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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

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21.  バットマン ビギンズ 《ネタバレ》 
ストーリー、演出、役者、アクション、カーアクションどれを取っても素晴らしい。 バートン版ももちろん好きだし、叩かれまくっているシューマッカー版も好きな自分だが、これこそ完璧なバットマンではないだろうか。 ストーリーとしては、正義と復讐の違いを丁寧に描いていると思う。単に銃で撃ち殺すこととバットマンとしての行動との違いが充分に理解できる。 また「闇の軍団」自体が単なる悪党集団ではないところも面白い。彼らにも彼らなりの正義がある。バットマンの正義と「闇の軍団」の正義の違いを考えてみても面白い。 演出としては、蝙蝠に襲われても立ち尽くすウェインには鳥肌モノだった。あのシーンで彼が完全に恐れを克服したと一目で理解できる良い演出だろう。 ラストの聴診器を拾い上げるところも良いと思う。ストーリーの原点に振りかえることで、父母を自分が死なせてしまったという負い目、怒り、恐れも消えうせ、父母に対して自分が誇れるほどの自信をつけたウェインの成長を感じられる良いシーンである。 役者については、クリスチャンベールを見たのが始めてであったが、今までのマイケルキートン他バットマンを演じたどの役者よりも良かった気がする。繊細でかつ、自分の本当の姿をレイチェルには知って欲しいという人間的な部分を感じられた。 他では、マイケルケインとゲイリーオールドマンの役どころとしての比重も厚かったが、存在感も充分厚かった。 アクションについては、多少スピードは速いと感じたが、眼で追えないスピードではない。「ボーンスプレマシー」とは異なり、限界ギリギリのところを見せてくれたと思う。 カーアクションについても好きなところ。クルマがクルマだけに、他の映画のどのカーアクションよりも迫力があった。 ただ、無抵抗の悪人一人殺せないのに「闇の軍団」の真の意図を知ったとたん皆殺しにしてしまうところや、人体に影響のないマイクロ波というのが少し気になる程度だろう。 個人的にはバートン版「バットマン」との繋がりは大切にして欲しいと思っていたが、両親を殺したのがジョーカーでない(注:本作の扱いがオリジナル通り)などはストーリー上、やむを得ないところがあるのだろう。最後には一応繋いでくれたので良しとしたい。 
[映画館(字幕)] 8点(2006-05-06 03:05:24)(良:1票)
22.  バタフライ・エフェクト/劇場公開版 《ネタバレ》 
予告編で結論等は予想できてしまうが、中身は予想を大幅に越えており、大満足の映画に仕上がっている。 多少強引なバタフライ効果(母の肺ガン、エヴァンによるトミー殺し)もあるが、脚本自体の穴はそれほど目立たないと思う(子どもの頃に書いた殺人の絵と冒頭のメモ書きを除く)。 個人的に一番気になったのがラスト。 通りでエヴァンとケイリーがすれ違うところがラストであるが、彼女を振りかえらせる必要はなかったのではないかというのが個人的な感想。ましてや本人も振りかえる必要もない。 自分が演出家ならば、キャリアウーマンの彼女よりも、母親にでもなって幸せそうに家族で歩いている彼女を見せたい。当然エヴァンを見ても何も気付かないケイリー。そして一瞬立ち止まり、喜びと哀しみが入り混じった複雑な表情を見せて再び歩き出すエヴァンでラストという感じの方がこの映画の趣旨に合っている気がする。 製作総指揮まで務めているのだから、アシュトンにも高い演技を要求しても良いだろう。とにかくラストはあのままで良いとしても、表情はもうちょい工夫が必要だろう。 そして、この映画のテーマとしては「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」というものがあるとは思う。 確かに、娼婦に身を落したケイリーとカフェで二人で語るシーンや腕を無くしたときにベンチで二人で語るシーンがあり、脚本としては充分に盛りこまれていると思う。 