461. チャップリンとパン屋
《ネタバレ》 パン屋での騒動と職人達のストライキをめぐる内容。 ストライキは「舞台裏」でも描かれる。 転んで生地を頭に落とす、ケーキが方々に飛ぶ、布巾も飛ぶ、上から生地も降り注ぐ、殴る蹴るで皿も割れまくる、シャベルで粉まみれの厨房から生地を掬う、小麦粉が弾ければオーブンもダイナマイトで木っ端微塵。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-23 23:16:16) |
462. アルコール先生 原始時代の巻
《ネタバレ》 いわゆる夢オチの部類に入る作品だが、正確に言えば最初からチャップリンが居眠りした先で見た“夢”だし(「担え銃」をよく見ればそうだと解る)、最後も悪夢から目覚める形式だ。チャップリンと警官が絡む作品は大抵チャップリンを追う敵になるが、今回は悪夢から一応彼を“救う”形となるのが面白い。 しかし夢の中でも山高帽といつもの杖を持参しているのが凄い。それ以外の格好は原始人のものだけど。 嬉しくないパンチラ、落とされる原始人たちの王者、一瞬のハーレムと王の帰還、頭を石で打たれる瞬間と警官が警棒で頭をつつく瞬間が結びつく。 劇中のチャップリンにはそれほどの重さと痛みを感じるものだったのだろうか。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-23 18:21:19) |
463. 一日の行楽
《ネタバレ》 同時期の「キッド」に力が入れられた代わりに、急ごしらえで作られたこの作品はファンからも評価が低いと聞く。 でも、俺は結構楽しませてもらったぜ。 車、手回しでエンジンをかけようとするが中々かからない、かかったと思い乗ろうとすれば止まり、また回すと付くの繰り返し、遂にはショート。つうか車が揺れすぎてていつか爆発してしまうのではないかとソッチの方が心配に。 スタジオの従業員が偶然映ってしまう“気のゆるみ”も、コメディではギャグとして受け入れられる。 船で行く事になった家族、駆け込んできて転んでしまった女性、それを“橋”にしてしまうチャップリンが酷いwww この頃のチャップリンはよく人を踏み台にするなあ。 船が揺れる感覚は「移民」や「船乗り生活」。 「移民」みたいに自分で揺れているのだろうか? トロンボーンのパイプギャグ、陽気で乗客だけでなく楽団まで夢の中に。 折りたたみ式のイスはガタガタ、毛布をかけてあげる船員の優しさ、ボクシングの姿勢でノックアウト。 船を降りた帰り道、交通整理員とのやり取りも面白い。 道が混んで命令もイライラ、バックした瞬間に後ろの荷が崩れたり、コール・タールがブチまけられベッタベタ、手が中々とれない、その粘着力でマンホールまで取れてしまい落ちる落ちる。 「舞台裏」は舞台装置で役者が何人も落とされていたが、今回はマンホールだったようだ。 警官を尻目に去っていくチャップリン一行。末っ子の内の一人は後の「キッド」でも共演したジャッキー・クーガン。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-23 00:11:14) |
464. チャップリンの駆け落ち
《ネタバレ》 チャップリンとエドナが駆落ちして車に乗って逃げ去ろうとする映画。 最初は二人の男女が駆落するまでの時間を描く。 手紙で「駆落しませんか」と誘い、テラスの上と玄関近くの下、パンを回しながら・・・まるでリンゴの皮でも剥くように切っていく、胡椒のかけすぎでクシャミ、お茶を飲むと煙る、現れる伯爵の来訪により蹴飛ばされてチャップリンは一旦去る。 巻き煙草、偶然再会した公園から脱出、レンガの投擲、終盤のカーチェイス、一旦車を戻してまで後続を突き飛ばし、海に叩き落す。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-23 00:08:25) |
465. チャップリンの寄席見物
《ネタバレ》 チャップリンが酔っ払って劇場で一騒動起こす話だけど、今回は二階桟敷の酔っ払い(何とコレもチャップリン!気付かなかった)と巨躯のイタズラ小僧も混ざり大騒動に。 さっそく二回の酔っ払いが落ちそうになったり、チャップリンも人の頭で着火、ゴミが楽器に詰まる、席もアッチ行ったりコッチ行ったり、指揮者の腕がチャップリンにぶつかりチャップリンもキレちゃって張り倒したり、楽器のパイプが外れたり、夫人を噴水に突き飛ばしたり、視界の邪魔だから羽をむしりとったり、劇場の幕もいきなり降りてしまったり、蛇使いが蛇を会場に落としてしまい大騒動、平然としているチャップリンは相当」酔ってます。 歌が酷いからってトマトを投げつけられてしまいちょっと可哀想、マジシャンが火のマジックをしようものなら消化ホースで放水して会場は水浸しに。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-23 00:03:33) |
