81. レザボア・ドッグス
下品にそれぞれが喋りまくる導入部から、オープニングへの流れが最高にカッコイイ。 ストーリー全体も、非常にテンポ良く、スリリングな展開に画面に釘付けになる。 時間を行き来させて徐々にネタばらしをさせていくが、その展開のさせ方はもう素晴らしいの一言。 それぞれのキャラクターが素晴らしく立っており、全員がハマリ役。 もう見るからに「ワル」な面子で、台詞、音楽もスパイスが効いていて、とにかくカッコイイ! 個人的には、ブシェミがとってもイイ味出してたと思います。 [DVD(字幕)] 10点(2010-03-26 11:41:07) |
82. カッコーの巣の上で
俳優達の迫真の演技で、何回観ても心打たれ、涙してしまう。 特にビリーの吃音や目で訴える演技は特に素晴らしかった。 全俳優の演技力が素晴らしく、本当に何回観た事か。 かなり昔に見た映画だが、自分の中で本作を越える作品に未だ出会っていません。 文句なしの100点です。 [DVD(字幕)] 10点(2010-03-26 08:21:14) |
83. ファーゴ
これほど残酷な事件も、あくまで第三者的な冷めた目線で撮られることで、不思議な余韻が残る作品となっている。 不細工な娼婦2人が、犯人の顔を「変な顔、変な顔」とやたら言っていたり、ところどころの乾いたブラックジョークを織り交ぜ、人間の滑稽さを描いているように感じた。 4年前に見た時は退屈という印象しかなかったが、改めて観ると、その独特な味わいを楽しむ事が出来た。 ある程度、映画玄人が好むような映画なのかもしれない。 ブシェミも良かったが、ピーター・ストーメアのサイコっぷりがえらくハマっていたように思います。 [DVD(字幕)] 7点(2010-03-25 18:00:59) |
84. ミスティック・リバー
音楽もイーストウッドとは・・・凄い。 物語と相反するようなとても美しいテーマ曲だが、悲しみ、やりきれなさを一層引き立てるまさにこの映画にピッタリな曲。素晴らしい。 重厚なサスペンスで、キャストの演技も本当に素晴らしい(特にケヴィン・ベーコンにやられました)。 観た後考えさせられる終わり方で、明確な答えは提示されないけれども、個人的にはベストな終わり方だと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2010-03-25 17:58:47) |
85. バーバー
雰囲気はとても良いです。映像と音楽のマッチングが素晴らしく、随所随所にセンスの良さが滲み出ています。 本作も、乾いた視点で人間の滑稽さを描く、コーエン兄弟お得意の物語なのですが、個人的にはもう少しスパイスが欲しかったかなという感じです。 それにしても、床屋を本職としている人には失礼な映画ですね。 [DVD(字幕)] 6点(2010-03-25 17:52:06) |
86. 夢(1990)
退屈だと感じる人にはとことん退屈な映画でしょうね。 でも、ツボにはまる人(タルコフスキーとかが好きな人)にはとことんツボでしょう。 画家黒澤明が作る最高の美術映画だと思いました。 ただ映像だけで充分「生」や「死」などへの感情を表現できているのに、少し語らせ過ぎな気がしてならない。黒澤映画では「水爆」「戦争」や「近代化」などの話になるとどうしても説教臭くなっちゃいますね。 タルコフスキーの映像美がとことん静かであるのに比べて、黒澤の映像美はもっとギラついているというか、力強い命のエネルギーを感じます。 ツボでした。 [DVD(邦画)] 9点(2010-02-28 22:16:23) |
87. イノセント・ボイス 12歳の戦場
子供達の演技が本当に素晴らしい。純真無垢な表情に胸を打たれます。 実話を基にしているということで驚くような展開はないが、充分感情移入できる作品だと思う。反戦歌がとても切なく、耳に残りました。 [DVD(字幕)] 7点(2010-02-03 01:09:56) |
88. グラン・トリノ
クリント・イーストウッドが俳優として最後の出演になると言われる本作。 自身最後の主演作に、彼は驚くほどストレートで人間愛に満ちた物語を選んだ。 台詞ひとつひとつがユーモアに満ちていて(主人公ウォルトの口の悪さは痛快)、これまでのイーストウッド作品にはない笑える微笑ましい場面もたくさん。 エンディングの主題歌「グラン・トリノ」のあまりに優しい響きに、涙せずにはいられません。 素晴らしい映画です。 [DVD(字幕)] 10点(2010-01-29 12:41:47) |
89. レオン(1994)
