21. バイバイ、ママ
《ネタバレ》 まず大拍手をします! ベーコン家総出演のこの作品。並みの俳優ならつまらん自己満足で終わるところ。 ところがところが、このクォリティの高さ。本物です。 回想シーンというものは、単なる説明に終わってはいけないということが良く分かります。(「ホワイトライズ」がいかに芸が無かったか納得)また、単なる説明でない回想シーンであれば、数回入れても映画の雰囲気が損なわれるどころか、完成度を増すということですね。 2回目に見ると、両親を嫌いながら、愛する人と心中するという同じ方向に生きてしまうエミリー、子供時代と同じ失敗をするエミリーにはっとします。それとハーカー夫人はすごいね。10歳の子に、この世で女の子が最も知らねばならぬ秘密を教えるんだから。私なんかこの事に気がついたのは30もかなり過ぎてからだわ。(誰も教えてくれん!) なんといってもこの豪華キャスト陣を惜しみなく無駄遣いする贅沢さよ。 サンドラにしても、マット・ディロンにしても、10分と映っていないでしょう。ものすごくおいしそうな料理をちらっと垣間見せるだけのような心憎い見せ方です。こんな贅沢も、ケビン君の内輪力なくては有り得ない。俳優さんが監督に乗り出した作品には、こういう内輪ならではのごちそうが期待できるところがよいです。これで作品の出来も良ければ言うことなし。 ケビン君の演じたお父さんは一目見て大爆笑。はずしにはずしてこのファンキーなスタイル、突き抜けている。大変よいです。そしてサンドラの妖しさよ。やっぱり美人だ。ケビン君の奥さんキラと比べるとさらにそう思う。 キラ・セジウィック。魔女顔である。私の嫌いなタイプの顔だ。目が寄っているうえに激しい奥目、ワシ鼻、そして歯が短いので口の中が空洞に見えるところが怖い。サイコ女をやったら右に出る者がいないグレン・クローズの継承者といえましょう。 それから娘のソシエちゃん。この子ただものじゃないわー。そんなに可愛くもないのにこの存在感。いつもブスくれた顔しているのに、なぜかその心中が伝わってくるという、役者の条件を満たした逸材と思います。先が楽しみだ。 ケビン君たら「エコーズ」でせっせと穴を掘りながらこんなプランを練っていたとは。俳優さんの余芸ではビル・パクストンの「フレイルティ」にも感心したが、個人的には笑いのセンスがあるところが私の好みに激しく合っている。次作も楽しみです [DVD(字幕)] 9点(2006-09-17 00:59:36)(良:2票) |
22. バタフライ・エフェクト/劇場公開版
《ネタバレ》 ストーリーよく考えましたね。「バックトウーザフューチャー」のパクリとは思わない。しかししかーし、萩尾望都のパクリじゃーん。萩尾ファンなら納得ですね。ちょっと古いけど「銀の三角」。もつれた糸をほどこうとして、正体不明のラグトーリンが時を遡っては何度もやり直しをしてみるあの話。アメちゃんが萩尾望都読んでるとは思えないけどなー。だけどおんなじだよ。思えばシュワちゃんの「シックスデイズ」は「A-A´」のパクリだったし。?アシュトンはなぜにヒゲ。いわゆる「汚なづくり」?似合わないけど。萩尾望都のパクリと思いつつも充分楽しめました。でもストーリーは萩尾のほうが美しくてせつない。まんがだけど。ヒロイン役はなかなか○。セクハラ父役の人、なんか別ので印象残ってますが何に出てたかおもいだせない。 [DVD(吹替)] 9点(2006-03-15 23:03:35) |
23. ハウス・オブ・ザ・デッド
Uボートの船長さんを起用しているところが味あり。「海の男」ぽさあるよね。なんでこれに出たんだか。無茶苦茶という意味ではけっこう記憶に残りそうな一品。船長のとこだけをチョイスして見ればそんなに悪くないかも。 [DVD(字幕)] 4点(2006-02-05 14:08:47) |
24. パーフェクト・カップル
なかなか面白く見られた。キャシーベイツがレズビアンというのにたまげた。実生活のことはよく知らないけど。「アリ」なようで「やめてー」なようで、もはやこの世のものとは思われないそのりりしいゲイ姿。完全に主役より強烈になっちゃってた。そういえばこないだシュミットさんで彼女の胸を見てたまげたばかりだ。 トラボルタなんていつでもトラボルタだけど今回は「某大統領のフリしてます」なめずらしい役どころ。確かにあのドーナツ屋シーンは特筆モノ。ぼそぼそしゃべってるしさ。いつもまぶしそうな目だしさ。モノマネとしては下手だったけど、「それなりの《トラボルタがやってる》クリントン」ではあった。ところで「ビョーキ」の亭主を持ったらどのように生きていけばよいか、現在世界で最も含蓄のあるアドバイスができるのはヒラリーに間違いない。ぜひ聞いてみたい。べつに実生活には役立たないが。仁科明子と対談なんていかがでしょう。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-10 22:03:22) |
25. ハピネス(1998)
