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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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1.  ラ・ラ・ランド 《ネタバレ》 
「セッション」も素晴らしい映画だったが、今回は圧倒的な愉快さに惹きこまれた。  初っ端から大渋滞のハイウェイ、様々な音楽とクラクションが道路中に響き渡る中をキャメラが通り過ぎる。誰かが歌い出せば扉を開けまくり、外に飛び出すダンス・ダンス・ダンスの大スペクタクル! 女たちは髪をなびかせスカートと脚を舞わせ、野郎どもはボンネットの上を軽快に駆け回り、トラックの荷台を開けばバンドマンたちの怒涛の演奏が熱狂の渦を最高潮に盛り上げる!! それが嵐でも過ぎ去り、夢でも見ていたように、我に返り静かに元いた場所に戻っていく。冬、春、夏、秋…四季がすべて熱気に包まれているかのような映画だ。  挨拶代わりのクラクション、中指を突き立て、“音”から“音”へ飛び、黒いシルエットが揺らめき、瞳と瞳が合う出会いと別れを繰り返す男女二人。 カフェで地道に働く女優志願は店に毎回来る「憧れ」になるため夢を目指し続け、夢を諦めきれないピアニストは己を偽り自分を抑え込みひたすら“音”を弾き続ける。ちょっとでもアピールしようとすればすぐにつまづいてしまう日々を送っている。  「セッション(ウィプラッシュ)」を知る人はもれなくフレッチャー先生の幻聴が聞こえてきます。 「違うクソッタレ!!!!!」  プールに飛び込む狂喜乱舞に混ざりきれない女(カメラまで猛烈に回転してぶっ飛びそう)、音楽性の違いで職場やかつての仲間を受け入れきれない男。 夜空に飛び散る花火、街を照らすネオン、車の灯も河のように連なり流れ続ける。その流れに取り残された孤独な者どうしが視線を交え、肩をぶつけ、リクエストで“お返し”し、願いを聞き入れ、街灯が照らす夜道を歩き、踊って踊って踊る内に惹かれ合っていく。  役者として、音楽家として、一度恋の炎が灯れば思わず踊り出してしまう。 ジャック・ドゥミ「シェルブールの雨傘」やスタンリー・ドーネン「雨に唄えば」といったミュージカルの傑作群を思い出さずにはいられないくらい楽しそうに踊りあかす。  いやそれだけじゃない。 部屋に貼られたイングリット・バーグマンやロバート・シオドマク「殺人者」のポスター、路地の壁面で微笑むルイーズ・ブルックスやマリリン・モンロー、映画館で燃えるニコラス・レイ「理由なき反抗」、ヒロインの心の中に焼き付くヒッチコック「汚名」、ハワード・ホークス「赤ちゃん教育」、マイケル・カーティス&ドン・シーゲル「カサブランカ」といったエネルギーの源。  映画中に散りばめられた「思い出」が今のセブを、ミアを、監督デミアン・チャゼルの“今”となって活き続ける。先人に学び、未来を切り開こうと努力し続ける人間の強さがギラギラ輝いているんだ。  フィルムが焼けてしまったら、“本物”を見に行こう。満点の星空の中に躍り出て、雲を抜け、星の海を二人っきりで舞い続ける夢の時間。音色も心も弾ませて。 前作「セッション」は打ち込みすぎるあまり大事なものを捨て続け、失う作品だったかも知れない。この映画は心から楽しみ、大事なものを優先した先にある答えを描こうとしているのではないだろうか。  好きになってしまったからこそ追い続け、謝り、食い下がり、勇気づけ、違う道を歩んでいく。一人は表舞台へ駆け上がり、もう一人はそれを送り出すように裏方に徹する。  素敵な音色で再会の挨拶を贈り、口づけを交わす“叶わぬ思い”を伝え、潔く身を引いていく。二人の間に言葉はいらないのかも知れない。ありったけの想いを込めた音色だけがそれを語り掛ける。  あれほど無我夢中に熱を帯びていた「冬」は、何処か寂しく切ない「冬」になって幕を閉じる。
[映画館(字幕)] 9点(2017-02-25 07:29:47)(良:3票)
2.  ラスト・シューティスト 《ネタバレ》 
