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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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1.  汚名 《ネタバレ》 
「カサブランカ」のバーグマンは余り好きになれないが、それ以外のバーグマンはわりかし好きだ。  「サラトガ本線」でコメディやってる姿は可愛いし、 「ガス燈」の燃えるような瞳・今まで騙していた男に向かって罵倒&放置プレイでゾクゾクしたし、 「イタリア旅行」も悪くないが、ヨーロッパにおける最高傑作は「秋のソナタ」の円熟期! ただ、若い時の彼女の最高傑作を1つ挙げるとなると個人的にこの「汚名」だ。  ヒッチコックの十八番とも言えるロマンス・サスペンス作品。 ベン・ヘクトと最強の布陣なのだが・・・インパクトのあるようなアクションはそれ程なかった。 うーむ、このメンツだと「海外特派員」や「レベッカ」のような凄まじいクライマックスを迎えるだろうと否応なしに期待しちゃうよコレは。  まあそんな事は抜きにしても本作は面白かった。 ベン・ヘクトの確かな脚本で最後まで見れるし、三角関係絡みのストーリー、そしてヒッチコックの凝りに凝りまくった演出!  これを元にした「M:I-2」なんかあったね。トム・クルーズがノリノリの奴。あれも充分傑作だと思うが、個人的には「汚名」の方が好き。   ストーリーは酒に酔っ払うパーティーで語らう男女のシーンから始まる。 父親の起こしたトラブルで「売国奴」呼ばわりされ酒浸りの日々を送るアリシア。 「白い恐怖」で見事な演技を見せたイングリット・バーグマン。 それを励ますようになだめる色男デヴリンを演じるケイリー・グラント。  オッサンみたいにベロンベロンになるバーグマンが可愛い。つうか運転さすなよ(爆) いつ事故るかヒヤヒヤもんだ。 今の時代なら飲酒運転で豚箱か棺桶行きです。  そうこうしている内に目覚めたアリシア、だがデヴリンはFBIの捜査員だった。 父親がナチスのスパイであり、婚約していたセイバスチャンはナチスに繋がる男だった。 グラントはその繋がりから彼女にナチス残党の居所を探らせる。 アリシアが戻って来ると喜ぶセバスチャン、自分に声をかけたデヴリンに惹かれるアリシア・・・。 一見冷たいデヴリンだが「やるかやらないかは君次第だ」と言えば「僕だってやらせたくないんだ!」本当は心配でしょうがないデヴリン。 じらすね~。 鍵を巡るやり取りなんか「お見事!」としか言えない。 無粋なセリフを徹底的に廃したやり取りが素晴らしい。 ワインをパリーン・・・てアンタFBIが何してんだよ(笑) ワインの「中身」は幸か不幸か怪我の巧妙。 セバスチャンをごまかすためにアリシアに強引にキスするダヴリン。 セバスチャン涙目。 その後の「異変」に気づきしょんぼりしょげかえるセバスチャンの顔がまた・・・。 クロード・レインズの演技が凄いんだが。 つうか煙草を冷静に吹かすババアカッコ良すぎ。 アリシアに迫る危機。 睡眠薬を飲まされ視界が歪んでいく演出・・・セバスチャンたちの影が不気味に重なる・・・懲りすぎだぞヒッチコック(超褒めてる)。 さあアリシアがピンチだ!白馬の王子ことデヴリンは敵地に乗り込む。 堂々正面、アリシアを抱きかかえて外に出て行くデヴリン。 デヴリンもまたアリシアを愛していた。 諦めるセバスチャンの姿がまた良い・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2015-06-18 09:21:21)
2.  思ひ出 《ネタバレ》 
