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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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201.  カッコーの巣の上で 《ネタバレ》 
ケン・キージーの原作を元にしたこの映画。 マザー・グースの詩とアメリカ社会の本当の自由を題材にした原作は、インディアンであるチーフが主人公だった。 しかしこの映画の場合、アメリカ社会からツマはじきにされた一人の男「マクマーフィー」が主人公として展開される。 ジャック・ニコルソンの演じるマクマーフィーは単なる「異常者」ではない。 この世の何処にでもいる、社会の常識とやらに「嫌気が差した」男だったのさ。 仕事で面倒を起こし、刑務所での労働を避けた結果、精神病棟送りとなったマクマーフィー。 とにかく彼は「我慢」を知らない。 「頭をヘコヘコさせて長生きするよりは、好き勝手やって死んだ方がマシ」という男なのだ。 ただ、我慢が足りないというだけではない。 病院の規則に縛り付けられた患者に直接話しかけ、直接触れ合う。 時にはトランプや酒を酌み交わし、バスケや釣りといったスポーツで楽しく遊んだり。 言葉で言うだけでは解らない心の交流をしていく。 「精神病」というだけで患者の人間性や自由まで否定することが「治療」なのか? それを訴えるのがこの映画だ。 一見すると社会に拘束される事を拒むマクマーフィーは、協調性の無い非常識な男に見える。 だが、今の何でもかんでも法律でがんじがらめにして枠に中に縛り付けようとするこの世の中。 肌の色が違うというだけで蔑み、同じ言語を話さないというだけでツマはじき。 自分がそうされる立場に追い込まれた時の事など考えもしない。 そんな事が本当に正しいのか? 正しくないのか? それを嘲笑うかのように、言葉と体で訴え続けたのかも知れない(酒に酔って逃げなかったり、気持ちは解るがいきなり首を絞めにかかるのは単なる馬鹿としが言い様が無いが)。 そんな彼にも「運命の時」が訪れる。 勝手に生きて勝手に殺される。 それを覚悟の上で主人公は生きてきたのかも知れない。 いくら肉体が健康でも、心が生きていなければ意味が無い。 世の中には死にたいのに生かされ、生きたいのに殺されるという事が多々ある。 衝撃的なラストだが、「チーフ」にはそれが解っていたのかも知れない・・・。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-11 04:20:44)(良:1票)
202.  ブラック・スワン 《ネタバレ》 
「赤い靴」やチャップリン、そしてジョン・カサヴェテスの「オープニング・ナイト」すら思い出す映画だ。 処女のように清らかな“白”と、情婦のように官能的で挑発的な“黒”のニナ。 彼女の様子はルイス・ブニュエルの「欲望の曖昧な対象」にも通じるし、破滅に向って踊り狂っていく美しさは「赤い靴」の赤い靴に恋をしてしまうヒロインや「モダン・タイムス」の薬でハイになってトチ狂うチャップリンの滑稽さと恐怖を思い出す。 チャップリンも、「赤い靴」のヒロインも、この映画のニナもみんな心から踊りを愛し、何処か狂気地味た動きで魅せてくれる。その狂気が我々の心も掴んで離さないのだろう。ニナの見る幻想(妄想)は正に狂気の沙汰。ニナが文字通り白鳥になるシーンは彼女自身の願望と恐怖の現われ。 普通あれだけヤりすぎると笑いの種に変わってしまうが、それを感じさせないヒロインのニナを演じるナタリー・ポートマンの凄味! 「レオン」やウェス・アンダーソン作品の可愛らしさい彼女も好きだけど、こういう凄まじい女性をやらせても凄いのね。 俺が最初に「欲望の曖昧な対象」の名前を出したのは、あの作品はボディ・ダブルの演出でまるで一人の人間がもう一つの人格を持つような演出が上手かった。 一方、この作品のポートマンはたった独りで女優としても、ダンサーとしても演じきってしまう。「ボディ・ダブルやったんじゃないの?」と疑惑が持たれるほど彼女は観客の度肝を抜いてしまったようだ。 