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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1893
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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21.  イントゥ・ザ・ウッズ 《ネタバレ》 
意地悪な継母と義理の姉たちにいじめられ、森の向こうにあるお城の舞踏会に行きたくても行けない少女の物語――『シンデレラ』。貧乏暮らしから乳の出なくなった牛を売ろうと森を彷徨い歩き、魔法の豆と交換する少年の物語――『ジャックと天空の巨人』。森の中に住むおばあちゃんにパンを届けようとするものの、そこで待っていたおばあちゃんに化けたオオカミに食べられる女の子の物語――『赤ずきん』。母親を騙る魔女によって高い塔の頂上に閉じ込められた、長く美しい金髪を持つ少女の物語――『塔の上のラプンツェル』。誰もが知るそんな四つのおとぎ話に、魔女の呪いを解こうと彼・彼女たちの手にした重要なものを求めて暗い森の中へと足を踏み入れるパン屋夫婦の物語を絡めて描き出すミュージカル作品。ジョニー・デップとメリル・ストリープが夢の競演ということで、『シカゴ』という素晴らしい作品を撮って以降いまいちパッとしない印象のロブ・マーシャル監督の作品だったけれど今回鑑賞してみました。うーん、やっぱりいまいちパッとしない作品に仕上がってましたね、これ。何が駄目かって、そんな五つの物語が同時並行的に描かれるのですが、その中心を貫くようなものが一つもないせいでただごちゃごちゃと取っ散らかっただけの印象しか残らないところでしょう。つまり、観客が感情移入できる登場人物が一人も居ないんですよ。本作において、その役割を担い観客をぐいぐい引き込む狂言回しとなるはずのキャラクターはきっとパン屋夫婦になると思うのですが、いかんせん彼らがその役割を放棄しちゃってるせいでちっともこの世界に入り込めません。異世界を描くファンタジーにとってこれは致命傷と言ってもいいでしょう。個々の物語も肝心の要所要所を端折っているうえに、変なアレンジを施しているせいで矛盾や突っ込みどころも多く、とてもじゃないけど面白いとは言い難かったです。あと、個人的に赤ずきんちゃんを演じた女の子が全く可愛くないくせに物凄く小生意気なところが観ていてとても不愉快でした。肝心のジョニー・デップも早々に退場しちゃうし、良かったところと言えばメリル・ストリープの堂々とした魔女っぷりくらいでしょうか。ロブ・マーシャル監督、やっぱり『シカゴ』は奇跡の一品だったんでしょうね。
[DVD(字幕)] 3点(2016-04-09 15:53:49)(良:1票)
22.  インヒアレント・ヴァイス 《ネタバレ》 
トマス・ピンチョン――。それは現代アメリカ文学を代表する作家であり、何度もノーベル文学賞の候補となりながらも、その極度の偏執的な性格のせいでプロフィール完全非公開、誰からのインタビューも受けず高名な文学賞授賞式にも一切出席せず、顔写真すら公表していない孤高の覆面作家だ。そして代表作――寡作なので、何十年という作家生活の中でもその全体の作品数は数えるほどしかないのだが――と呼べる幾つかの作品もその経歴以上に難解で前衛的で多くの謎に満ちていることでも知られている。本作はそんな孤高の作家の代表作を、これまた現代ハリウッドでも特異な位置に居るポール・トーマス・アンダーソン監督が、豪華キャストを揃えて映画化したものだ。