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やましんの巻さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 731
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自己紹介 奥さんと長男との3人家族。ただの映画好きオヤジです。

好きな映画はジョン・フォードのすべての映画です。

どうぞよろしくお願いします。


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人生いろいろ、映画もいろいろ。みんなちがって、みんないい。


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1.  ザ・マスター 《ネタバレ》 
フィリップ・シーモア・ホフマン扮する新興宗教の教祖ランカスターは、ホアキン・フェニックス演じる主人公フレディを“息子”として自分のものにしたかった。フレディもまたランカスターに“父親”を見出した。…そう、『ブギーナイツ』や『マグノリア』、前作『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』などがそうだったように、ポール・トーマス・アンダーソン監督の作品はここでも「父と息子」、「(疑似)家族」をめぐる愛憎劇を繰り広げる。  だが、ある一点において本作は、これまでのPTA作品と根底的に異なる“貌”をみせるだろう。そう、この映画におけるフレディは、もはや誰の“息子”にもなれない男だった。ーーアル中で女に目がない、一見すると単なる負け犬の流れ者。しかし一方で彼は、どこまでも自由で束縛(=家庭)から逃走し続ける、常に「移動する者」でもあるのだ。  常にその肉体と魂を彷徨のなかに起き続ける、フレディ。何という空虚さと孤独。だが彼は、それでも生きていける。これまでも、これからも空虚で孤独でありながら「独り」で生きていける男なのだ。その意味で、すでに彼は師であり“父親”であるランカスターすらをも“超えた”存在なのである。  ランカスターはフレディに、「もし“師”なしで生きられる方法が見つかったら、ぜひまた会いに来て教えてほしい」という。そして「来世で出会ったなら、お前は私の最大の敵となるだろう」とも。ランカスターもまた、フレディが自分“息子”どころか自分すら超越した存在だということを覚っていた。それでも、というかそれだからこそ実はフレディを手放したくなかったホフマンが口ずさむ「中国行きのスロウボート」と、それに対するフェニックスのゆがんだ笑顔。その対比の、何という美しさだ・・・   フレディ、このこのアル中で情緒不安定で暴力的だが、どこか愛さずにはいられない“1950年代のハックルベリィ・フィン”。この真の意味で「自由」な人物像を造型し得ただけでも、この作品と主演のホアキン・フェニックスは映画史上のものだ。彷徨する魂と肉体にこそ己の存在理由を見出す「アメリカ(人)」の心象風景をここまで鮮やかに映像化した作品など、ほとんど空前絶後ではあるまいか。ともあれこれは、21世紀に入ってから今に至る最高の「アメリカ映画」だと、ぼくは確信している。
[映画館(字幕)] 10点(2013-03-25 11:35:50)(良:1票)
2.  The Man I Love(1946)
欧米では、マーチン・スコセッシ監督の『ニューヨーク ニューヨーク』の元ネタ映画として有名な本作。日本では未公開であるものの、小生は20数年前に地元TV局の放映によって見ました(で、その時に録画したビデオで再見)。その際の放映題名は『哀愁のメロディ』。ただ、このタイトルでの記録がまったくないので、原題のまま新規登録した次第。どなたか、何か情報をお持ちの方おられませんか…。  内容はと言えば、ヤクザなクラブ経営者から弟と妹を救うために、あえてその店の歌手となるヒロインの恋と人間模様を描くメロドラマ。妹の亭主は戦争後遺症で入院中だし、弟はヤクザ世界に憧れて裏社会に足を踏み入れようとしている。そんな彼らをまとめて面倒みようとする、鉄火肌の姉(というより、まさに“姐さん”)。