981. 私がウォシャウスキー
「私は女探偵!ダサい男どもなど蹴散らして、カンと行動力で突き進むのよ!」みたいなところを終始強調する演出と台詞の数々が、何とも痛々しい。 [DVD(字幕)] 3点(2013-03-13 00:29:03) |
982. グレン・ミラー物語
《ネタバレ》 ジャズの名曲の数々と演奏シーンの格好良さでそれなりにまとまってはいるが、それ以外の表現要素は実はそんなにないのではないか。ドラマを感じるのは、奥様がへそくりを拠出するところと、「ムーンライト・セレナーデ」ができるところくらいで、それもえらくあっさりと済まされてしまっている。つまり、制作側としては、主人公の軌跡をたどっていくだけで精一杯だった、ということ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-03-12 02:59:05) |
983. 未知への飛行
《ネタバレ》 あえて限られた密室内で世界規模の危機を描くという手法に挑み、それを貫き通した心意気は称賛されるべきだが、やっぱり、導入部の単調感が何となく後まで引きずって、描写対象の重大さの割に、手法が説明的になってしまってるんだよね。終盤の反則的なほどのインパクトでかなり回復しているとは思いますけど。 [DVD(字幕)] 4点(2013-03-07 00:57:28) |
984. ビッグ・ビジネス
《ネタバレ》 この設定でこのキャストだったら、もっと笑えるかと思っていたんですが・・・前置きのところが長い上に、双子同士が「ただのコピー」っぽくて、遺伝子は共通なんだけど生育の違いが及ぼしている影響みたいな微妙な違いがあまり表現されていない。したがって、展開に深みがないのです。最後に4人がフレームインする部分のインパクトは、さすがですけど。 [DVD(字幕)] 4点(2013-03-05 02:26:02) |
985. 世界にひとつのプレイブック
《ネタバレ》 端から見たら違和感があってずれているんだけど、本人の中では、きちんと根拠があって首尾一貫している。そのような難易度の高い人格造型を、主演の二人は見事にクリアしている。また、その芝居を的確に受けきって、場面の緊張感をキープした助演の皆様の技量(とりわけ、自分がいないところでもその影を感じさせるジュリア・スタイルズに注目したい)、そしてそれらを拡散させることなくバランスをもって1つの筋にまとめあげた演出の腕も強力。その世界に浸っているだけで2時間を十分に満喫できるのですが、アップばかり多用しているカメラは、工夫がなかったですね。それと、ダンスを決めてめでたしってのも、これだけの重い世界の解決の手法としては、やや安直な気が・・・。 [映画館(字幕)] 7点(2013-03-03 19:59:47) |
986. ファントム・オブ・パラダイス
《ネタバレ》 前後の整合性もバランスも考えていない、デ・パルマの「とにかくこれがやりたいんだああああっ!」が瞬発最大風速的に駆け抜ける90分間。仮面を着けた主人公が神出鬼没の大活躍かと思いきや、いともあっさり正体が(敵役に)バレたり、そこからさらに利用されたりと、じめじめパワー増幅の屈折っぷりがこの人らしい。あと、最後の方の白塗り3人組のオカルトステージ、ウィンスローはお気に召さなかったようですが、私はかなり格好良いのではないかと思っていたのですが・・・(楽曲も含めて)。 [DVD(字幕)] 7点(2013-02-27 01:32:26) |
987. カレンダー・ガールズ
全体としては無難に無難にまとめてしまっていて、せっかくの設定にもかかわらず衝突や逸脱のドラマが感じられなかった。中心の2人はともかく、それ以外の人たちにもう少し存在感のある描写がほしかったところ。ただし、肝心のヌード写真をきちんと美しく撮っている点だけは評価したい。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-02-22 22:34:38) |
988. 扉をたたく人
《ネタバレ》 ありがちな音楽交流ものかと思って最初はあまり期待していなかったのですが、何気ない地下鉄の1シーンからのドラマの動き方が凄い。前半にその辺の危機的なものを露骨に描いていないからこそ、中盤からの容赦なさが引き立っている。その中で、タレクを着々と画面から消していく手際(そして、ある一点以降はまったく出てこない)、モーナの行く末とそれに対する彼女の決断を「君は再入国できない」の一言で全部表してしまう表現力など、着実なステップを経ながら、秀逸なラストシーンへと至るのである(アップにしないのがいい)。リチャード・ジェンキンスの演技はもちろんだが、作中の人物同様、ヒアム・アッバスの的確なサポート力が、作品の感銘力を強く高めている。 [DVD(字幕)] 8点(2013-02-16 02:45:54)(良:1票) |
989. ハーヴェイ・ミルク
《ネタバレ》 開始後10分で早くも執行委員当選のところまで行ったときは「あれれ?」と思ったし(そもそも、なぜ彼がその立場を目指したのかということについては、あまり説明されていない)、死亡後の出来事(裁判など)に3分の1近くの時間を使っているのも、バランスが悪いのではないかという気はした。しかし、実際の記録映像を駆使して、実在の人物が現実に行った発言や行動を積み重ねるというのは、今に生きる我々にも、当時起こったことの重要性を生々しく伝えてくれる。記録映像とインタビューとナレーションの配分も、流れを壊さないように繊細に配慮されていると思う。 [DVD(字幕)] 6点(2013-02-11 02:05:09) |
990. カリフォルニア・ドールス
