21. うちへ帰ろう
《ネタバレ》 これはもう、脚本が実に素晴らしくて。離婚した夫婦と、それぞれに引き取られた3姉妹・弟、さらにその婚約者とその一家、という、どこにでもありそうながら、いくらでも相互に絡ませていけそうな設定。しかし、物語は安易な誤解や衝突や事件発生に流れることなく、地道に足元を一歩一歩進み、当事者の心理の変化を手探りで歩んでいく。結婚式よりもむしろそのリハーサルにメインをもってきて、そこで第三者から全員に対し(まさに神の視点!)ずばりと語られるメインテーマも出色(だからこそ、最後はその「誓いの言葉」のシーンで締めてほしかったとは思った)。そうそう、娘との面会をめぐるくだりなんかも、「現在の」日本でも(いやむしろ以前よりもはるかに)、その問題は鋭く突きつけられています。社会において離婚という状態が珍しくなくなり、それに伴って「親が離婚し、その後成長した子」も珍しくなくなった今こそ、誰もが現実感をもって見ることのできる作品ですよ、これは。 [DVD(字幕)] 7点(2017-01-05 02:37:20)(良:1票) |
22. 宇宙人ポール
《ネタバレ》 主人公二人に魅力がないのが何とも致命的。オタクが宇宙人とめぐり会ってそこから大冒険の活躍、というからには、宇宙人とも一体化できるほどのハイパーオタクぶりを期待するわけですが、この二人は言葉でオタクと説明されているだけで、実際の言動は伴っていません。一方で、脇役が揃ってからはストーリーはまあまあの動きを見せており、コミック店でのやりとりのおかしさ、タラとの再会、ラストに登場する大ボスなど、終盤にかけては盛り上がりを見せるのですが、中盤までの退屈さはカバーしきれませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-11-07 00:35:27) |
23. ウルフ・オブ・ウォールストリート
これまでのスコセッシ&ディカプリオ作品では、一応決まった題材があって、その中でディカプリオをどう生かすかということをとりあえずスコセッシは考えていたっぽいんだけど、この作品はもはや、主人公のジョーダン・ベルフォートがどういう人物だったのかなど、スコセッシにとってはどうでもよい。ディカプリオのハイテンション&力こもりまくり演技が、果たして何時間持たせられるのかという壮大な課題に敢然と挑戦した、純然たる体力勝負トライアスロンワールドです。それでいて映画としてはきちんと成立しており、なぜか3時間中だるみせずに続いてしまうという、ある意味奇跡のような作品です。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2016-05-03 03:02:11) |
24. ウィズ・ユー
ケビン・ベーコンの演技が珍しく不調気味なのはびっくりしたが、これはむしろ表現にふさわしい場を与えられなかった演出側の責任だと思う。知的障害によって彼の意識や行動がどのような影響を受けるのかという点がきっちりと詰められていないから、少女とうちとける過程にも説得力がない。これはエヴァンの役の方も同様で、少女の言動、特に会話の返し方などは、「大人びた」というよりも大人そのまんまというべきであって、キャラクターにふさわしい表現がなされていない。もっと突っ込んだ描写ができるはずの内容だと思うだけに、残念です。 [DVD(字幕)] 5点(2015-09-02 03:39:21) |
25. ヴェラクルス
展開がすごく適当だし、話を大きくしたいのか小さくしたいのかも中途半端。照準があっちこっちに飛んでいるので、何を主題としたいのかが分からないのです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2014-07-05 03:59:43) |
26. 海辺の家
あらすじからほとんど予想できる内容だし、終盤へ向けての展開も実に予定調和的。しかし、最大の問題は、家建築のディテールをほとんど省いているところだと思う。この作品全体を象徴しているのはいうまでもなく家なのだが、その家自体がさしたる挫折も曲折もなく順当にあっという間にできてしまっているから、ますます物語そのものまでが予定調和に見えてしまうのです。 [DVD(字幕)] 5点(2013-10-25 00:14:40)(良:1票) |
27. 裏窓(1954)
《ネタバレ》 もっと怖くてどきどきする作品かと思っていたのですが、これは思いっ切りコメディではないですか。保釈金の額をどうこう言っている会話なんて、ほとんど吉本のノリです。ラストも真相の意外性で落とすのではなく、ギャグで落としています。そんなわけで、全然予想と違っていました。というか、あんなそのまんまな結末だなんて思わないよ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-09-23 13:40:56) |
28. 動く標的
《ネタバレ》 作り手に都合良く話が展開しているだけであって、必然性もなければ論理もない。なので、最後にいくら解決がなされても、何かが着地したカタルシスがないのです。ハードボイルド系にはよくあることではありますが・・・。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2013-07-08 00:08:56) |
29. ウィンターズ・ボーン
