1.《ネタバレ》 原作をダイジェストで再現してくれてるけど、原作の軽さの奥の深みには達せられなかったかな。ヒロインの八千草薫は、可憐だけど、主人公を翻弄するだけの女にはなってない。劇中、彼女はイプセンのヒロインのような女って形容される。あれは『人形の家』ではなく『ヘッダ・ガブラー』や『棟梁ソルネス』のような、男を翻弄する女でなければならいはず。ならば、あのしとやかな若い頃の八千草薫じゃあ、ちょっと違うでしょう。広田先生に笠置衆は、ぴったりなんだけど、もう少ししゃべらせてあげなくては。三四郎にとって広田先生って何なのよ、って感じです。演技の軽妙さは、でそれはよかったけど。