41. ブラック・サンデー
公開一週間前に突然中止となるという(当時、新聞にも大々的に報道された)前代未聞の曰くつきの作品である。それはドラマの背景にイスラムとアラブとの問題が絡んでいて、ストーリーとしてはイスラエルへのアメリカの武器援助に抗議する為、アラブのテロリストが満員のフットボール会場を襲うというもの。で、中止の直接の原因となったのは、「イスラエル問題を支援する会」と名乗る過激派グループによる、アジビラが各所に撒かれたことに端を発し、その後、脅迫状が上映予定館に送られた為である。このJ・フランケンハイマー監督作品は、エキソチズム、ドキュメンタリータッチ、バイオレンス、国際諜報もの、パニック、空中アクション、そしてチェイスといったヒット要因を取り入れ、見事に一本の作品に仕上げている。特に無数のダーツが一瞬のうちに四方に発射される、創作の大量殺戮兵器を砂漠での実験を克明に描くシーンや、主人公3人が根本的に生きる事の執着がなく、社会からはみだし、死も暴力も恐れず繰り広げる戦いがもの凄い迫力でせまってくる。公開されていれば大ヒット間違いなし、ベストテンにも入っていたであろうこの作品、今ではビデオでしか見れない事に苦々しい思いをしてる人も多いと思います。 9点(2000-10-01 23:34:26)(良:1票) |
42. ブリット
ピーター・イエーツ監督の名前が一気に世に認められた記念すべき作品。当時、タートルネックのセーターにエルボーパッチ付きヘリンボーンのジャケットをはおり、靴はデザートブーツといったマックイーンの刑事スタイルに憧れたもんです。彼の刑事役ってこれが最初で最後だったはず。ただただマックイーンのカッコよさにしびれまくりで、僕的には彼の代表作だと思っています。サンフランシスコの坂道をノンストップで爆走するムスタング・・・“カーアクション”というジャンルの先駆者となったのもこの作品。余談ですがこのカーアクションを担当したフィリップ・ダントニーは後に「フレンチ・コネクション」を経て、「ザ・セブン・アップス」では自ら監督もした人でも有名。 9点(2000-09-30 23:48:36) |
43. フルメタル・ジャケット
S・キューブリックが描いたベトナム戦争映画。しかし一連のベトナムものとはやはり肌ざわりが違う。前半、軍隊の非常さを否応無しに描かれる。教官は訓練というなのもとに人間の尊厳を徹底的に踏みにじるかのように罵声を浴びせつづけ、訓練兵は狂人と化して自殺にまで及んでしまう。後半の戦闘シーンになぜかジャングルが出てこないことや、女性スナイパーの“シュート・ミー”のセリフのシーンが妙に艶っぽかったり等、キューブリク独特の作品世界が展開される。ベトナムというのはたまたまであって、いつの時代にも通じる普遍的な戦争の狂気を、彼なりに表現した秀作です。 8点(2000-09-29 15:25:59) |
44. ブレードランナー
リドリー・スコット監督独特の作家性がもっとも色濃くにじみ出た作品。そういう意味では彼のベストかもしれない。ダグラス・トランブルの造形した未来都市のイメージは、目が眩むほどの視覚効果で我々を圧倒する。しかしはたしてこういう大仰なSFXが、この作品に本当に必要だったのだろうか? 9点(2000-09-21 23:36:29) |
45. フロム・ダスク・ティル・ドーン
前半はタランティーノ風フルムノワール、後半はゾンビ風バンパイア物で、一粒で二度美味しい珍品。J・クルーニーとJ・ルイスが今日の活躍を予感させて実にしたたかである。 6点(2000-09-14 23:28:19) |
46. ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
キューバ音楽のバイタリティーとそのセクシーさ、そして彼らの音楽を愛してやまないヴィム・ヴェンダースとライ・クーダーの熱い眼差しを感じざるを得ません。 7点(2000-08-27 17:54:35) |