461. ネバーランド
《ネタバレ》 いつまでも少年の心を持ったジェームズ・バリが「ピーター・パン」を完成させるまでをちょっとコミカルに描いているモノかと想像していたけど、まったく違いました。私の想像力は貧相でした。そんな薄っぺらなモノじゃないですよ、コレ。前半はどことなくティム・バートンを思わせるけれど、ケイトが倒れるあたりから徐々に様相が変わっていく。幼い子どもたちが父親だけではなく、母親までも・・・コレが私の泣き所なのよ。自宅でのお芝居のシーンからラストまで涙腺は緩みっぱなしでした。まさか泣くとは思わんかったぁ。所々挟み込まれる「ごっこ遊び」。想像しながら遊ぶということの楽しさを思い出させてくれました。そんな心をいつまでも持ち続けているジェームズ、けれど「叶わぬこと」はキチンとわかっているのね。基本の部分が確立されているからこそ、優れたモノが生み出せるのだと思う。そしてジョニーをはじめ、そうそうたる顔触れの俳優たちの抑えた演技はなかなかのものです。なにか場違いじゃないか?と感じたダスティン・ホフマンですけど、かつてのフック船長ですからね、いて当然と納得。出番は少ないけれど印象的なキャラとして残るのだから流石です。ホフマンってイイ人なんだろうなあ。ピーター・パン役で雰囲気、顔立ちがケイトに似ているケリー・マクドナルドが出てきたときにはジェームズのシルヴィアに対する想いが伝わりました。最初の予想よりはるかに満足できた作品です。ジプシーになろうがジャンキーになろうがタキシードを決めた英国紳士になろうが、なんでジョニーはあんなにセクシィなんでしょ^^永遠のまい・だーりん。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-05-07 17:20:30) |
462. ブロークン・フラワーズ
《ネタバレ》 個人的にはジム・ジャームッシュは当たり外れの激しい監督。でもコレは面白かった!かなりツボでした。ほんとに金持ちなのか?と思わせる居住地の雰囲気と自宅、隣人のウインストンのオタクなお節介、「ピンク」へのこだわり、二本ラインのジャージ、あの息詰まるような夕食。訪ね歩く過去の女たちというのがまったくちがうタイプというのもいいね。ジェシカ・ラングの死んだ愛犬が黒毛のうえに名前がいい、ジョンストンにジョンソンと全編にちりばめられた「ネタ」のおかしさよ。シャロン・ストーンが登場した時のヴィトンのバッグとサックスブルーのジャケットを見てちらりと「カジノ」がよぎりました。諦め、無気力、無愛想、無感動の中にフっとしたおかしさのあるビル・マーレーの芸風が最近好きになりました。 [映画館(字幕)] 8点(2006-05-02 23:16:46) |
463. エントラップメント
先ごろ引退を発表したショーン・コネリーが泥棒役、相手はおやじキラーのキャサリン・ゼタ・ジョーンズ。コミカルでニヤリとできる粋な映画を期待したんですけどねえ。オープニング20分ほどでコレはハズれたと確信した。なんでだろうと色々考えたけど、わからない。だけどどーにもこーにも面白くないのよ。テンポとか流れが悪いといいますかね。まったく入り込めませんでした。。。監督の経歴を見てなんとなくわかった「コピー・キャット」「ジャック・サマースビー」を手がけているのね。つまり、粋とか洒落っ気とかブラックユーモアを上手く表現できる人じゃないのかもね。。。面白い映画かそうじゃないかって、だいたいオープニングから20分くらいでわかる。たま~に進むににつれてのってくるものもあるけど。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2006-04-27 14:04:08) |
464. カサブランカ
決して、いえ絶対にハンサムとは言えないハンフリー・ボガートなんですけどね、演じたボギーはストイックな大人の男、男が粋な男の美学を学ぶっていう点では最高峰ではないでしょうか?ピカピカのキザ男の代名詞にもなってますけど。でも「知らない、わからない、忘れた」ばっかり言ってると愛想尽かされちゃいますよ(笑)男に何か質問した時に返ってくる三大言語ってコレじゃないか??ボキャブラリー貧しすぎです(笑)製作された時代が時代ですから今観ると物足りなさを感じることは否めないとは思う。訂正:ワインじゃなかったぁ、占領地のヴィシー水のびんね、ゴミ箱に捨てたのは。こういう演出がたまらなく好きだけど、うろ憶えじゃなくてちゃんと確認してから投稿しないとだめね^^ [地上波(吹替)] 7点(2006-04-18 14:56:46) |
465. 明日に向って撃て!