観終わってすぐの率直な感想を述べるならば、「凡庸」。この一言に尽きるだろう。ピンチョンの作風を言い表すとき、よく〝パラノイア(偏執狂)〟と表現されるほど徹底的な独自性と有無を言わさぬ破壊力に満ちているというのに、ポール・トーマス・アンダーソンともあろう者がこのような凡庸な出来で満足するとはどうしたことだろう。ただただ思わせぶりで大して面白くもない映像が延々と続き、正直、僕は最後まで観るのが苦痛で苦痛で仕方なかった。原作のことを前提に考えるならば、もっとぶっ壊れていてしかるべき!もっとエキセントリックでアナーキーな内容を追求してこそ、これまで映像化は不可能と言われ続けてきたピンチョンの原作を映画化したと初めて言えるのに、これでは到底認められない。たとえばテリー・ギリアムの作品に『ラスベガスをやっつけろ』というのがあったが、あれも映像化は不可能と言われた原作を映画化したこともあって完成度は必ずしも高くはないのだが、それでも他の追随を許さない圧倒的なオリジナリティを構築した監督のその気概に僕は震えたものだ。対して本作のこの凡庸ぶり。かつて『パンチ・ドランク・ラブ』という怪作を撮った彼がピンチョンの『LAヴァイス』を映画化したということで、かなり人を選ぶぶっ飛んだ内容を期待していた僕としてはかなり残念な作品であった。
[DVD(字幕)] 4点(2015-12-28 21:52:21)(良:1票)
23.  イントゥ・ザ・ストーム 《ネタバレ》 
のどかな田園風景が拡がるアメリカのとある田舎町。気のいい純朴な人たちがのんびりと暮らすそんな平凡な田舎町だったが、最近は地球温暖化の影響か、以前では考えられないほどの強大な竜巻が何度も発生するようになっていた。いつ何時強大な竜巻が発生するか分からないこの町にその日、様々な思惑を抱えた人々が乗り込んでくる。竜巻を追う女性気象学者、大金を得るため竜巻の映像を撮ろうと目論むフリーのカメラマン、卒業式を目前に控えた高校生の兄弟、彼らの父親で生徒の規律をもっとも重んじる教頭、そして何も考えずにただ目立ちたいという理由だけでユーチューブに画像をアップする馬鹿二人組――。史上最大規模にまで膨れ上がった竜巻によって彼らの平凡な生活は無残にも破壊の限りを尽くされるのだった……。最新のCG技術を駆使して描かれる本作は、そんな王道のパニック・アクションでした。もうそのストーリーを聞いただけで内容のほぼ大半は予想できる典型的なB級作品なのですが、こういう頭空っぽにして最後まで安心して観ていられるエンタメ映画もけっこう嫌いじゃないんで、今回ビデオ屋さんでレンタルしてきました。とまあ、ほとんど期待せずに観始めたのが功を奏したのか、けっこう面白かったです、これ。カメラマンが撮った映像や携帯の動画撮影、監視カメラの映像等々、POV手法を要所要所に差し挟む演出が抜群に利いていて、造り込まれた迫力のCG映像も相俟って、なかなか緊迫感溢れる展開に最後までけっこう釘付け。「すぐそこまで竜巻が迫ってきてるぞ!お前ら、早く逃げろー!」と思わず町の住民になったかのように胸の中で叫んじゃってましたし。所々、「これって完全に『ツイスター』のパク…、オマージュやん!」ってシーンがあるのはご愛嬌(笑)。親子の確執や人のために働く気象学者と大金を得たいだけのカメラマンとの対立など、人間ドラマとしてもそこそこよく出来ています(まあ、超ベタですけどね)。というわけで、完全なるB級エンタメ映画として僕は最後まで面白く観ることが出来ました。うん、7点!
