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鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2597
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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61.  アガサ・クリスティー ミス・マープル2 スリーピング・マーダー<TVM>
アガサ・クリスティの「ミス・マープル」シリーズの映像作品を初めて観た。 謎を解き明かす主人公が地味な老婦人ということで、それほど興味はそそられず恐る恐る観始めたが、冒頭から繰り広げられる上質なミステリアスに途端に引き込まれた。  婚約を機にインドからイングランドへ移ってきたヒロインが、何かに導かれるように訪れた売り家にて、養生時に見た「殺人」の記憶が突然蘇ったことから、それまで眠っていた事件が目覚める。 ヒロインと事件にまつわる人々が入れ替わり立ち替わりし、複雑な人間模様があらわれてくるくだりは、アガサ・クリスティらしいストーリーテリングで、事件の真相と並行して導き出される隠された人間ドラマが秀逸だった。  ソフィア・マイルズが演じたヒロインが、蘇る記憶に苦悩しながらもアグレッシブに過去の人間関係を辿っていくので、ミス・マープルの存在性が薄く感じてしまったことは如何なものかと思う。 が、一つのミステリー作品としての完成度は極めて高く、オールドイングランドを舞台に洗練された文体の世界観を堪能できた。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2010-10-05 13:00:01)
62.  アラジン(1992)
5歳のとき、幼稚園のお遊戯会で「アラジンと魔法のランプ」の劇がクラスの出し物で、僕は主役のアラジンを演じた。 ターバンとテカテカの派手な衣装を着て、セリフと音楽に合わせて踊り、ボール紙に金の色紙が全面に貼られたランプをこすった。 今思い返すと、非常に気恥ずかしいが、良い思い出だ。  そんなわけで、この千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)の一説とされる物語に対しては、とても愛着があって、当然このディズニー作品もとっくに観たものだと思っていた。  が、ふと振り返ってみると、どうやらちゃんと観たことが無かったようだ。  観たことは無かったが、登場するキャラクターたちは、魔人のジーニーにしても、ヒロインのジャスミンにしても、あまりに有名なので、目新しさは無かったものの、終始安心して観られた。  何と言っても、ランプの魔人ジーニーのキャラクター性が抜群だ。 アラビアン・ナイトの世界観を超越したあの破天荒なキャラクター性は、ディズニー映画史に残る名プレイヤーだと思う。  あまりに有名なお伽話なので、ストーリーに特筆するようなインパクトはないが、そんなことをディズニー映画に求めるのはそもそもナンセンスだ。 突如繰り広げられるミュージカルと、青い魔人のテンションの高さに、必死についていくべき映画だと思う。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2010-08-23 14:06:08)
63.  アイアンマン2
今一番熱いアメコミヒーロー映画シリーズ「アイアンマン」。 このシリーズの最大の勝因は、何を置いても主演俳優のキャスティングだと思っている。 これまでのヒーローたちとはその存在性そのものが「異質」であるトニー・スタークというキャラクター。決してヒーロー然としていないこの無頼漢を、ハリウッドきっての問題児ロバート・ダウニー・Jr.が演じたことで、このシリーズの成功が決まったと思う。  非常に期待したこの続編。娯楽映画としての面白さは問題ない。何も考えずに与えられた2時間をただ楽しめる映画だと思う。  ただし、「1」に比べると、ストーリー展開そのものは安直で魅力がない。 