サイレント時代のエルンスト・ルビッチ最高傑作を1つ選ぶとするなら、俺はこの作品を選ぶだろう。 ドイツ時代に磨かれたエレガンスな雰囲気とエロティックなやり取り、そしてメロドラマの切なさ・・・。 この映画はルビッチらしい洗練された美しさを味わえる作品の一つだ。  主人公のハインリッヒ王子の成長を美しい“想い出”と共に語る悲しき恋の物語。 乳母に育てられた王子。 彼の理解者であるユットナーは、幼い王子の遊び相手でもあった。  成長した王子は同級生、そして想いを寄せる女性たちに出会う。 そのシーンが本当に素晴らしい場面ばかりでさあ。 例えば、握手を求められるシーンでどんどん弾き出されるユットナーの様子がコミカルに描かれるし、  女性が一生懸命話しているのにソッポを向く王子のやり取りも面白い。 「あたしの膝の上に乗って」とばかりにベッドに誘ったりする彼女の姿をシカトするシーンに笑う。 そこに睨みを利かす守衛とか色んな人間が絡んだりしてさ。 ドアを開けたらその守衛みたいなオッサンが居たりして思わずクスとなってしまった。  王子がパーティーに参加する場面でも、彼女が一気飲みするならこっちもイッキに・・・に飲めないのでチビリチビリと飲んでいく。   王子の幼少時代の場面も良いんですよ。 将軍に向って一斉に「乾杯!」するシーン、一斉に帽子を脱ぐシーン。 ドラムロールと人の脚が重なる演出、幼いハインリッヒ王子が大砲の音にビックリして電車の中に戻るシーンがカワイイ。 ユットナーと結ぶ絆も深い。  青春時代のコメディタッチが、その後に待ち受ける王子の運命、それに向き合う悲しき王子の姿をより際立たせる。 掛け替えの無い友人たちよりも、一国の王の跡取りとして友人たちへの想いを断ち切らねばならない哀しみ。  だが、王としての孤独を癒すのは、一瞬でも彼の心を満たしてくれた想い出なのです。 皆さんも若いうちに良い友達に会える事を祈ります。友人て良いもんですよ、本当。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-09 17:23:08)
3.  親子ねずみの不思議な旅 《ネタバレ》 
フレッド・ウォルフ監督、歌詞に大林宣彦が関わっている作品。  ぜんまいを巻かないと動けないネズミのおもちゃの親子が、ある日トラブルでおもちゃ屋の外に出されて騒動に巻き込まれる話。  森でどぶねずみの帝国に遭遇したり、動物の兵隊が歌いながら行進してくるシーンが妙に焼きついている。  親子が(色んな意味で)バラバラにされちゃうんだけど、おもちゃだから治す人がいれば治る。  でも他の動物は生物だから一度死ねば生き返らない。  その辺が妙に記憶に残っていた。  結構楽しい映画だった。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2014-12-21 21:46:21)
4.  オール・ユー・ニード・イズ・キル 《ネタバレ》 
SFアクション好きはとにかく見ろ! そんでもってトム・クルーズ好きは見たほうが良い。 ダグ・リーマンは「ボーン・アイデンティティー」で好きな監督だけど、今回も面白かった。 日本の原作がハリウッドで映画化と聞いて「ま た ハ リ ウ ッ ド か」とネタ半分に見ようと思った一ヶ月くらい前。(小畑健の漫画で桜坂洋&安倍吉俊の「All You Need Is Kill」知りました) ・・・そう思っていたら何と「ボーン・アイデンティティー」のリーマン監督じゃありませんか! そしてトム・クルーズ。こりゃあ見るしかないじゃない!向こうで“ケイジ”だとニコラス・ケイジくらいか?  この人本当に50のオッサン?アクション凄すぎバロス。この人の存在自体が一種のギャグ。 いや、キャスティングは良いと思うぜ。というより、髪型が良い! ヒロインも髪結んでて、激しい戦闘で「バサアッ」て感じだろ? very good. 俺は原作の「軍人のクセに髪多いんだよ 前髪邪魔だろうが」って部分だけ気に入らなかったから。(スイマセンね根性捻じ曲がってて)  タイムリープものは小説だと「愚者の渡しの防御」とか「時をかける少女」、 映画だと「素晴らしき哉、人生!(リプレイ)」とか「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」「恋はデジャ・ブ」と色々あったね。  「清水港代参夢道中(續清水港)」とか「バック・トゥ・ザ・フューチャー」はタイムスリップで少し違うかな。   それと原題「Edge of Tomorrow」なのね。   ま ぎ ら わ し い 。   ストーリーはオリジナルの部分も多いけど、わりかし原作に沿ってる。 その分原作を読んだ人はサクサク楽しめるし、未読でも原作を読みたくなるくらい面白かった。 つうかヒロイン殺りすぎ(色んな意味で)。  シリアスとギャグのバランスも良い。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-21 21:36:16)