[DVD(字幕)] 7点(2015-11-09 13:50:36)
24.  インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 《ネタバレ》 
1961年、ニューヨーク。売れない若手歌手ばかりが集うカフェで夜な夜なフォークギター片手にステージで歌う男、その名もルーウィン・デイヴィス。いずれ有名になることを夢見ていた彼だったが、コンビを組んでいた相棒を自殺でなくしてからは酒と女に溺れる鬱屈した日々を過ごしている。そんなある日、彼はひょんなことから知り合いの大学教授の猫を預かることになる。とはいえ彼はその日泊まる家すらままならないどん詰まりの毎日だ。一日だけでも泊めてもらおうと友達夫婦の家に向かうルーウィン。だが、応対に出た奥さんは彼のことを見るとかんかんに怒りだしてしまうのだった。「私、妊娠したみたいなの!きっとあなたの子よ!」――。そう告げる彼女の言葉に心当たりのあるルーウィンは、ちゃんと中絶費用を払うと約束するのだが、どう捻出したらいいかすら分からない。音楽活動も一向に芽が出ず、友達とも喧嘩ばかり、さらには預かっていた大切な猫さえ逃げ出してしまい……。そんなどん底を這いずり回るような日々を過ごす彼の人生に、果たして光は差すのか?いまや重鎮の風格さえ漂うコーエン兄弟の新作は、そんな愛すべき駄目男のどうしようもないトホホな日々を描いた佳品でありました。彼らの相変わらず冴えに冴えわたった演出はもはや抜群の安定感。女にも金にも酒にもだらしないどうしようもない駄目男の日常に、コーエン兄弟お得意のユーモアとペーソスが絶妙なバランス感覚で配合されていて観ていて大変微笑ましかったです(実際に知り合いにこんなヤツがいたら迷惑千万なんですけどね!笑)。もうやることなすことことごとくが裏目裏目に出てどんどんと不幸になっていくのですが、そのほとんどがまぁこのルーウィン・デイヴィスというアホ男の自業自得なので全然同情しなくて済むという設定が秀逸。特に、ジョン・グットマン演じる超胡散臭い男とのロードムービー的展開になるトコなんてあまりにも馬鹿馬鹿しすぎて何度も笑っちゃいました。そんな徹底的に駄目な男なのに、それでも音楽に対する情熱と自殺した元相棒に対する友情だけは決して失わないところがなんとも魅力的。僕は最後まで彼に好感を持って観ることが出来ました。「君は確かに巧い。音楽に対する情熱も素晴らしい。ただ、君の音楽には心に響くものがまるでない」。劇場のオーナーにそうとどめの一言を言われてしまった彼の人生に、それでもこれから先ほんの少しでも光が灯ることを願ってやみません。自分にとってはつらい毎日でも、客観的に見れば面白い人生なのかもしれない。そう思わせてくれる佳品でありました。
[DVD(字幕)] 7点(2015-11-06 22:52:09)
25.  イコライザー 《ネタバレ》 
再就職したばかりのホームセンターで地道に働く中年男性マッコール。古いアパートに独りで暮らし、真面目で面倒見の良い彼だったが過去の経歴はほとんど謎に包まれている。そんなマッコールの唯一の心の慰めは、深夜のファミレスで紅茶を飲みながらの静かな読書。ある日、彼はそこで荒んだ生活を送っている若い娼婦テリーと出会う。「ねえ、どうして本ばかり読んでいるの?」。これから客と会う憂鬱を紛らわすかのように、彼女はそんなマッコールに話しかけてくるのだった。お互いの孤独を埋め合わせるように次第に仲良くなってゆく2人。やがて、マッコールは昔最愛の妻を亡くしたことを、テリーは実は歌手を目指していることを打ち明けるのだった。だが、ある夜、テリーは顔を腫らして店へとやって来る。