しかし、上記のテーマが観客の心に触れるほどには至っておらず、少々演技が足りないと感じる部分はある。この二箇所は重要なポイントなのでもうちょい重めに描いて欲しかった。 また、この映画の重要なキーアイテムである日記については、扱いが多少雑なような気がする。ベッドの下をごそごそと漁ればすぐに出てくるような軽いものにして欲しくなかった。現在の状況を変えたいと思い立ってすぐに「現在」を変えてしまっては面白くない。 刑務所での出来事のようにすぐに変えられない状況をそれぞれのエピソードにも盛りこむという仕掛けが用意すればさらにストーリーに動きがつき、面白くなると思うのだが。 色々と言いたいことは書いたが、この映画自体には興奮させられたのが率直な感想。 
[映画館(字幕)] 8点(2006-05-06 03:03:35)(良:3票)
23.  パニッシャー(2004)
この映画を観終わった第一声は「「復讐」と「制裁」の違いって何かね」という疑問しか湧かない。 主人公は結構こだわっている様だったが、そもそもこの二者を分ける必要があるのかどうか分からない。 タイトルがパニッシャーだからしょうがないのかもしれないけど、映画を観る限り「制裁」にこだわる必要はないだろう。 観ている人であれば誰でもあれは「復讐」以外の何物でもないと思うだろう。 トラボルタ達は社会的害悪というような存在に描いていないのがまず一つの問題点。 どうしても「復讐」と「制裁」を分けたいとすれば、酒ばかり飲んでないでもうちょいちゃんと苦悩しろと言いたい。 「復讐」の気持ちと、元警官なのだからそれなりの善悪や法遵守的思想の狭間で揺れた結果、「自分を自分自身で殺す」=「人間らしさを自分から排除する」ような徹底さを自分に課さないとダメだろう。 そして、どんなに非情さに徹底しても、(家族を愛するような)人間らしさを完全に排除することはできないというオチに持っていくのが常道ではないだろうか。 ストーリーについてはアレコレと論じるまでもないほど相当に酷い創りである。他のレビュワーがおっしゃるように、この脚本と演出は相当レベルが低い。 最大の問題は、これも皆さんがおっしゃるように「金を置いていく」という最低なラストである。ピアス男は金が欲しいから、フランクの居場所を黙っていたのか。そうではないだろう。ピアス男にとっては、フランクはファミリーであり、友達だから裏切れないわけであり、そういうピアス男の問い掛けに対して、「さよならも言わずに金を置く」という答えを出すというセンスは疑いたい。そんなところだけ人間性を失ってどうするんだ、全く。 原作は全く知らないのだが、ギター男にロシア怪力男とキャラクターは多少面白くできそうなのに、全くキャラクターを活かすような演出はされていない。 隣人たちも然り。キャラクターが活かされていない。 悪役であるトラボルタを始め、ゲイのおっさんに、トラボルタの子どもである弟の方もキャラクターがなっていない。 そもそも主人公自体、あまり演技が上手いとは言えず、彼のキャラクターや存在感も薄すぎやしないか。 もっとハードボイルドにするか、相当渋くするか、相当ダークにするかなど様々な選択肢がある中で、最も安易で平凡な創りにしてしまっているのが勿体無いところである。
[DVD(字幕)] 2点(2006-04-09 19:41:53)(良:1票)
24.  ハンナとその姉妹
この映画には「詩」のような雰囲気を感じた。 とくにストーリーもなく、繰り返される日々の日常から、「人生」や「人間」の意味を感じ取っていくしかないという映画。 人生を深く考えたところでも答えなんて出るものではない。人は皆、自分の本音なのか、建て前なのかも分からず発言したり考えたり行動したりもするが、結局のところ川の流れのように人生も流れていくところに流れていく。答えなんてものは後から分かるものなんだというように感じた。 このストーリーで多くの登場人物がいるにもかかわらず、かなり調和がとれた優れた映画であるのは素晴らしいが、アレン演じるミッキーが役柄上必要なんだが、どうにも違和感を感じる。彼は唯一「人生の意味」を真面目に考えようとして、その結論をつける重要なキャラクターではあるので外すことはできないのだが。 また、三姉妹ということもあり「インテリア」テイストを多めに捻じ込んだのも本作のテーマからすると余計だったかなという気もした。 素晴らしい傑作になり得た作品だけど、このテーマを映画に仕立てるのが難しすぎて、うまくまとめ切れなかった感を受けた。