あまりに有名な映画で何度もTV放送されているので、今更評価するのも何だが、やはり傑作に間違いないと思う。 脚本自体はとてもストレートでヒネリは特に無いが、俳優陣の好演もあり(とくにゲイリー演じるスタンフィールドは映画史上に残る悪役でしょう)、充分感情移入できた。誰にでもお勧め出来る名作。 [ビデオ(字幕)] 9点(2010-01-25 08:48:15) |
90. BROTHER
加藤雅也、寺島進のギラつきぶりが良かった。 日英米合作ということで当時は期待も大きかっただろうが、内容はただただ単純なドンパチ映画と言った感じ。 展開も読めてしまうベタな作りなので、いくら人が死んでもスリルを感じない。 日本のヤクザ魂を海外に持ち込むというコンセプトだけで、他に何も新しいものを感じない映画だった。 映像、音楽でキタノブルーを演出しようとしても、こんなにあからさまにハリウッドを意識した派手な作りでは、哀愁も何も感じない。 [DVD(邦画)] 3点(2010-01-24 19:53:44) |
91. 父親たちの星条旗
《ネタバレ》 戦争シーンは短くまとめられているが、リアルさが凄く、恐ろしさが伝わってくる。 特に穴ぐらに隠れた日本兵が静かにアメリカ兵を狙っている場面は怖い怖い。 フラッシュバックによる時間の行き来は、下手に取り入れるとただ話が複雑に感じてしまうだけなのだが、イーストウッドの手腕か、この映画ではそれが逆に凄く効果的な見せ方として生かされている。 表向きはヒーローとして、だが結局は政治家達にただのプロパガンダとして扱われる主役たち。 国のために真実を打ち明けられないまま、戦場の実際の悲惨さを知らないアメリカ国民にヒーローとしてもてはやされるほど、戦地に残してきたままの思いが重くのしかかってくる。 戦争が終わり時間が経っても、彼らは戦争という十字架を背負ったまま余生を過ごしていく。 戦時中より戦後を重点的に、そしてアメリカの裏側をきちんと描くことで、 今までの戦争映画とは違う角度から、戦争の悲痛さを伝えることに成功していると思った。 ただ、ドキュメンタリータッチなのでしょうがないのかもしれないが、各登場人物の描写が少し弱い気がする。 アイラ以外にはあまり感情移入出来なかった。感情移入出来ないためか、中盤少し間延びした感があった。 1枚の写真に隠された真実を知り、戦争の恐ろしさを再認識することが出来たという意味では貴重な映画だが、 単純に1本の映画として見応えがあったか、後々まで心に残る作品だったかを考えると、評価が難しい作品。 ただ、この映画を観た後と、観ずに「硫黄島からの手紙」を観るのとでは、「硫黄島~」の見応えが大分変わってくる。クリントの意図通り、2本セットで観るべき映画。 [DVD(字幕)] 6点(2010-01-24 02:54:32) |
92. 硫黄島からの手紙
陳腐な表現になってしまうが、悲しい、悲しい話。 アメリカ人が見る当時のステレオタイプのクレイジーな日本人ではなく、あくまで同じ人間の立場として、悲しみをもって戦争の悲惨さを静かに伝えようとしているイーストウッドの演出にはとても共感出来た。多少中将やバロン西の描写が綺麗すぎる面は少し気になるものの、二宮を始め、キャストの演技はこれ以上ないほど素晴らしかった。 日本では、「父親たちの星条旗」は観ずにこの映画だけを観ている方が多いのは事実だろうが、「父親たち~」、「硫黄島~」の順で(クリントの意図の通り)観ることで、映画の見応えが大きく変わってくる。 是非2本セットで観る映画であると思った。 [DVD(邦画)] 8点(2010-01-24 02:46:49) |
93. アバター(2009)
劇場で、そして絶対3Dで観るべき映画。 これまでも3D映画はいくつかあったが、この作品の映像は今までのものとは全く別次元。 3Dというと飛び出すイメージがどうしても強いが、この映画は奥行きを強く感じさせる映像で、さらに驚かずにはいられないのが、皮膚の質感や水、樹などあらゆるものの徹底したリアルさ。 画面の隅々のディテールまで凝りに凝った、とにかく言葉で表現出来ないほど怖ろしいまでの映像美は、まさしく「体感する」映画だった。上映中何回「おおっ!」と声を上げそうになったことか。 しかしストーリーに関しては突っ込みどころ満載、感情移入を妨げるぐらい荒い出来だったのでこの点数で留めて置きます。 ストーリーはともかく、この映像美は体験しておかないと損、そのぐらい凄まじい映像作品でした。 [映画館(吹替)] 6点(2010-01-23 04:42:08) |
94. ダーティハリー5