《ネタバレ》 デブのフィリップシーモアホフマンにデブの女の子がじとーっとせまるじゃん。すごーくお似合いなのになかなかそれを認めないんだよね。「俺にはふさわしくない」とか分不相応なこと思っているのね。皆さん、笑えませんよ、誰しもこれと同じだわ。「自分のレベル」って、本人が一番わかってないんだわ。そのことにハタ、と気付きますね。ん?気付かなかったって?鏡を見てよーく考えましょう。それからいたいけな少年に悪さをするおじさんのことは、絶対許さないようにしましょう。こんなものを「少数派の悲しみ」とかいってごまかされてはいけません。世の中には理由なんてなくても「いけない」ことがあるのじゃ。それは何かって?「お父さん(またはお母さん)がいけないと言ったから」それが人間としてあたりまえだ。「いけない」か「いけなくない」か、宗教無しで確実に判断できなくてはいけないんですよ、日本人(の多く)は。これももちろんうけうりだ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-08 00:40:50) |
26. バタリアン
これを見てスプラッターホラームービーに開眼した思い出の作品です。その後いろんなドロドログチャグチャ作品をひたすら見続けることに。しかしすっかり大人になった今では「品が無いのはやだ」などと思って、何でも受け付けることはなくなった。コメディーということにすら気が付かずに画面に釘付けになっていたあのころ。冒頭の白いやつ、ピクピク動き出して超怖かった(当時)。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-29 22:45:15) |
27. パニック/脳壊
《ネタバレ》 なんだ誰も見てないのかな。これは重い。救われない。息子だけは守ったとは言ってもさ。 この登場人物の中で、一番の悪者は誰でしょう。それはかーちゃんです。とーちゃんはもちろんヤな奴だけど、そういう夫を陰であやつり、善悪の判断つかなくしてるのは妻さ。マクベス夫人だよね。あのかーちゃん抜きでも、こんな商売をずっと続けられたわけはないよね。嫁はいびるし。とーちゃんよりかーちゃんをやっちゃったほうがよかったんでないの。嫁が老けてて不細工だからといって、ネーブキャンベルと出会って目覚めて行くってのはちょと無理があるな。彼女の住んでる部屋が妖しくてよかったな。映画ではインテリアのチェックは欠かせません。 [DVD(字幕)] 7点(2005-12-23 23:21:46) |
28. バーチュオシティ
《ネタバレ》 もっともインパクトのあったものは、間違いなくラッセルクロウの尻である。 そんなもの見せられても。尻では人後に落ちぬと言われるジョージクルーニーの向こうを張ってのことか。「尻の評価はしたくない」ような尻であった。妙なジャパニーズ趣味が出てくるとB級がC級へとランクダウン。クロウは尻を出すなら「日サロ」へいけばよかったのに。 [ビデオ(字幕)] 5点(2005-12-23 17:13:40) |
29. π(パイ)
《ネタバレ》 べつにつまらなくはない。白黒は見づらい。細部がどーなってんのかわかりにくいために、鏡のヒビを、頭にできたヒビと思っていた。そしたら違った。むきだしにされた膿んだ脳のイメージ、これを不自然でなく映像化したかったのでしょうね。自分で自分の前頭葉にロボトミーするって、はたしてできるのか?とにかく「脳をいじる」についての映画。このころからすでに「ひきこもり青年が主人公」の映画ブームの兆しが。一見の価値はある。非常に見づらいが。 [DVD(字幕)] 8点(2005-12-10 00:21:16) |
30. 8mm
《ネタバレ》 何でも手に入るほど金持ちになったら、最後にはそういうものが見たくなるの?ほんとか? それとももともと単なる変態だったからなのか?それほどの金持ちになってもそんなものたとえお金をもらっても見たくないけど。夫がそういう変態だったことを知ったら、情けないあまり自殺するか?それとも夫にかわって謝罪の意味で?あの夫婦の心理がさっぱり分かりませんでした。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-11-30 21:11:23) |
31. バッファロー'66
《ネタバレ》 作品がどうこうというよりも、これを楽しめて、絶賛している中野翠のような人の頭の中に果てしなく?を抱く。もう我々は別の種でしょうか、というような。もしかして「時計仕掛けのオレンジ」好きな人はこれも?ヴィンセントもクリスティーナも何一つ好きじゃない。だいたいヒゲのある男が嫌い。なんか、食べ物じゃないものを出されて「さあ召し上がれ」と言われている感じなのだった。 [ビデオ(字幕)] 3点(2005-11-26 14:00:32) |
32. ハイ・フィデリティ
《ネタバレ》 とにかくジョンキューザックには疑惑をもっているので、素直に楽しめない。「かっこいいのか?」「なぜ主役ばかり張るのか?」それでもって、何も世の中の役に立つことをやってるわけでもない男の役、もんもんと悩まれても、「まともに働けば」としかいいようがない。ジョンキューザックはストライクゾーンじゃないの。 [DVD(字幕)] 5点(2005-11-20 20:58:17) |
