11.《ネタバレ》 オールスターキャスト+円谷特撮のみの映画。今から見ると、少し残念な映像だが、それなりに楽しめる。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-01-18 07:32:13) |
10.《ネタバレ》 “東宝製作1000本記念映画”と言われていますが、当時の映画界の状況からすると記録的な大当たりとなった新東宝の『明治天皇と日露大戦争』を意識して製作されたんだろうと想像できます。“不偏不党”がモットーの東宝だけに、外野からケチをつけられにくい古事記と神話の世界を題材に選んだというところでしょうか。でもそこは天下の大東宝、巨匠稲垣浩を監督に据え他社のスターも呼び込んだ一大オールスター・キャストになっています。そのおかげで三船敏郎と鶴田浩二の滅多に見られないチャンバラ対決や、天照大神に扮した原節子の小津映画では決して見せない凛々しい姿などを観られてなんか得した気分になれます。 『日本誕生』というので天地創造から神武天皇あたりまでの映像化かと思っていましたが、実際には日本武尊を主人公に据えて神話シークエンスは劇中劇で見せるという脚本構成です。三船敏郎が日本武尊と須佐之男命の二役を演じて大活躍ですが、服が違うだけでどっちも同じ演技というのはまあご愛敬でしょう。古事記の記述とは違い日本武尊は大伴一族の軍勢に騙し討ちにされて壮烈な最期を遂げるのですが、それが火山噴火の天変地異が起きて大伴の軍勢を滅ぼす壮絶なラストに繋がるのです。このスペクタクルは円谷特撮の独壇場で、特に地割れのシーンは地面をスライドさせる仕掛けを造って実際に俳優たちが呑みこまれるという凄い映像で、ほんと驚かされました。 二部構成で正直後半はだれ気味なんですけど、やっぱ前半第一部の方に見どころが多かったと思います。とくに“岩戸隠れ”で乙羽信子(天宇受女命)が奇天烈な踊りを見せるシーンには強烈なインパクトがあります。八百万の神々も、エノケンや金語楼といった当時の第一線のコメディアンや横綱朝潮まで揃えていて実に豪華。こうやって見ると、日本の神話もギリシャ神話に劣らず豊潤なんですね。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-03-23 21:50:44) |
9.《ネタバレ》 東宝製作1000本を記念して作られたそうで、セットや特撮などもの凄く気合の入った3時間の超大作となっています。出演陣も豪華で、なによりも三船敏郎の存在感が素晴らしい。これだけの個性とキャラを持った俳優さんて、今はもう全くいないですよね。個人的には、八岐大蛇との闘いのシーンが一番良かったです。それ以外にも、たとえば神々の世界の凝ったセットや、実際に飛んで腹に刺さる弓矢や、地割れが起きて人が落ちていく様子や、流れ落ちる溶岩とそれに飲み込まれる人々など、半世紀以上前の作品なのにもの凄い頑張りが見て取れて、今観てもなかなかの迫力を感じさせられます。ただ、ストーリーもまた同様に大味でぐっとくるものに欠ける点と、天照大神の顔が若干おっさんっぽかったのが残念でした。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-03-01 22:14:53) |
8.とにかく物凄い出演陣。 オープニングで出演者の名前が出てくるところなんか、まさに豪華な連続打ち上げ花火の様! 次から次へと、大物役者の名前が出ては消える。 これはまったくもって爽快だった。 その役者陣の中でも、先頭をきるのが三船敏郎。 最初から最後まで出ずっぱり。 他の豪華な出演者達は、カメオを出演程度という内容で、不満を感じた。 東宝映画1000本記念作品ならば、一つのカットにこれだけの出演者達を一堂に並べて欲しかった。 細切れで別々のカットに色んな大物役者が出てきても、いまいちその豪華さを実感できない。 話はヤマトタケルの物語で、ヤマタノオロチとかお馴染みの名前が出てくる。 特撮にかなり偏った構成で、まるで円谷映画を観ているかの様だった。 これが普通に現代劇で、先に書いた様に、豪華出演者達が一堂に会するシーンが一つでもあったら、本当の意味で物凄い作品になったに違いない。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 5点(2011-04-25 18:49:26) |
7.なんか吉例顔見世興行って感じで、キャスティングだけでもうワクワクさせる。こういうオールスターキャストの華やかさってのも映画興行には大事な要素だったと思うんだけど、無くなってしまったなあ。かえってテレビの大河ドラマにその残滓を見ることができる。タジカラオに朝潮を持ってくるようなサプライズも大事。ヤオヨロズの神々に、金語楼、エノケン、のり平、加東大介、小林桂樹だぜ。アマテラスの原節子は貫禄。ヤマトタケルは三船で哀れさに欠けるが、まあこの時代の東宝なら彼だろう(5年ズレてたら加山雄三になった!?)。製作サイドとしては時代の復古調への媚びの意味合いも持たせていたかも知れないが、そういう政治臭は感じられなく仕上がっている。すぐ群舞がはいるのも東宝の味わい。ヤマタノオロチのあたりは完全に怪獣映画のノリで、音楽も伊福部昭だ。ラストの天変地異は、なかなかの迫力である。フィルムセンターで上映された124分の短縮版での鑑賞、ちょうどよい長さであった。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 6点(2008-11-02 12:14:09) |