やっぱりこれは名作でしょ。なんといってもセリフが粋だし、余裕を感じるウィットに富むシーンが随所にあるのね。最近のCG使いまくり、無駄な音響効果に頼った娯楽作品とは比べ物にならない。ただねえ、邦題なんですけどー私はこの邦題にはセンスのかけらも感じないんですよ、それが惜しいわね。「雨にぬれても」のシーンが印象的、でもあのラストだわ、私としてはすごい衝撃でしたね。観終ってもしばらく動けなかったです。強盗は悪いことなんですけどね、わかっていながらも客観的にひたすら男のロマンを語った映画。 [地上波(吹替)] 10点(2006-04-16 12:43:20) |
466. 卒業(1967)
公開当時は日本も若者が社会や体制に反発してなにかと騒ぎが起こっていた時代だったのかしら?アメリカン・ニューシネマ世代のための辛口青春ロマンスかな?まあ、時代が時代ですし、ウブな優等生ぽいベンの行動に共感した人、ちょこっと憧れた人も多かったのかもね。なにせあのラストシーンですからね、十字架を差し込んでドアを開かなくするっていうのがウレシイといえばウレシイです。でも今冷静になってみるとですね、ムチャクチャなことやってるのね。母親とその娘両方ですよ、しっかり親子どんぶりしちゃってるわ、娘を追いかけまわし結婚式に乱入ですから。救いといえば、バスに乗り込んだベンとエレーンには笑顔がないことね「大変なことした、これから先は・・・」ていうような表情がよいです。ラブラブハッピーそのもの二人だけの世界みたいなラストだったら完全にバカですよ。サイモンとガーファンクルの曲の功績、効果も大きいと思う。 [地上波(吹替)] 7点(2006-04-07 19:14:44)(良:1票) |
467. コラテラル
《ネタバレ》 またしてもトム・クルーズが突拍子もないことやったか、なんて思ったし一般市民が経験する一夜のナイトメアを派手に見せるだけかと想像したけど違ってました。助演でオスカーですか?ここでの主演はジェイミー・フォックスでしょう。そしてマイケル・マンの描く男の世界、男同士の駆け引きは魅力的です。セリフがいい、音楽もいい。特にタクシー内での会話のシーンは洗練されていて素晴らしい。冒頭のマックスとアニーの会話のシーンでコレはハズレじゃないと期待しました。ヴィンセントとマックスの人物描写、キャラクターもしっかり描かれている。しかしトムは器用というかなんというか、想像以上のキレのよさ、常に緊張感が漂う役作りには感心いたしました。あのクラブでの銃撃シーンではチョウ・ユンファの「リプレイスメント・キラー」を思い出したけど(笑) プロの殺し屋ヴィンセントの仕事へのこだわり、美学とド素人のマックスがなんとか逃れようと必死の抵抗を試みる様。そのマックスの「必死の抵抗」が可笑しい、しかし可笑しいだけではないのね。目の前の苦難から逃れることしかしようとしないマックスの姿ね。そして自分の仕事、人生に能動的か受動的か、これがこの映画のテーマだと思う。仕事の依頼人であるボスの前に出た時にヴィンセントの真似事とも感じるけれど初めて見せるマックスの意思と能動的な行動、けれど最後の標的がアニーと知った時完全に自分の意思で行動するマックス。プロには予想できないド素人の切羽詰った捨て身の行動。プロのヴィンセントのたったひとつの誤算はパートナーにマックスを選んだことなのでしょう。マイケル・マンの作品に出てくる男はみんなカッコイイ。無駄なシーン、無駄な人物が出てこないしラストまで寄り道しない一貫性を感じる作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-03-31 12:30:57)(良:1票) |
468. ボーン・スプレマシー
《ネタバレ》 あーやっぱり監督変えちゃいかんでしょ。あらすじ、展開以前の問題です。前作のあの心地よい不安げな雰囲気がすっかりなくなってしまったじゃないか。とにかく映像がよくない、色彩がよくない、カメラワークは最低だ。アクションシーンなんてブレちゃっててせっかくの見せ場が台無しですぅ。誰だっ!ポール・グリーングラスぅ??知らんがな、なんかふざけた名前ですねぇ。それにしてもフランカ・ポテンテはいったいなんのために出てきたんだ?早すぎでしょう。スタッフが変わるとこうも作品の質も変わるのかという見本になってしまいましたね。どこがよかったかといえばラストね、シャープな終わり方でした。エンディングの曲が前作と同じなのがウレシイ、シブくていいわ。好みです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-03-30 12:11:36) |
469. Ray/レイ
