61. ゴスフォード・パーク
《ネタバレ》 人間関係はいつの時代もややこしく、ドロドロしていて嫌気が差す。しかしその底に隠された愛の強さ。うん、母は強し。 6点(2004-02-16 17:29:27) |
62. ザ・ロイヤル・テネンバウムズ
きっかけは、猛スピードでやってくる。 5点(2004-02-16 14:14:22) |
63. 乙女の祈り
《ネタバレ》 少女が殺人者になる過程を2時間かけて見せられる訳で、これは見ていて本当にツラい。ボウリーン、ジュリエット、母親、父親、不倫相手、下宿人、教師。一体誰が、何が二人の未来を闇へ導いてしまったのだろうか。二人だけをどうして責めることができようか。あの残虐な殺人を見てしても、二度と会う事の叶わなかった二人への哀れみを否定できない。人は生まれながらに罪人である。この殺伐とし、欺瞞に満ちた日常の中、二人にとっての現実は第四世界だけだったのだろう。 ・・・、けど現実世界も意外と悪くないぞ。 7点(2004-02-15 22:25:54) |
64. ズーランダー
あ~あ、バカバカしすぎてレビューなんて書く気になんねぇや。 6点(2004-02-13 15:13:31) |
65. マスター・アンド・コマンダー
穏やかで美しいかと思えば地獄のように壮絶な一面も見せる、果てしなく広がる大海原。そんな海の上でサプライズ号の面々の可笑しな会話と感動的な友情に触れているうち、自分も乗組員になったような楽しさを感じることができる。猛り狂う大波の中、真横に傾く船の姿に手に汗握り、サーベルを抜いて戦う船長に心が踊る。そうだ、海は男のロマンなんだっ! それにしても艦長は頼りになるし、腕も立つし、情にも熱いし、優しいしで素晴らしいお方。とても暴力沙汰ばかり起こしている問題児が演じているとは思えないんだよなぁ。 追記:「あなたは教えてくれた。愛する者のために、一人の戦士になることを・・・」なんてキャッチコピーは謳っているが、そんなシリアスな映画では全くない。もっと明るく楽しい作品なので配給会社は詐欺だ。 7点(2004-02-12 22:33:05) |
66. トラフィック(2000)
《ネタバレ》 麻薬という根っこで支えられた、アメリカという世界一の大木。その根の広がりの複雑さ、地中にめり込んだ深さにはただ絶望を感じるしかない。しかし、それでもラストの照明からは温もりを感じる事が出来る。分かっている、それが何の解決にもなっていない幻の光だという事を。だがしかし、希望の無い未来に光が無いという事もひとつの真実だから。 9点(2004-02-12 15:25:09)(良:1票) |
67. エデンの東(1955)
映画史上極悪の看護婦ですなぁ 6点(2004-02-12 12:36:53)(笑:2票) |
68. ニューオーリンズ・トライアル
陪審員のデータが表示される画面に、一瞬だったが人体の骨格が表示されていた。 ・・・、えぇ~~~、いやいやいや、こんナンまで調べてんのっ!? 7点(2004-02-10 21:12:11)(笑:3票) |
69. 第七天国(1927)
前向きだが自分に素直になれないシコと、嘘をつけない程純粋だが現状を抜け出すための一歩が踏み出せないディアーヌ。どん底で暮らす二人が出会い、「第七天国」での生活の中、ディアーヌは上を向いて歩き初め、シコは自らの愛を正直に相手に伝える。やっぱり人は一人では生きていけないんだなぁ、と感じる。 そしてそんな幸せな日々をも一瞬にして引き裂いてしまう戦争。なぜ人類はこの愚かな行為を今も続けているのだろうか。 6点(2004-02-08 09:52:06) |
70. ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
《ネタバレ》 「絶望とは未来を知る者が陥るもの。未来は誰にも分からない。したがって絶望するのはとんでもない間違い。人間が未来を知りえない以上、希望は常にある」(J.R.R.トールキン)。 美しいエンドロールを見つめながら、中つ国を縦断した足掛け3年にも及ぶ壮大な旅路を思い浮かべる。ホビット庄の青空と緑、霧ふり山脈の眺め、裂け谷の輝く滝、ロスロリアンの灯火、ローハンの草原、聳え立つミナス・ティリス・・・。そしてこの胸に強く残ったもの、胸を張って言う、それは希望と友情である。 真夜中の大海原の如く、どこまでも黒く広がるサウロンの大群。余りにも過酷な滅びの山への道。そして感じるのは深い絶望。だがしかし、彼らは決して逃げようとしなかった。死を恐れずに果てしない闇の中へ挑んでいき、遂に勝利を掴んだのだ。中つ国の優麗な山脈を駆け抜けていく炎の狼煙が、地平線上で太陽に照らされるローハンの騎士たちが、希望を持つことの可能性を見せ付けてくれる。