5.  OK牧場の決斗 《ネタバレ》 
スタージェスの西部劇は「日本人の勲章」がベストだが、この作品も俺にとっては充分傑作。  ジョン・フォードが「荒野の決闘」を産んで数十年。 ジョン・スタージェスは史実に基づいて「OK牧場の闘い」を描ききった。 フォードの「荒野の決闘」は人間ドラマが醍醐味であり、全体のテンポやガンファイトは今見るとそれほどピンと来るものではない。 何処までも「静」。 史実と大きく違う描写も多く、ドラマとして強調するための脚色が目立った(アープが髭でドクが髭無しってどういう事なの)。 途中「静」から「動」に移ろうとする場面もあったが、やはりフォードらしい西部開拓民への詩情を唄った物語を貫いた。  本作は「動」にこだわった粋な作りが魅力。 冒頭から「OK牧場の闘い」を唄ったネタバレすぎるリズミカルなオープニングが流れるが、ワイアット・アープを知っている者ならば既知の「常識」であり、ネタバレには成らないだろう(その人限定だけど)。 人間ドラマも途中から掘り下げが進み見応えがある(アープ兄弟の影の薄さは「荒野の決闘」の方がまだ掘り下げがあった)。 ワイアット・アープ演じるバート・ランカスターの職人気質、ドク・ホリデイ演じるカーク・ダグラスの男気がよく描かれており、二人の演技も素晴らしい。 恋人と静かに余生を過ごしたい・・・だが仲間や兄弟の危機を見捨てられない。 保安官としての義務、兄弟としての愛情・・・その葛藤。 ドクも酒に酔っても心までは酔わない。世話になった男の為なら命も賭けられる。  そして何といってもガンファイト。 ジョン・スタージェスは人間ドラマで盛り上げガンファイトで爆発させるのが巧い。 「荒野の七人」「墓石と決闘」「大脱走」は言うまでも無い。 ナイフ、銃撃、決闘! 動いて動きまくる撃ち合い! 全てが終わり、静かに別れを交わす二人の姿が印象的。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-18 19:04:35)
6.  黄金(1948) 《ネタバレ》 
「グリード」を彷彿とさせるジョン・ヒューストンの初期&総合的な最高傑作の一つ。  序盤20分間の「下地」を終えてからの盛り上がりよう、ストーリーの巧さは惹き込まれる。 列車からの銃撃戦、山賊との攻防、味方同士で殺し合う人間不信と疑心暗鬼にかられる人間模様。  ハンフリー・ボガートが欲望に囚われていく男を演じた点が面白い。「カサブランカ」なんてキザッたらしく臭いメロドラマよりも遥かに惹かれる。 ボガートはワイルドな方がカッコイイし余計に魅力的だ。  ジョン・ヒューストンの実父でもある名優ウォルター・ヒューストンの演技も見所。裏主人公とも言える爺さんだ。   物語はメキシコ革命直後のメキシコ。 地方では山賊がはびこり、その山賊を一掃しようと武装した連邦警察が日夜活動していた。 そんな中で「山師」を生業とする主人公3人。 貧乏続きで金を恵んでもらって日々を暮らしいたダブズ、ダブズの貧乏仲間のカーティン、喰えない爺さんハワードは山奥に眠る「黄金」を求めて旅に出る。 一攫千金で楽をしたい願い、欲望が男たちの心を壊していく。 泥にまみれ、飯をくらい、邪に土を掘り続ける男たちの力強さ。 その落盤が崩れる瞬間、それが彼らの別れ道となる。 そのシーンでかかる「あざとい」BGMが、より一層彼らの行く末を皮肉っているのだ。 山賊に追われ明日も知れぬ身で、金を全て横取りしようと企む男、 純粋に仲間のために「黄金」を求め、裏切られながらも金よりも大切な事に気づく男、 金よりも大切な「絆」を手に入れた男、それぞれの顛末の凄まじさ。 そして風と共に消えていく野望の夢の跡・・・人間の心に迫った冒険西部劇。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-18 18:53:13)