[DVD(字幕)] 6点(2006-01-03 07:01:39)
25.  バッドボーイズ(1995)
まず第一に、ローレンスがうるさいだけで、彼の存在がコメディ映画として、いい効果を与えられているとは思えない。彼の存在は映画にとってむしろマイナスではないか。 クスリの科学関係に強いタイヤ屋をスミスが吐かせる際は、本当に彼の言動は見てられなかった。 そして、この映画のストーリーに文句をつけるのは、この映画の鑑賞方法を間違っているとは思うのだが、やはり触れざるを得ないだろう。 そもそもこの映画は、警察のヘロインを盗まれて、FBIとかが動き出す前に内密に犯人を捕まえなくてはならないというような設定があったような気がする。 それなのに、なんで市街地であれほど銃撃戦を繰り返しているのか理解に苦しむ。しかもテレビにも撮られているし。 さらに一番不可解だったのが、「出前が来たようね」と言って、確か肉を食わない姉ちゃんが、ハンバーガーの出前を取りに行くシーンだ。 ローレンスの嫁と鉢合せるところを撮りたいがためのシーンではあるが、大事な重要参考人の証言者が無防備に扉を開けるという設定は観客を馬鹿にしているとしか言いようがない。 しかも、ローレンス嫁に見つかるくらいだから、敵にも直ぐに発見されるという都合のいい発言がさらに火に油を注いでいるかのように馬鹿にしている。 そして1階に降りた瞬間に、敵の襲撃を受けるという展開…。こんな安っぽいシナリオになんで大金を注ぎ込めるのか全く不思議だ。 そもそも、この映画のストーリーは全般にわたって、わざと話をややこしくしていないか。 次に、ラスト付近でクルマに乗りながら、いきなり「オマエには黙秘権がある」とか言う神経に対して、またそこでぶちギレですよ。 人を無差別に撃ち殺しておいて、急に警察面するなと。そしてローレンスがスミスに言うセリフ「(フーシェは)殺す価値がない」は、警察官が言うセリフじゃないだろ。 道楽でやっていると仲間から思われているスミスの夢は何なんだ。警察官が夢で、立派な警察官になるために日々努力しているんじゃないのかよ。 一旦は止めようとするも、合法的な殺人をして、彼は立派な警察官になっていくのでした。ある意味面白い映画かもしれない。Ⅱとはさらに一味違う、人を怒らせる映画だと思う。
[DVD(字幕)] 1点(2005-07-19 01:34:10)
26.  パール・ハーバー
鑑賞前は、観るに耐えないほど凄まじい駄作という期待感を持っていたのだが、観終った第一印象としては、怒りで手が震えるほどというものでもないかなという感じがする。0点を付けようと思っていたのに、やや期待ハズレだった。 もっとも、観終わった後に「結局何がやりたかったんだ」という印象は確かに持ったが。 史実がどうのこうのとか知識がないため自分には分からないが、ブラッカイマーとマイケルベイの映画に対して史実と違うと怒るというのは、彼らの今まで創ってきた映画を見れば、ちょっと筋が違うかなという気もする。例えが悪くて申し訳ないが、プロレスを八百長だと文句をつけるのと同じような感じがする。 史実云々よりも、この映画の最大の欠点は「長さ」ではないだろうか。決して「長い」映画を否定するつもりは全くないが、「長さ」に見合う「質」が問われるべきだろう。 この映画には残念ながら、「長さ」に見合う「質」が圧倒的に足りない。 真珠湾攻撃をテーマにしているにも関わらず、レイフとダニーとイブリンの三角関係や、レイフとダニーの友情などを描くというのは、なかなかのチャレンジャー精神が感じられ、それほど悪い設定でもないと思う。しかし、描き方が非常に甘すぎる。もっと重厚かつシリアスに彼らの関係を描くことができれば、真珠湾攻撃の悲劇との相乗効果があったのかもしれない。 残念ながら、彼らの関係が中途半端に軽い感じに描かれてしまっているため、「空虚さ」が二乗三乗され、映画が虚しく感じられるようになってしまっている。