この酸いも甘いも噛み分けたクラブ歌手を演じる、アイダ・ルピノがまず素晴らしい。冒頭、親しいミュージシャン仲間と音合わせする場面では、大人の女としての艶っぽさと剛毅さを漂わせて貫禄十分。ロバート・アルダ扮するヤクザなクラブ経営者と渡り合うあたりも、色目を使う男に毅然としつつ、つれない仕種が、粋っちゅうか、見事ないなせっぷりちゅうか。それが、ピアニストくずれの船乗りに恋したとたん、彼の前では一途で可愛い女になるあたり、もう泣かせるのなんの。…ああ、まるで『非牡丹博徒』のお竜さんじゃないか!  こういう、「大人」のオンナとオトコの機微や人情を描く時のラオール・ウォルシュ監督は、間違いなく我が日本の加藤泰に通じる濃密さとあだっぽさを醸し出す。特にクラブ店内の場面など、テレビの小さな画面からでさえ煙草とアルコールの匂いが漂ってきそうな雰囲気を作りだしている。ガキの映画ばかりがまかり通る昨今を思う時、映画とは洋の東西を問わずどんどん幼稚化していることは、やはり間違いないらしい。  惜しむらくは、ぼくが見たテレビ放映版では、音楽場面の多くがカットされているらしいこと。ぜひ完全版を見たいと思わせる(その時は、必ず満点を献上するであろう)、これはヴィンテージものの1本であります。
9点(2005-01-05 17:16:51)(良:1票)
3.  ザ・デッド/「ダブリン市民」より
ぼくが愛するジョン・ヒューストンは、あくまで『王になろうとした男』の、『アフリカの女王』の、『キーラーゴ』の監督なのです。そんなヒューストンが、こんなにも美しい、あまりに美しすぎる「白鳥の歌」を歌うなんて、ほとんど“背信行為(!)”じゃないか…。そう思いつつ、いつ見てもただナミダさせられるのが、口惜しい。特に、あのラストシーン…。もはや「死者の眼」で見られたあの風景に心震えない者がいたとしたら、何と不幸なことだろうとすら思う。そして、階段に立ちすくみ、聴こえてくる歌声に微笑みながら涙を流すアンジェリカ・ヒューストンの、崇高までの美しさはどうだ。自らの娘のイメージ(映像)を、見た者すべての心に「永遠化」してみせたヒュ-ストン監督には、もはやどんな賞賛の言葉も無力だ。繰り返す、たとえ“遺言”にしても、ジョン・ヒューストンにこんな美しい「歌」は似合わない。けれど、それは間違いなく存在し、ぼくたちの前に残されたのだ…。
10点(2004-02-23 19:16:21)(良:2票)
4.  さらば愛しき女よ
ロバート・ミッチャムのフィリップ・マーローは、原作のイメージからだといささかクタビレ過ぎかも。ただ、だからこそこの、メロウでハードボイルドな世界にぴったり溶け込んでいるんスよね。ディマジオの連続安打記録更新だけを楽しみにしつつ、醜悪な社会の闇(=病み)へと踏み込んでいく探偵マーロー。『三つ数えろ』のボギー以上に、その「諦観」をにじませたミッチャムの存在感に魅せられました。そして、シャーロット・ランプリング! この美しき”ビッチ”な悪女役こそ、彼女のキャリアのなかでも最も輝いたものじゃないでしょうか。どうも忘れ去られた映画のようだけど、1970年代に作られた探偵映画としちゃあ、『チャイナタウン』に優るとも劣らない名作だと、小生信じとります。あのシルベスター・スタローンも、頭の悪そうなツラしてチラッと出演しているしね!
9点(2003-12-05 18:09:32)(良:2票)
5.  さらば荒野 《ネタバレ》 
遅れてきた西部劇ファンとしては、この陰惨極まりない、それも単に陰々滅々で後味悪いシロモノを前にただ絶句あるのみ。…作り手たちが、マカロニウエスタンとニューシネマの影響を受けたというのは分かるけど、それにしても、妻を誘拐された男がその一味をどこまでも追い続け、1人また1人と血祭りにあげていくなんて新味ゼロのプロットにうんざり。それが、いつしかサディスティックな「人間狩り」映画へと変貌していくあたり、西部劇への冒涜じゃないか? …特に、逃走中に誘拐犯のリーダーであるオリバー・リードと妻のキャンディス・バーゲンが”出来た”と知ったジーン・ハックマンが、バーゲンの陰部をブチ抜くといったラストは、もう何をか言わんや。心無き残酷ショーは、西部劇以外でやってくれ! 