7.  オープニング・ナイト 《ネタバレ》 
「ラヴ・ストリームス」に並ぶジョン・カサヴェテス最高傑作の一つであり、ジーナ・ローランズが募らせたイライラを爆発させていくクレイジーさ・・・さながらカサヴェテス流「ガラスの仮面」ともいうべきバック・ステージ物の傑作! 「フェイシズ」や「こわれゆく女」がより鋭利な切れ味を持ったかのような作品だ。  この映画もまた、ジーナとカサヴェテスが愛を求めがならも劇中では苛立ちをぶつけまくり、舞台の上でも平手打ちといった場面が演技か本気でブチ切れているのか掴みかねるシーンが多い。 そもそも、映画というか劇そのものが演技か本気か観客を惑わす装置でもあるのだが。映画の中で進行される劇中劇は、さらに観客を惑わすために行われる。 ドアにサングラスを顔ごと打ちつけて片方を割った?シーンも、老いの恐怖に苛まれる女と若くのし上ろうとする女たちによる殴り合いも。 女は現実の自分と、そして輝きに満ちていた若き日の自分との、己との戦いにとことん疲れ果てる。そこから夫との愛を通じ過去と決別していく過程が素晴らしい。 カサヴェテスは、そうやってどんな監督よりも観客を散々惑わし、魅了してくれる人間なのだろう。  それにしても、カサヴェテス映画のジーナはどうして人が車に轢かれたり(「ラヴ・ストリームス」&「オープニング・ナイト」)車を吹き飛ばす(「グロリア」)光景ばかり目撃するのだろうか。  それをカサヴェテスの大ファンであるペドロ・アルモドバルが「オール・アバウト・マイ・マザー」でオマージュまで捧げてしまうのだから、よっぽどの事なんだろうねえ。  ダーレン・アロノフスキーの「ブラック・スワン」までこの映画を思い出させるではないかっ!
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-10 07:52:54)
8.  女相続人 《ネタバレ》 
日本では「ローマの休日」以前のワイラーはちょっと過小評価気味なのが解せないが、まあ日本人には少々ドギツイものがあるのかもな。俺はこういうのに逆にそそられてしまうのだけど。 「偽りの花園」と並んで最も女が怖いワイラー作品じゃないかと思う。 ワイラーの「ローマの休日」以前のドロドロとしたメロドラマは、思わずギョッとしてしまう作品が多い。 この映画も一見ヒロインが愚かなようで、実は男のダメっ振りがまざまざと刻まれた作品の一つだ。  この映画のオリヴィア・デ・ハヴィランドは「風と共に去りぬ」で良い人のままであり続けた彼女よりも魅力的に思えた。 何せ「ガス燈」のイングリッド・バーグマンがごとく今まで散々騙してきた男に復讐を実行していく過程には背筋がゾクゾクしてしまう。 男は自分の言いなりになる女のままだと思い込むが、当の本人はどんどん変わり復讐の刃をこさえて待ち構えている状況なのだから。それで本当に面白いのは、そのこさえた刃で思いきり痛めつけてやるのではなく、あえてトドメを刺さずに放置プレイでジワジワ精神的苦痛を与える戦法!さっさと楽にしてしまっては面白くない。人間嫌な事は楽しい事よりも長く感じる。それが苦痛なら尚更。生き地獄によってなぶられるのはどれほどキツいだろうか。 それを物語る、ドアの前で叫び続けるモンゴメリー・クリフトの姿が忘れられない。 彼女は、そんな姿を脳裏に描きながら家中の電気を消して過去の男の記憶も消し去っていく。  「嵐が丘」を見た人ならご存知だと思うが、あの映画でかつて愛し合った男女の関係を冷ややかに表したのがピアノの演奏だった。この映画では、女を誘惑する手段としても効果を発揮する。 父親はそれに気付き娘に警告をするが、娘は男がかけた目先の優しさに“惑わされて”骨抜き状態。そんな自分の情けなさ、怒り、父親への申し訳なさ。それが終盤の容赦の無い彼女の力になっていく。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-10 05:40:45)(良:1票)
9.  俺たちに明日はない 《ネタバレ》 
