661. パブリック・エネミーズ
《ネタバレ》 なぜ、自殺行為と思われるような、映画鑑賞に行くのか?なぜ、警察署内に堂々と入っていくのか?なぜ警察が見張っていると分かっていながらビリーに接触するのか?そんな感じを抱いて、レンタル屋にDVDを返却しに行って、店内に貼ってある、この映画のポスターに書いてあるコピーで分かった。彼は自分の美学を貫いたのだ。犯罪映画というより、「男」の映画なのだ。そうすると「ヒート」「インサイダー」のマイケル・マンらしい。色んな役をこなすジョニーディップが演じていたので、そこに気づかなかった。実在の人物なので、ラスト殺されるのも仕方ない。そういう事実だったんだろう。ただ自分はこの結末を知らずに観ていて、ビリーと一緒になれたら幸せだろうに、と思っていたので、ちょっと残念だった。最後のエンドクレジットで銃の腕前がいい、パーヴェスがこの事件の次の年に自殺したことが分かるのだが、その理由が何故かよく分からなかった。事実だから、と言われてもなぁ。そして皆さんおっしゃるように最後、ビリーにデリンジャーの伝言を伝えにいく老刑事がカッコいい、と自分も思った。これも事実にそったキャスティングなのかしらん?こんな渋い刑事だったのかなぁ?でもこの親父どーっかで見たような、あぁそうか、「アバター」のあの親父だった。 [DVD(字幕)] 7点(2010-06-09 02:14:45) |
662. 正義のゆくえ/I.C.E.特別捜査官
テーマ映画という感じでしょうか?麻薬なら「トラフィック」、銃なら「クラッシュ」そして移民ならこの映画。アメリカの問題を扱っていますが、こうあるべき!とか言った強いメッセージは薄い感じでした。移民問題ではピーターウィアー監督の「グリーンカード」の方が自分には伝わってきました。ハリソンフォードは目力だけはあるのですが、皮膚とか体とかパサパサで、元気が感じられないです。(再婚したから?)ひょうひょうとして、元気なハリソンフォードが好きな自分にはちょっとがっかりでした。年齢相応の味わい深い人間味あるキャラクターを出すのならば、こういう群像劇にせず、どっしりと彼を主役にして、悩んだり、怒ったりする映画にして欲しかったです。 [DVD(字幕)] 6点(2010-06-08 04:02:20) |
663. ミザリー
《ネタバレ》 最初は車椅子のまま、どうやって脱出するか、と思ってました。ヒッチコックの「裏窓」かな、と思ってたんです・・・(なめてました、スイマセン)次は心理戦と思ってました。ウイリアムワイラーの「コレクター」かな?と思ったんです。(これもなめてました)でも足をやられて(この映像はスゴイ!)、一緒に死のうなんて言い出すし。最後は保安官が頼りになる面を見せて、終りかと思いました。「セルラー」みたいな感じで。でもこれも違った。自分の前のレビューをいくつか読むと、キャシーベイツが狂気な役をやるとは知っていましたが、細かいストーリーは知らなかったので、自分は幸運な観客だったようです。ですから、まだ観てない人がこの文章読んで、インパクトが薄れると気の毒なので、あまりネタバレしません。(手遅れかな?)これは面白いですよ!ただジェームズカーンからイマイチ、素敵な作家という印象が感じられなかったので(インテリぶっても「ゴッドファーザー」の長男だよなぁなんて思ってしまう)、彼の境遇がそんなに気の毒とは思わなかったです。よって7点くらいかなぁと。 [DVD(字幕)] 7点(2010-06-05 20:41:35)(良:1票) |
664. レベッカ(1940)
これは高校生の時、無謀にもヒッチコック先生に挑戦した最初の映画です。なるほど、前の奥さんが出来すぎていたので、新しい奥さんがプレッシャーを感じる映画で、こういうサスペンスもあるんだなぁと思いました。ところがそれから色んな映画を観ましたが、こういう設定のサスペンスは珍しいことが分かりました。ヒッチコック自身もこれはヒッチコック映画ではない、と言っており、女性映画と位置づけているようです。珍品だと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2010-06-02 06:22:38) |
665. さらば冬のかもめ
《ネタバレ》 ラストの方で、追いかけながら銃を出した時、今までのニューシネマならバッドエンドが多いので「やめろー!撃つなー!」と心の中で叫んでいた。でもこの映画は違った。任務は無事、終わるのだが、最後まであの青年が自由になるのでは?と期待して観ていた。が、それもなく、結局この映画は、護送する彼らなりに良かれと思って、青年に色んなことを体験させるという話だ。刑務所から出る頃には女に興味がなくなっているかもしれないので、女郎屋へ、と思う気持ちは優しいものだ。この話の後、ニコルソン演じる水兵は何事も無かったかのように今まで通りに過ごすんだろうなと思うのだが、ベトナム戦争で国内が乾いている時、こんなささやかな優しさも貴重だぜ、というメッセージを感じた。 [ビデオ(字幕)] 7点(2010-05-28 20:58:34) |
666. インフォーマント!