「あたし、客とトラブっちゃった…」と話す彼女に心配を募らせるマッコールだったが、数日後、売春婦たちの元締めである冷酷なロシアン・マフィアによってテリーは半殺しの憂き目に遭い、病院に入院したことを知るのだった。悪い奴らは絶対に許さない――。マッコールは、葬り去っていたはずの過去の記憶を甦らせて、単身、そんな街のゴミのようなロシアン・マフィアたちの根城へと乗り込んでゆく……。昔から、このアントワン・フークワって監督さん、こんな感じの男臭~~~いまさに僕好みの男の男による男のためのエンタメ映画を幾つも撮ってきた人。そんな彼がこれまたまさに“漢”を演じさせたら右に出る者の居ないデンゼル・ワシントンと再びタッグを組んで製作したという本作、けっこう期待して今回鑑賞。結果は……、すんません、僕はちょっとノレませんでした、これ。うーん、なんだかこのD・ワシントン演じる主人公があまりにも無敵すぎやしません?たった一人でロシアン・マフィア5、6人を19秒で皆殺しにしちゃうまではよかったのですが、そこから悪徳警官は懲らしめちゃうし、組織から送り込まれてきた凄腕の殺し屋たちにたった一人で立ち向かっちゃうし、本筋とは無関係の単なる強盗もきちんとやっつけちゃうし、石油タンカーは爆破しちゃうし、挙句本国にまで乗り込んでボスまで殺しちゃうって…、どんなけスーパーマンやねーん(笑)。ちょっとあまりに荒唐無稽すぎて、僕はいまいち楽しめませんでした。それに、クロエちゃんの出番、少なすぎ!!てか、物語の発端となる彼女が途中から完全にどっか行っちゃって、最後に申し訳程度に再登場するのも脚本的にどうなのかななんて僕は思っちゃいました。ま、これは好みの問題なのだろうけど、僕はもう少しリアリティに裏打ちされた作品の方が好きです。フークワ監督の次回作に期待!
[DVD(字幕)] 5点(2015-08-06 22:01:50)(良:1票)
26.  インフォーマーズ セックスと偽りの日々 《ネタバレ》 
80年代、ハリウッドの上流階級で“酒とセックスとドラッグ”に溺れるセレブたちのどうしようもない自堕落な日々を、豪華なキャストをそろえてスキャンダラスに綴った青春群像。――と、言えば聞こえは良いのだけど、僕の理解力が乏しかったのか、それとも本作のスタッフたちが人様からお金を頂いてさらには貴重な時間を割いてまで観てもらう映画表現とはなんなのかという基本中の基本を全く理解していないお粗末な人たちだったのか、いったい誰が主人公でそこにどんなストーリーが展開され、いかなるメッセージを観客に伝えたかったのか、最後までさっっっっっっぱり理解できない、もはや映画と呼ぶのさえ躊躇われるほどの「クソつまんないショボ映画」でしたね、これ。あの最初に車に轢かれる男はなんだったの?浮気性のビリー・ボブ・ソーントンは何で嫁と縒り戻そうとしながら、一緒に浮気相手のパーティに行こうと(普通にアホやん!笑)したの?あの謎のロックコンサートシーンは何の意味があったの?あの子供を誘拐しちゃうミッキー・ロークの意味不明なエピソードは何?そして、あの誰とでもセックスしちゃう糞ビッチなおねーちゃんは結局エイズになって死んじゃったってわけ?誰か僕に本作のストーリーを簡潔に分かりやすく説明してください(笑)。もうとにかく意味不明、理解不能。久し振りに、人生というかけがえのないものの中の98分という大切な時間をドブに捨ててしまったと胸を張って言えるクソつまらない映画と出会ってしまいました。ほとんど裸で過ごしていた、あのビッチなおねーちゃんがなかなかの美乳だったので2点…、にしようかなと思ったけど、やっぱりここは厳正なる評価(だっておっぱい見たいなら普通にAV観ればいいもん!笑)をさせていただきます。1点!!