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6.東宝映画1000本製作記念のオールスター作品。東宝はあんまりみないけどこのキャストは無駄に凄い。内容はクマソ征伐、天の岩戸がある第一部はまだ見れるけど、ヤマタノオロチ以降の第二部が退屈すぎる。ここまで長いとちょっときつい。 【バカ王子】さん [DVD(字幕)] 5点(2005-10-24 23:31:56) |
5.特撮は今の目から観ても、十分いけてる。舞台セットとかも。かなりこってる。昔の映画やのにチャチさを感じひん。特に最後の天変地異はだいぶすごい。合成の所はやっぱ合成なんやけど、人が合成じゃない地割れにちゃんと飲まれたりしてるし、溶岩はほんまの溶岩っぽいし。今の邦画にこれは撮れんのちゃうかな?今の邦画ってチャチくなってるやん。昔に比べて。お話の方は日本の神話をわかりやすく知りたい、でも本読むの面倒くさいって人にはうってつけの映画。有名なエピソードはちゃんと描かれてるんで、俺もそれで観たし。神話のお勉強の教材みたいな映画やわ。ただ、あんまりオモロない。迫力の映像を見せてくれるのに、なぜか退屈。日本の神話自体がオモロないんか、それとも監督があかんのか、俺がもともと疲れてたのか、3時間、眠くはならんかったけど、すっごいダレてもーた。神話のお勉強できたからえーけど。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 5点(2005-10-06 09:36:12) |
4.ラストに尽きる! 平和な大和の国を願う日本武尊(ヤマトタケル)の怒りが爆発する、ラストのクライマックスは圧巻の一語。日本特撮の父、円谷英二の節目を飾る集大成と言ってもよく、伊福部昭の荘厳なレクイエムを背景に特撮の幻想的シーンが存分に堪能出来る。このラストシーンを拝見出来ただけでも大満足で、評価は大きく跳ね上がりましたね。なんでも東宝映画1000本を記念して作られた、東宝スター総出演のスペクタクル大作。正月番組の隠し芸大会さながらのルックスで、みなさん御苦労さんって感じで物語は進みます。しかし盛り上がりに欠ける平坦な展開は否めず、しかも180分という長丁場も手伝い、うーんさすがにダルいな~という感じがムラムラと沸き起こってくる。(もっとも、乙羽信子演じるアメノウズメのヘンてこな躍りだけはウケたが) 唯一の見どころといえば、三船敏郎演じるスサノオノミコトが八岐大蛇を退治するくだりだけだし…。さすがの名匠稲垣浩も歴史大作モノにありがちな轍を踏んでしまったか、と思いきや前述したようラスト10分で起死回生の大逆転劇。やー、映画って野球と同じで最後までグッとこらえて見るものですね。つくづくそう思いました。 【光りやまねこ】さん 8点(2005-03-01 21:50:07) |
3.当時のハリウッド大作の向こうを張って作った東宝入魂の1000本記念映画です。気合が入りすぎてスタート直後から掛かって大暴走ですが、これだけのオールスターキャストはなかなか無いですし、違った意味で楽しめる作品かな。物語は日本人はみんな知ってるってことで良しとしておきます。この作品がレンタル店のSFや特撮コーナーに並んでるのが悲しい気がする。 【亜流派 十五郎】さん 2点(2005-02-27 18:07:11) |
2.総天然色、シネマスコープ、オールスター・キャストに加え、大規模オープンセットと渾身の特撮技術で神話時代の日本を再現した、東宝製作1,000本記念、3時間超の超大作映画。日本武尊の物語と伊弉諾尊と伊弉冉尊が遣わされた所から始まる「日本誕生」の物語が壮大なスケールで展開する。私的な見所は、何故か少し喜劇寄りに人選されたオールスターが演じる八百万の神々と香川京子演ずる美夜受姫の美しさ、そして何と言ってもクライマックス。押し寄せる溶岩と津波、そして地割れの描写は大迫力(溶岩に一人一人「燃えながら」呑まれる芸の細かい表現は圧巻)。「十戒」に影響されたと言うより、かなり対抗意識を燃やして作られてる様に感じましたが、面白さで言えばこっちの方が断然上でした、7点献上。 【sayzin】さん 7点(2005-02-26 00:06:11) |
1.途中休憩が入る3時間の超大作。東宝製作1000本目を記念して作られた映画で、まさにオールスターキャストの有馬記念的な作品といえましょうか。えてして有馬記念は凡レースになるもので、その論法でいけばこの作品も大作ゆえの凡作と断罪したくもなりますが、そこはぐっとこらえましょう。この映画の楽しみ方は、出走馬(キャスト)の戦歴(芸歴)を振り返り、過去とその後のレース(映画)を思い浮かべ、その馬(キャスト)の走り(演技)に夢を馳せる空間だと思えばいいのです、たぶん。訥々と高天原の神話を語る杉村春子、アマテラスの原節子、ヤマト姫の田中絹代・・・、三船敏郎は二役ですが相変わらず同じ調子でヤマトタケルとスサノオを演じ、神々にエノケン、有島一郎・・・、そして横綱朝汐太郎も現役でドスコイと登場。ドリームレースのオープニングで手拍子を打ち、物語に身を委ね、ゴール板を過ぎた後に残された外れ馬券にロマンを感じる・・・だから映画はやめられない。 【彦馬】さん 7点(2004-12-05 17:18:54) |