナンタラを言っても、描くのは人間のはずでしょう。その人間がハナからセルロイド人形かなんかにしか見えない。主要人物達の妙にカッコつけて陰な感じの喋り方もかったるい。気取ってんじゃねぇと言いたくなる。 【だみお】さん [DVD(邦画)] 1点(2011-07-13 19:02:35) (良:1票) |
182.ああ、理屈っぽい。前作ではまだ草薙素子の身体が極めて人間であったうえに、語られる哲学も人間的な葛藤の上に模索されるのだが、この作品では生々しいものはことごとく排除され哲学だけが充満しちゃってるので、世界観としての面白さはあっても映像としての面白さが非常に乏しくなっている。また前作や「パトレイバー」で見せた写実的風景のSFアニメとしての魅力的な絵も激減(高い技術は見せ付けられたが)。絵は理屈に説得力をもたらすものでしかなく、あらゆる辻褄を合わせるものでしかない。アニメーションの醍醐味は無い。しかし最初からアニメーションであろうともしていない。これは押井守の論文だ。いや、論画か。 【R&A】さん [DVD(邦画)] 4点(2010-03-26 16:04:52) (良:1票) |
181.私としては、映画を通じて人生の何たるかを知るとか、 自身の教養を高めようなどと言った気は無く、「映画はあくまで娯楽」と 思っています。 ですから、大抵の作品はそれなりに楽しく観ることが出来るのですが... この作品、登場人物の台詞が訳の分からん比喩、引用のオンパレードで、 観ていてこれほどイライラさせられるのも珍しいです。 漫画の『攻殻機動隊』については未読ですが、元々こういった設定なのでしょうか? それとも劇場版の作り手によるもの... なのでしょうね。 |
180.《ネタバレ》 人の意識を情報ネットワークの中に行き来させられるくらい技術が進歩した世界の、人の存在意義のシミュレーションですかね…。 このシリーズで主人公を務めていた草薙素子(=少佐)は物理存在を捨て、ネットワークの中に文字通り「ゴースト」として失踪していた。片や、圧倒的なサイボーグ体を持つが喪失感を抱えて「ゴースト」の存在感が虚ろなバトー。虚実が同居し、人間と非人間の境界が「ゴースト」の有無だけでは計れないような世紀末的世界観の中、ラスト近くで少佐がバトーの救援にネットワークから降臨する。そのシーンに希望を見た気がした。それは「ゴースト(=心)」が繋がっている限り、人間らしい繋がりも無くなった訳ではないという程度のかすかな希望。この映画の持つ混沌とした世界観と明るいとは言いがたい人の在り方の方向性は、自分が漠然と感じている人類進化の終局イメージに近い。 【アンドレ・タカシ】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-09-27 11:14:48) (良:1票) |
179.雰囲気がいい。雰囲気が。 細かい考察、解釈などいらん。 雰囲気がいい。雰囲気が。 【norainu】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-02-27 13:08:29) (良:1票) |
178.《ネタバレ》 オタクに失礼な映画だ。レベルの低い哲学を持ち出してきて、自我と意識が肉体と一緒になって滅びてしまうことに、どうしても納得がいかない連中が考え出した輪廻転生まがいのパロディアニメを、韜晦したふりをしながら見せている。イノセンス、というよりも、むしろナンセンス。身体髪膚これを父母に受く、あえて毀傷せざるはこれ、孝の始めなり、監督はこの言葉を知っているのだろうか。物理的に義体と肉体の境界線を隔てることは、フロイトの「死の欲動」(つまりカントで言うと永遠になろうというか、不死に向う衝動のこと)に影響を受けているのは分かるのだけれども、一言でいえば、子供騙し。 ゴーストという記号は、現代の自分探しに夢中になっている自意識過剰の若者にとっては共感しやすい商業的な発想なのである。 しかしそもそも「私」というものに核など存在しない。人は他人を通じてしか自分を確認することができないのです。 そんなことは監督も知っているだろうに、この男はわざと根暗な自意識過剰者が共感しそうなテーマを捻れた形で装飾し、コアな人気を獲得しようという僥倖を期待している。そこが鼻につく。既に論理が破綻していることは火を見るより明らかであるが、もっと始末に終えないのは、この映画が、監督の悪趣味な言葉遊びが嵩じて、その言葉に溺れてしまっていることだ。 【花守湖】さん [DVD(邦画)] 0点(2006-11-25 18:29:39) (良:1票) |
177.《ネタバレ》 もう何回見たか覚えてない。バトーのあの圧倒的な孤独。「孤独に歩め 悪をなさず 求めるところは少なく 林の中の象のように」何と言うかこの作品を見るたびに味わいたいのはその感覚だけだ。理屈抜きです 【cassandre】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-04-30 20:45:07) (良:1票) |
176.前作見てないとさっっぱり意味が分からない上に、前作すら世界観が難解だったりするので、面白くないという意見はよく分かる。内容も無いのに上っ面だけキレイなこと並べやがってという意見も分かる。おまけに、ここで高得点付けてる方々のレビューすら難解なものが多い気がします(ごめんなさい)。実際、私も1作目から微妙に理解できてなかったらしく、それでも一応ストーリーは追えてるつもりでイノセンス見たら、もうさっぱり訳分かりませんでした。一作目を「なんとなく世界観が好き」「カッコイイ」そんな感じでイノセンス見た人は多分、あまりに訳分からなくて疲れちゃったんじゃないかと。ぶっちゃけ、解説編見たって分かんないもんは分かんないよ。電脳って何だよ、ゴーストって何だよ何だよ状態。しかし、この作品は間違いなく単体で1回みてあー面白かった、というタイプの作品じゃないです。監督やスタッフ達が作りたかったものは上っ面だけのものじゃありません。ただ、1回見ただけじゃ分からないだけなんです。1回じゃ分からないって、エンタテイメントとしては失格なのかも知れませんが、こりゃあ1作目を10回レベルで鑑賞した人が腹の底から楽しめる映画だと思う。イノセンスだけ見てわけわかんなーい!おもしろくなーい!と思ってる方、もし気が向いたらまた1作目からじっくり見直してみてください。ある時から違う印象を受けるようになるかも知れません。車のフロントガラスにワイパーの汚れ跡つけるアニメを私はこれ以外に知りません。エンディングの伊藤君子さんも良い。皆さん仰る通りとにかく難解ですが、スタッフの熱意とそれに伴った作品クオリティに文句なし10点献上! 【海棠ルチア】さん [DVD(邦画)] 10点(2006-03-12 20:59:59) (良:1票) |