[DVD(字幕)] 1点(2015-01-29 18:56:58)
27.  インターステラー 《ネタバレ》 
僕のこよなく愛する『インセプション』という傑作を撮ったクリストファー・ノーラン監督の最新作にして3時間に迫るSF大作ということで、久し振りにわざわざ映画館へ――。結論を言うと、無茶苦茶面白かったです。圧倒的なスケールで描かれる壮大な世界観、イマジネーションが奔流のように迸るスタイリッシュで洗練された美麗な映像、哲学的で難解なお話なのにそれを微塵も感じさせない考え抜かれたストーリーテリング……。特に、あの1時間経つと地球時間では7年もの年月が過ぎる水の惑星から帰ってきた主人公が、あの僅かな時間で既に27年も経っていたと知ったときの絶望感といったら凄まじかった。地球時間と宇宙時間のずれを見事に対比させることで、今まで誰も見たことのないような壮大なアクションシーンを創り上げたところなんか、さすが『インセプション』のクリストファー・ノーラン!ブラックホールを越え、予想だにしなかった世界へと迷い込んだ主人公が知る驚愕の真実には度肝を抜かれました。そして、最後に彼が娘との約束を果たすシーンは切なくてちょっぴり泣きそうになっちゃったし。そんな綺麗な円環を閉じながらも、物語は新たな旅立ちの余韻を残す希望に満ちたラストシーンを迎えます。ただただ圧倒されてしばらく席から立ち上がれませんでした。最近、この世界は結局唯物論であり、人間はDNAを運ぶための単なる容れ物にすぎないのではないか。愛だの神だの幸せだといった概念は、所詮は人間が作り出した生きるための勝手な理由付けなのだろうという虚無的な考えに捉われがちな僕なのですが、人間はそんな絶望を乗り越えうる素晴らしい観念(想像力)を持っているということをあらためて教わったような気がします。僕はこの作品から生きる希望のようなものをほんの少し得られました。個人的な好みで言えば『インセプション』の方に軍配が上がるけれど、こちらも映画史にその名を燦然と刻むだろう傑作と言っていい。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-01 22:40:05)
28.  イノセント・ガーデン 《ネタバレ》 
謎の交通事故により、愛する父親を突然失ってしまい、哀しみに沈む18歳の多感な女の子、インディア。何故か哀しみの色をみせない母親と共に、葬儀へと臨んでいたらそこに長年疎遠にしていたチャーリーという叔父が現れる。怪しげな雰囲気漂うチャーリーとしばらく共同生活を送ることになったインディア。しかし、そこから彼女を取り巻く現実が徐々に歪み始めてゆくのだった…。人とはちょっぴり違う現実を生きる、精神的に不安定な少女の不穏な日常を詩的でとても美しく、だがどこか怪しい淫靡な映像で描き出した、まるでいびつな宝石箱のようなダーク・メルヘン。いやー、良いですね、これ。いままで履き続けてきた大小様々な靴に囲まれベッドに横たわるインディアや、床を這っていた小さな蜘蛛が彼女の脚を伝い、そしてそのスカートの奥に隠された領域へと忍び込んでいったり…。そんな、常に何処かで大切な何かが壊れてゆくようなセンス溢れる映像&音楽にかなり惹き込まれました。他にも、まるで作り物のような目をしたチャーリーの突発的に露わになる狂気描写や、何かをひた隠すように振舞う母親のいかにも不穏な行動とか(ニコール・キッドマンが良い感じ!)、そんな徹底的に現実感を排除した大きな洋館の中で繰り広げられる怪しいストーリーを、イノセントな少女目線で描き出したこの秀逸な世界観には、中盤、若干の中だるみがあるとはいえ、素直に酔いしれることが出来ました。欲を言えば、インディアがもう少し幼い年齢でも良かったかなーとも思うけど(え、誰がロリコンだって?笑)、もろ俺好みのこのダークで淫靡な作品、うん、なかなか良かったっす!