せっかく爆撃シーンがよく撮れているのに相当勿体無いと思う。そのため結局、何を伝えたいのか分からなくなってしまっている。戦争の悲劇も何も伝わらずに、単なるアメリカ万歳の映画で、普通の感覚の日本人を怒らせるだけの結果となってしまっているのではないか。 マイケルベイの映画というのは本当に難しいと思う。 看板だけ見ると「バッドボーイズ」は刑事モノと思うし、「アルマゲドン」は宇宙モノ、「パールハーバー」は戦争モノと思うのだが、中身が想像とは全く違う別モノを観させてくれる。看板と中身のギャップが、ある意味では観た人の失望に繋がっている気もする。
[DVD(字幕)] 4点(2005-07-16 19:40:24)
27.  バッドボーイズ2バッド
本作を面白いというレビュワーをモチロンいるため、あまり感情的にはなりたくないのだが、これはさすがに酷すぎるの一言。 あまりの下品さとタチの悪さに怒りを通り越して呆れるばかり。面白さと下品さを勘違いしているのではないか。そうは言っても、笑えるシーンもいくつかは見受けられたが、やはりこの映画の製作者の神経を疑わざるを得ない。 観る人を選ぶのか、それとも自分がこの手の映画を面白くないと感じるようになったのかは分からない。しかし、同じブラッカイマー製作でも「ビバリーヒルズコップ」は面白いと思っているのだが。 あまり論評する気も起きないのだが、面白くないとする根拠を挙げないと議論にならないと思うので、こんな映画にマジになるなという批判もあろうが、いくつか理由を挙げてみる。 ①面白くもないのに無駄に長すぎる。こんなしょうもないストーリーにどうして146分も必要なのか理解に苦しむ。100分以内に押さえて、より緊迫感を出したり、テンポ良くすべき。 ②死体で遊ぶな。死体をおもちゃにしすぎ。死体をクルマで轢くシーンを見て誰が面白いと思うだろうか。死体に限らず、死体を切り刻んでテーブルに置いたり、電車で轢いたり、爆破したりとやっていいことと悪いことの区別もあろう。 ③無抵抗の人に対する態度。ボーイフレンド、耳を吹っ飛ばされた人、店内をメチャクチャにされた人に対する彼らの態度は常軌を逸している。単なるいじめにすぎない。マイクの「俺タチはデカだ」というセリフが虚しく響くだけ。 ④マイク、マーカス、警部の関係。「ビバリー~」ではいがみ合いながらも心の底では信頼感で結ばれていた。本作では、警部と二人には信頼関係などないようだが、マイクとマーカスの関係に信頼関係等が感じられず。こいつと相棒を組んでてよかったという「すっきり感」がまるでない。そのため相棒解消や転属願いなども浮いてしまっている。 ⑤ストーリーや人間関係等が無駄に複雑になっている。何を狙っているのかがまるで分からん。どうしようもない映画なのに何故ここだけ頑張るのか分からん。頑張る部分が間違っている。もっとストーリーをひねるなり、サプライズさせるなりにすべき。 ⑥ラストのキューバ絡みは警察の仕事ではない。もはや説明不要。 以上の問題により、本作で得られるはずの、すっきり感やアクションの凄さなどが損なわれる結果となっているのではないか。
[DVD(字幕)] 0点(2005-07-03 20:18:14)(良:2票)
28.  バットマン(1989)
それにしてもジョーカー、ノリノリだな。本作はどうもジャックニコルソンのジャックニコルソンによるジャックニコルソンのための映画になってしまった感を受ける。 特にプリンスの「パーティマン」をバックに美術館で踊り、美術品をメチャクチャにするシーンは好きだな。被害を受けたのは、ドガ、レンブラント、ルノワール、フェルメールあたりの人物画と思われるが、なぜバートンが、印象派絵画とオランダ絵画の人物画を選んだのかには、ちょっと興味がある。風景画ではなく人物画を選んだのは、ジョーカーの顔に由来しているのだろうが。また、ジョーカーのラスト間際の「眼鏡をしている人間を殴るのか」には笑い転げた。どうすれば、このようなセリフを思いつけるのか。 一方、主人公の方にもそれなりの時間を割いていると思う。確かに両親の死に囚われて、身を隠して、悪人を罰せざるを得ない悲しい過去が描かれており、そのために、ヴィッキーにも心を開けない様が描かれている。 