ボニー&クライド物はフリッツ・ラングの「暗黒街の弾痕」の方が粋で好きなのだが、アーサー・ペンのこの作品も大好きだ。 街でバッタリ会ったボニーとクライドが次から次へと銀行を襲っては逃げ、そして滅んでいく様を描く。 実際に起きた連続強盗事件を元に描くが、前科のあるクライドはカタギでやっていくには辛い身の上であり、何よりも銃を片手に強盗に興じる日々に充実感を得ていた。 そんな時に出会ったボニー。 彼女は退屈な毎日から抜けるため、クライドの危険な日々に惹かれてしまう。 ボニーはホームシックになりながらもクライドを愛し、クライドもそんなボニーを元気づけながら硬い絆を結んでいく。 後半から登場する運転手のC・W・モス、クラウドの兄貴バック、兄貴のヒステリーな妻ブランチ。デコボコな3人が加わり益々騒がしくなる面々。 同時に滅びの足音も静かに聞こえて来る。 直接的な性描写をせずに、キスと事後の所作だけを描いた点が良い。 匂わせるだけで二人が互いを受け入れた事がよく解るのが凄い。 ボニー&クライド一味はワイルドバンチ強盗団の如き八面六臂の大暴れ。 何処に行ってもトラブル続きの毎日。 死を覚悟するような日も稀になってくる。 俺たちは何処で何を間違えたのか。 俺たちに明日はあるのか、ないのか。 ボニーの母親たちとの別れ。もう二度と会えないとも知らずに・・・。 ラストは強烈な光景だが、妙な静けさが画面を包んでいく。 因果応報な幕引きではあるが、世の中に縛られずに好き勝手に生き、好き勝手に死んでいった者たちの無言の哀しさが伝わって来る。 罪を犯してきた二人は、真っ赤なリンゴに祈りをささげる。 一つのリンゴを互いにかじり「あの世に行っても結ばれような」という願掛けか。 車に残ったボニー、外に降りてしまったクライド。 史実では二人っきりで車ごと、映画で離れた瞬間に二人の運命は決してしまう。
[DVD(字幕)] 9点(2014-11-27 21:33:20)(良:2票)
10.  愚なる妻 《ネタバレ》 
「グリード」に並ぶシュトロハイムの傑作。 「今時サイレント映画すら見ていないなんて話にすらならない」と言われて鑑賞。私がサイレント映画に魅せられた最初の映画でした。今の時代に無いエネルギーと狂気。 最初は淡々としたストーリー展開ですが、終盤にかけての追い込みは素晴らしいです。 カラムジン伯は様々な女性に手を出し騙くらかすような男で「騙される女が悪い」という筋金入りの悪党。他の登場人物たちが善悪で片づけられない人物像を見せるのに対し、このカラムジンだけは最後まで悪党として生をまっとうしました。「嘘泣き」の場面なんかそれを極めてます。鏡を使ってまで着替えを覗くなどド変態です。サイレント時代からこんな映画があるとは・・・。散々悪事を重ねていくカラムジン。しかし騙された事を知った女のしっぺ返しが凄いこと。火を付けられたり、挙句には襲おうとした娘の父親に返り討ちに遭う・・・因果応報という奴でしょうか。カラムジン伯の恍惚の表情で私の腹筋は破壊されました。恐らく今正に襲いかかる・・・というところでガツーンと殺られたのでしょう。或る意味幸せな最期です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-18 20:22:49)
11.  オーソン・ウェルズINストレンジャー 《ネタバレ》 
これは、とにかくシンプルで、力強く、ストレートで、とにかく面白い! ナチスの残党狩りを目的とし、持ち前の洞察力と行動でどんどん敵を追い詰める。 言葉では表せば極単純だが、ウェルズの大胆極まりないカットは、どんなシーンでも見る者を強烈に惹きつける。 クライマックスの時計塔!このシーンの素晴らしさよ!! よくウェルズの作品はユーモアが欠けていると言われるが、俺は毎回偉そうな顔でズカズカドカドカ入ってくるウェルズの自信満々な顔で吹いてしまう。 「どうだ スゲエだろ 褒めて褒めて」とでも言いたげで、まるで子供のようだ。 飽くなき挑戦を続けたウェルズは、俺にとってはとてもユーモラスな存在であり、常に無骨な雰囲気を作り上げてくれる素晴らしい人間でしかない。