ストーリーでも自分の夢を果たせなかった母親が娘にかけるプレッシャー、ライバルとの競争、闘争心、嫉妬、憎悪。しかしトマも罪な男だぜ。ニナの唇盗んでおいて、ベスの誤解を生んでその誤解がニナを破滅させ…つうかニナだのトマだのベスだの何で二文字ばっかなんだよ、紛らわしい。 ラストは「新手の夢オチ」と捉える人もいるかも知れない。複雑なラストだが、アレはアレで結果的に“自分に打ち勝った”姿なんじゃないだろうか。もしくわ、あの映画そのものが幻想だったのかも知れない。 この作品が気にいらなかったという人も「レスラー」「レクイエム・フォー・ドリーム」は見て下さい。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-10 08:02:48)
203.  リベリオン 《ネタバレ》 
「ガン=カタ」がタイトルかと勘違いしたまま数年、題名が「リベリオン」と知ったのはついこの間。  ストーリーは二の次、スタイリッシュ(すぎる)アクションの連続で魅せる映画。  格闘技の型と飛び道具にも鈍器にもなる拳銃を合わせたガン=カタ。  古くは銃なんて込められる弾も限られる、弾がキレ目の前に敵が迫ればそのまま白兵戦、銃身の先に備え付けられた銃剣でその場しのぎ。  この映画は格闘技において拳や脚で敵を攻撃する代わりに、拳法の要領でガンアクションを極限までスタイリッシュに描く。  暗闇に単騎で途中するシーン、バラバラ敵の弾丸飛び交う中を全弾回避(補正(ry  撃 て ば 勝 手 に 当 た る  しかしグリップから釘?のような突起物を出して敵を打ちのめすシーンは面白い。  日本刀の達人のクセに間合いに入りすぎて刀を奪われるマヌケな男たち、つうかどんだけ日本刀好きなんだよハリウッド・・・。  当たり前だが大健闘の師範。  小腹が空いてストレスを発散したいそこの貴方にオススメのアクション映画です。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-09 23:25:04)
204.  戦場にかける橋 《ネタバレ》 
「アラビアのロレンス」は退屈だったけど、この映画は退屈する事なく最後まで見させてもらった。 といっても、「逢引き」みたいな女性映画のリーンが好きな俺としては、どうしても野郎ばっかりの内容&ラストのオチに引っかかる。 捕虜収容所における日本軍とイギリス軍の心のぶつかり合いと交流、それを押し流すように戦争の現実が迫るスリルに満ちた作品。 軍の命令で軍人の誇りを命懸けで貫く斎藤大佐の意地、部下たちを守るために職務と誇りを貫こうとするニコルソン大佐の意地。 「クワイ河マーチ」を高らかに口ずさむ姿は、ニコルソン大佐たちの抵抗の証でもある。 戦場の縮図とも言える、極限状態の収容所における激しいぶつかり合い。 人間の尊厳、名誉、魂を巡って彼らは言葉を交わす! 銃を持たなくとも戦争は戦争なのだ。 様々な衝突を経て結ばれる「絆」。 「橋をかける」という共通の目的が、立場を超えた「道」を造っていく。 後半はその「道」の崩壊までをスリリングに描く。 収容所を脱走したシアーズ中佐の意地。 「偽物」から「本物」の戦士に成長していくシアーズたちの力強さ、崩壊の足音が迫るニコルソンと斎藤大佐。 3つの「サー」。 どちらも死んで欲しくない、どちらも無事にたどり着いて欲しい、どっちを応援すれば良いのか解らなくなってくる。 劇中におけるニコルソンと斎藤大佐の交流がさらに掘り下げられていたら・・・一層心苦しい気持ちになっただろう。 ラストシーンの皮肉、哀しさ、虚しさ・・・は解るけど、ちょっと腑に落ちない終わり方。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-09 23:23:39)
205.  スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ 《ネタバレ》 