グレンドン・スワザウトの原作を映画化。 ガンに侵されながらも最期まで己と戦い続けたジョン・ウェインの遺作。 西部劇を支えてきたウェインと共に共演したジェームズ・ステュアート、 ジョン・キャラダイン、ローレン・バコール、ロン・ハワード等が脇を固める。 ジョン・ウェインほどヒゲが似合わない人間もいないが、歳を取り、ヒゲを生やすまでになった保安官の晩年像。 ヒゲも無く若さと元気に満ちていた昔と、老骨に鞭打って執念で仕事を続けようとする男の孤独な一面との対比。 「赤い河」、「リオ・ブラボー」、「ホンドー」、「エル・ドラド」のバラバラの一場面を「西部劇」という一つの世界観で統一したドン・シーゲルの粋な演出が良い。 ウェインのファンにとっては「歴代の“ジョン”なんとかさんはこの人でした!」と改めて自己紹介されるような感じかな。白黒ウェインのカッコ良さは異常。 ファーストシーン以降しばらくは撃ち合いがほとんど無い。 ジョンが知り合ったロジャース夫人たちとの交流、旧友との別れ、名を挙げようと迫る仇敵たちとの因縁。 死期が迫った中で自分を見つめ直す主人公の内面をじっくり描いていく。 「拳銃王」の真逆って所がミソだね。「拳銃王」はアウトローの孤独、本作は保安官の孤独を描いている。 自分は何を成し、何のために戦ってきたのか。 様々な思いがジョンを取り巻く。 そして文字通りラスト9分の「最後の銃撃」。 ジョン・ウェインは病ではなく、保安官として死にたかったのかも知れない。 第二世界大戦であえて本土に残り、映画の中で戦い続けた男ウェイン。 戦場に行った男たちのために映画界に留まった執念、そんな後ろめたさとの戦い。 無秩序な戦場で誰かを守って死ねるのだろうか? だったら自分は誰かを守って死にたい。せめてスクリーンの中だけでも・・・そういう思いがウェインにはあったのかも知れない。 この「ラストシーティスト」は、ウェインの心境を映像にして我々に問いかけたのかも知れない。西部劇の終末を描いたこの作品で。 ウェインはアメリカ最後のフロンティアとも呼べる西部劇を誰よりも愛し、誰よりも守ろうと戦った。 その意思をクリント・イーストウッドなどが継いだと言えるのかも知れないが、西部劇の根底に流れるフロンティア精神を最後まで貫こうとしたのはフォードとウェインくらいでは無かろうか。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-18 19:48:53)(良:2票)
3.  ランボー/最後の戦場 《ネタバレ》 
「最後の戦場」・・・はまあ解る。でも「4」って付けても良いよね?  原題なんかただ「Rambo」だぜ?ナメてんの?  まあソレはさておき、ベッタベタの展開だが嫌いになれない「ランボー」シリーズ。  ますます野生児になっていくランボー、 とりあえず戦場、 とりあえずランボーに助けられる馬鹿な傭兵ども。  「ザ・ファイナル」みたいに息子も亡き妻も出ない、四角いジャングルじゃなくミャンマーの密林が血に染まる。  あまりに傭兵どもが鈍い(いやランボーがチートすぎる)、ラスボスがホモなんて頭がアッー!  ランボーに機銃掃射される敵がミンチより酷い状態に。  無敵のランボーをバンブー(竹)が倒すとは・・・(撮影秘話)  総てが終わった後に旧友を訪ねるシーン。 初代「ランボー」を思い出す良いシーンだった。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-08 23:52:10)
4.  ランボー 《ネタバレ》 
当時のヴェトナム帰還兵の現状と苦悩を描いた映画だが、他のその手の映画と違うのは帰還兵がアメリカでブチ切れて暴れるという点。 他には「エクスターミネーター」や「タクシードライバー」がその部類。 ヴェトナムで戦い英雄と呼ばれた男が、故郷で不遇の扱いを受けて暴行されたらどうなるか? 「地獄の季節」の詩人ランボーも、まさか同じ名前の人間が機関銃持って地獄のように暴れまわるなんて夢にも思わなかっただろうね。 本当に怪我してる傷口を自ら縫うわ、崖からダイブなんて平気でするわ、スタローン様々。 ヴェトナム時代の旧友を訪ねて旅を続けるジョン・ランボー。 彼らへの風当たりはまだまだ強く、街に入れば即厄介者扱いだ。 オマケに今度の街は「妖しい身なり」「汚い格好」というだけで警察に連行され、強制的に洗いざらい調べられてしまう。 本当に汚いのは、権力を乱用するこういう連中の事を言うのかも知れない。 確かに最初は「警告」で済ました。 ただ、それを無視しただけで逮捕というのはいかがなものか。 