《ネタバレ》 前2作(3,4)よりはストーリーに工夫が凝らされておりずっと楽しめた。 さすがにハリーの老いは否めないが・・。 犯人に全く悪役としての華が無いところが、3以降このシリーズの残念なところ。 1,2があれだけ強力な悪役がいたからこそ、ハリーの強さも際立っていたと思う。 やはり一番の見所はラジコンカーチェイスでしょう。あれは非常にユニーク。ラジコンの性能の凄まじさには少し笑ってしまいますが。 スピード感があって良かった。 巨大な銛の銃をぶっ放して、ダーティ・ハリーシリーズは幕を降ろす。 最後はもうとりあえず滅茶苦茶やりたかったんでしょうね(笑) [DVD(字幕)] 6点(2010-01-16 18:56:53) |
95. ダーティハリー4
《ネタバレ》 ラストシーン前までは、前作よりは見れるな と思っていたのが、思わぬラストに閉口。 これではただの公私混同警官である。 どうしようもない上層部の権力や、法の理不尽さと徹底して戦ってきたキャラハンが下した決断は、同情で犯人を見逃すというやり方だった。 いくら同情があっても、彼女は殺人犯に変わりは無い。 ハリーなりの正義を貫いた話のつもりなのだろうが、なんだかとても後味が悪いキレイ事で終わっているような気がしてしまう。 ハリーが西部劇風に登場したり、カッコ良いシーンは3よりはあるだけにこの終わり方はとても残念。 [DVD(字幕)] 3点(2010-01-16 02:29:09)(良:1票) |
96. ダーティハリー2
続編という事であまり期待していなかったのだが、予想以上に面白かった。 法に代わって悪を裁くという点では、犯人グループもキャラハンも同じ。 信念、やり方の違いだけだと思った。 その辺はキャラハン自身も自覚していて、少なからず葛藤があったのではないかなぁと考えさせられた。 ただ、前半のハイジャックシーンを初め、前作より突っ込みどころが目立つ。 こういう映画はいちいち突っ込んじゃダメなんだろうけれど・・。 前半部で一見社会派よりになったかと思いきや、全体を見ると前作よりエンターテイメント性が高い作りになっており、前作を覆っていたアウトローな雰囲気は少し陰を潜めている。その辺で好き嫌いが分かれると思う。 何はともあれイーストウッドは変わらずとにかくカッコイイ。 続編がつまらない作品が多い中、充分見応えある作品に仕上がっていると思う。 それと、オープニングが絶品です。 [DVD(字幕)] 7点(2010-01-16 01:26:49)(良:1票) |
97. ダーティハリー3
《ネタバレ》 前2作と比べると、作品を覆う重いトーンは失われて、あまりダーティさの無い普通の刑事アクションになってしまっている。 女刑事とのやりとりが大きな見所なのだろうが、これに関しても予想を覆すようなストーリー展開は無く、少しガッカリ。 まぁ一番の失敗は、これでもかというくらい薄い犯人像。 ありがちだし、最後は無理矢理アルカトラズに持っていったが、あまりに悪としての華が無すぎて、映画全体の緊張感が削がれてしまっている。 前2作が面白すぎたか。。 [DVD(字幕)] 4点(2010-01-14 19:24:30) |
98. ヒート
アクションシーンの迫力、スピード感は後の「ダークナイト」に強く影響を与えたというだけあり、画面から目が離せないすばらしい出来。 しかし如何せん長い。 主要キャストの家族関係などバックグラウンドを描いて感情移入させていくやり方は良いのだが、必要不可欠でない削れるシーンが多々あったのも事実。 アル・パチーノ、デ・ニーロのファンにとってはたまらないのだろうけど。 もう少し短くコンパクトに仕上げた方が、もっと全体的なスピード感を維持できたのではないかと思う。 あとラストは少しクサすぎるかな・・・ [DVD(字幕)] 6点(2010-01-01 16:27:05)(良:1票) |
99. バッファロー'66
映像、音楽など、雰囲気がとても素敵。センスに溢れています。 ただあまりに雰囲気押しで、テンポは良いのですが物語に感情移入出来ませんでした。 良い具合にロックな雰囲気が散りばめられているので、若い人向けかな・・ [DVD(字幕)] 4点(2009-12-28 00:28:46) |
100. ブレア・ウィッチ・プロジェクト
公開当初はこのフィルムが映画なのかノンフィクションなのかわからせず、webサイトとも連動して、徹底的にリアリティを追求していった手法は見事。当時この映画が社会現象になったのも頷ける。 しかしそれはあくまで、当時、まだネタバレしていない時の話。今となってしまえば、ローコストフィクションホラー映画としての評価しか出来ない。 リアリティを追求した結果派手な演出は無く、無駄な台詞ばかりで、途中からダレてしまう。このプロジェクトのアイディア一発勝負。他は特になにも無い。 [DVD(字幕)] 2点(2009-12-27 05:17:50) |