3点(2003-11-27 18:27:28)
6.  ザ・ウィナー
おそらく欧米以上に日本でこそ「カルト」なアレックス・コックスが、初めてハリウッドで”雇われ監督”として演出した1作。しかし案の定、プロデューサー側とモメて、編集と音楽を別物に差し換えられて公開されたそうな。まあ、コックスに何を望んで起用したのかは知らないけど、このヘンクツな奇人…もとい「奇才」が、従順に言うこときくワケないじゃん。で、日本じゃコックスが編集&音楽を入れ替えたヴァージョンが公開され、たぶんビデオもそちらの方だと思うのだけど、見てみるとこれが実に「まっとう」な出来映え。ラスベガスのカジノで延々と勝ち続ける青年をめぐる不思議な人間模様が、まるでよく出来た一幕芝居のように描かれていくんですな。それにキャストも、ビンセント・ドノフリオやレベッカ・デモーネイ、ビリー・ボブ・ソーントン、マイケル・マドセンなどの渋い顔ぶれが揃っているし。クライマックスの大銃撃戦と、それに続くラストシーンも実に「クール」かつ良い意味でセンチメンタルな寓話っぽくまとめ、コックス、やろうと思えばこんな上質なエンターテインメントだって撮れるんじゃんと、意外(!)な一面を見せられた思いです。もっとも、ハチャメチャななかにも鋭い世界観や形而上学を吐露するあたりがこの監督の真骨頂と信じる”コア”な向きには、ちょっと物足りないかもしれないけど。
7点(2003-11-25 11:58:25)
7.  サルート・オブ・ザ・ジャガー 《ネタバレ》 
『ブレードランナー』や『許されざる者』、『12モンキーズ』などの脚本家デビッド・ピープルズが、初監督に挑戦したSFアクション。例によって原始時代に逆戻りしたかのような未来世界で、何かホッケーかラクロスと格闘技を足したようなスポーツの巡業(?)の旅を続ける、ルトガー・ハウアーとそのチームの物語です。彼らのところに、まるで『七人の侍』の菊千代みたいにジョアン・チェンが強引に加わり、やがて彼女が一流のプレイヤーに成長するまでの間に、師弟愛を越えたほのかな恋愛感情あり、卑劣な敵側の陰謀あり…と、まあこの手の映画にありがちな展開ではあるんですよね。しかし、ルトガー・ハウアーたちが試合に命がけで挑み、ひとつの試合を生き抜くとまた次の試合に臨むために荒野を徒歩で移動する姿は、まるでTVドラマ『コンバット』や『プライベート・ライアン』あたりの歩兵小隊そのまま。そんなかれらのストイックな生きざまが、めちゃくちゃカッコいいんだな。映画の最後、大きな町のチームに迎え入れられたジョアン・チェンと、また黙々と次の試合相手のもとへ旅を続けるハウアーたち。その対比に、ぼくは本物の「ヒロイズム」を見た思いです。そう、これは真の”戦士”についての、シンプルだけど実に力強く思考された一考察に他ならない。ただ暴力的なだけじゃなく、知的にも、情動的にも深いインパクトを与えてくれるドラマです。  《追記》ああ、ようやくこの映画に“救いの手”が現れた! 【なにわ君】さんのレビューを拝見して、ぼくも「8」じゃ映画に申し訳なくなってしまいました。よって、今さらながらの満点献上。本当にこの作品にみなぎる「心意気」と「気高さ」こそ、今の自分に必要なものだと痛感。どうにかして、もう一度見たいなあ。…  《再追記》あらためて【なにわ君】さん、どうもありがとうございます! ぼくが唯一行く弱小レンタルビデオ店には置いてないので、今度DVD探してみますね。ただ、この映画の原題も2種類あるし、別バージョンのものがあるのかもしれませんねぇ…。 《再々追記》おおっ、久々に同志が…(感涙)。【映画の奴隷】さんのレビューで、あのラストシーンが鮮明に浮かんできました! ああ、また見たいっ! しかし小生が行くレンタル店には、この映画がないっっ! 嗚呼。 《再々々追記》おおっ、“同志”がまたひとり!