466. チャップリンの女装
《ネタバレ》 文字通りチャップリンがいつものアイシャドウを取って女装してしまう映画。 女性用の毛皮コートとマフラー、スカートをまとって男たちから逃れる。 ちょっとおネエな気もするが、それでもチャップリンがイケメンだったという事がよく解る。こりゃ何度も結婚するほどモテるわなあ。 ただその髭を剃るのか剃らないのかちょっとハラハラしてしまった。それを見て爆笑す共演女優は本当に笑っていそう。 ただ、前半の女装にいたるまでの経過は少し長め。 芝生のスプリンクラーが霧のよう。 風でスカートがなびく、杖を脚に引っ掛けてスライド移動、杖で警官を投げ飛ばす、グルグル回ってズボンが脱げる。 女装をするのは後半から。 しかし100年前から今の「ボンッキュッボン」の流れだったんだなあやっぱり。 話は反れるが、昔からミュジドラとかアネット・ケラーマンとかナイスバストでスタイルもそれなりつうかかなり整ったタイプの美人は結構いたからねえ。少数派ってだけで。それをあのスタイルの良いマネキンが悉く物語ってくれているのです。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-23 00:00:25) |
467. チャップリンのお仕事
《ネタバレ》 何やら色々な材木を積んだトラクターを引かされているチャップリン。親方がチャップリンを馬のようにコキ使う。ここでも杖はムチのように振るわれる。 必死に坂を登ろうとするが、それが坂道を何度も下ってしまい電車に轢かれそうになるのには爆笑。言わんこっちゃない。 内装業が遅い事に苛立つ家ではコンロも爆発しまくる。やっと付いた二人も親方が落とされたりペンキをぶっかけられたりでペンキまみれの親方を“シェービング”、壁紙も全然付かずのりが四方に飛ぶ、メイドも家の住人もペンキまみれ、自称フランス人の怪しい伯爵もペンキにまみれ発砲・大爆破。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-22 23:57:56) |
468. チャップリンのカルメン
《ネタバレ》 バスター・キートンが「恋愛三代記」で「イントレランス」や「ベン・ハー」のパロディをしたように、それに先駆けてチャップリンもラオール・ウォルシュやセシル・B・デミルの「カルメン」をパロディした本作を撮った。 少なくともウォルシュのゼダ・バラやデミルのジェラルディン・ファーラーよりもエドナ・パーヴァイアンスの方が魅力を感じる。ストーリーはデミル版とそっくり。 でも抜いたサーベルが折れていたり、それをナイフ代わりにツンツンやったり、手の叩きあい、踊り、門の戸口でカルメンではなく男とブチュッとやってしまう、カルメンとやっとキスできるかと思ったら部下や住人が次々に来て中々情事を行えない、キャットファイトがボクシングに発展、石頭で曲がってしまうサーベル、踊るような殺陣、背負い投げ、レスリングにターザン、マタドール。 ラストも「これはコメディですから」という具合にデミル版と違う結末。 しかしその直前まで本当にシリアスな空気が流れていたからなあ。切り替えの凄さはやはり役者。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-22 23:56:13) |
469. アルコール夜通し転宅
《ネタバレ》 チャップリンとエドナが初共演を果たした作品。 酔っ払いの仲間とともにフラフラ歩くチャップリン、杖はいつも通り鞭のようにしなる、手当たり次第突き飛ばし、生えた草で歯磨き、噴水でうがい、千鳥足で蹴りまくり、杖と首をグイとやられるのは痛いし苦しい、穴から覗き、酔いつぶれた友達をイスにする、階段特に段差で転ぶのは凄い痛い。角に当たると特に。 段差でコケる、必殺兵器レンガの四連打、クイを打つようにレンガで殴る&投擲、エドナの寝巻き姿はちょっと色っポイ、チャップリンもズボンが落ちれば窓から落ちる。何で生きてんだよww この頃のチャップリンはたまにキートン地味た事をするねえ。 歯ブラシで靴磨き。何と言っていいのやら・・・。でも髪の“ブラシ”じゃねえ! 犬が隣の部屋から侵入、奥さんもべッドの下から出現。 酔っ払い同士の殴り合い再び、風呂にドボーンッ [DVD(字幕)] 8点(2014-12-22 23:50:41) |