《ネタバレ》 ドールズの2人が、美人過ぎでもなければ不細工でもなく、スリムでもなければデブでもなく、いかにも実際にいそうな頑張るお姉さんっぽいところが良い。だから、見ている間に彼女たちの一直線なひたむきさが際立ってきて、一緒に泣いたり笑ったりできるという仕組みです。ピーター・フォークも、熱心なのか気まぐれなだけなのかよく分からないマネージャー役を好演しています。ただし、肝心のプロレスの試合自体は、昔からハイレベルな日本の女子プロを知っている目から見ると、「え?それだけ?」という感じではありましたが。 [映画館(字幕)] 7点(2013-02-11 01:52:51) |
991. RENT/レント
各楽曲はどれもそこそこ格好良いのに、何で面白くないんだろうと思いながら見ていたのですが、まず第1に、振付とか、歌いながらの芝居や表現とかが全然できていない。つまり、「ただそれっぽく歌っているだけ」なのです。第2に、歌唱力が大したことない。というより、歌いながら次の芝居の段取りを考えているような感じで、魂が入っていない。それが気になりだしてからは、そればかり気になってしまいました。サントラで音だけを聴いていたら、もっと評価は上がるかもしれません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-02-07 01:18:15) |
992. パッセンジャーズ
《ネタバレ》 オチ一発の作品と言えば言えるし、そのオチも先行作品の模倣と言えば言えるのだが、作品全体に漂う静謐感とか、つじつまが合うように頑張って持っていっている脚本とか、誰かが向こうにふっと登場するときの一瞬の映像の強力感とか、いろいろと努力と苦心の形跡があるので、一概に切り捨てられないのです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-01-31 02:21:23) |
993. タバコ・ロード
みんながそれぞれ好き勝手に騒いでいるようにしか見えませんでした。貧困の描写という点でいったら、後続の各作品に大きく抜き去られていますね。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2013-01-27 01:52:20) |
994. 眠れぬ夜のために
《ネタバレ》 こんなしょうもない謎のB級作品にミシェル・ファイファーが出ていたとは・・・。当時はまだまだ演技も硬いですね(というか、演技を要求されるほどの内容でもないが)。一瞬の間に爆睡して何時間も(1日以上?)経っているという間の抜けた(文字通りだ)展開が面白かったので+1点。あそこでミシェルが消えていたらもっとよかったのに。 [DVD(字幕)] 4点(2013-01-17 00:48:00) |
995. コレラの時代の愛
いくら、50年がどうのこうのと口で言われても、時の経過やそれに伴う変化の描写に裏打ちされていない以上、意味がないのです。単にダラダラ過ぎているようにしかみえませんでした。ハビエル・バルデムの投入がもったいない。 [DVD(字幕)] 3点(2013-01-11 04:05:57) |
996. ボーン・アルティメイタム
結局、前2つと同じようなことを繰り返しているとしか思えなかったのですが。何でわざわざ1作で済む中身を水増しして3連作にしたんだろう、という程度にしか感じませんでした。 [DVD(字幕)] 4点(2013-01-10 03:14:28) |
997. チャップリンの黄金狂時代
シークエンスごとに、やっていることがバラバラになっている気が・・・。ナレーションも邪魔で、鑑賞の余韻を削いでいますね。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2013-01-07 04:02:02) |
998. チャップリンの独裁者
メッセージは、突き詰めるほど、また純度が高まるほどに、言葉は単純化されて明確になり、かつ力強くなる。当たり前のことを当たり前に言うことこそが、最も難しく、かつ最も輝かしい。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-01-05 03:15:12) |
999. 街の灯(1931)
《ネタバレ》 ラストシーンは、再会して相手の正体を知るというためであれば、一輪の花を渡すだけでも場面の目的は達成できたはずだ。そこに、娘が浮浪者を見下していると取られるリスクを踏んでも、あえて金銭的施しを与えるというアクションを付け加えたのはなぜだろうか。私はそれは、たった1枚のコインのありがたさや重要性を、娘はまだ覚えていたからだと思いたい(そしてそれは、元をたどれば、浮浪者の行為によって体感したものである)。しかし娘は、表向きは社会一般的な意味での人格は確立されていても、真に人を見る目までは取得していなかった(浮浪者を一目見ても、その正体が分からなかった)。身体的接触によって相手の正体を知った娘は、同時に、己の未成熟さをも一瞬で悟ることになり、最後の一言につながる。したがって、このラストは、私にとっては、この上ないハッピーエンド。 [映画館(字幕)] 7点(2013-01-04 01:59:10)(良:1票) |
1000. モダン・タイムス
《ネタバレ》 工場で工員と経営者がいろいろやる話かと思っていたら、実はそれは導入部だけだったんですね。工場のパートは話の枠組と構造が単純で今ひとつなのですが、娘と出会って物語が動き出してからの方が断然面白いです。それと、台詞(この場合は字幕ですが)とシーンを必要最小限にすれば、90分足らずでこれだけの展開を盛り込めるわけで、その表現の力とでもいうべきものについては、今日でも参考になります。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-01-02 03:04:12) |