[映画館(字幕)] 10点(2003-11-17 11:30:20)(良:4票)
8.  ザ・カー 《ネタバレ》 
きっと、監督も何かのっぴきならない事情があって引き受けたものの、あまりの脚本のくだらなさを前に、「こうなりゃ、裏コメディにしちゃる」とばかりにシリアスを装いつつ、思いっきりバカやってる…といった感じ。でもまあ、その馬鹿馬鹿しさを愛する同好の士はいるもので、ステーブン・キングの『クリスティーン』なんか、きっとこの映画が元ネタなんじゃ? クライマックスの、崖から爆発炎上して落ちる”ザ・カー”が一瞬、悪魔の姿になるあたりの楽しさも、なかなか。確かに凡作だけど、ヘンな愛嬌があります。
5点(2003-10-06 13:23:06)
9.  サイコ(1960) 《ネタバレ》 
世に完璧(オーソン・ウェルズみたく「パーフェクション!」と発音すれば、気分かな)な映画が存在するとすれば、これがその1本。主人公だと思っていたジャネット・リーが、いきなり惨殺されるあの名高いシャワールームの場面は、視覚的にも作劇的にも初めて見た時にゃ腰が抜けるほどの衝撃でした。そして、あの階段での殺人と、ミイラ…。あからさまな精神分析的展開はいささか図式化が鼻につく向きもあるだろうけど、何回見てもそんなことまったく気にならない。つくづく、傑作です。
10点(2003-09-18 11:23:57)
10.  ザ・チェイス
アダム・リフキンという御仁、監督以上に脚本で意外なコメディセンスを発揮するんだよね。本作も、自分で監督しなけりゃ相当な快作になったろうにな。とは思うけど、それでもやっぱり楽しい映画。皆さんおっしゃる通り、車の中での会話や、マスコミの狂躁ぶりが、現代風スクリューボール・コメディしててイケてます。それにしてもクリスティ・スワンソン、何でもっとブレークしなかったんだろ?
7点(2003-09-06 19:05:43)
11.  ザ・コンテンダー
コラムニストの中野翠サンが、本作を見て怒り狂ったんだって。ふ~ん、何でだろ? このヒト、田中真紀子に対しても憎悪をむき出しにしてたし、アグネス・チャンとの確執も記憶に新しいところ。きっと、「男社会の中で”女”を主張しながらのし上がろうとするキャリアウーマン」が、同じ女性のくせに大嫌いなんだろうな。同様に、そんな女たちを恐れ嫌悪する世の男たちのメンタリティに近いんでしょう。で、この映画。ぼくは非常に好感をもって見ましたです。ひさびさに「本当の意味でカッコいい女性像」を見せてもらったという感じ。ジェフ・ブリッジスの大統領もわるくないしね。
8点(2003-09-06 18:47:43)
12.  ザ・グリード
モンスター映画としちゃあ、ちょっと画期的な大(小?)傑作じゃないかな。確かにグロなシーンのオンパレードだけど、それ以上に「大ボラ話」的なノリが楽しいのなんの。最後の最後までホラ吹いて大笑いしてあ~気分爽快! といった感じであります。これといい『ハムナプトラ』といい、スティーブン・ソマーズ監督の、少々粗っぽいけどガハハと映画自体が大笑いしているような大らかさは、今の映画にゃ貴重なんじゃないだろうか。ファムケ・ヤンセンも、イロッぽいしね。ご同輩! 
9点(2003-09-06 18:31:34)
13.  13デイズ
一応ストーリーは”キューバ危機”の舞台裏ということで、かつてまったく同じ題材を同じように扱ったTV映画があったな…と。つまり、まったく新味ゼロなわけで、なんで今さらこんな映画を作るのかと思っていたら…。いやあ~、これ、ケネディ暗殺が軍とCIAの上層部のしわざとブチあげる『JFK』の前日譚(!)だったのね。なるほど、こんな風にしてケネディが彼らに疎まれるようになったのかと、よ~くわかるようになってます。ほんと、ケビン・コスナーって想像以上に「政治的」で「信念の人」で「陰謀史観」なパラノイアであったことを、証明してくれる意味では貴重な作品であります。
6点(2003-09-06 18:07:33)
14.  サイボーグ
アルバート・ピュンとかいう監督の映画って、設定はオタク的に凝ってたりもするんだけど、出来上がったら大笑いな代物ばかり。そうした中じゃ、これは相当マシな1本じゃあるまいか。ヴァン・ダムの精気みなぎる若々しいアクションと、凛々しさに救われたものと、監督は彼に感謝したまえ。まあ、どなたにもおすすめできるってワケじゃありませんが… コアなヴァン・ダム好き(いるのか?)はもちろん必見であります。
5点(2003-07-23 18:16:37)
15.  最高の恋人
今やすっかり文芸大作路線の「巨匠」になっちゃったアンソニー・ミンゲラ監督にも、こんないい味出してる小品を撮ってた時期があったんだなあ…(しみじみ)。愛すべきダメ男のマット・ディロンも、いつもながらべっぴんさんのアナベラ・シオラも、よくぞこんな助演で出たなあと感心させられるウイリアム・ハートも、みんないい。下町情緒の醸し方も、実に魅力的だし。う~ん、チャーミングな映画であります。
8点(2003-07-23 18:05:33)(良:1票)
16.  13ウォーリアーズ
体裁としては、北欧を舞台にしたスペクタクル史劇。なんだけど、ノリとしては、騎兵隊の精鋭たちがインディアンを相手に戦う西部劇ですな。だって、謎めいた一族が乗ってる馬にほどこされたペインティングは、どう見たってインディアンのそれと同じだし。このあたり、これまでも自作で西部劇へのオマージュを捧げていたジョン・マクティアナン監督の趣味が、遂に全開! といったところか。原作者マイケル・クライトンは不満だったろうけど、ぼくとしちゃ、マクティアナンの方にこそ肩を持つね。バンデラスのキャラクター設定も物語に趣向を与えているし、CGではなく”本物志向”なセットも重厚感たっぷりだし(そりゃア130億はかかるわなあ)、面白いじゃん、この映画!!