[DVD(字幕)] 7点(2014-03-30 07:52:41)(良:1票)
29.  インシディアス 《ネタバレ》 
ようやく手に入れることが出来た郊外の新居へと越してきた大学教授ジョシュ。愛する妻と3人の幼い子供とともにこれからさらに幸せになろうとしていた矢先、長男のダルトンが原因不明の昏睡状態へと陥ってしまう。突然のことに悲嘆に暮れる家族だったが、数ヶ月が経ってもダルトンに回復の兆しが見られず、失意のうちにせめてもと自宅療養へと切り替えることに。だが、そこからジョシュと家族の平凡だった生活に不可解な現象が起こり始める。無線機に紛れ込む謎の人声、窓から覗く怪しげな影、夜中に唐突に開け放たれる玄関のドア…。仕方なく別の家へと引っ越すことにしたものの、事態は改善されぬばかりかさらなる恐怖が彼らを襲うのだった。うーん、これ子供が3人兄弟である必要があったのかなー。恐怖を体験する対象があまりにも多過ぎて、ホラーとしての焦点が絞り切れていないような印象を受けました。それを裏打ちするかのように、後半は次男も末娘も一切出て来なくなるし(笑)。じゃー、最初から一人息子って設定で良かったじゃん!と、こりゃはずしちゃったかなぁと思いながら観てたのだけど、後半、お父さんが幽体離脱して迷い込む〝彼方の世界〟の、不気味さと狂気とユーモアを濃厚に織り交ぜて描かれたシュールな世界には(デビット・リンチ&シャイニングの影響をモロに受けているとはいえ)予想に反して結構惹き込まれました。まあ、ベタベタなホラーではあるけどそこそこ良かったと思いまーす。ただ、最後のオチは完全に蛇足。
[DVD(字幕)] 6点(2014-01-22 23:11:47)(良:1票)
30.  YES/NO イエス・ノー 《ネタバレ》 
結婚式を間近に控え、これ以上ないくらいの幸せを謳歌する若いカップル。しかし、突然正体不明の犯人によって誘拐されると無機質な謎の密室へと監禁されてしまう。「ようこそ、真実の愛検証プロジェクトへ」マイクロフォン越しに高らかにそう宣言する犯人。部屋には、質問を表示する電光掲示板と、イエス・ノーと書かれた謎の二つのボタンがあった。強制的に幾つもの質問に答えていくうちに、次第に幸せ絶頂だった二人の隠されていた真実が明らかとなってゆく。果たして二人の愛の運命は?というソリッドシュチュエーションスリラー・ラブゲームバージョン。まあ、映像的にはそんなに新しいところは無かったですけど、着眼点は良かったんじゃないでしょうか。ゲームが進むにつれて、真実の愛だと信じていたカップルがどんどんと仲違いしていき、お互いに激しく罵り合うところとかなかなか見応えあり(笑)。ただ、ちょっとグロさが足らないっすかねー。スリラーなんだし、もうちょっと血液がドバッと出てくれても良かったと思う。「失敗。彼は脚を失いました」で、ほんとに脚を切断しちゃうくらいしてくれんと(笑)。それに夢オチまがいの変なラストにも興醒めでした。あと、最後に一つだけ言わせてもらうと、ここまでぐちゃぐちゃになった二人の関係が、「実は僕は君のために手造りチョコを作っていたんだよー!」という彼氏の突然の告白で真実の愛に目覚めるって薄っぺら過ぎるっしょ!ちょっぴりキレそうでした(笑)。
[DVD(字幕)] 4点(2014-01-07 11:53:56)(良:1票)
31.  インモータルズ/神々の戦い 《ネタバレ》 