そのような設定だから仕方がないとはいえ、主人公の本当の顔が見えず、彼の苦しみなども何も伝わってこない。一言でいえば何の特徴もないのが問題だ。このような暗い性格を有するキャラクターは本当にやっかいだ。このキャラクターを適切に演じることができるのが誰だか、正直思いつかない。しかし、マイケルキートンは違うと思う。ましてや、ヴァルキルマーやジョージクルーニーも全くこのキャラクターの色が違う。バートンの世界の映画なのだから、今時分のジョニーデップあたりが演じればどのようなバットマンになっただろうかと思う。 それにしても、この映画でのバットマンのヒーローとしてのキャラクターとしては中途半端だ。思い切って、もっともっと憂鬱になるほどに憐れを感じさて良かったと思う。「なんでこいつはヒーローなんてやっているんだろう」と観客に思わせるほどに。 当人も「やりたくもない」と思っているが、どうしてもやらないと前に進むことができないという精神的に追いつめられた感をだしても良かった。 バートンはやはり流石だ。世界観を上手く表現しており、ジョーカーの登場シーンやバットマンに対する陰の使い方も絶妙である。しかも要所要所に「遊び」を入れている。脚本もそれなりにじっくりと練り込まれていると思うが、総監、検事、市長、ボブ、エクハート、ノックスなど脇役にもストーリーを振っても良かったかな。 
[DVD(字幕)] 7点(2005-06-06 22:51:07)
29.  ハーモニーベイの夜明け
見方によっては深いテーマを扱っていると思うが、はっきり言ってあまり面白くはない。 特に終盤は嫌が応にもショーシャンクの想像してしまうし、見終わった後、このタイトルを付けた理由もなんとなく分かります。 冒頭のグッディングjrの写真を使ったやり取りの分かりづらさから嫌な予感がしたのだが、この監督は演出が上手くないような気がする。 出世しか頭になかったテオ、父親への愛僧が込められた複雑な想いを抱えるリン。 そして安らぎと調和の取れた生活やゴリラの家族を奪われて、「奪う者」を導いた責任の重さから自分と人間(「奪う者」)に対する怒りを抱えるイーサン。 三人の心の動きや変化、そして出会いによってどのように変わったか等、いかようにも面白くかつ感動させることができる舞台が揃っているのにそれが上手く演出がされていないと感じる。 テオは確かにマジックミラーに余裕で合図したり、「(イーサンの)心を開かせてやる」と自身満々で語っていたりしたが、受刑者に平等を与える等、元々の根が最初から真面目過ぎていて、どうにも成長や変化が感じられない。 リンは「なぜ(私ではなく)あなただけに話すの?」とテオに最初の頃は語っていたが、もっと父親への憎しみや愛情を表に出すべきではなかったか。 イーサンが持ち続けた写真への繋がりからいって大事な部分だと思う。 イーサンを演じたホプキンスの演技は評価されても良い、かなり素晴らしい出来だったと思う。 しかし、テオは「イーサンによって人生や生き方を教えられた」と言っていたが、果たしてイーサンの生き方から、この文明社会を生きるために必要な何かを教えられたことはあっただろうか。 むしろ「自由は夢ではない」と教えてくれたテオの言葉の方がより重みはあった気がする。 本当に悪くないテーマだけに勿体無いという想いを感じさせる映画だ。
5点(2005-03-06 03:26:08)(良:1票)
30.  8mm
ニコラスケイジ同様、自分も観ていてこの闇の世界に引きずり込まれていった。 この先どうなっていくのか全く読めない面白さやこの脚本家ならではのダークな世界観が良かった。 少し押さえ気味の演出もこの世界観と合っているように感じた。 確かにストーリーは最後まで全く捻りもないままラストを迎えるし、題材的なきつさはあるけど それほどまで酷評される映画なのかな。 「アイズワイドシャット」のようなごくごく普通の人間で幸せな家族を持つ一人の男が、自分の仕事にやや不満を持ちながら生活している。 そういう男が仕事の関係から知ってはいけない世界に巻き込まれていく悲劇と真実という題材には惹かれるものがある。 そしてニコラスケイジの演技がやっぱり良かったな。 