警察の拷問に近い取り調べで、ヴェトナム時代のトラウマがフラッシュバック、そして堪忍袋の尾が弾け飛んだランボーは警官どもをぶっ飛ばして盗んだバイクで走り出す。 警察は意地と執念で追跡開始。 残念ながら、先に手を出してしまった彼らは無傷では済まなかった。 山に入ればランボーの“テリトリー”なのだ。 ヘリまで撃墜されて散々な目にあった警察一行。 命からがら(ランボーのレベルだと余裕の内か)脱出したランボーは、重装備で街に侵入。 こうなると誰にも止められない。 ランボーを拷問した署長であるが、どうしてそこまでランボーを目の敵にしたのか。 息子を戦争で失ったからか、それとも朝鮮戦争の元軍人(これは原作小説の設定)として同情を禁じえないがためなのか。それは解らない。 だがこっちにも意地がある。 街の治安を守るという正義心が、逃げることを許さない。 その気持ちがランボーに正しく向いていれば、いま頃こんな事にはならなかったのかも知れない。 壮絶な一騎打ちの末、そこに現れたのは何とランボーの上官であったトラウトマン大佐。 「もう終わったんだよランボー」 「いいや何も終わっちゃいない!」 戦場から帰ってまで不当な扱いを受けるランボーたちにとって、あの戦争は未だに心の傷として残り続ける。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-08 23:04:40)
5.  ライムライト 《ネタバレ》 
チャップリンは様々な映画で人々の心に希望を灯し、次の旅先へ向い続けてきた。 それに一つの終止符を打つ「殺人狂時代」と「ライムライト」。 「キッド」や「カルメン」と違い真正面から死を見つめたこの2本は、一見正反対のようで根底には人の死が横たわる。 「ライムライト」は今まさに死が迫ろうとする女性の姿から物語は始まる。 街に溢れる音楽、アパートのある一室でぐったりとした美しい女性。右手の小さな瓶が総てを物語る。 その現場を目撃してしまうほろ酔いの男。 いつものチャップリンならドアを開けるまでにもう一騒動待ち受けているが、運命は彼に使命でも与えたかのようにドアを開けさせた。 何故かマイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガーの「赤い靴」を思い出してしまった。 あの作品も踊りを愛し、愛するが故に舞台の上で命を燃え上がらせる作品だった。ここでは、美しいプリマドンナを救うためにチャップリンという天使が現れたとしか思えない。 放って置きそうで黙って見過ごせない情、死ぬ事のつまらなさと生きる事の喜びを彼女にありったけ注ぐチャップリン。まるで最後の力を振り絞るように。  ノミのサーカスは「教授(チャップリンの教授)」以来の“復活”。  クレア・ブルームは命の恩人に惹かれていくが、チャップリンは「過去の人間」として「未来を歩みはじめた」彼女のために見守る愛を選ぶ。 かつての「サーカス」や「失恋」といった作品がそうであったように、チャップリンは本気でその人の事を愛してくれる人を見つけたら、潔く身を引いてしまう男なのさ。 彼は彼女を愛しているからこそ頬をひっぱたき、笑顔で励まし送り出してくれた。彼の愛が彼女の脚も動かしてしまう。 チャップリンとクレアのダンスシーンが本当にキレいでさあ。 ラストのバスター・キートンとの狂騒的なグランドフィナーレですら、笑えるのに切なくなってくる。それは上映時間が迫る「もうすぐお別れ」という感覚だからだろうか。二人の息の合った演目が素晴らしいほど、不安も大きくなる。 あんなに笑えてあんなに切なくなる“退場”の仕方って有りかよ。 道化師は去り、美しい白鳥が次の舞台を踊り続ける。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-14 17:53:54)
6.  ラッシュ/プライドと友情 《ネタバレ》 