そしてフロドを背負い崖を登っていくサムの姿が、軍勢の中を走り抜けるメリーとピピンが、友情の尊さに気付かせてくれるのだ。 将来の夢を描く事すら困難な今の時代、希望、友情、もはやこれらの言葉は使い古され、安っぽくさえ聞こえてしまう。だが、だからこそ我々は史上最大の幻想世界である『ロード・オブ・ザ・リング』の中で、その素晴らしさに対し素直に涙できるのだ。信頼できる仲間と、小さな勇気。そして常に希望を持ち続ければ、どんな困難も乗り越える事が出来る! 恐らく人類が存在する限り語り継がれるであろう最高傑作。これまで自分は多くの映画を観てきたし、これから先もきっと観続けていく。だがしかし、この映画の様に人生の一部とまで言い切れる作品にはもう二度と出会え無い気さえする。トールキンのとてつもない夢を映像化してくれたピーター・ジャクソン監督、全スタッフ、全キャストの方々に只々熱烈な感謝。 それにしても人間というのは高貴なエルフとは違い何ともわがままな生き物で、こんなに楽しみにしていた完結編も今となっては終わってしまった事の寂しさで胸が張り裂けそうだ。フロド達と一緒に不死の国へ旅立ってしまいたいぐらいだが、彼らの旅を胸に刻めばまた新しい明日へ進む事が出来る。そう、僕の旅はまだ終わっていないのだから。 【∞点】 10点(2004-02-07 21:58:53)(良:2票) |
71. 25時(2002)
《ネタバレ》 監督との衝突など何かとトラブルが多いエドワード・ノートンだが、彼が「本気」を出して挑んだ作品というのはどれも凄い。そして本作もその例に漏れることはない。 真上から見下ろされたワールドトレードセンターの跡地。9.11が人々に与えた傷が今も深く根付いていることを痛感する。「全ては星条旗の名の下に」、民族、言語、宗教、多種多様な価値観が混在し、貧富の格差は増す一方の超大国アメリカ。響くのは主人公の行き場の無い激しい叫び。失意と怒りが漂うニューヨーク、これほどまで等身大にこの街を見せてくれる映画はそうは無かった。モンティの先に広がるのはやり直す事の許されない苦痛に溢れた未来。どんなに悔やもうが罪は消えず、未来を変えることはできない。だがしかし、ボロボロになってどん底から見上げたニューヨークには、それでも小さな光があったのだ。バスに乗っていた子供の笑顔に若干だが救われたような気さえした。父親が語る幻の未来、ささやかな幸福。どんなに堕ちようとも必ずやり直すことが出来る、そうボロボロの状態で拾われたドイルのように。ただの絵空事でしかないのかもしれないが、それでも自分は力強い希望と願いを感じたのである。 8点(2004-01-25 14:18:48)(良:1票) |
72. ディナーラッシュ
映画史上、最もスタイリッシュな戦争映画。 8点(2004-01-24 16:17:22) |
73. インソムニア
アル・パチーノのぐったり感。ちょっと垂れた白髪交じりの髪の毛一本一本までが眠そうだという凄まじさ。対してロビン・ウィリアムスの笑顔に隠された不気味さ。凶悪事件が起こるとワイドショーやらで近所の住民が「こんな事をするような人には見えない」とか「挨拶もちゃんとできるいい子でした」とコメントしているのをしょっちゅう見るが、まさにどこかにいそうな恐怖を感じる。 派手なシーンやどんでん返しなどは無いものの、じっくりとドラマを魅せてくれる中々の良作。 7点(2004-01-23 19:42:53) |
74. リクルート
《ネタバレ》 アル・パチーノの額のしわを見よっ!名優として映画界を牽引してきた男の偉大さが正しく刻まれている。それに対し、ノリにノった勢いを思い切り発揮するコリン・ファレル。映画の歴史はこうして後世へと伝わっていき、あらたな未来が紡がれていくのだ。うーん、感慨深い。 ストーリーは前半の訓練シーンなどは「現実もこんなんなのか!?」なんて考えながら観ていてとても楽しかったが、キャッチコピーやCMのせいで物語のラストは明らかに読めてしまう。「どんでん返し」というのは平らな道を歩きながら急に落とし穴に落ちるからビックリするのであって、初めから穴があると分かって歩いていてもダメなのである。 6点(2004-01-23 15:26:47) |
75. 荒野の七人
比較することに意味が無いという批判は重々承知だが、正直言って本家の足元にも及んでいないと思う。日本の農民から見た「侍」とアメリカの農民が見た「ガンマン」の存在というものは決定的に違うのだから、ラストの台詞だって真似しただけで重みなどかけらもない。菊千代様はこんな坊っちゃんじゃないんだよ、とか言いたいことはいろいろあるのだが、それでも「Seven Samurai」にこれだけ忠実に、しかもハリウッドのオールスターキャストでリメイクされているということについては日本人として誇りに思いたい。 3点(2004-01-22 17:16:09) |
76. チアーズ!
