1. こわれゆく女
描かれているのはジーナ・ローランズ演じるメイビル、ではなく実際はその周りにいる人々だろう。夫のピーターフォークはもちろん子供、実の母親、後に父親、義母、同僚たちとの関係は、仮借なく彼らの人柄、場を映し出している。その意味でメイビルは鏡のような存在である。ところで彼女は本当にこわれているのか?私は「こわれゆく」女という邦題はやりすぎだったように思う。すぐにキレて暴力を振るうピーターフォークだってふつうではない。under the influenceという原題のニュアンス。そして帰ってきたメイベルに対してピーターフォークが「ありのままの自分でいろ」と訴えるシーン。そしてラストシーン。これをどう解釈すべきか。子供たちにとって彼女は女神なのである。the influenceは一般的には酒やドラッグを示唆するが、この映画はまた違う「影響」を感じさせる。それは人間と人間の関係に入り込んでいる常識や「ふつう」といった見方なのではないか。 [DVD(字幕)] 8点(2013-08-30 00:57:05) |
2. コヤニスカッティ
恐らく当時としては画期的だったのだろうが、今となっては色あせてしまった。グラスのサントラを聞くためだけの映像。 [DVD(字幕)] 6点(2013-02-17 17:26:33) |
3. ゴーストワールド
《ネタバレ》 最後はやはり死んだと解釈するのが妥当ではないだろうか…。不変なものを求める心情と、変わって行く周囲。非常に切ない。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-09 00:03:39) |
4. (500)日のサマー
面白い。「インセプイション」のゴードンレヴィットとは思えないほどのコミカルな役回りだが、見事にこなしている。全体的にポップでユーモラスな作風と、500日をいったりきたりする脚本がうまく調和していて楽しい。最後のオチにはやられた。オータムとは……。そして500日がまた1に戻るお洒落さ。奇跡ではなく偶然。同じようで微妙に違う。ここで最初の作者の注意書きが生きてくる。「ジェニー・ベックマン」って誰だよ、って思ったけど、きっとサマーのモデルなんでしょうね。 [DVD(字幕)] 7点(2011-10-13 07:21:56) |
5. 荒野のストレンジャー
イーストウッドの映画を語る上で、恐ろしいほどの射程を秘めている映画だと思う。ペイルライダー、アウトローの原型が見える上に、彼独特のシニカルさというか冷徹な視点が見える。強すぎる主人公は、生身の人間ではない証左である。 [DVD(字幕)] 6点(2011-07-24 19:33:43) |
6. ゴーン・ベイビー・ゴーン
イーストウッドの強い影響を感じた。 [DVD(字幕)] 8点(2011-04-04 23:04:50)(良:1票) |
7. ゴッドファーザー PART Ⅲ
1,2,3と続けて観れば案外良いのかもしれない。単体で観るとどうしても前半の冗長さがぬぐえない。しかしラストシーンの記憶は何年経っても消えない。マイケルの表情の重みは半端じゃない。 [DVD(字幕)] 7点(2010-09-15 11:31:34) |
8. ゴッドファーザー PART Ⅱ
何と言ってもデ・ニーロ。満点をあげたいけど、Ⅰに10点つけてるので9点ということで。 続編が面白い映画といったら真っ先にこれを挙げます。てかこれ以外あんまり無い。 [DVD(字幕)] 9点(2008-11-16 01:14:59) |
9. コールド マウンテン
全体の雰囲気は良いのに、ストーリー自体の陳腐さが打ち消しています。特にラスト……ありゃないだろ。あんなの西部劇か昔の漫画くらいです。ゼルウィガーよりニコール・キッドマンの美しさに惹かれました。ナタリー・ポートマン、フィリップ・シーモア・ホフマンも必見。 [DVD(字幕)] 5点(2008-03-19 00:55:17) |
10. 告発
《ネタバレ》 傑作です。ケビン・ベーコンの熱演と実話を基にしたという脚本の、圧倒的なリアリティがこの映画の軸になっています。そういう意味では法廷シーンや、証人が襲われるシーンなんかはいまいちですが、ヘンリーが普通の妹を思う人間であり、それがあんな異常な状況下で虐待を受けていたというショッキングな内容がダイレクトに伝わってきます。そして単なる勝訴に終わらないラストシーンは感動的ですし、ありがちな勧善懲悪でめでたしめでたしというパターンでもなかったのは素晴らしかったです。凛とした表情で副所長に啖呵を切るヘンリーに、本当の勝利を勝ち得たのだなぁと感じましたし、それだけにラストは悲しかったです。 [DVD(字幕)] 9点(2007-09-26 00:30:09) |
11. コラテラル
《ネタバレ》 期待しただけに緊張感のないB級二時間サスペンスが展開されたのにはがっかりしました。脚本というかストーリー自体は面白そうだっのですが、なんでこんなつまらないんだろう。特に二人の心理面をえぐっているようにも見えませんでしたし、これで「境遇の違う二人を対比させて、~~のテーマを提示した作品だ」なんて言われてもねぇ。浅いでしょ。 僕には単に「ストーリーはまぁ適度にアクションや銃撃戦混ぜて最後はハッピーエンドで」という悪いハリウッド的な姿勢が出ていたようにしか見えません。 脚本は穴がありすぎます。挙げるのも面倒なくらい。 ロスの夜景も別に目新しいものでもないし、車を引きで撮ったり顔をアップにしたり、どこかで観たことのあるヒマつぶし映画でした。 ただジェイミー・フォックスは良かったです。トム・クルーズも無表情の中にふっと表情を見せるところが一番の見せ場だったように思います。 [DVD(字幕)] 4点(2007-09-14 23:35:41) |
12. ゴッドファーザー
ギャング・マフィア映画の最高峰であり、エンターテイメントの最高峰。長さを全く感じさせず緊張感を維持したまま突っ走ります。重厚感やゴッドファーザーの存在の大きさ、最初とラストがつながる感じ、なんとも言えません。大好きな映画です。 [DVD(字幕)] 10点(2007-07-26 22:13:06) |