8点(2003-07-23 17:55:07)
17.  最前線物語
映画史上のベストワンを選ぶなんてとうてい出来っこないけど、戦争映画のベストワン作品を選べというなら、文句なしにこの映画を小生は推す。ストーリー的にはサミュエル・フラーの『鬼軍曹ザック』の焼き直しではあるものの、どんな状況下においても日はまた昇り、人は生き、そして死んでいくという「真理」を、ここまで簡潔に、美しく見せてくれる映画はない。そんな、永遠の1本です。《追記》リー・マーヴィン演じる、苦虫を噛み潰したような“鬼軍曹”のヘルメットを、花で飾る幼い女の子。ナチスの収容所で助け出し、ヘルメットを被らせて軍曹が肩車をしている時に、命の灯が尽きて死んでいく男の子。…はじめてこの映画を見てからすでに20年以上(!)もの歳月がたっているのに、この2つのシーンがいつまでも頭から離れない。ヘルメットと子供たちをめぐる、一言も台詞のない小さなエピソード。しかしそこには、フラー監督の「祈り」が込められている。ささやかだけれど、はっきりと、力強く、世のすべての「無垢なるもの」に唱えられた祈りが。そして、あたかも「戦時下」のように子供たちの命が簡単に奪われていく現代ニッポンにあって、その「祈り」の声は、何と切実で悲しく響いてくることか、と思う。・・・以上、この映画の評価とは何の関係もないタワゴトです。すみません。ただ、そういう“想い”をさせることにおいても、やっぱりこの映画はぼくにとって永遠のベストワン作品です。 《追追記》フラーの戦争映画におけるヘルメットは、ひとつの「イコン」ですらあると思う。そしてこの晩年近くの本作で、『鬼軍曹ザック』にはじまるフラー作品の“ヘルメット・クロニクル(?)”が完結した感があって、それゆえいっそう胸をしめつけられたことを今もありありと憶えている・・・。何か中途半端に“再評価”されかけて、また忘れかけられている気がするけれど、フラーは、「カルトな作家」というより本当に「偉大な監督」さんだったんだと信じております。
[映画館(字幕)] 10点(2003-05-23 21:45:01)
18.  ザ・コア
小生の周囲じゃイマイチ評判が悪く、事実アメリカでも批評・興行的にコケたとか。…か、悲しい。でも、往年の我が東宝SF映画(『妖星ゴラス』とかね)を想いださせる良い意味でのノーテンキさとか、人類の危機だってのに何か軽~い雰囲気が、個人的にはマルです。特に、会話のウイットに富んだセンスが、実に、実によろしい。あのすべてに野暮の極致といった『アルマゲドン』とは、どうぞ一緒になさらぬよう。逆に、あの映画が好きな皆さんはご遠慮された方が賢明でしょう。 ただ、こういう往年のハリウッド映画が持っていた「粋」なスマートさを、観客の側がもっと理解しつつ楽しめるという風潮が、最近どんどん失われているように感じる…日本でも、たぶんアメリカでも。別に映画マニア風に見ろというんじゃないけれど、映画にもかれこれ100年以上の「歴史」があるということ、その“重み”の上に成立している面白さがあるということに、ちょっとでも思い巡らせると映画ってもっともっと「楽しい」と思いますよ。……なんて、ナマイキでしたかね。スミマセンね。
8点(2003-05-16 14:09:24)
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