悪役に迎えられたミッキー・ロークは、その存在感自体は熱かったが、用意されたキャラクターにあまりに魅力が無かったと思う。最終的には、アイアンマンと予備スーツを着たローズ中佐とのタッグチームに二人掛かりであっさり倒されるという、あまりにおいしくない役柄で、せっかくのミッキー・ロークが勿体ない。  まあそのかわりに見せ場を作ったのは、ブラック・ウィドウに扮したスカーレット・ヨハンソン。相変わらずゴージャスな風貌で魅せる美しい強さは、今作のハイライトと言えるかもしれない。  ストーリーの更なる充実に期待して、次回作も待望したいと思う。       (2018.5.5再鑑賞)  「インフィニティ・ウォー」追悼MCU行脚。劇場公開以来の再鑑賞。 初鑑賞時は、傑作だった「1」の高揚感に対して、若干“消化不良”が先行した印象で、決して駄作だとは思っていなかったが「凡作」と記憶していた。 しかし、今回改めて観返してみると、今作以降ある種奇跡的な成功を勝ち獲っていく「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」を発展させていく上で、非常に重要な“ブリッジ”の役割を果たしていると思える。  トニー・スターク自身に課せられた問題として、アイアンマン存続のための複数の障壁を解消しつつ、この時点では謎に包まれた“S.H.I.E.L.D”という組織の全体像を朧げながら浮かび上がらせている。 何と言っても今作においてその役割に大いに貢献しているのは、ナターシャ・ロマノフ=ブラック・ウィドウだ。この超人的な身体能力と美貌を兼ね備えたスーパーエージェントを演じるスカーレット・ヨハンソンが、言わずもがな「堪んない」。  初見時はストーリー構成上ややとっ散らかって見えたアクション描写も、改めて観てみると、しっかりと盛りだくさんで見せ方も悪く思えた。おそらく、この後の展開が全く見えていなかった初見時は、ストーリー上に散りばめられたアレコレが当然ながら腑に落ちておらず、散漫に見えたのだろうと思う。 まあ、そういう部分が、やはり単体映画としては「粗」であったことは否めないけれど。  現在時点で、MCUの世界観にどっぷりと遣ってしまっているファンとしては、今作の価値は一転して高まった。 「アイアンマン」「アイアンマン2」を監督として務め上げ、MCUの本流を生み出してくれた“ハッピー”もといジョン・ファブローは、「良い仕事をした」と改めて思う。  エンドロール後のシークエンスには“ソー”のハンマー! 最高じゃん。
[映画館(字幕)] 7点(2010-06-27 22:33:25)
64.  アイ・アム・レジェンド
ウィル・スミスは一体何回地球を救えば気が済むのか。 と、もはや“はまり役”とも言える”救世主役”をウィル・スミスがいつものように陽気にこなすエンターテイメント大作だろうと気軽に構えていたのだけれど、想像以上に「恐怖」に溢れた作品だった。  この映画での最たる「恐怖」。それは、全世界を滅ぼす細菌の恐怖でも、闇の中から急襲してくるゾンビ化した感染者たちの恐怖でもなく、たった一人世界に残されたという「孤独」に対する恐怖だ。  愛する家族を皮切りに、周囲の人間が次々に失われていき、ただ一人世界に残された男に与えられたものは、果てしない絶望と、愛犬のサム、そして「残された世界を救う」という盲目的な使命……。  悲壮感に溢れつつも、決していつものノリも忘れないウィル・スミスは、主人公としてバランスがよく安定感があった。 映画の大半を一人で立ち回ることができるのも彼の俳優としての実力があればこそだろう。  エンターテイメント大作として申し分はない完成度は保っており、主人公が悪戦苦闘するアクション性と共に、孤独に対する悲哀にも溢れ、一辺倒ではない映画として仕上がっていると思う。 ただ、ゾンビ化した感染者についての伏線が中途半端に張られたままで解消されていなかったり、そもそもの原因となるウィルスについてやや説明不足な感も残ったのは、残念。  まあ、とにもかくにも、今後ともウィル・スミスには地球を救っていってもらいたいと思う次第。
[映画館(字幕)] 7点(2007-12-30 19:07:41)
65.  アンダーワールド/エボリューション
