1.川島雄三監督の遺作となるこの作品、これは面白い。やはり川島雄三監督はただ者ではなかった。遺作にしてこれだけのものを見せてくれたことにまずは感謝したいと思う。正にタイトルの如く、イチかバチかの大勝負に打って出る社長と市長との人間模様を描きつつも、人と人との結びつき、絆のようなものを描くこの川島雄三監督という人の持っている人間的観察力みたいなものをこの作品の中からも見ることが出来て良かった。川島雄三という監督は凄い傑作、それも大傑作を撮ったかと思えば、とんでもない失敗作、つまりは凡作も沢山、撮っているけど、最後の作品がこれだと言うことは、もっと長く生きていたらまだまだ、沢山の面白い作品を撮っていたと思えると、何だか心が痛むし、物凄く寂しい。僅か45歳という若さでこの世を去ってしまったこの川島雄三という監督の死は日本映画界においてとても大きな損失だと思います。最後にもう一つ!個人的願望として高峰秀子主演の川島雄三監督作品が見たかった。