一体何回「クローンウォーズ」の外伝やる気だよ!?  どんだけアナキン好きなのスタッフ!? どんだけジェダイ騎士好きなんだよファンは・・・オマケにTVシリーズも2期以上やるとか・・・正気かよ!?  いいぞ、もっとやれ。  「キャラ映画」の側面もあるスターウォーズは、こういうキャラの掘り下げは極めて重要(オリジナルキャラの多さと雑なストーリー展開はバカヤローだが)。  映画に負けず劣らずのアクションは見もの。 2Dカートゥーンの絵が苦手という人も、実写の質感に近づいたCGアニメーションなら大丈夫だろう(新三部作なんかCGのオンパレードだし)。  つうか手書きよりCGの方が映像がソフトってどういう事だよ・・・。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-09 21:54:24)(笑:1票)
206.  ランボー/最後の戦場 《ネタバレ》 
「最後の戦場」・・・はまあ解る。でも「4」って付けても良いよね?  原題なんかただ「Rambo」だぜ?ナメてんの?  まあソレはさておき、ベッタベタの展開だが嫌いになれない「ランボー」シリーズ。  ますます野生児になっていくランボー、 とりあえず戦場、 とりあえずランボーに助けられる馬鹿な傭兵ども。  「ザ・ファイナル」みたいに息子も亡き妻も出ない、四角いジャングルじゃなくミャンマーの密林が血に染まる。  あまりに傭兵どもが鈍い(いやランボーがチートすぎる)、ラスボスがホモなんて頭がアッー!  ランボーに機銃掃射される敵がミンチより酷い状態に。  無敵のランボーをバンブー(竹)が倒すとは・・・(撮影秘話)  総てが終わった後に旧友を訪ねるシーン。 初代「ランボー」を思い出す良いシーンだった。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-08 23:52:10)
207.  アビス/完全版 《ネタバレ》 
この頃のキャメロンはマジで神。 「エイリアン2」や「ターミネーター」なんか娯楽の醍醐味が凝縮された傑作だし、「殺人魚フライングキラー」は色んな意味で最高傑作だと思う。 「タイタニック」なんてお粗末な映画を撮ったことが未だに信じられない。  本作「アビス」も悪くない出来だと思う。 確かに無駄に長いが、潜水艦によるスリリングなバトルの数々。未確認生命体・未知の敵との戦闘はスピルバーグの「ジョーズ」を思い出す。更には潜水艦という密室の恐怖。敵に殺されるか、自分で自分を追い詰めてしまうか。 後半の怒涛の追い込みは凄かったけど、詰め込みすぎていて余裕を感じられない。尺の長さもかなり脚を引っ張ってしまっている印象。 それでもキャメロンファンにはたまらない作品だろう。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-08 23:48:49)
208.  群衆(1941) 《ネタバレ》 
悪い映画じゃない。 キャプラらしいコミカルで心に響く映画だ。でもゲイリー・クーパーは「オペラ・ハット」の方がチャーミングな上にカッコイイ。  それにキング・ヴィダーの「群衆」を見た後だと、やっぱり普通の作品に見えてしまう。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-08 23:46:14)
209.  ランボー 《ネタバレ》 
当時のヴェトナム帰還兵の現状と苦悩を描いた映画だが、他のその手の映画と違うのは帰還兵がアメリカでブチ切れて暴れるという点。 他には「エクスターミネーター」や「タクシードライバー」がその部類。 ヴェトナムで戦い英雄と呼ばれた男が、故郷で不遇の扱いを受けて暴行されたらどうなるか? 「地獄の季節」の詩人ランボーも、まさか同じ名前の人間が機関銃持って地獄のように暴れまわるなんて夢にも思わなかっただろうね。 本当に怪我してる傷口を自ら縫うわ、崖からダイブなんて平気でするわ、スタローン様々。 ヴェトナム時代の旧友を訪ねて旅を続けるジョン・ランボー。 彼らへの風当たりはまだまだ強く、街に入れば即厄介者扱いだ。 オマケに今度の街は「妖しい身なり」「汚い格好」というだけで警察に連行され、強制的に洗いざらい調べられてしまう。 本当に汚いのは、権力を乱用するこういう連中の事を言うのかも知れない。 確かに最初は「警告」で済ました。 ただ、それを無視しただけで逮捕というのはいかがなものか。 