470. 親子ねずみの不思議な旅
《ネタバレ》 フレッド・ウォルフ監督、歌詞に大林宣彦が関わっている作品。 ぜんまいを巻かないと動けないネズミのおもちゃの親子が、ある日トラブルでおもちゃ屋の外に出されて騒動に巻き込まれる話。 森でどぶねずみの帝国に遭遇したり、動物の兵隊が歌いながら行進してくるシーンが妙に焼きついている。 親子が(色んな意味で)バラバラにされちゃうんだけど、おもちゃだから治す人がいれば治る。 でも他の動物は生物だから一度死ねば生き返らない。 その辺が妙に記憶に残っていた。 結構楽しい映画だった。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2014-12-21 21:46:21) |
471. あるアメリカ消防夫の生活
《ネタバレ》 グリフィスの前にアメリカ映画の父であるエドウィン・S・ポーター。 そのポーターが撮った「アメリカ消防士の生活(あるアメリカ消防夫の生活)」。実際の消防士たちを捉えたドキュメンタリーに、ポーターが自ら監督したシーンを組み合わせて完成させたフィルムだそうだ。 消防士が夫人の回想をロング・ショットで映し、通行人の手をクローズ・アップしてベルを鳴らす様子を捉え、その知らせを受けて消防士たちが飛び起きる。 後にチャップリンを初めとするコメディアンたちは、通報を受けて消防車の準備をし発進するまでの過程を盛大にパロディするので。ミッキーまでそれをやるんだから、それだけこの作品の当時の衝撃が凄かったのだろう。 延々と馬に引かれる消防車を映し、その後家に突入して住人を救助をする様子を家の中から、そして外から交互に描いていく。 母親を助け、その次に赤子を助ける。消防夫が戻って来たのも外から様子を映す場面で「まだ中に子供がいるんですっ!」というような素振りをする母親。それを聞いて急いで再突入・・・細かい。 [インターネット(字幕)] 8点(2014-12-17 06:21:30) |
472. スケアクロウ
《ネタバレ》 暴力とsexと死で溢れかえるアメリカンニューシネマの中でも、この「スケアクロウ」は一味違う。 確かに殴るわベッドインするわ死にかけるわの映画だが、暴力的というわけでもなく、雑な感じがあまりしない。 むしろさっぱりとした空気が流れている。 純粋なロードムービーなんだよね。 罪を犯して服役していたマックスは、心に傷を持つ複雑な男だ。 愛に飢えてる。 一方、ライオンはやや多重人格?なのか、何処かとぼけた人間。 そんなライオンも暗い影を持つが、常に前向きに生きている。 ライオンはマックスのような人間にとっての「かかし」だ。 「かかし」は動かない。 一種の「道化」でもあるし、カラスにつつかれながら畑を見守るのが役目でもある。 ライオンは道化師のようにマックスに語りかけ、彼を心の闇から救って守ってやりたいと何かとつっかかる。 そんな彼をマックスは煙たがるが、数々の笑いや困難を乗り越え、二人は硬い絆で結ばれていく。 そして今度はライオンが心の闇に苛まれていく。 マックスは義理堅い奴で、今度は自分が助けてやるんだとライオンを励まし続ける。 ただ、そんな二人に唐突に悲劇が舞い込む。 それでもマックスはけしてあきらめない。 ライオンがそれを教えてくれたから。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-16 21:44:11) |
473. ネバーエンディング・ストーリー
《ネタバレ》 ガキの頃TVの再放送で夢中になって見てた映画だ。オープニングだけは今でもワクワクするね。ファルコンの背中に乗ってどこまでも飛んでいけたらな~なんて楽しく見たっけか。 ・・・ほんと、あの頃に戻りたい。 逃げ込んだ先で出会う不思議な本・その中の住人たち、読めば読むほど作品世界に飲まれていく魔法の本・・・。 終わりがないのが終わり・・・それが「ネバーエンディング・ストーリー」。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-15 21:55:22) |
474. スナッチ