《ネタバレ》 大会が待ち遠しくなるほど面白い。うん、これはイイ。ただ、だがしかし、やはりひとつだけ納得できない。「最強の敵に勝ってこその優勝!」って頑張ってんのに、負けてしまってもニコやかにハッピーエンド。お前らが懸けていたチアリーディング大会ってのはそう簡単に結果を流せるほどのモノなのかっ!もっと悔しがってくれよっ!「優勝の気分」とか言うなよっ! ・・・、けど洗車シーンは最高ッ! 7点(2004-01-19 16:30:52)(笑:1票) |
77. NARC ナーク
《ネタバレ》 冷え切った映像、掃き溜めのような街並み、廃れ切った人間達。しかし「真実の銃弾」がこの物語を貫くとき、我々は愛の温もりを知る。 9点(2004-01-18 22:46:57) |
78. K-19
時代、国に関係なく戦争を行うのはいつも一部の地位の高い人間。彼らの命令によって多くの罪も無い人間が自分の命を犠牲にし、「国のため」死んでいく。核を保有することに何の利益があるというのか?誰が本当に望んでいるというのか?我々の地球が、そして人類が現在どれだけ危険な状態にさらされているかが痛いほど身に染みる。底知れぬ恐怖と言いようの無い怒りを憶えた。 7点(2004-01-18 17:34:30) |
79. キューティ・ブロンド
《ネタバレ》 人を第一印象で判断してはいけない。頭では分かっているつもりだが、今まで何度もこれで失敗してきた。人の印象なんて些細なことでガラリと変わるもの。「バカな金持ち」と決め付けられていたエルをはじめ、登場人物のほとんどが初登場時とラストでは全く印象が変わるというストーリー。「あぁ、この人は自分とは合わねぇ」と決め付け、広い世界を自分から狭くしてきた自分。世界はこんなにも明るくハッピーだというのに! そんなつまらない考えも吹き飛んでしまうほどこの「キューティ・ブロンド」は楽しく、そしてポジティブなリース・ウィザースプーンの笑顔は輝きまくっている。さぁみんなで「かがんで、バッ!」、ポジティブシンキングで進めっ! 8点(2004-01-17 20:05:23)(良:1票) |
80. シービスケット
《ネタバレ》 試写会にて。事前の評判どおり余りにも退屈、登場人物の紹介をえらく引き伸ばしている印象を受ける冒頭。これは2時間以上しんどいなぁなんて思っていたのだが、シービスケットの登場からどんどんストーリーに引き込まれる。初めて体験する「騎手視点」、馬に乗って走るスピード感は本当に気持ちいい。そしてレースシーンでは本当に手に汗を握る。このとき、明らかに自分が映画を観ているということを忘れていた。明らかにレースそのものを見ていた。そして息を止め経過を見守り、ゴールした瞬間には心の中で映画の人物達と一緒にガッツポーズ!体の芯から震え上がる感覚、感慨、この感動。 それにしても、馬というのがあんなにも綺麗で透き通った瞳をしているとは。レッドを見つめる健気で真っ直ぐな眼差しに、そして怪我の回復のため大盛りの夕食を食べるレッドの姿に、溢れんばかりの涙がこぼれ続けました。 ラストに近づくにつれ余りにも「感動的」な音楽、台詞の連続に段々と冷めてしまったのだが、あのレースも実話なんだろうか。だとしたらシービスケットは本当に凄い! 以下蛇足:映画館や試写会では初めて涙した。これは思っていたよりツラい。皆さん静かに見てるから声や嗚咽を抑えなくてはならないし、ハンカチなんて持っていないので涙で顔がグチャグチャになる。しょっぱいっすね。 8点(2004-01-15 23:52:56) |