3.アンチ巨人にとっては、地獄のようなひと時でした(笑)。
主人公の長島(←当時)茂雄を演じるは、これはもしかしてプリティ長嶋か?ってなワケは無くって、若き日の長嶋さんご本人。
本業の野球ですら大概、ハラハラさせられるのに、映画一本まるまる主人公を演じるなんて、もうハラハラしまくりで、見てて気が気じゃない。
という程でもなく、そりゃ本職の俳優には敵わないし、イチローほどの演技力も無いけれど、何だかノビノビと、楽しそうに演じてます。脇を固める王さんもまた、なかなかのもので、結局、演技の面で足を引っ張ってるのは、川上監督か・・・。
V9以前のジャイアンツですが、人気のほどがうかかえます。一種のお祭り映画。少年の不幸な事故死など、ドラマチックになりそうなエピソードを、織り込んだ直後にはほぼ忘れ去ってしまい、前年のペナントレースと日本シリーズが(こんな言い方、当時はしてなかっただろうけど)、そのまんま、描かれてます。
これって要するに、結果を知ってる昨夜の試合について、わざわざスポーツ紙を買って読んで、反芻する、みたいなもんですかね。
そう言ってしまうと身も蓋もないけれど、まさに「長嶋さん」だからこそイヤミがなく、「長嶋さん」だからこそ成立する映画。簡単なゴロをいかに難しく処理するかに情熱を傾けた、不世出の大スター。
しかしあの天覧試合の最後はやっぱり、「さよならファウル」だと思うのだけど(by村山)。