《ネタバレ》 軽快でリズミカル、アドレナリンとスロットル全快で展開されるブラック・コメディ映画「スナッチ」。 様々な登場人物が次から次へと話を進めていき、アッチではこう、一方コチラではと場面転換していく。 本作一番の食わせ物のボクサー「ミッキー」。 一人知らん顔のこの男、一旦巻き込まれたら最後、巻き込んだ張本人を血祭りにあげるのがミッキー流。 何も考えて無さそうな顔でたっぷり謀略を練る策士だ。 ポスターのセンターも陣取ってるし、コイツが主役みたいなもんだ。 冒頭から持ち主がコロコロ変わるダイヤモンド。 まるでサイコロの目のように登場人物たちの運命を変えていく。 死んだり生き残ったりが凄まじいヴァイオレンスな群像劇。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-15 21:46:12)(良:1票) |
475. 地獄の黙示録
《ネタバレ》 再見。 この映画を「ヴェトナム戦争」を描いたものと見るか、「カーツ大佐抹殺」の物語として見るかで受け取り方はまったく違うものになるだろう。 ウィラードの下に付いた部下(と俺ら視聴者)たちはヴェトナムの惨々たる光景を眼に焼き付け、何度も似たような光景を見て慣れきったウィラードにはヴェトナムの狂気や惨禍など気にしている余裕はない。 本作はコッポラの映画の中で最も退屈な映画であり、最も地獄のような映像が続く映画なのだから。だがこの作品はワルキューレ騎行とともにヘリが村を焼き払うシーン、そしてマーロン・ブランドの人殺しまくってるような強烈な演技を見るだけでも価値がある。 冒頭からこの映画はヘリ、ヘリ、ヘリが飛び交い火炎を吹きまくる。 うっそうとした森を横切るヘリ、不気味なローターの金切音、森は猛烈な煙とともに爆炎に包まれる。軽快な音楽とともに、まるで楽しむように森に火を投げ込むのだ。 そこから男の回想が始まる。脳裏にこびりつくベトナムでの地獄。写真の女性は妻だろうか?煙草、酒、枕には護身用の銃。 シーリングファンが連想させるヘリ。パンツ一丁で酒をあおり、踊り狂い、ガラスにぶつかって血を流す。 そんな男に依頼される裏切り者の抹殺。酔いつぶれた男に、雨のようなシャワーを浴びせて目を覚まさせる。 劇中最大の見せ場である「ワルキューレ騎行」の場面。 サーフィンをするために敵を村ごと吹き飛ばすシーンは強烈だ。爽快感と人間の狂気をいっぺんに見せ付けられる。どうしてキルゴア大佐が主人公じゃねえんだっ!!!!! その後の完全版における狂気100%な場面の連続も凄まじすぎてドン引き。 プレイメイトたちとの乱痴気騒ぎ、船で密林をひたすら進み続ける疲労感、捕虜たちに下す残酷な決断、無秩序状態の兵士たちが繰り広げる地獄の光景。 リボンて…考えただけでもゾッとする。女の方が痛いんだぜ。 カーツ王国ワールドは凄すぎ。何千人も人殺してそうな凄みを感じさせるマーロン・ブランドの存在感。怖ええよ。 煙が渦巻く魔窟、祭りに興じる人々、暗闇の中から問いかけを繰り返すカーツ。 主人公「うるせーよカンペ読みのファ●キンブタ野郎、台本必死に覚えてる俺たちの苦労を知りやがれ!」 軍人として任務を遂行する!泥の河が、建物の暗闇が主人公の姿を包み隠す。雷鳴の閃光、牛を鉈で屠殺するように、返り血を浴びて。残された書類、集まる群衆を睨み付け去っていく。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-15 21:41:30) |
476. ターミナル・ベロシティ
《ネタバレ》 子供の頃は、敵に捕まったナターシャ・キンスキーが嫌々口付け(死の接吻)され、空の上から落とされる寸前というシーンに超ドキドキした覚えがある。 エッチな事をされたというドキドキ&彼女が落されそうなピンチ。二重の興奮を味わっていたのだろう。 とにかくナターシャの魅力に尽きる1本。ヴィム・ヴェンダースの傑作群とはまた違った魅力。 敵に捕まる瞬間も乳首が(ry 一時期シュワちゃん主演の「レッド・ブル」のラストと混同していたのは良い思い出。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-15 21:24:41) |
477. ボルケーノ
《ネタバレ》 サンフランシスコの真ん中からマグマを噴き出そうって発想が好き。 サイエンス・フィクションの「もしも」なアイデアに溢れていて、ストーリーもシリアスだし説得力があるから見入っちゃうね。 色々ムチャクチャだけど。 とにかくトミーリー・ジョーンズを始めとするオッサンがみんなカッコイイ。 男の中の「漢」ばっかりだ。 警官、 不良少年、 ビル爆破の男たち等々・・・迫り来るマグマの描写も凄いけど、登場人物の男気が一番の見所だね。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-15 21:10:33) |