警察の拷問に近い取り調べで、ヴェトナム時代のトラウマがフラッシュバック、そして堪忍袋の尾が弾け飛んだランボーは警官どもをぶっ飛ばして盗んだバイクで走り出す。 警察は意地と執念で追跡開始。 残念ながら、先に手を出してしまった彼らは無傷では済まなかった。 山に入ればランボーの“テリトリー”なのだ。 ヘリまで撃墜されて散々な目にあった警察一行。 命からがら(ランボーのレベルだと余裕の内か)脱出したランボーは、重装備で街に侵入。 こうなると誰にも止められない。 ランボーを拷問した署長であるが、どうしてそこまでランボーを目の敵にしたのか。 息子を戦争で失ったからか、それとも朝鮮戦争の元軍人(これは原作小説の設定)として同情を禁じえないがためなのか。それは解らない。 だがこっちにも意地がある。 街の治安を守るという正義心が、逃げることを許さない。 その気持ちがランボーに正しく向いていれば、いま頃こんな事にはならなかったのかも知れない。 壮絶な一騎打ちの末、そこに現れたのは何とランボーの上官であったトラウトマン大佐。 「もう終わったんだよランボー」 「いいや何も終わっちゃいない!」 戦場から帰ってまで不当な扱いを受けるランボーたちにとって、あの戦争は未だに心の傷として残り続ける。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-08 23:04:40)
210.  勝利への脱出 《ネタバレ》 
第二次大戦の捕虜収容所。 実際に起きたドイツ空軍vsディナモ・キエフ捕虜収容所の面々によるサッカー対決。 「親善試合」と銘打たれた試合の裏で、ドイツ軍のメンツ、連合軍捕虜たちのプライドをかけた熾烈な戦いが始まる。  命懸けの脱走、 レジスタンスとの協力、 情報収集、 そしてサッカーの特訓。 戦争映画としてもスポーツ映画としても楽しめる。  勝てば死、負ければ誇りを失う。 死ぬか生きるかに追い込まれるディナモ・キエフたち。 それでも彼らは戦いに身を投じる。 最後まで諦めずに。  クライマックス、民衆が作り出す選手たちを守る“河”!
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-08 22:13:40)
211.  ある戦慄 《ネタバレ》 
アメリカ社会の縮図を電車の中に詰め込んだサスペンス。こんな変な電車ジャック見たことねえよ。  ファーストシーンの長回しが面白い。DQNの男二人が路上で犯罪を犯す場面。 そしてオープニングの電車。  電車に乗り込む人々はそれぞれに虚栄を身にまとった男女ばかり。 家族、夫婦、バカップル、若者を嘆く老人、独身サラリーマン、軍人、黒人差別・・・アメリカ社会の光と闇が1本のレールに集う。  そこに乗り込んでくる冒頭のDQNコンビ。電車の中でDQNコンビはやりたい放題だ。  ただ、この二人は掴みかかりはするが直接的な暴力はほとんどしていない。代わりに「言葉の暴力」で電車に乗り込んだ虚栄たちを挑発し、引き剥がしていく。 現代社会にもありふれた生々しい人間模様。密室、力による抑圧が人々の本心を暴き立てる。 「俺たちが何した?言葉の暴力だけで手はまだ出してないぜ?」ホームレス?のオッサンへの放火未遂はあるがな。  二人のDQNコンビの目的はよく解らないが、とにかく「楽しめれば」何でもよいのだろう。罵られる彼らが黙って耐える姿を嘲るだけでいいし、耐えかねて“殺すか殺されに来る”ことも期待している。まるで子供にように幼い、純粋な発想。だがシンプルが故に人の心をえぐりやすい。 我々観客はナイフを突き立てられる乗客と一緒に恐怖に怯え、怒りを覚える。あるいわ、DQNの立場にたって人々を嘲笑う快楽に浸るか。貴方はどっちでしたか?  次々と化けの皮が剥がれていく人々だが、俺が唯一感動したのが黒人夫婦の時だ。 「誰が傷つけられようが知らんね」とほざいていたオッサンが、妻のために握り拳を抑える場面。腐っても夫婦だねー。悔しくて泣きじゃくるオッサンの顔がたまらん。  それを嘲笑うのではなく、黙り込んだDQNコンビには驚いた。嘲る・・・というよりは本音が聞きたかっただけなのか。それは解らない。  終点に向う間に行われる“決闘”。若き軍人は「先に手を出したら負けだ」と解っていた。