F1を題材にしたレース映画、ひいてはロン・ハワード最高の映画がまた生まれたと俺は断言しておきたい。  野性的で豪快なジェームズ・ハントと論理的でコンピューターのようなニキ・ラウダ。性格のまったく違う二人の男。  あるレースをキッカケに互いを意識しはじめ、やがて強敵(ライバル)となっていく伝記映画。  実在したレーサーが如何にスピードに狂い、敵として意識し、憎み、誇りをかけて闘い、硬い友情を結んでいったのか。  レースシーンの迫力は地面を削ったり、目の前に弾丸が放たれるような臨場感!  レースの一瞬一瞬を積み重ねていく感覚、イメージトレーニング、一般車でブッ飛ばすところからレース場の場面に繋げる演出、クラッシュの死の臭い。  負傷なんかお構いなしに美女を見つけたら速攻S●Xに励むほどエネルギーに満ちた野生児ハント。  下半身(エンジン)のピストン運動やマフラー(マラ)の方がビンビンで強そうだ。何事にも激しい戦いを好む反面、嘔吐や疲労といった“反動”もデカい。ハントにとって事故は“早漏”か“寸止め”に等しいだろうね。エンジンがトラブれば女関係もトラブる。ハントが余りにご盛んすぎてこりゃ女にも嫌われるわな。スーツまで“S●X”まみれでもう勝手にヤッてろ。  ニキは論理的に考えず勘に頼るハントが気に入らない、ハントは機械的に物事を捉えようとするニキが気に入らない。  どっちもたまにブッ壊れて、どうしようもなく負けず嫌い。  ニキの「凸」による宣戦布告から二人の壮絶な魂のぶつけ合いがスタートする。それぞれの焔に包まれて。  レースの途中で散っていく仲間は同時にライバル同士でもある。  ニキが掛け替えの無い大切な物を得ていくのに対し、ハントは次々に離れ孤独になっていく。  恋人も、マネージャーも、“強敵(ライバル)”まで。  ニキが得た怪我の痛みよりも試合でハントと闘えない悔しさの大きさ、恐怖を乗り越えて闘いの場に戻るという意地、プライド。  ハントも強敵(ライバル)として己の誇りと意地にかけて迎え撃つ。  ニキの復活試合と“生か死か”を選ぶ瞬間は劇中屈指の熱さ!  ラストの雨の中のラストバトル。ハントにとっても、ニキにとっても“悪夢”が蘇る雨でもある。  ニキが得て失ったもの、ハントが得て失ったもの。本当に大切なものはどっちなのだろうか。そんな事を考えさせられる締めくくりだった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-08-15 15:59:04)(良:1票)
7.  ラヴ・ストリームス 《ネタバレ》 
ジョン・カサヴェテス最高傑作の一つ。 カサヴェテスの映画ほど愛を描き、愛そのものがスクリーンに映されない事に対するもどかしさというか、苛立ちが悩ましい映画ばかり撮る監督もいないのじゃないだろうか。 特にこの映画のジーナ・ローランズほど「こわれゆく女」よりも痛々しく、滑稽で、愛に飢えた女性もいない。  それにカサヴェテス流「ガラスの仮面」ともいうべき「オープニング・ナイト」を彷彿とさせるミュージカル・シーンだが、そこでアリアの合唱を壮絶な奪い合いの彩りに使ってしまうカサヴェテスの恐ろしさよ!  劇中のカサヴェテスとジーナ・ローランズは愛し合っている筈なのに、何かと睨み合っているシーンばかり眼に飛び込んでくる。実際、二人とも離婚経験者で“苦い記憶”をずるずる引きずっているような感じも。その癖に片方がボーリング場でナンパのような事をすれば、もう一方も老婦人と踊り狂う。 だが、二人の関係は「喧嘩するほど仲が良い」というタイプの人間関係かも知れないし、本当はもっと熱い抱擁を交わしまくりたい中なのかも知れないというシーンも多く眼に映る。様はツンデ(ry 人を避ける孤独の中で愛を探す男、愛欲しさに狂っていく女。 男は美しい女が秘密を打ち明けるのをひたすら待ち続け、女も男が心を開いてそれを受け入れる瞬間を待ち続けてブッ倒れる。 この映画では彼女の幻覚だけだが、これが「グロリア」のジーナだったらイライラがピークに達してリボルバーで二人が乗った車をスクラップにしています。 まあ、そんな事をせずとも劇中の二人は口舌で斬り合ったり言葉で殴り合ってみたりと激しすぎる手探りをしているワケですがね。  彼女は空港で人を笑わせる“道化”地味た事もやるし、スクリュー・ボール・コメディのように大量の動物によって男を刺激しようともしている。実際、男は子供よりもその動物に対して心を開く素振りを見せたりする。  ひたすらそんな二人のやり取りを見せられてある者は劇中のジーナ以上に怒り、ある者は呆れ、ある者は感動する。いつかその感動を分かち合える人々が日本にも増える事を俺は信じたい。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-18 12:29:57)
8.  ラブ・アクチュアリー