苦しみや悲しみや怒りを上手く演じていたし、自分の家族への愛や殺された娘や残された家族に対する思いが感じられた。 特に真実を知らせることの苦しみを演じたシーンと、金、力、快楽のためにあっさりと人を殺す人間がいる一方で、様々な理由があるにもかかわらず引きがねを引くことをためらう姿が良かった。 ただ、「はまったら抜けられなくなる世界」、「覗くと病みつきになる世界」、「悪魔と踊ると悪魔に染まる」ような意味深なセリフがあったが、そういう世界までは描かれてなかった。 そういう世界を描きたいのなら、やはりニコラスケイジに精神的にこの世界にどっぷりはめさせて、ラストで家族に帰るというのがオチとすれば良いのだが。 ホアキンの警告はしたぞみたいなセリフは肉体的な危険というよりも精神的な危険と思っていたので、あまり活きていない気がした。
8点(2005-01-23 03:40:57)
31.  バッドサンタ 《ネタバレ》 
ビリーボブソーントンのまさにハマリ役の役柄。 「バーバー」の時のようにソーントンにはやはりタバコが似合う。そして酒と女も彼にピッタリ。 まさに彼の素に近い気もするけど、どことなく「チョコレート」を演じていた彼を思い出せるような雰囲気も醸し出していた。 自分のクソみたいな人生、なんとか変えたいけど全く変わることもなく過ぎ去っていく虚しさを感じさせる。 酒に逃げても逃げ切れず、そんな人生に嫌気をさして自殺をしようとしても上手くいかない。 ソーントンの惨めな人生だけど、メチャクチャな名前の男の子との出会いが少しだけ彼を変えていく。 その少しの変化がなんとも言えず良い。 頼まれていた色も実は合っていなかったりするんだけど、この辺りは凄い良かったと思った。 でも、この映画を支えるブラックな笑いは自分にはちょっと合わなかったなあ。 クスリとする部分はかなりあったけど、笑いの感性が合わないのか。微妙な感じがする。 爆笑できたのが、ボクシングのシーンくらいで、あんなのコテコテの笑いだからなあ。 しかし、二人の出会いが二人の絶望的な人生を少しだけ変えられたような思いを感じられただけでもココロが癒された感じがして良かったと思えた。
5点(2004-12-13 01:30:12)
32.  バレエ・カンパニー 《ネタバレ》 
途中まではそこそこ面白いかなと思ってたけど、話が膨らみかけた所で終わってしまった感じ。 結局アルトマンは何がしたかったのか?という疑問だけが残る。 バレエの美しさを描きたかったのか、それともバレエカンパニーという集団内における特異な人間関係を描きたかったのか。 どちらも確かに描かれてはいた、嵐の中のダンスは確かに素晴らしかったが、はっきり言って人間関係の方は中途半端という印象を拭えない。 主役を取るための争いもなければ、演者と演出家との確執も中途半端、バレエをどうしても踊りたいという情熱もなければ、プレッシャーや食事制限に負けそうな人物もいない、かなりぬるい世界が描かれてはいたが、そんな中途半端な映画の中にも一人だけ目に付いた人物はいた。 ミスターAである。彼だけは一人バレエに情熱を燃やしていた人ではないだろうか。 金策に頭を悩ませながら、市長には頭を下げに行き、ダンサーが怪我をしないように舞台には絶えず注意を払い、雨が降ればダンサーが足を滑らせないかを心配する、自分とダンサーの意見が激突してもダンサーの才能を認めてかフォローはちゃんとする、ベテランダンサーがわがままを言っても演出家との関係でそそくさと帰ってしまう姿、恐らくスポンサーの関係でねじ込んだと思われるヘタクソなダンサーがいるのも金に困ってのことだろう。 そしてダンスが終わった瞬間、一人大声で「BRAVO!」と叫ぶ続ける彼の姿にはバレエに対する大きな愛を感じる。 良かったのは彼一人であとははっきり言って主役を含めて印象が薄い。 別にドキュメンタリーを取りたいわけではないのなら、やはり一本のバレエを仕上げていく過程や苦労を描く方が面白かったと思われる。 演者になれるかどうかの激しい競争をし、勝ち残っても脱落していく者、才能があっても怪我をする者をきちんと描き、死ぬほどの努力と押しつぶされそうなプレッシャーそしてようやく一本の作品が出来あがる。 そして出来あがった作品中での怪我で苦労して勝ち取った役を降りざるを得ない、そういう過酷ともいえる試練を描いてこそ夢を掴むまでの大変な世界を我々が感じ取れるのではないだろうか。 そういうきつい世界だとすれば支えてくれる恋人の存在も重要になってくる。二人とも怪我しちゃったねって笑ってられるほど楽な世界なのか、あそこは。