いや脳味噌は解っていても、肉体と魂はDQNどもをブチのめしたくてしょうがない。怪我をした友人を侮辱されたから?違うね、本当にそう思うなら侮辱された時点で彼はDQNたちに殴りかかっていた筈だ。ナイフなど恐れずに。死ぬのが怖かったのか。逆に殺してしまうのではないかという恐れからか。とにかく、二人の男は覚悟を決める。向かい合い、ナイフをバチッと出す瞬間に奔る“ある戦慄”・・・。 電車から解放された人々の表情が何とも言えない幕引きだった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-08 21:55:13)
212.  八月の鯨 《ネタバレ》 
リリアン・ギッシュとベティ・デイヴィスが静かな老後を過ごす姉妹を演じる。 物語は穏やかな海のごとく淡々と静かに進む。 70、90歳にしては若々しい元気なこの姉妹。 息子や娘の事、夫の事、昔の思い出などのんべんだらりと語らい合う。 姉は目が見えずやや疑心暗鬼でビキビキ、 妹は軽く流して姉の髪をクシでとかす。たまりかねて怒る場面もまた良い。 二人は外に拡がる海のように静かで激しくピンシャカ喋りまくる。 何だかんだいって仲直りするラストはとても心地が良かった。  往年の名女優二人の夢の共演なのだが、敷居を高く感じない、親しみやすい二人の晩年の姿を拝める素敵な映画。  女優一筋を貫いた二人の姿は、弱々しい衰えを感じさせない力強さを感じた。  俺も歳を取るならこういう取り方をしたいもんだ。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-08 21:54:00)(良:1票)
213.  スピード(1994) 《ネタバレ》 
タイトル通りスピード感溢れるバトル、チェイス、スリルがてんこ盛りなアクション映画。   でも言うほど“スピード”って映画ではないよね。むしろスピードよりも爆弾のジリジリとした緊張がある感じ。  ちょいとご都合主義的なシーンも多少あったが、冒頭からエレベーターにおける必死の救出劇、ハイウェイを爆走するノンストップバス、爆弾魔と警察の駆け引き、地下鉄の大脱線、そして最高にハイッなデニス・ホッパー!! 俺の金が~!金があああぁぁぁっ~!!ドカカカカカカカギャー首がー!!! 今まで馬鹿にしててゴメンよホッパー「さん」。  最終局面は二段構えで面白いんだけど、あのタイミングで彼女が都合よくねー・・・何か無理やり「ハイとりあえず捕まって盛り上げてね」という感じがしてそこだけ解せない。  まあそんな「しょうもない」事は、途切れたハイウェイをバスでジャンプする名場面をもう一度見て水に流すとしよう。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-08 21:52:21)
214.  限りなき追跡 《ネタバレ》 
ファーストシーンの馬車馬の力強さ! そこにこの映画のエネルギーを感じた。 カット割りが良いね。  テクニカラーでウォルシュ映画を堪能できるだけでもありがたい。  ラオール・ウォルシュはサイレント時代からキャリアを積んだベテランだが、娯楽映画がメインで歴史ガン無視映画も多い。  しかし「ハイ・シェラ」や「死の谷」などドラマとアクションが秀逸な出来の作品もまた多い。  本作は「死の谷」と比べるとドラマ面は微妙だ。  南北戦争後の暗い影に囚われ気味のベンとそれに不安を抱くジェニファー。 強盗団のストレインはジェニファーをさらうが、ジェニファーの清純さに心打たれ足を洗おうと心がグラ付く。 しかし根本的には悪から抜け出せず。 彼女を好きになってしまったストレインはベンの存在を知り「ジェニファーは俺の女だ」と偏執的な感情でベンに銃口を向ける・・・てなんじゃそりゃ。 ジェニファーもスッキリしない性格。 典型的な「無自覚の性悪女」だった。  ヒロインがさらわれる映画って対大概「安いヒロイズム」ばっかで面白くない。 本作も下手するとその領域だが、そこはウォルシュ監督の力量で誤魔化されたような気がする。  構図やアクション、リズムは申し分ないだけに、ドラマの説得力が無く残念。  同じ史実よりアクション重視の「壮烈第七騎兵隊」の方がまだ説得力はあったかな(面白さもダントツ)。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-07 20:23:27)