ひたすら作品を取り巻く重苦しい雰囲気と寒々とした光景、特に何かを強調しているわけでもないのに随所に滲み出てくる救いのない暗さ、その中にあって作品世界を見事に体現している俳優陣の巧演、とりわけその重さに何ら負けていないジェニファー・ローレンスの存在感。この作品はそれだけで十分。しないで済む説明は全部カットしている脚本も良い。 [DVD(字幕)] 7点(2013-05-18 20:46:23) |
30. 噂のモーガン夫妻
筋立てはまったくありきたり、ヒュー・グラントの演技はさらにやる気なし、サラ・ジェシカ・パーカーは常に冷静沈着に見えてしまって、この種のドタバタ・コメディには合っていない。したがって、見所がないのです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-05-10 02:30:11) |
31. ヴィクトリア女王 世紀の愛
世紀の愛というほどの愛情ドラマはなかったような気がしますが。贅を極めた衣装以外には、見るべきところがあまりありませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-01-01 03:39:05) |
32. ウーマン・オン・トップ
ペネロペ主演のラブロマンスっていうから期待したのに・・・これほどペネロペの魅力を引き出せていない作品って、結構珍しいんじゃない? [DVD(字幕)] 4点(2012-02-05 00:23:22) |
33. ウェディング・シンガー
主人公の職業以外に、特筆すべき要素が何もありません。 [DVD(字幕)] 5点(2011-11-24 22:11:53) |
34. ウォーリー
いきなり荒廃しきったゴミの山で、しかも台詞も何もなしで開始したときは期待を持ったのですが、いつの間にか、ありがちドタバタ劇になってしまいました。アニメでしかもロボットとはいえ、主人公の孤独感や荒涼感は、その後の展開の中でももう少し表現のしようはあったのでは?やたら細かく各キャラが動くのも目障りでした。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2011-07-27 23:31:05) |
35. ウィル・ペニー
主人公が格好良いわけでもなければ適役に特に引き立つ人物がいるわけでもない。その上に最後までさしたる見せ場もなく、さら~と終わってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-02-18 23:54:09) |
36. 美しすぎる母
《ネタバレ》 ジュリアン・ムーアがこれほど不細工に映っている作品って、彼女のキャリアの中でも初めてなんじゃないだろうか。その時点で、この作品は何をやってもまったく説得力がありません。その点を措いたとしても、脚本も何が言いたいのか分からないんですけどね。日常生活内での圧迫やフラストレーションの描写がないので、ラストのナレーションを聞いても「えっそう?」となってしまいます。 [DVD(字幕)] 3点(2009-12-28 00:27:49) |
37. ウェディング・クラッシャーズ
《ネタバレ》 設定自体がいかにも設定のための設定という感じだし、ラブコメの部分に目を向けても、特段新鮮味や面白みが見当たらない。ただし、この作品の価値は、ジェーン・シーモアの現在の動く姿が見られること。不朽の名作「ある日どこかで」の麗しのお姿から25年、その美貌は面影にとどめつつも、いきなり今度はぶっとんだ母親役で、しかも半裸で若い男を誘惑する・・・何をやってるんですかお嬢様・・・。この複雑な感情に3点。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2009-12-23 12:20:06) |
38. 宇宙戦争(2005)
《ネタバレ》 スピルバーグ作品とは思えないくらい、変に安っぽくて暗い感じの映像にびっくり。ダコタ・ファニングのブ○○クな成長ぶりにもびっくり。これではパニックの先に何も生み出しません、ということが予想できてしまうわけですが、とにかく描写として目新しい部分が何もなく、怖がることも感動することもなく終わってしまいました。車が群衆に囲まれるシーンで、あれだけのネタであそこまで引っ張る根性には感心したので、そこに3点。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2009-09-25 01:59:59) |
39. ウエディング宣言
ジェーン・フォンダを久々に復活させておいてこんな作品とは・・・。中身は実に凡庸で新鮮味もなければ工夫もない。もともと嫁姑の対立という陰湿なネチネチした設定なんだから、そのまんま進められても何も笑えないのです。ジェニファー・ロペスの演技は変に重たくて、そもそも楽しく演技しているように見えない。画面が変に暗いのもマイナス。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2009-09-10 21:45:23) |
40. 麗しのサブリナ
明るく楽しくちょっとドタバタな内容と、主演がオードリーというキャスティングが合っていません。オードリーの場合、表情がいちいち真剣すぎて、こういう話には合ってないんじゃないかな。ハンフリー・ボガートとウィリアム・ホールデンの豪華対決というのも、それ自体は見所があるんだけど、ちょっと重たくて雰囲気を阻害している気がする。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-06-08 02:03:04)(良:1票) |