《ネタバレ》 妙にウキウキするBGM。この主人公自体、それほどの罪じゃないんじゃない?といった感じの軽い性格。奥さんがいて良かったね。もしいなけりゃ親にも見放され、もっと重いラストがあったかも。どこか憎めない理系エリートが右も左も分からない時に上司から「犯罪」を教わり、そのまま行っちゃったという話しだと思っていたら、養子じゃなかったというところから、こいつまだまだ余罪がありそうと思わせて、話は幕。「トラストミー」って言ったってねぇ。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-24 01:56:34) |
667. イングロリアス・バスターズ
《ネタバレ》 ストーリーから気をそらさないように色んな演出で見せて、あっという間の150分。その演出が映画好きにはたまらない。ストーリー展開も斬新で意外な展開に釘付け!さすがです、タランティーノ!正直、「キルビル①」を観た時、そのアクションの演出の毒の強さに頭痛がしたことがあったので、この映画も拷問シーンか何かで見せるのかなぁと観るまでひるんでいた。でもセンスのかたまりのような演出に唸った。面白い!でも観終わって、ちょっと時間が経つと何も残らない。こういう「現実」をちょっと忘れさせてくれる作品こそ、今必要な映画かもしれない。そう思うんだけど、やはりメッセージのある作品で「良い」のもあるので、ここはちょっと1点マイナス。(映画好きな「自分」は10点満点なのだが、「現実」の厳しさにそうそう浮かれてもいられないという「自分」がこの点数をつけた) [DVD(字幕)] 9点(2010-05-13 21:02:42) |
668. 最後の誘惑
《ネタバレ》 結婚って、こんな感じだろうなと思った。最後、何故また十字架に戻ろうと、人間イエスが神の子イエスに戻ろうと思ったのか?天使が悪魔だったというのは、じゃあ結婚ってそんなひどいものなのか?とその辺が分からなかった。やっと一緒になったマグダラのマリアを殺させたのが原因なら、もうちょっとマグダラのマリアとの交流も描いて、純粋なラブストーリーにした方が分かりやすかったのでは?と思った。スコセッシの描きたかったのもこの辺だろうと思ったので、ここが説得力あったら、文句なく満点でした。 [DVD(字幕)] 8点(2010-05-12 17:30:02) |
669. ゆりかごを揺らす手
《ネタバレ》 まず魅力的な家族を見せておいて、それがどうなるかドキドキする恐さがある。そして復讐するために、小道具をうまく使って戦う可哀そうな未亡人がいる。これは良く出来たサスペンスだと思います。配役が良かったのだと思う。これがアナベラの代わりに知名度のあるデブラウィンガーあたりが演じていたら、レベッカが完全に悪役になって、面白さは半減だったかも。レベッカの時折見せる冷たい表情が良かった。それが実に哀しい。ラストも「危険な情事」のように最後が銃でバン!なんて展開だったら、がっかりものだったが、2人の女の母親争いでドタバタやったのも良かった。でもこれじゃ、レベッカがあまりにも可哀そうだ。彼女にも何か救いが用意されてる結末だったら、もっと良かった。まぁ、サスペンスだからね。それにしてもアナベラがレベッカを疑いだすのが遅い。もっと早く気づいて女性の心理戦が展開されても面白かったのでは?それにしてもこの時代、「ランプリングローズ」を観ても分かるように、平気で男女の家族の中に、年頃の女性がお手伝いさんや乳母として一緒に同居するという、危険な仕事があったんだね。この映画では旦那は浮気しなかったが、こんな状況じゃ家庭が崩壊するというパターンも多かったんじゃないかなぁ。ヨーロッパの昔の作品に出てくるように身分がきちっと分かれていても、不倫しちゃう映画が多いのに、自由の国アメリカでこんな状況なら男は舞い上がっちゃうよ。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-12 12:45:33) |
670. 幌馬車(1950)
