1.この映画は3つの章に分かれており、そのうち「讃岐の巻」「湊川の巻」は現存しているが
「大河内傳次郎が海賊・龍門傳蔵を演じた巻」は、現存していないらしい。
「水戸黄門漫遊記」とは、仮タイトルか、あるいは別編集版なのだろうか?
自分が観たのはそのうち讃岐の巻だけなので、それについて記す。
黄門一行は諸国漫遊の折、実子・松平讃岐守の治める高松藩に着いたが、そこで見たのは、役人に虐げられる領民の姿だった。
老公光圀の、暴君となってしまった実子に戒めを与える様子が描かれている。
人の上に立つ者にあるべき心掛けを説く、老公の言葉には、富国強兵・全体主義といった当時の世相も感じられ、現代が忘れ去ったものを思い起こさせてくれるが、
相当古いフィルムという事もあり、画質が非常に不鮮明なのが惜しい。こういうものを誰かリストアしないのだろうか?
それにしても、刀を持った相手が何人いようと素手で全員倒してしまう、助さん格さんの超人的な強さには、もはや笑うしかない。