「吸血鬼VS狼男」という構図も、圧倒的に美しく強い女ヒーローという要素も、もはや「ベタだ」と言えてしまうほど、ありふれたアクション映画の“ジャンル”である。 しかし、この映画のシリーズには、他を寄せつけない唯一無二のポイントがある。 それは、「闇の美しさ」である。  タイトルが示すとおり、この映画はほぼ全編通して“闇”の中で繰り広げられる。主人公が吸血鬼なのだから仕方がない。 闇を描き連ねるあまり、ただただ画面が“真っ暗”になってしまっている駄作は多々ある。 しかし、今作は、見事に闇の世界の美しさを革新的なほどの映像美で映し出す。  藤子・F・不二雄の短編漫画で、吸血鬼に支配された世界における暗闇の美しさと素晴らしさを描いた作品があるのだが、まさにそれを思い出した。 吸血鬼から見た闇の世界は、これほどまでに美しさに溢れているのか、と思わせる。 そして、その美しい闇の中に、前作から引き続きケイト・ベッキンセールのまさに透き通るような美しさが映える。(実はもうそれだけで、及第点)  ただ、往々にしてよくあることだが、前作の大ヒットによって、製作費が潤沢になり過ぎ映画全体がやや「大味」になってしまっていることは否めない。ストーリー自体も、前作ほどスマートではない。  しかしまあ、ヴァンパイアたちによる悪趣味なほどに美しい、文字通り“血で血を洗う”戦いには、充分に見応えがある。 
[DVD(字幕)] 7点(2006-09-13 18:24:11)
66.  アビス/完全版
ジャンルわけするなら、海洋SF映画というところか。その名にふさわしく、神秘と未知とエンターテイメント性に溢れた映画に仕上がっていたと思う。ストーリーのわりには淡々と展開された印象はあるが、後味は良かった。
7点(2004-08-13 00:35:48)
67.  アニマトリックス
このダジャレみたいなタイトルはどうかと思うが、中身は非常にクオリティの高いアニメーションのオムニバスでその完成度の高さに驚いた。ショートムービースタイルで「マトリックス」の番外編的物語をテンポ良く見せてくれるので、興味深く引き込まれる。今作を観ると、マトリックスシリーズがアニメーションの上に出来上がったものだということを強く感じる。
[DVD(字幕)] 7点(2004-02-05 18:40:19)
68.  アメリカン・サイコ
主演のクリスチャン・ベールも含めて映画世界全体に漂う不気味なまでの清潔感がこの映画の精神的な歪みを象徴しているようで良かった。全体的なテンポの悪さは感じるが、ラストの顛末も含めて非常に作りこまれたサイコサスペンスであったと思う。
[ビデオ(字幕)] 7点(2003-12-16 21:44:30)
69.  アウト・オブ・サイト
個人的にはソダバーグ監督に個性は感じないのだけれど、今作の軽いノリながらも濃厚な娯楽性は流石の作家性なのだと思う。ジョージ・クルーニー、ジェニファー・ロペスのクールな魅力を堪能できる。ストーリー展開も小気味良く秀逸な娯楽映画と言える。
[ビデオ(字幕)] 7点(2003-11-26 12:49:20)
70.  アナスタシア
ディズニー映画ではないけど、近年のディズニー映画よりもずっとディズニーっぽい作品に仕上がっていると思う。ドラマ性、エンターテイメント性、ファンタジー性と非常にクオリティの高いものを感じることができた。極めて秀逸なアニメ映画と言える。
7点(2003-11-12 15:05:34)
71.  アナコンダ
ジャングルの大蛇という、モンスター映画としても非常に単純な題材ではあるけど、CG等にある程度のクオリティを保ちつつB級テイストの仕上がりは味わいがあった。アナコンダから吐き出され、半分溶けている悪役ジョン・ヴォイトのウインクが印象深い。
[映画館(字幕)] 7点(2003-10-25 14:54:31)(良:1票)
72.  アドレナリン:ハイ・ボルテージ