ワルはとことんワルだった。得体の知れない連中と一緒に旅をする事自体、この時代、危険な事だと思わなかったのでしょうか?人が良すぎる!あと、インディアンって、すぐ襲うわけじゃなく、自分のテントに招待するといった外交をするんですね。「大いなる勇者」でもそんな風に描かれていた。なのに、一部の白人はとことん彼らを追いつめたわけでしょう?「ジェロニモ」なんか見ると、そうですよね。すべてのアメリカ人がそうだとはもちろん言いませんが。まぁでも幌馬車が無事、目的地に着いて良かったです。めでたし、めでたし。 [DVD(字幕)] 6点(2010-04-29 19:02:26) |
671. 黄金の腕
《ネタバレ》 乗りのいい音楽にのせた、洒落たセンスのオープニングのクレジットタイトルを観た時は、まさかこんな内容の映画とは思わなかった。有名なフランクシナトラの映画だから、きっと腕一本で逆境を乗り越えていく、痛快なワルたちの話だと思ってました。このような社会派映画がこんな昔にもう創られていたというのが驚きです。 [DVD(字幕)] 6点(2010-04-28 20:21:09) |
672. アバター(2009)
《ネタバレ》 映画館で観たかった。家の小さなテレビで観ても、かなり感動したから、3Dで観たら、もっと良かったんだろうなぁ。ストーリー、良かった。特にパンドラの自然が反撃に出たときに感動した。そうだよ、人類って身勝手だよ、と日頃の便利さを享受しておいて、思ってしまった。これはかつてのベトナム戦争の時にアメリカ映画から出てきたニューシネマと性質が似てるように感じた。でも監督はこの作品、3作目まで構想できてんだって。どういうテーマになるんだろう?キャメロンの事だから、やられた!って思うような内容を考えてんだろうなぁ。まったくやってくれるよ。ホントは10点にしたかったけど、映画館で観てないのに満点にしたら、ちょっと悔しいので、9点ということで。 [DVD(字幕)] 9点(2010-04-27 21:02:41) |
673. M:i:III
《ネタバレ》 この映画、観るのは2度目ですが、冒頭のシーンがどうなるか、まったく忘れてました。通訳の女性が可哀そすぎます!こういう犠牲がありながら、二人が無事、くっつくというラストにはちょっと疑問を感じますねぇ。でも、それ以外はアクション映画として良く出来てるんじゃないでしょうか?スパイ映画としてはイーサンの個人的感情で動く場面が多いので、イマイチですが。この作品は敵が悪どすぎる(フィリップシーモア怪演!)ので、ヒーロー映画って感じでした。自分は1作目のほうが味があって良かったと思います。でもチームワークは今回の方が良かったですね。4作目出来るなら、また魅力的な仲間と活躍する「スパイ大作戦」の原点に戻って創って欲しいです。そういえばマギーちゃん、どこかで見た事あるなと思ってたら、「ダイハード4」の姉ちゃんでした。あんなドレスでバチカンのイベントに出て良いのでしょうか?車を爆破する時、勿体ないと言ったり、イーサンの無事を祈ったりしたり、ちょっとした場面しか出番がなかったですけど、存在感はありました。クールそうに見えて、キュートでした。 [DVD(字幕)] 7点(2010-04-26 01:43:25)(良:1票) |
674. ミッション:インポッシブル
これこそ娯楽映画!十何年前、映画館で観たけど、今回ビデオで再見。細かいストーリーはすっかり忘れてて、すっかりのめりこんで観ました。CGは今のに比べるとちゃちいけど、こういう裏切り、裏切られ、の展開こそ、スパイ映画の王道。もう映像革命はいいから、こういう2転3転するストーリーづくりに知恵をまわして欲しい。エマニエル・ベアールが出てたんだねぇ。スパイ役をする為に生まれたような怪しげな魅力。また包容力がありそうで、こすいジョンボイド扮する上司役も良かった。そして、なんと言ってもこの音楽。2010年冬季オリンピックのフィギュア、007の音楽で韓国に金メダルを持っていかれたけど、まだこの音楽があるじゃないか! [ビデオ(字幕)] 8点(2010-04-25 22:38:23)(良:1票) |
675. ロジャー&ミー