監督のテイラー・ハックフォードには裏切られることのほうが多いのであんまり期待はしてなかった。それがよかったのか、伝記モノとしては無難な仕上がりだと思う。映画の内容よりもとにかくジェイミー・フォックスのそっくりぶりに感心感動です。ピアノを弾いている時の肩の線とか動き、歌う時の口の開き方とか、もうレイ・チャールズそのものじゃん。スゴイ!!のひと言です。そしてですねえ、まわりにいる女が強くたくましい。優しさと甘やかしはちがうんだよね。女がしっかりしている分、音楽以外ははっきりいってだらしないレイ・チャールズも描かれてましたな。レイ・チャールズを知らない、聴いたことないっていう人にはつまんないかもね。点数のほとんどはジェイミー・フォクスのそっくりぶりに対するものです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-03-14 12:21:38) |
470. チャーリー(1992)
チャップリンの伝記モノとしては表面をなぞっただけみたいな感じであることは否めない。でもやはりチャップリンを演じきったロバート・ダウニー・Jrは素晴らしいと思う。チャップリンは恋仲だった女優と別れたあとも仕事の有無に関わらず、一生その彼女に給料を支給し続けたと聞きます。そういったチャップリンの器の大きさ愛情深さなど人となりがもっと語られていたらなぁと。実際のアカデミー授賞式を見たけど、会場の全ての人たちがスタンディングオベーションでチャップリンを迎えてた。毎年授賞式は見てるけど今まで見た受賞シーンの中でいちばん感動した。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-03-08 22:49:39) |
471. 誰かに見られてる
《ネタバレ》 トム・ベレンジャーのピークといっていいころの作品かな。サスペンスとしてはイマイチ印象弱いです。護衛についたミミ・ロジャースと浮気しちゃう、でも奥さんがイヤになったわけじゃないから罪悪感を感じながらもついつい欲望には勝てないベレンジャー、あの切ない目がよいワ。頼りがいがあって、強くて守ってくれて、その上セクシーな男となりゃしょうがないなあなんて思いますよ。ああ、でもここでも「危険な情事」同様、最後にカタをつけたのは奥サマでしたね。へ~これリドリー・スコットなんだ、そのわりにはスケール小さいというか、らしくないですね。どっちかというと、こういうのはトニー・スコットのほうが職人技利かせてくれそうな感じ。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-03-08 22:30:41) |
472. オーガズモ
コレ近所の人が録画したのを「くだらなすぎて面白いから観ろ」と薦められて観た。ほんとにくだらない、くだらなさ過ぎるけどけっこうハマる。モルモン教が絡めてあるのがいいんじゃないか?やっぱりなんですか、アメリカでのかの宗派はああいった認識があるのでしょうか。かなりおちょくられてマスね。アタマからっぽにしたい時はこういうのがいいのかも。 [ビデオ(字幕)] 5点(2006-03-06 13:40:51) |
473. 白い家の少女
かなり前に一度観たきりだけど、ラストシーンは今でもはっきりと覚えてます。アイスブルーの目とブロンドのクールビューティ、ジョディのハマリ役でしたね。なにがなんでも自分の世界を守ろうとする姿が痛々しかった。でもコレを観たころは多感な思春期のわたし。一方でこういう世界に憧れみたいなものも感じたな。誰にも邪魔されない自由で隔離された場所ね、現実には無理。だから時々空想することはある。 [地上波(字幕)] 7点(2006-03-02 21:23:37) |
474. 光の旅人 K-PAX
今知ったけど「バック・ビート」もこの監督なのね。アレと比べると映画監督として成長したことはうかがえる。でもねぇ、この雰囲気は合わなかったです。SFファンタジーなのはわかるけど、娯楽性はなくどこか哲学的。問題提起しているものはな~んとなく分かるような気もするけど、それが鮮明にはっきりとつかめないとでもいいましょうか、難解でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-03-02 21:09:13) |
475. ナッシング・トゥ・ルーズ
これだからティム・ロビンスが好きだ。あの憎めないキューピー顔、コメディもシリアスも善人も悪人もOK。貴重な俳優だと思う。ドタバタのロードムービーといっていいのかな。ハズしたかななんて最初は感じたけどなんのなんのラストまで楽しく観ました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-02-28 20:19:24)(良:1票) |