4点(2004-09-05 02:54:08)(良:1票)
33.  ハムナプトラ2/黄金のピラミッド
前作気になった緊張感の欠如やキャラクターの弱さ等、全部修正されていてかなり満足できる仕上がりになっている。 ドミノ倒しを筆頭に前作を引き継いだストーリーとキャラクターは前作を見てる人にはなかなか楽しめる、今回はちょっと強引なほど話を膨らさせすぎている感じはするけど、相変わらずテンポの良い創りに、凝った設定や舞台も楽しめた。 もうちょっとジョナサンに活躍の場を与えてやれよと思ったが中々いい叔父さん役がピッタリでそれなりの味はだせたかな。 気に入ったのはラスト、イムホテップとリックとの対比はなかなか見事だった。 3000年間思いつづけたイムホテップは見捨てられ、リックはエヴァリンに自分の身の危険を犯しながらも助けられた。 このシーンだけでそれぞれの二人の関係とあの二人の絆の強さが感じられる。 イムホテップの覚悟を決めて落ちていく表情とエヴァリンを殺されて復讐に燃えて闇の中に浮かぶ表情はどちらも良かった。
8点(2004-08-28 20:03:30)
34.  ハムナプトラ/失われた砂漠の都
インディジョーンズシリーズを彷彿とさせるアドベンチャー映画を創りたいというコンセプトは面白いし、舞台背景も結構凝っているし神秘的な雰囲気は出ていた、冒頭はテンポ良く、映像は特に素晴らしく、また気軽にユーモアがあふれ、お約束的なノリで素直に楽しめる作品には仕上がっている。 しかし、往年の作品と比べるとアドベンチャーモノでありながら、緊張感が欠けているのが最大の問題ではないだろうか。 普通この手の映画は手に汗握るものだが、この映画からはあまり感じられなかった。 それに主人公のことはよく知らないんだが、主人公としての魅力やカリスマ性みたいなものを感じない。 脇役も個性的な味を持っている人がいっぱいいたんだが上手く引き出せてないような気がする。 ベニーはぎりぎり合格点だがもっと嫌らしさを感じさせても良かったし、エヴァリンは魅力はあったから恋愛色をもうちょい加味した方が良かったかなと思わせるし、ジョナサンもとぼけた感じで仕事はしてまっせというのは感じられたがちょっと弱い。 惜しいのは黒ずくめの顔に刺青をしている人が活きていない。寡黙でありながらメチャクチャ強い設定にした方が面白かったかなと感じられる。 敵役のイムホテップの目的である3000年の悲恋を上手く描ければ、もっと切なさを感じながらも冒険映画として面白い映画になっただろうな。
4点(2004-08-28 19:59:42)(良:2票)
35.  パッション(2004)
ストーリーもドラマもない純粋に映画といっていいのか分からない映画で評価はしにくい。 自分的には鑑賞前に言われていたほど、耐えられないほどの残虐性や酷さはなかった。 確かに残酷な映画なんだが、残酷であればあるほどキリストの深さや覚悟が現れてくると思う。 あれほどの仕打ちをした人々に対しても、「赦し」を乞う姿にキリスト教でもなんでもない自分でも何かしらの想いを感じずにはいられなかった。  そして「人類の罪を一人で背負う」という重さがあの十字架の重さにも感じられたし、一緒に運んでくれた人によって、その重さはやはり一人では背負えないのかもしれない、我々も背負わなければいけないモノなのかもしれないと感じた。 宗教には興味はないが、我々日本人としては、欧米の人が信じるキリスト教とはどんなものかを知る一助にはなったと思う。
7点(2004-06-25 15:07:28)
36.  バーバー
ソーントンのタバコばかり吸っていて無口で何をしゃべっているのか分からないけど、メチャクチャ渋くて独特の表情が印象的だった。 確かに人生は見つめようとすればするほど見えにくいものなのかもしれない。 妻がいなくなって初めてその存在感、空虚感を感じる。 人生の全体像を見ることができればいいのかもしれないが、そんなことは出来ない。 しかし髪が自然と伸びていくのと同じように人生もおかしくも不思議に進んでいく。 コーエン兄弟らしく、人生が転がっていくストーリーでもありながら、人生について静かに深く見つめた、いい映画に仕上がっている。