まだ神々の影響力が色濃く残る古代ギリシャ。かつて光の神に敗れ封印された闇の神々〝タイタン族〟を復活させ世界を支配しようと、ハイペリオンという邪悪な王が勢力を拡大していた。小さな村で平凡な農夫として暮らしていた青年テセウスのもとにも暗い影が忍び寄る。ハイペリオンに捕まり、最愛の母を目の前で殺されてしまったテセウスは彼の奴隷として連行されることに。だが、美しい巫女や光の神々の導きにより、なんとか脱出することに成功したテセウスは復讐を果たすため、そして世界を救うため、決死の覚悟でハイペリオンのあとを追うのだった。ザック・スナイダーの「300」の世界をターセム・シン監督の独特のセンスで全編リライトしたかのようなヒロイック・ファンタジー。恐らく、この作品の評価の分かれ目となるのは、この古代ギリシャでありながら何処かインドっぽいエキゾチックでオリエンタルな雰囲気を許容できるかどうかだろう。グロテスクな残虐描写もふんだんに織り込みながら、それでも細部にまで拘り抜いた絵画のように美しい唯一無二の世界観は確かに凄いとは思うのだけど、残念ながら僕の好みとは微妙に合いませんでした。まあ、面白いとは思うんですけどね。個人的には、何処までも真面目に真剣に製作されていながら何故か乾いたユーモアを感じさせる「300」のほが好み。でも、ミッキー・ロークのもはや貫禄の悪役っぷりはなかなか良かったっす。
[DVD(字幕)] 6点(2013-12-07 18:45:44)
32.  一枚のめぐり逢い 《ネタバレ》 
いつ死ぬともしれない戦時下のイラク。海兵隊として過酷な戦場を生きていた主人公の青年ローガンは、ある一人の女性の写真を拾う。直後に被弾したロケット弾によって九死に一生を得た彼は、アメリカへと帰還すると生きる目的を探すかの如くその女性を探し始めるのだった。そして見付かったのは、様々な困難を抱えながら生きるシングルマザーのベスだった。戦場で心に深い傷を負った(らしい)青年と、息子のために必死に生きるヒロイン、横柄で暴力的な元夫、素直で純朴な息子、全てを暖かく見守る優しいおばあちゃん…。そんなステレオタイプな登場人物たちが、もう恥ずかしいくらいにベッタベタな超王道のラブロマンスを展開させてゆく。日々の日常生活の倦怠を忘れ、たまには燃えるような恋と情熱的なセックスを堪能してみたいわぁという有閑マダムの欲求に応える目的で作られたのは分かるのだけど、さすがにこれでは軽薄に過ぎる。最後も取って付けたように、嫌な元夫があっという間に改心して息子のために死んで、残った3人が幸せに大団円…。実際にイラクで心に深い傷を負って苦しんでいる元兵士なんかがこれを観たら、確実に怒り狂って銃を手に取るだろうね(笑)。
[DVD(字幕)] 4点(2013-10-16 22:49:07)
33.  インデペンデンス・デイ 《ネタバレ》 
いまや色んな意味で伝説と化している、ローランド・エメリッヒによるお馬鹿映画の代表作。まー、冒頭から突っ込み出したらきりがないくらいに矛盾やおかしなところや馬鹿馬鹿しいところが盛沢山!ウィル・スミスが宇宙人の戦闘機に乗り込んで何の疑問もなく運転して「おりゃおりゃおりゃ!!!!」とエイリアンどもを懲らしめてしまう頃には、もうお腹いっぱいになれます。
[DVD(字幕)] 6点(2013-05-09 12:52:15)
34.  インビジブル(2000) 《ネタバレ》 
変態監督面目躍如な快作。最先端のCG技術とお金を惜しむことなく注ぎ込んで作られた透明人間映画。人間が一瞬で消えたら面白くないから、まずは皮膚が透けて次に筋肉が透けて、そして内臓……。こんな発想が浮かんできてそして実行してしまえる監督は、やっぱりバーホーベンをおいて他には居ない!そしてそこまでして透明になった主人公の科学者がまずしたことが、おっぱいポヨンポヨン……。馬鹿ですか(笑)。そんなお茶目なバーホーベン監督、大好きです。
[DVD(字幕)] 8点(2013-04-29 23:14:48)
35.  インランド・エンパイア 《ネタバレ》 
前作『マルホランド・ドライブ』で、それまでずっと合わない監督と思っていたデビット・リンチの新たな魅力を発見して「彼はもしかしたら天才なのかもしれない」と思いながら、この作品も鑑賞。うーん、前作が奇跡だったのですかね。またいつもの雰囲気ごり押しの単なる思わせ振り映画に戻ってしまいました。それでも三時間もある長い映画を最後まで飽きさせずに見せる監督の手腕は見事ですけど。