215.  アフリカの女王 《ネタバレ》 
セシル・スコット・フォレスターの冒険小説を映画化。 舞台は第一次大戦下ドイツ領アフリカ。 宣教師の兄セイヤーと妹ローズとオンボロ民間船「African Queen号」船長チャールズ3人ののどかなやり取り、 戦争によって焼かれる村々、 理不尽な暴力に抗おうと立ち上がる男と女の冒険活劇! 序盤は淡々と話が進むが、徐々に盛り上がっていく演出は見応えがある。 一本の河を通じてアフリカの雄大な自然を突き進む面白味。 そしてラストの「おい嘘だろ(笑)」と思わず言いたくなる衝撃のクライマックス!  今作のハンフリー・ボガートは、いつも漂うキザったらしい嫌らしさが無い。 飾らないで自分をさらけ出したありのままの人間像。 死を目の前にして、愛する女のためにあんな事を言い出せる。 いやあ「漢」だねえ~。 髭面でも男らしい匂い漂うボガートの味のある演技は見もの。 キャサリン・ヘプバーンも良い。 アフリカに兄と二人で布教にやってきた力強さ。 兄の仇を討たんと男勝りに行動できる勇気が出てたね。 この頃はもう良い歳したおばさんなんだけど、髪をパラッとした時のあの色気。 子供みたいに元気でシャキシャキ動く姿は若々しさがあって美しい。 敵の戦艦「ルイザ号」の船長を演じるセオドア・ビケルも面白い役どころ。 さらには過酷を極めるアフリカでのロケ。 二人とも倒れそうにヨレヨレなんだけど、「こんな事で負けてたまるか、一矢報いるまでは死なねえぞ」と気迫に満ちた表情。 それもそのはず、監督のジョン・ヒューストンがスタッフそっちのけでハンティングに熱中。 「人の苦労も知らんであの野郎!てめえもこの魚雷で沈めてやるぞゴラアアアッ!」とスタッフも希薄に満ちた演出をこなす。 特にジャック・カーディフの執念に満ちたカメラワーク! 激流を撮る撮る撮りまくる! 「赤い靴」や「黒水仙」で発揮したカメラをここでも発揮しているのは流石である。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-07 20:22:07)
216.  ダンス・ウィズ・ウルブズ 《ネタバレ》 
「ワルド・レンジ」は延々とグダグダやってラストの銃撃戦だけ凄い(それも長々ダラダラ)だったが、この映画はフツーに良い作品だったでは無いか。 今まで「真昼の決闘」だの「シェーン」だの「大いなる西部」といった西部劇で期待を裏切られてきたが、この作品は上映時間が長い代わりにそれらの映画よりも遥かに素晴らしいものを味わえた。 かつてジョン・フォードがインディアンに原語で喋らせようとした夢を叶えた演出。 ラオール・ウォルシュの「ビッグ・トレイル」や「遠い太鼓」「遠い喇叭」、シドニー・ポラックの「インディアン狩り」以上に深く切り込んだインディアンと白人の関係の描写。 とにかく澄み切った美しい映像…ケビン・コスナーを誤解していた。 西部劇としても、ラブストーリーとしても、戦争の虚しさを描いた作品としても見れる。 白人とインディアンのバッファローの狩り方の違いが印象深い。 異文化だからといって争い合う必要なんて無い。 自分には無い物からこそ人は学ばなければならない。ちょっと説教臭い話もあったけど、こういう事がいかに大切かを思い出させてくれる。 主人公はアメリカ社会に染まりきれず、インディアンとの共存も中途半端に終わってしまった一匹狼。 だが現実の狼は一匹では生きられない。 狼も群れなければ厳しき自然を生き残れないのである。 主人公は狼と共に生きて来た。 彼の共存本能は狼と共に始まっていたのだ。 しかし結局主人公はどちらにも染まりきれず、愛する人と雪山の中へと消えていく。彼らはどうなったのだろうか。 「西部開拓史」のように山間のインディアンと交流を結んだのか、それとも・・・彼らの行方は誰も知らない。 これ本当にコスナーの作品? コスナー“さん”と呼んでもいいですか?この作品だけ? そしてこの後のコスナーさんはどうしてコスナー(失望)になってしまったのか。 とにかくコスナー敬遠している奴は絶対見とけ!