相変わらず「馬鹿」過ぎるテンションに面食らう。ギリギリ良い意味で。 前作の衝撃的なラストカットから間髪をいれず始まるこの続編、正直色んな意味でイカれている。 あまりにも劣悪な状況下での心臓移植手術シーンから始まり、すべての設定、展開が、“悪ふざけ”のオンパレード。エログロ展開は完全に前作以上。 もしも、前作を踏まえずに今作を観たならば、いきなりの暴走ぶりに対してひそめた眉が戻らないだろう。  前作は謎の“中国毒”によって常にアドレナリンを出しっぱなしにしておかなければ心臓が停止するという、文字通りの暴走馬鹿映画だったが、今作は謎の中国フィクサーによって無理矢理心臓を抜き取られ、“充電式”の人工心臓を強引に埋め込まれ、常に感電し続けなければ死んでしまうという前作に輪をかけた超暴走馬鹿映画。  この映画に携わるすべての人間が“悪ふざけ”を楽しんでいるが、誰よりもそれに興じているのは、他でもない主演のジェイソン・ステイサムだろう。 アクションスターとしては現役トップスターであろうこの英国人俳優が愛されるのは、どんな映画においても「全力」で挑むからだろう。寡黙で屈強な殺し屋を演じることにも、一転して馬鹿すぎるジャンキー野郎を演じることにも、一切躊躇がない。 彼がテンションを上げっぱなしのイカレ野郎をてらいなく演じているからこそ、この馬鹿映画は成立しているのだと思える。  二作目にしてもはやお約束の「公開○○○シーン」も健在。しまいには既にクセになっちゃってるヒロイン役のエイミー・スマートちゃんが、馬のアレを見て興奮するシマツ。  「馬鹿な映画だなー」と何度呟いたか分からないが、同時にニヤニヤが止まらないことも事実。 前作も“どーかしてる”テンションの映画だったが、それを越えて完全に頭がイカれている領域。ここまでされては、ただ笑うしかない。
[インターネット(字幕)] 6点(2017-04-09 01:28:31)
73.  アナと雪の女王/エルサのサプライズ
“7分”という完全な「おまけ映像」をここまで作りこみ、しっかりと可笑しくて多幸感溢れる「作品」に仕上げているディズニーの孤高のサービス精神に脱帽。  生まれ持った魔法の力のしがらみから解放されて、妹の誕生日のために惜しみなく魔法を使いまくるエルサの優しさと不器用さがキュート過ぎる。 とても短い尺の中で、“雪の女王のくしゃみ”を軸にして、しっかりと伏線とオチがストーリー上に設定されている構成も見事。  一瞬だけの登場で散々な目に合っているハンス王子のその後の様に大笑い。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2015-11-27 15:45:25)
74.  アポロ18
17号を最後に計画終了となった筈のアポロ計画には、隠された「18号」の存在があったという導入から始まるフェイクドキュメンタリー。 そのイントロダクションは非常に興味深く、どのような映像世界が繰り広げられるのか、好奇心を駆り立てられた。  映像の精度はとても素晴らしかったと思う。 終始一貫、残された記録映像を繋ぎ合わせた風のフェイクドキュメンタリーの映像の完成度は高く、何故ここまで克明な記録映像が残されたのかという“理由付け”も含めて充分な説得力を備えていたと思う。  念願のアポロ計画に選抜され意気揚々と月面に向かう3人の宇宙飛行士が、目の当たりにする「真実」とは何なのか? その核心に向けて映画は適度な緊張感と不穏さを伴って、比較的テンポよく展開される。  と、いい塩梅のサスペンスフルな展開を楽しめてはいた。 が、結果的には得られた顛末に対して「満足」とはまでは遠く及ばなかったと言える。 端的に言ってしまえば、物語の核心におけるアイデアが少々ありきたり過ぎた。 アイデア自体がありきたりなので、そこから導き出される映像的な表現も、どこかで観たという印象の範囲を出ず、驚きが無かった。  フェイクドキュメンタリーという手法に固執するあまり、現実感と非現実感の狭間で縮こまってしまっているような印象を覚えた。 この手の展開であれば、どう転んでも最終的に「これが真実かもしれない」と思う人はいないだろうから、もっと思い切った展開に踏み込んでも良かったろうにと思う。  結果的に、特筆する程の娯楽性は得られず、追求したはずのリアリティ感も薄れてしまったことは残念。 ただしかし、試み自体はとても面白かったと思うし、低予算であろう製作費の中で映像的なクオリティーは極めて高かった。 終盤までの緊迫感はなかなかのものだったと感じるだけに、ただただ惜しかったという印象。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2012-11-05 17:37:48)