[DVD(字幕)] 5点(2013-04-21 19:08:44)
36.  インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 《ネタバレ》 
まさに小学生のころに観てしまってドハマリしてしまいました。もう、小学生男子の心を鷲掴みにするネタが次から次へとジェットコースターのように展開して、もうたまりません!わー、猿の脳味噌食ってるし!ひぇぇ、虫が大群じゃー!おっさん、心臓ほじくり出してるし!!トロッコだ!洪水だ!吊り橋落としちゃってるし!!!ひぃぃ、も、もう止めてー!!!映画の楽しさをこの作品で初めて教えてもらいました。当時、録画したビデオテープが擦り切れるほど何度も観てしまった思い出の一作。
[DVD(字幕)] 9点(2013-04-12 13:31:08)(良:3票)
37.  硫黄島からの手紙
かつての敵国人であるイーストウッドが、戦時下の日本人を変に美化するでも逆に貶めるわけでもなく、極めて中立的に描写することで日本人監督とはまた違った客観的なメンタリティを描きだしている。良い部分も悪い部分も含めて、誰もが愛する人が住む祖国を守るために戦っていたのだという、そんな当たり前のことを思い出させてくれたイーストウッドにただ感謝するばかり。
[DVD(字幕)] 7点(2012-07-26 15:48:24)
38.  インセプション 《ネタバレ》 
これは面白い!!自分が認識する世界はどこまで信頼できるのだろうという、「われ思うゆえにわれあり」のような極めて哲学的なテーマを扱いながら、超一級の娯楽作品としても成功している凄い映画だった。人の夢の中へと入り込み、その人が将来、考えつくであろうアイデアを盗むことを生業としているディカプリオ演じる主人公コブ。恐らく映画でしか表現しえないだろう、そんな設定を最大限活かして、クリストファー・ノーラン監督は今まで誰も観たことがなかった世界を見事に映像化してみせた。第一層から第三層まであり、それぞれが全く違う世界で下に行けば行くほど時間の進み方も全く違ってくるという複雑な人間の深層心理の中を、コブたちはどんどんと奥深くへと沈み込んでいく。それを徹底的にスタイリッシュに、しかもアクション映画としても一級の迫力をも備えた映像で描き出す手腕は見事としか言いようがない。そこへ絡んでくる、コブ自身の亡き妻を巡る哀しい思い出もまた切なくて良い。そして最後、コマが止まるのかどうか、その寸前で終わるという、最高に格好良いラスト!!「このまま、コマが止まるかどうか?それを信じるのは君たちしだいなんだよ」観終えたあと、あまりの格好良さにしばらく痺れてしまったよ!!
[DVD(字幕)] 10点(2012-07-07 22:16:32)
39.  イングロリアス・バスターズ 《ネタバレ》 
自分が年取ったせいなのか、個人的にはあまり魅力を感じなかった。タランティーノといえば、過去の傑作を思い出してしまいやはりそれと比べてしまうきらいはあるものの、それでも自分には幾分か退屈な映画と思えてしまう。過剰な暴力描写も、なんだか無理して観客にサービスしているように感じる。
[DVD(字幕)] 5点(2012-06-21 19:42:35)
40.  インフォーマント! 《ネタバレ》 
最近、酷い映画ばかり撮るソダーバーグ監督にしてはそこそこ良作だった。こういう映画を撮りたいという姿勢が最後までぶれておらず、それにマッド・デイモンの熱演が充分に応えている。実話を基にしたという制約もあるなかで、それを軽いノリのブラックなコメディとして最後まで飽きさせることなくみせた力量は確かに評価できる。ちゃんと才能はあるんだから、ソダーバーグ監督にはもっとそれを活用して欲しいと切に願う。
[DVD(字幕)] 6点(2012-04-24 13:56:43)
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