476. NYPD15分署
アジアの帝王ユンファの英語が上手になってた。欧米人の中に入っても引けをとらないあの体格の良さはハリウッドでやっていくのに有利でしょうね。善良だけどワケありのダークな刑事というのもソソりますな、セクシィです。ユンファの魅力はですね、角度、表情によってやんちゃ坊主のようにも見えるし、哀愁漂うシブイ男にもなるとこかな。大好き!!片手で卵が割れるんだよ、私はできません。と、ユンファはよいのですけどね、映画としてはなんていうんだろう全体的に安いのよ。やっぱりさぁ、チャイナタウンの時期支配者を狙うあの若い子たち、なんかそこらへんのチンピラヤンキーにしかみえないのよね。「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」の時にも思った。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-02-28 20:11:35) |
477. 13デイズ
《ネタバレ》 最近「パークランド」を観たんですが、ちょうどスターチャンネルで「13デイズ」を放送してまして、ケネディの側近ケネス・オドネルを演じてるのはケヴィン・コスナーだったはずだと思い再見しました。そしたらなぜか初見時とは全く違って長い映画なんですが、飽きることも退屈することもなくすっかり見入ってしまった。なので書き直しです。 やはり映画はその時の状況や環境で感想も変わってくる場合があるんですよね。15年ほど前の私には退屈だったのよね。 多少の脚色はあってもアメリカの視点からではあってもキューバ危機、つまり核戦争を阻止したのは事実であり、ケネディと優秀な側近たち、好戦的な統合参謀のやり取りなどかなり真剣に見てしまいました。 アメリカという国は敵がいることで成り立っているというところがあるようで、敵とみなしたらとにかくぶっ潰す、戦争をしたい人がいるわけですね。問答無用で空爆って開戦てことですし。 この1年後にケネディ大統領は暗殺されてしまった、どうしてこの人が・・・という疑問が抑えられなくなるんです、私。 そして弟のロバートも大統領を目指した途端に暗殺されてしまった。陰謀説が出てもおかしくないわね。 で、ケヴィン・コスナーなんですがこの頃って主演作品がぱっとしないというか落ち目になってた頃だったと思う、この作品で久しぶりに本領発揮という感じだったと記憶してます、コスナーはやっぱりアメリカの良心、正義といった具合の役柄が合ってる。国防長官もかなり良かったです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-02-28 15:20:11) |
478. 追いつめられて(1987)
追い詰められたコスナーが戻っていった場所・・・あれ~っ?!て感じですかね、少々出来すぎのオチだったけど、制服姿のコスナーがムチャクチャかっこいいからいいや。それほどの大作ではないし、最初から期待しすぎずに観たのがよかったかも。でもショーン・ヤングの役どころがチト気の毒。キレイなのになんでか役に恵まれない、ハジキきれない女優という感じ。車イスのジョージ・ズンザも毎度のことながら気の毒でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-02-28 14:53:28) |
479. ピースメーカー
役者がちがうだけで、ハリウッドにありがちな作品でした。「トータル・フィアーズ」よりはマシだけど。これといって印象に残ってるものはないです。東欧の妻子を亡くした男が復讐を決意する、観客の同情をあおるようなことしといてラストはああですか。その上クルーニーとニコールがその後デキちゃうみたいな終わらせ方はあんまりじゃないですか。だからミミ・レダーはあんまり信用できない。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-02-25 16:50:16)(笑:1票) |
480. 大災難P.T.A.
《ネタバレ》 「危険な情事」と一緒に観ました。面白かったぁ!ただ当然のように家に帰ろうとしてるのに、その帰路の長いこと困難なこと。それでも帰る家と待っていてくれる人のある人とそのどちらもない人。ラストでそれが分かった時の切ない気持ち。あれだけ笑わせといてずるいなあ、うまいなあと思った作品です。 [映画館(字幕)] 8点(2006-02-25 12:01:49) |