《ネタバレ》 日本の「これから」を考えずにはいられなかった。特に企業が街から出て行き、残された地域が、「観光」で身を立てようとしたこと。見事に失敗し、犯罪が増え、街から出て行く人が増えるわけですが・・・。確かにアメリカ人にも粗野な人はいるだろうし、日本のようにかゆい所に手の届くようなサービス精神でもってがんばれば、「これから」も日本は大丈夫かもしれない。でも「貧すれば鈍す」というように、苦しくなってから考えた策はうまく行かないと思う。少しずつ、やばくなっているこの国も、余裕のある人が多いうちに、考えを尽くして欲しい。 [ビデオ(字幕)] 7点(2010-04-13 16:21:40) |
676. コレクター(1965)
《ネタバレ》 何でこんな気持ちの悪いシーンに、こんな軽いBGM?って思いました。こんなラストとは思わなかった。この女性が可哀そう。今(2010年頃)の映画なら警察が周囲を囲んで、このサイコ野郎が殺されて終わりですよね。当時は映倫が厳しくなかったのかな?それにしてもお隣の人も、秘密の隠れ場所も映画の演出に生かされずに終わって、もったいない気がします。早く誰か助けに来いよと思いましたが、誰も来ない。この手のサイコ映画で、二人っきりの空間での心理描写に重きを置いた映画として、昔の映画ですが逆に今のサイコ映画より新鮮でした。これだから昔の映画を観るのは止められない。 [DVD(字幕)] 7点(2010-04-09 01:27:38)(良:1票) |
677. 黄昏に燃えて
他人事じゃないぞと思って観てました。ヘレンの孤独はすさまじい。何故、実家に帰らないの?と言いたい。最後、普通の部屋で死ぬ事ができたのは、彼女らしい最期でした。フランソワは結局、のたれ死にでしょう。列車でどこに行っても同じことですよ。むしろヘレンがいなくなってからのこれからは、酒しかないじゃない。下手に過去に栄光をもつと、こうなっちゃうのかな・・こういう役、ニコルソン、実にはまりますね。 雑巾みたいな、ダメな男のニューシネマは「真夜中のカーボーイ」のダスティンホフマン、「スケアクロウ」のアルパチーノ、ニコルソンならこの映画ですね。 [ビデオ(字幕)] 7点(2010-04-08 01:17:18) |
678. 悲しみよこんにちは
《ネタバレ》 みんな英語しゃべっているし、映画の最初のスタッフ紹介も英語で書かれてあったが、どう観てもヨーロッパ映画に見えてしょうがなかった。きれいな海、「勝手にしやがれ」のジーンセバーグ、彼女の独白がずっとつづく映画スタイル。映画の内容は、これからジーンセバーグ演じるセシルが自分を責めてボロボロになっていくのか、そんな感じで終わる。それにしてもデボラカーの素敵な事。彼女が仕事がうまく行かず、ちょっと休憩を、と伸びをする姿にも知性が感じられた。 [DVD(字幕)] 7点(2010-03-31 14:40:55) |
679. アウトローブルース
《ネタバレ》 ピーターフォンダの女性ファンがいたらオススメ。恋人の女性がたくましい所為か、この映画のピーターフォンダはどこか可愛い。ピーターフォンダの映画は「ダーティメリークレイジーラリー」の頃は、まだニューシネマらしいラストだったが、この頃になるとハッピーエンドで幕を閉じてしまう。警察にものすごく挑戦的とか、そういう役ではなかったので、印象が薄く、ピーターフォンダに見られる当時のアメリカの若者も段々「荒ぶる若者」ではなくなってきていたのだろう。 [ビデオ(字幕)] 6点(2010-03-30 00:16:31) |
680. エアポート’75
コックピットの穴から飛行士が入っていく時、カレンブラックが手を出すのですが、あんたも外に一緒に放り出されちゃうよ、とずっと観てて思いました。また車じゃないんだから、操縦席に穴が開いたら、風でもっと操縦室はぐちゃぐちゃになると思います。でも山の中を飛んでいくシーンはきれいでした。さすがに小型飛行機がぶつかるところはちゃちでしたが、この映画はそういうところに力点置かず、さらっと描いてました。最後、みんな大急ぎで機外に脱出したのに、主役の二人は悠然と階段で降りてくるところは何か笑えました。その余裕は何やねん!! 飛行機が爆発するかもしれんのに。 [DVD(字幕)] 6点(2010-03-29 22:22:43) |