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-07 16:37:09)
217.  チャップリンの醜女の深情け 《ネタバレ》 
もう100年も前の映画だが、この頃から現代の映画に繋がる洗練された笑いが完成されつつあったと・・・それを味わえるだけでも充分感動。 本作は「キーストン・コップス」物のドタバタ喜劇の傑作の一つだと思っている。  「醜女の深情」はチャップリンのために書き下ろされた作品ではあるが、チャップリンに完全な主導権はない。何処まで行ってもマック・セネットとキーストン・コップスの狂騒が待ち構えているのです。 ラストまで出番が無い「キーストン・コップス」の面々も暴れる瞬間を待ちに待っている。  本作に散りばめられたギャグは本当に下品なネタが多い(褒めてる)。 画面上で小刻みにギャグを挟んでくるやり取りはジワジワした笑いが来る。 終盤でコップスの面々が次々に海中に落ちる場面は笑いを通り越して彼らの安否を気遣ってしまうほどだ。サイレント映画の狂気地味たスピードよ!  チャップリンが太った彼女と美人の彼女の間でコロコロ揺れ動く様子が面白い。 初期のチャップリンは本当小悪党だな~。  キートン、チャップリン、ロイドを制覇する前に是非とも見ておきたい作品です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-07 16:16:25)
218.  西部開拓史(1962) 《ネタバレ》 
この映画は正に原点回帰。 南北戦争以前からアメリカ大陸に渡った開拓者たちの生き様を雄大に描いた歴史劇。 特に南北戦争以前の時代から西部開拓時代を描いた作品は貴重。 美しくも厳しき大地、 原住民インディアンとの交流と反発、 牧草地を駆け抜ける牛の群れ、 保安官たちの死闘・・・様々なドラマを詩情豊かに映していく。 2時間45分という長さだが、ストーリーは全5部、休憩を挟めば前・後編と観れるので区切りの良いところで休憩できるのがミソだ。 1,2,5部はヘンリー・ハサウェイの活劇精神、3部をジョン・フォードの戦争ドラマ、4部のジョージ・マーシャルやリチャード・ソープの演出など見所も盛り沢山。  ただ、西部開拓時代の負の部分の描写が少し物足りない。 五世代に渡る積み重ねでドラマの見応えはあるが、ラストの保安官のエピソードはもう少し見たいところ。 南北戦争で生き残り、そこからどの様にして保安官になったか・・・それとライナスとリリスの姉がいかにして結ばれたかもリリスの話と並行して見たかったかな。 そういう過程をもう少し描いても良かった気がする。もう40分話が観てえええっ! ほんのちょっとだけ出るジョン・ウェイン、二度目の出番が仏というジェームズ・ステュアートと扱いが少しぞんざいだった人物も少なくない。 しかし、長きにわたって力強く生きたリリスの存在は魅力的だ。 デビー・レイノルズの活き活きとしたエネルギーに満ちた演技は素晴らしい。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-07 15:58:02)
219.  シャーロック・ホームズ/シャドウ ゲーム 《ネタバレ》 
前作よりは躍進。 野性的なシャーロック・ホームズと新婚を丸ごと潰される可愛そうなワトソンのデコボココンビが駆け抜ける「シャドウ ゲーム」。  冒頭から元カノと接するようにアイリーンと再会&ヘビーな野郎共との殴り合い、石棺が頑丈で良かったねというギャグシーン、コサック兵との壮大な鬼ごっこが楽しい。  互いに二手、三手先の組合を“構築”してから一瞬の戦いを引き立てる演出も悪くない。  あんな冷たい水に思いっきり叩きこまれただけで心臓マヒを起こしそうだが、本作のメアリーはモースタン大佐譲りの武闘派?でタフで頭も中々キレて伊達に軍医の嫁じゃなかった。でもアイリーンや占い師と比べると余計に美人という顔はしていない。原作はワトソンが無条件降伏するほどの美人だったというのに・・・。  ラッセル・クロウが演技が物凄く上手いジョン・ウェイン(顔立ちと存在感が似ていると思っただけです)に見えてきた俺は末期かも知れない。兄貴も隠れ格闘キャラだったりして(「シンデレラマン」のボクサー)。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-07 14:58:32)
220.  ロボコップ(1987) 《ネタバレ》 
全身機械のサイボーグ「ロボコップ」が凶悪犯を相手に叩き続けるSFロボットアクション。  男は死んだ、だが魂は今も生き続ける・・・!  一見冷徹なロボ、だが人と触れ合う事でかすかな「温もり」を取り戻そうとする・・・。  妻のため、市民のため、同僚のため、そして自分のために今日もロボコップは戦い続ける。  結論:バーホーベンの悪趣味さえ無ければもっと評価されていた筈。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-06 15:20:50)
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