1.《ネタバレ》 何と言っても時間にして約1時間、60ものシークエンスが追加された特別完全版ということで、7時間の長さも気にならず一気に見られるはず。特に、カーマイン・コッポラの子供時代のマフィアとのエピソードシーン、シシリーでドン・チッチオの子分二人を殺すビトー、初めてゴッド・ファーザー(名付け親)となったハイマン・ロスとの出会い、ファブリツィオを爆殺してアポロニアの仇を討つマイケルなど、カットされたのが不思議なくらいの名シーンがてんこ盛り。ただ、年代順になっているため、PARTⅡの現代部分(1959年)はちょっとダルかったかな。
全編を通じて感じるのは、ビトーの勇気がソニーの短気に、ビトーの優しさがフレドの気弱に、ビトーの理性がソニーの冷たさに遺伝して、それぞれを破滅に導いたのでは。そしてPARTⅢに続くのが、気性の激しさ、弱者へのいたわり、計算高さを合わせ持つミニ・ビトーとも言うべき孫ヴィンセントというわけで、コルレオーネファミリーの一大叙事詩が完結。一時噂のあったアンディ・ガルシア、レオナルド・ディカプリオ競演によるPARTⅣもぜひとも観たいもの。