33. 薔薇の眠り
《ネタバレ》 デミムーア出演作の中では個人的1位。女性の観客なら、見てる間ずっと「どっちにしようかな」とデミになった気分で悩むよね。やっぱりフランス男はロマンティックだー。アイディアよし。デミもエッチでよし。フランスの彼やっぱりよいな。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-20 20:04:09) |
34. バッド・ボーイズ(1983)
《ネタバレ》 もう22年前かあ。これを見たら、夢に出てくるほどショーンペンに惚れてしまったあのころ。それからほどなくマドンナの結婚相手として登場したときには、驚愕しました。「私のショーンが」と。今はノーマルなおっさんと化したショーンですが、いやー、このころは、危険だった。フェロモン全開だったし。美しかった。現在のショーンを見るたびに、「なんで惚れていたかなあ」と思うこのごろですが、このころは、美しかったのよう、信じて。全体的に「痛み」を感じるようにできている作品でしたね。質は悪くないと思います。レイプシーンが痛すぎる。 [映画館(字幕)] 8点(2005-11-20 17:20:09) |
35. バニラ・スカイ
《ネタバレ》 キャメロンもペネロペも好きになれないんです。スペイン版を先に見ていた。うさんくさい仕上がりながらオリジナルのほうがやっぱりイケている。キャメロンディアスとペネロペは、意識して見ないようにしているんだがなあ。友達になりたくないタイプ。究極の選択ならキャメロン。 [ビデオ(字幕)] 5点(2005-11-16 23:17:33) |
36. 8月のメモワール
《ネタバレ》 「ベトナム戦争の映画がなんとかで」と熱弁をふるってたらなんと母が「それならよいのを見た」といってすすめたという作品です。どっかの公会堂で見たらしい。公会堂って。 アメリカのプアホワイトがこれでもか、というくらいに描かれていますなあ。前後左右みな貧乏。すごいなあ。「アメリカ=富」って「うそだー」と思ってしまいますよね。「ディアハンター」より貧乏。しかし主役がケヴィンコスナー。貧困層に見えないんだよなあ。どうしても頭よさそうに見えちゃうしなあ。彼はこの役を演じるために相当がんばって「貧乏で低学歴」に見せようとしているのがみえみえだなあ。妻はダサい女でリアルだったけど。ともあれ秀作。夏休みに子供に見せてもよいでしょう。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-15 21:25:16) |
37. パラダイム
《ネタバレ》 あまりにも好きなので、一時所有していた。 髪型などに時代を感じるなあ。怖い仕掛けがいっぱいだ。「暗黒の王子」って、キリストの反対のものなのね。欧米の人はよっぽど怖かっただろうなあ。悪いけど、この恐怖って日本人には正確には伝わらないんだ、ジョン。でもこれくらい面白ければ食いつくよー。挿入される白黒画面の音声がすごくこわい。 [DVD(字幕)] 9点(2005-11-13 21:50:42) |
38. ハンテッド(2003)
《ネタバレ》 「エクソシスト」で大尊敬するフリードキン。しかし、なんか足りないんだよなあ、これ。「エクソシスト」の時のような、「お宝」感ゼロ。もちろんあの時は、リンダブレアの「ポゼストっぷり」が「お宝」であり、悪魔が「お宝」であり、メリンがどんな技を繰り出すかが「お宝」であり、「最後どうなるんだ」も「お宝」であった。 この映画、何を「お宝」と思っていいのか分からぬ。なんか、トミーがとんでもない「技」や「仕掛け」を次々と繰り出すしか、手がないような話では。フリードキン、やっぱり絶頂期は遠くなりにけり? [DVD(字幕)] 6点(2005-11-13 21:20:01) |
39. 背信の日々
《ネタバレ》 これを見たらベレンジャーに惚れてしまって、現実の男性がみんなタコに見えてしまった映画。 愛情深さと残酷さを、矛盾無くあわせもっているベレンジャーは悲しい男だ。「どうして愛情のほうだけにできないの?」と誰もが思うだろうが、それは父から受け継いだものであるからだ。父はそのまた父から。デブラと付き合うまでの展開がすばらしい。このままハッピーで終わってほしい。カントリー映画でいいじゃないかあ。と願い続けてしまいます。あれだったら、誰でもつきあっちゃうよねえ。ラストの放浪が美しい。涙涙。デブラは太いけど顔きれい。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-08 22:59:36) |
40. ハンニバル(2001)
《ネタバレ》 ミスキャスト。なぜジュリアンムーアは業界受けがよいのだろうか。どうみてもFBI捜査官に見えない。骨格と皮膚の厚みに問題がある。市民が頼りにしたくなるような捜査官には、骨太さと、ある種の鈍感さが必要である。皮膚の薄い女優さんでは、頼れない。「FBIに恋して」長いことやっているなら、こんなんなってるわけがない。現実味なし。リドリーのサドグロ趣味全開。 [DVD(字幕)] 5点(2005-11-06 21:23:56) |