75.  アドレナリン(2006)
何か知らんが、アドレナリンを出し続けなければ心臓が停止するという毒薬を注入された男が、己の生命と復讐をかけ、他人の命と迷惑なんて顧みず街中を走り回るという映画。 馬鹿馬鹿しいにも程があると言わざるを得ないストーリーだが、それでもかろうじてエンターテイメントとして成立させている。 そして、この馬鹿馬鹿しさをまかり通せるのは、今はこの男しかいないだろう。  ジェイソン・ステイサムが、表現通りに“アドレナリン分泌しっ放し”の主人公を、“いつも通り”の存在感で体現してみせる。この映画のエンターテイメント性は、もうその存在感に頼りっぱなしと言っていい。  90%以上は「くだらない」と一笑に付してしまって良い映画だが、困ったことに主演俳優の存在性を盾にして、どうしたって印象に残ってしまうシーンが所々で映し出され、時に大笑いしてしまい、時にウルッときてしまうものだから、尚更始末が悪い。  公然○○○シーンや、まさかのラストシーンでの愛の告白からの衝撃のラストカット。 本当にこの映画を作った方々の頭はどうかしてしまってるんじゃないかと思ってしまう。主演俳優も含めて……。  そしてッ、このラストで続編があるってんだから、いよいよどうかしてるぜ!
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-06-07 15:33:20)(良:1票)
76.  アンノウン(2011) 《ネタバレ》 
殆ど予備知識無く鑑賞を始めたので、冒頭から滲み出ているサスペンスフルな空気感にすんなりと引き込まれ、二転三転する展開を堪能しながら最後まで楽しむことが出来たことは間違いない。 サスペンスアクションとして、サスペンスの緊張感とアクションの高揚感がバランス良く配置されており、鑑賞直後の満足感は当初の想定よりも随分と高かったと言える。  ただし、観賞後数分間でちょっと振り返ってみると、粗という粗がポロポロと出てきてしまうことは否めない。  よく考えると映画全編に渡って言えることだが、「実は一流の○○○」だったというには、そもそもの言動がずさん過ぎて陳腐だ。 まず目的のために徹底した偽りを謀るとはいえ、目的地への移動中に至るまでその偽りを貫く必要があるのだろうか。これは明らかに観客を欺くためだけの演出であり、人間描写上の必要性はないと思う。 そんでもって、空港のタクシー乗り場で最も重要な鞄を置き忘れるって、どんだけうっかり屋さんなんだという話だ。これも結局、ストーリーとしての一つの目的を設置するためだけの設定であり、極めて安直だ。 他にも、一流ならば乗り込んだ先の言語で世間話くらいは出来るようにしとけよ!とか、ふいの自動車事故とはいえ簡単に気を失い過ぎだろ!咄嗟に飛び降りるとかそれくらいしようよ!とか一流の組織のメンバーのくせいに素人の女の子にやられてどうすんだ!とかとか……、一度突っ込み出したら止まらなくなってきそうだが、とにかくよくよく考えると用意されていたオチに対して整合性が無さ過ぎる要素に溢れてしまっている。  ストーリーのアイデア自体は、オリジナリティが高いとは言い難いけれども充分に面白味に長けている。それが興味を最後まで持続させる最大の要因だとも思う。 しかし、このアイデアであれば、ラストの顛末でもっとどぎつく踏み込むことができたなら、数多の粗を振り切って余りある映画に仕上がっていたかもしれないなと思う。リーアム・ニーソンのクライマックスの表情は観る者を惑わせる緊張感が含まれていて良かったけれど……。  まあそこまで完璧なクオリティーを求めるべき類いの映画ではないと思うし、観ている間と観終わった瞬間に満足していたならそれで充分だと思う。  と同時に、画面から溢れ出る上質な色調と巧い俳優陣の演技によって、もの凄く質の高い映画に“見えるだけ”に、やはり残念に思う。
[DVD(字幕)] 6点(2012-02-26 02:14:25)(良:2票)
77.  アジャストメント 《ネタバレ》 