478. A.I.
《ネタバレ》 キューブリックが本当に描きたかったもの・・・それは人間と機械が水と油で終わるという話だったのか、それとも立場を超えた絆を描きたかったのか・・・。 それをスピルバーグが受け継ぎ、見事に「ブッ壊してくれた」。 いや壊してくれてよかったよ。 海の中で独りぼっちは悲しすぎる・・・くどいよ。最高にくどいし説教くさい最後だったよ。 でもあんな終わり方は卑怯すぎんだろうがよおおおおおおっ!!! クソがー涙が止まんねえんだよバカヤロウー!! [DVD(字幕)] 8点(2014-12-14 21:15:00) |
479. メトロポリス(1984)
《ネタバレ》 熱狂的なファンだったジョルジオ・モロダー。 コイツが見事にやらかしてくれた。 オープニングの強烈なシンセサイザー、補完部分の斬新なカットは素晴らしかった。 ただ本編の曲とシーンが噛み合っていない部分が多い。 「悪い」のではなくて「合わない」のだ。 「古典」に「現代調のロック」を付け足したような感じ。 労働者が交代していく場面なんか、まるで労働者が心の中でブルースでも歌っているようなシーンになってしまっている。 歌えばいいというものじゃない。 他のシーンも似たようなもんだ。 着色にしても中途半端というか、色のチョイスがおかしい。 競技場でフレーダー?たちが走る場面のカラー化は実に良かった。 ただ、マリアが踊るシーンなんか薄紫+ピンクな感じのライトで「何処のストリップ劇場だよ」とツッコまざる負えない。 おいこらモロダー。 つうかラストが尻切れトンボ・・・当時この部分はまだ発見されていなかったのだろうか? まあモロダー版よりも酷いカットの仕方をされたバージョンも多いのだが、本作を再び注目させたという点では大いに評価しなければならない。 でもどうせ着色するなら全部塗れよ・・・フルカラーのメトロポリスも見たくなってしまう欲求不満の出来だった。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-14 20:42:03) |
480. 拳銃無宿(1947)
《ネタバレ》 フレッド・ジンネマン「真昼の決闘」の原型になった作品。ジンネマンはジョン・ウェイン×ジョン・フォードの「駅馬車」も好きだったし、本作もかなり手本にしたらしい。 黒い装束は後の「赤い河」や「捜索者」を思い出すけど、後作品のような憎しみや独善的なものは感じない。 一介の流れ者として、淡い恋にも興じる優しき伊達男だ。癒し系ウェインと言ってもいいかも知れない(なんじゃそりゃ)。 いきなり発砲から逃走に及ぶまでのシークエンスは中々凝ってる。 ドラマがメインで一目ぼれした娘やその家族、彼を追う保安官など交流を軸に描く。 追っ手を交わすための“ハッタリ”や酒場での乱闘、「赤い河」に繋がる中盤の牛追い、終盤のクライマックス等見所も結構多い。 主人公に極力人を殺させないって展開が良い。真のヒロインは保安官のオッチャンだったりする。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-14 20:20:01) |