1. 風と共に去りぬ
人間、特に女性は、「世界は私を中心に回っている!」という考えを抱くもの。これはまさにそういう映画。全てはスカーレットなのだ。だから当時の南部の白人社会がどうだとか、北部の男がどうだとか、そういう事は「南部の超お嬢様、超美人のスカーレット」の目から観た世界なので、この映画でどうこう論じるのは意味がない。ここにあるのはひとりの女性の強烈な生き様であって、それが愚かだとか我が儘だとか言うのも意味が無い。こういう女性がいて、こういう悲しみがあって、こういう生涯があった。それが全て。このヴィヴィアン・リーが演じたスカーレット・オハラは、私が映画史上最も愛するヒロインだ。どこかわざとらしいお嬢様が、物語が進むに従って、表情が険しくなり、美しさが壮絶に増してくる。彼女の顔つきを追っているだけで、四時間はあっという間。むしろ足りない。倍あってもいいぞ! 意味なく長い映画は大嫌いだけど、この作品だけは「もっと見せて!」と言いたくなる。「??」な部分も無いとは言えないが、まちがいなく珠宝の名画。私もスカーレットの十分の一でいいから強くありたい。 10点(2004-10-22 09:34:14)(良:2票) |
2. カサブランカ
くっさ~ と思ってしまう台詞の数々ですが、それは「君の瞳に乾杯」や「そんな昔のことは・・・」が、あちこちで使われ、パロられ、ふざけられて来たせいであって、オンタイムで観ていたら、お洒落で斬新だったのでしょう。そう思うと勿体ない気がする。バーグマンとボギーのいい役者っぷりだけは、クサくも古くもならず、素敵でした。 7点(2004-05-15 15:45:02) |
3. カイロの紫のバラ
恋に恋する少女だった時代(爆)、母が見ていた隣で、なんとなくこの映画を見ました。当時リバー・フェニックスが王子様だったワタシ。こういう事考えている女って、私だけじゃないのね、と思って、さらに男なのにこんな映画を作れるウッディ・アレンって凄いなと重いました。思い出の映画の1本です。邦題の響きも好きです。 8点(2003-12-14 19:53:14) |
4. カッコーの巣の上で
《ネタバレ》 私もごく若い頃の一時期、精神的に変調をきたした事があった。その時私は「自分は精神がおかしくなっているフリをしているんだ」と思い込んでいた。それこそがまさにオカシイ証拠なのに。こういった狂人心理を、とてもよく表している映画だ。そしてあのラスト。ここは、見た時のコンディションや年齢によって、まるで違う解釈が出来る。一番最初に見た時は、マックがいい人に思え、看護婦が憎らしく、チーフの行動に深い友情を感じた。二回目に見た時は、自分の職務を全うしようとする看護婦も、かきまわすマックも、自殺してしまったビリーの弱さも、全てが愚かしく、ただ茫洋とした自分を演じ続け(彼の努力とストレスは並大抵ではなかったはずだ!)、虎視眈々と機会を伺っていたチーフだけが得をしたという事に、自分が置かれている社会の縮図を観るようだった。プロットも役者それぞれの演技も、音楽も構図も素晴らしいこの映画を、数年後三回目に観賞して、自分が今度はどんな感想を持つのかが、とても楽しみな映画でもある。 10点(2003-11-01 21:46:02)(良:7票) |
5. 帰らざる河
とにかくモンローの顔と声と身体を堪能出来るので、私は満足です。でもこれをモンロー以外の女優がやってたら・・・・ 5点(2003-10-15 09:48:15) |
6. 仮面の男(1998/ランドール・ウォレス監督)
基本的にコスプレ映画が好きなので、史実どうこうはともかく、楽しめました。レオが美しいし、上手い。古い『鉄仮面』より、ラストに救いがある所も良かった。でも何と言っても、おっちゃん四人がいい味を出していましたね。特に敬虔なのにセクシーなアラミス役のジェレミー・アイアンズは、最高に素敵でした。 8点(2003-08-25 15:10:04) |
7. ガタカ
とりあえず細かい点であらを探すのを止めて、哀愁漂う世界観に酔いましょう・・・という映画。最近のアメリカ映画としては希有な、淡々とした語り口が、余計に胸を熱くしてくれる。全て綺麗すぎて無機質な中、イーサンのピュアな存在が際立つ。素晴らしいキャスティングに拍手。でも最後のジュード・ロウは悲しすぎる・・・・悲しすぎるよ~ でも弟が計刑事だったというエピソードには、結局あまり意味が無く、不要だった気もする。そしてある意味どんなホラー映画より恐怖を感じさせる映画でもある。 8点(2003-06-29 23:05:18) |
8. カーラの結婚宣言
ジュリエット・ルイス大好きなのですが、この作品はちょっと・・・ やはりレインマンのホフマンやギルバート・グレイプのディカプリオ、マイ・レフトフッとのデイ=ルイス様たち、アカデミー級の演技と比べてしまうと、わざとらしさばかり目についてしまいました。ジュリエットはやっぱり、「可愛らしさの中に垣間見える強さ」の意外性が面白い女優さんなので、ずっとあの調子に、退屈しました。それに何だか愛や力よりも金で解決している感があって、しっくり来ませんでした。ダイアン・キートンの美しい中年ぶりに3点! 4点(2003-04-07 16:15:35) |