1.《ネタバレ》 女を騙して金を巻き上げる、そんな副業をして学費を払う悪徳大学生二人を主軸に置いたお話。
そこで問題になってくるのが、女を騙しまくる色男を原保美が演じているところ。
確かにかっこいい方ではあるが、ずば抜けて魅力があるとは思えない。
いや、でも、当時は人気があったのかもしれないが。
それに宇野重吉は、個人的に苦手。
最初は原保美と一緒に女を騙していたが、途中から人が変わった様に豹変。
突然、善人と化す。
これが何とも不自然だ。
その中で輝きを放っていたのが、柳谷寛。
くちづけ(1955)でも存在感を発揮していたが、本作でも、その独特のナヨナヨキャラが爆発していた。
演技もさりげなく巧いし、なかなか凄腕のバイプレーヤーといった印象。
それにしても、冒頭にチョロっと出てきて、その後もほとんど出てこない久我美子がもったいない。
全体的には楽しめた作品だが、成瀬作品の中にあっては平均的な作品かもしれない。