自分は「運命」というものの存在を強く信じるタイプの人間だ。 それこそ、不注意で鍵を無くしてしまい余計なタイムロスを生じさせてしまうことも、友達と飲んでいる際にふいに出会った女性と結婚してしまうことも、それが幸か不幸かは別にして自分の運命だと思っている。 そんな風な価値観で人生を生きているので、「運命調整局」という組織が登場するこの映画のコンセプトは、とても興味深かった。  マット・デイモン演じる主人公は、世界中の人間の運命を司る絶対的存在を目の当たりにしながら、自分の運命に真っ向から歯向かっていく。 その様は人間描写において少々強引にも感じたが、自分の成功も愛する人の幸福も省みず、ただ盲目的に愛を追い求めていく姿には、やはり絶対的存在の感情をも揺さぶるものがあったと思う。  ただし、映画の顛末としてはあまりにも綺麗にまとめすぎているようにも思う。 超現実的な事象を前にして、主人公は馬鹿正直すぎてストーリー自体の情感が希薄なまま終わってしまった。 自分に巻き起こった全てのことを「運命」と認めて、複雑な心情をラストに表してくれたなら、もっと印象的な作品になったように思った。
[DVD(字幕)] 6点(2011-10-05 15:51:53)
78.  アガサ・クリスティー ミス・マープル3 ゼロ時間へ<TVM>
「ゼロ時間へ」という意味深なタイトル、そして冒頭で語られる「殺人事件」に対する哲学的な言い回しに、より深い視点からのミステリーが繰り広げるのかもしれないと期待したけれど、実際は極めて定番なミステリーだったと思う。  ミス・マープルが珍しく積極的に事件周辺を嗅ぎ回り、ラストでは真犯人に対して高圧的な姿勢で対峙する様が印象的。 ただその反面、アガサ・クリスティー特有の人間模様には、それほど深みがなく、ドラマ性は薄く感じられた。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2010-10-15 11:02:22)(良:1票)
79.  アガサ・クリスティー ミス・マープル2 シタフォードの謎<TVM>
猛吹雪が吹き荒れる中、山里深い小さなホテルで、次期首相候補の男が殺される。  当然、その小さなホテルに集っていた何やら怪しげな宿泊客らが容疑者となり、  ミス・マープルは例によって自身は殆ど捜査活動に動かないまま、人づてに聞いた情報のみで事件の真相を解き明かしていく。  アガサ・クリスティーの同シリーズも4作品目なので、ミス・マープルの独特の捜査手法にも慣れ、「定番」の流れを安心して見られるようになった。  現在の人間模様と、過ぎ去った人間模様が絡み合い始めたとき、事件の真相が見えてくる。  殺される首相候補の政治家をティモシー・ダルトンという俳優が演じていて、どこかで見たことがあるおっさんだな~と思っていたら、かつて「007」でジェームズ・ボンドを演じた俳優だった。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2010-10-15 11:01:27)
80.  アガサ・クリスティー ミス・マープル2 親指のうずき<TVM> 《ネタバレ》 
突然死した叔母、消えた老婦人、時を越えた殺人事件……。 アガサ・クリスティらしいミステリーをミス・マープルが解き明かしていく。  浮上する「謎」の実像がなかなか見えないので、全編通して“ふわふわ”した感じてストーリーは進んでいく。 ミス・マープルと行動を共にするタペンス婦人がアル中だったりするので、余計に事件の真相が現実と妄想の狭間で見え隠れする。 それはミステリーの特徴として良いのだけれど、キーマンとなる人物の存在や見せ方もぼんやりと曖昧なので、ストーリー自体が追いづらい印象を受けた。導き出された真相と真犯人にも強引さと整合性の欠如を感じた。  独特の人間模様にはドラマ性があり、ミステリーとしての面白味は充分あるのだけれど、謎に対する真相に深みは無かったように思う。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2010-10-15 10:59:17)(良:1票)
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