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-13 21:06:46)
12.  王になろうとした男
コネリーが好き?世界一カッコイイハゲを見たい?そんな最高のハゲメンが繰り広げる冒険アクションを見たいって?そんな人は是非ともこの傑作を御覧下さい。
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-13 20:54:24)
13.  大いなる西部 《ネタバレ》 
ドナルド・ハミルトンの小説を原作とする人間ドラマに富んだ西部劇。 ジェローム・モロスのテーマ曲に合わせて広大な大地を駆け抜ける馬車の疾走感。 後の「ベン・ハー」で見せた躍動感が、この映画には詰まっている。 チャールトン・ヘストンとグレゴリー・ペックの共演、バール・アイヴスの演技が光る。  「ビッグマディ」の水源地を巡って対立するテリル家とヘネシー家。 ヘンリー・ハサウェイ「丘の一本松」を彷彿とさせる構造だ。個人的には「丘の一本松」の方が凄い作品だと思うし、ワイラーにしても「友情ある説得」や「砂漠の生霊」の方が好きだ。  しかし本作最大の見所はやはり「水の乏しい西部においていかに水が貴重であるか」というテーマだ。 ジョセフ・H・ルイスの「テキサスの死闘」が石油を巡る対立を描いたように、本作は水を中心に対立を深めていく。人間を撃つよりも、貴重な水を保存する貯水タンクに穴を開けられる方が大打撃だ。一滴の水が村人数百人の命を左右する重み。 セシル・B・デミルの「大平原」は、その水圧で列車を破壊する「爆弾」代わりに使われてしまう。  東部出身のジム・マッケイは博愛主義の塊という感じでイライラする。俺は善良一本筋のペックが嫌いだ(大根だし(ry)。 「白昼の決闘」みたいに無理に悪ぶってみせるペックや、「ローマの休日」のように徐々に本音を打ち明けるペックの方が演技者としても深みがあるし大好きだ。「レッド・ムーン」の老将ガンマンや「アラバマ物語」の父親役も素晴らしいが、ジョン・ フランケンハイマーの「I Walk the Line」みたいなペックは滅多に見られない。  が、本作の諦めない根性や覚悟のある男気は認めざる負えない。  二人のヒロインの存在と演技もグッド。 キャロル・ベイカーの髪を結んだ時の色っぽさ、 ジーン・シモンズの服を着ていても解る腰元のエロさとふくよかな胸ゲフンッゲフッ  恋人の居ない間に人妻に接吻するような男かと思ったヘストンも、いざ戦いとなれば恩人のために共に死を覚悟する戦士としての表情を見せてくれる。危険と解って岩場に歩み寄る男たちの何と頼もしき事。ロングショットで撮られたヘストンとペックの殴り合い、ラストの決闘も中々。  アクションとして見るにはやや不足だが、西部劇の人間ドラマと馬車のスピード感を堪能できる1作。
[DVD(字幕)] 8点(2014-06-13 19:16:15)(良:1票)
14.  オペラハット 《ネタバレ》 
財産を相続したクーパーは世間ではドラ息子、本当は誰よりも正直者で優しい男。  本当の彼を知るのは、皮肉にも他人の秘密を暴き立てて生計を立てる新聞記者のジーン・アーサーのみ。  クーパーとアーサーは金ではなく、心からの信頼で固く結ばれる。 疑い深い新聞記者がだ。  「スミス都に行く」のジェームズ・スチュアートもそうだが、フランク・キャプラは最後の最後まで人を信じようと努力し続ける映画を撮り続けた。そんなキャプラの暖かさが滲み出た作品の一つ。とにかくクーパーファンは見て損無し。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-08 02:01:23)
15.  折れた矢(1950)
「流血の谷」と共にインディアンを友好的に描いた最初の作品。 ちょっと説教臭い場面もあるが、少なくとも「ダンス・ウィズ・ウルブズ」よりは面白いだろう。 
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 18:20:26)
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