絶望的にツマラナイ作品がイギリス映画で、特に最近のは複雑にすれば良いと勘違いしているから更に酷い。ただ、この作品は中々面白かった。 とてもハートフルかつシンプルなラブストーリーで安心して見られるし、理屈抜きに彼らの幸せを祝ってやりたくなる。 ドロドロが苦手という人や、陳腐なメロドラマに嫌気がさしたと言う人に是非とも見て欲しいね。 ただ、登場人物を増やすなら増やした分掘り下げをして欲しかった。ストーリーが解りやすい分、余計なキャラが多すぎて少し集中出来なかったのが残念。 でもお気に入りのジョークがあるぜ。「アメ公はいじめっ子」に座布団をあげたい。流石イーリング・コメディの本場だ、ギャグのセンスが素晴らしい。
[DVD(字幕)] 8点(2014-04-07 19:40:59)
9.  雷鳴の湾 《ネタバレ》 
アンソニー・マンは西部劇でも傑作が多いが、それ以外でも「グレン・ミラー物語」の音楽伝記、「最前線」の戦争、「国境事件」のようなフィルム・ノワール、そして油田を巡る群像劇的様相を見せる「雷鳴の湾」! 石油を巡って海底まで突き進むジェームズ・ステュアートの頭脳と野心が展開されるこの映画。 石油に並々ならぬ拘りを見せる男の痛々しいまでの神経質さ。邪魔する奴は殴り飛ばして海に落とすは、火を投げ込んで爆発もする始末。情熱を燃やす余り狂気地味たものも感じさせる。 海の海老を守ろうとステュアートと対立する海の男たち。海老は彼らにとって、石油よりも掛け替えの無い宝だ。彼らが実際に獲ってきた海老は現実に存在しているが、ステュワートが石油を掘り当てられるという確証は何処にもない。検討はついているが、彼にとっては巨大なギャンブルでもあるワケだ。 そこに出資者やステュワートの行動に反対するジョーン・ドルーと複数の人間が絡み合う。雷鳴の如く轟音を立てて海底を掘り続けるドリル。石油という“雨”を掘り当てるまで止まらない。 その前に押し寄せる海水や人々の襲撃がステュワートたちに襲い掛かる。 ステュワートの行動に「海老」を引き合いに出して反対していた猟師たちが、その「海老」をステュワートの見せられて行動を止めさせられる皮肉。 その刹那、待望の石油が噴出するシーンには鳥肌がたった。思わず「ばんざーいっ!」と叫びたくなったぜ。 最後の最後まで人々の絡み合いを描ききり、ハッピー・エンドもちょっと強引かなと思ったが、たった102分でよくぞここまでまとめたもんだ。  「怒りの河」といった西部劇で敵として立ちはだかる事が多いダン・デュリエが、今回はステュアートを助ける心強い仲間。マンの他作品を見ているだけに「昨日の敵は今日の友」という感じてちょっと感動。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-17 07:36:16)
10.  ラスト・タイクーン
スコット・フィッツジェラルドの「遺作」、そしてエリア・カザンにとっても「遺作」になるとは皮肉なものだ。 1つ違うのは、フィッツジェラルドの原作は未完に終わるが、カザンの映画は未完とされる部分で結末を迎えているところだ。  かつてハリウッドを代表するプロデューサーだったアーヴィン・タルバーグをモデルにしたストーリー。 ロバート・デ・ニーロが相変わらず「誰てめえ」ってくらい名演。 劇中の時代は恐らくトーキー全盛期の1930年代、つまりタルバーグがなくなる直前の最も彼の人生が目まぐるしかった時だ。 物語の主人公モンロー・スター(タルバーグ)は作品を成功させるためなら容赦なくハサミを入れる男。 信頼はあるが、その徹底した商業主義は上層部や監督たちからやや距離を置かれているようにも感じられた。 そんな大物プロデューサーのロマンス、そして破滅。 かつて彼が目をかけた大物女優ディディは「年増」と揶揄されていた。 彼女がモンローにとっての“過去”であり、彼を慕うエドナは「現在」、彼が追うセシリアは彼にとっての「未来」なのだろう。 そんな「未来」は彼のプロシューサーとしての実績に暗い影を落とそうとする。 いや、性格には彼が深入りしすぎたと言うべきか。 どうでもいいけど、例のハゲのオッサンは何度見てもヒッチコック御大にしか見えません。本当にありがとうございます。
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-11 21:19:17)
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