8点(2004-05-26 23:58:55)
37.  バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲
ようやくバートンの創り出した世界から離れて独自のバットマンの世界を描けていたと感じる。 クルーニーバットマンも今までの二人とは違うクールでカッコ良さを感じる。 悪役を倒すだけでなく悪役を憎しみの心を溶かして改心させるというのも立派なヒーローの役割、評判は悪いけどラストもなかなかいいんではないでしょうか。 シュワはまあ良くも悪くもなく、サーマンはなかなかの好演。 倉庫でチラッとリドラーの服を見せてくれるとかもなかなかのポイント。 
7点(2004-04-30 16:29:11)
38.  バットマン・フォーエヴァー
人間の二面性、憎しみからの復讐の空しさ、トラウマなど前作から繋がる人間の暗さ、心の闇にも焦点を当ててはいる。でもやっぱりバートンの創り出した世界とは違う。 ヴァルキルマーのバットマンは頑張ってはいるが、やはりイメージとは違い違和感がありすぎる。 バットマンの自分よりも、ウェインの自分の方がいいとキッドマンから言われたときの「ニヤリ」の表情とかは良かったんだけど。  バットマンシリーズは、主役のバットマンよりも悪役の方に焦点が当たることが多い。 しかし、トゥーフェイスはイマイチと言わざるを得ない。 人間の二面性を映画のテーマにしているのに、全くその特徴が出ていない、昔は検事だったらしいのに。前の二作に較べて存在感もない。  ジムキャリーのリドラーはなかなか良くは見えるが、ふと振り返るといつものジムキャリーをそのままやっているだけかもしれない。  ロビンはどうでもいいが、ロビンはバットマン自身の過去の自分の姿なんだから、復讐に燃えるロビンとバットマンの対立をもっと深く描ければ良かったと思う。 出てきて何もせずにとっ捕まるくらいなら、思い切って、ロビンを参戦させずに復讐の空しさを説いて今回は戦わせないというストーリーでも個人的に良かったのに。 ラストはひどい、コイン投げは人を馬鹿にしている。 
5点(2004-04-30 16:20:21)
39.  バットマン リターンズ
前作よりもはるかにバートンらしい世界観がゴッサムシティを含めた映像の中に投影されている。 前作はニコルソンの独壇場だったが、今回はなんとかキャラのバランスが良く取れていたと思う。 前作は「ジョーカー:バットマン:ベイシンガー」の比率が、「6:2:2」くらいだったけど、今回では「キャットウーマン:ペンギン:バットマン:ウォーケン:着ぐるみを含めた他のペンギン」の比率は「4:3:2:0.5:0.5」くらいになったんではないでしょうか。 相変わらず影の薄いヒーロー、バットマンだったが、彼の悲哀や二面性や影の部分をキャットウーマンが補完してくれた感じがする。 仮面を脱ぎ捨てでも自分自身の影であるウーマンを助けようとするけど、助けることが出来なかったバットマンが切なくていいですね、あの場面でようやくキートンがバットマンで良かったかもと思えた。 それぞれが傷を持つ者同士、ペンギンも含めてヒーローも悪役も確かに紙一重、皆同じ哀しい人間なのかもしれない。
8点(2004-04-24 01:35:58)
40.  バートン・フィンク
これは夢オチなのか?観た人によって感想は違うと思うが、自分はあの箱の中身はタトゥーロ本人の頭が入っているもんだと思ってた。グッドマンが書けないで悩む主人公を殺すことでその苦しみから開放させたんではないか…かなり妄想が入っているが。結局、どこから夢又は妄想の世界が始まるんだろうか。いずれにせよ、作家の苦しみがよく分かる作品には仕上がっている。 それにしてもコーエン兄弟の引き出しの多さには恐れ入る。
8点(2004-04-11 01:59:11)
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